2023/12/23

🟧介護施設職員などの高齢者虐待が過去最多更新 2022年度856件、厚労省調査

 高齢者が介護施設の職員などから受けた虐待の件数は、昨年度850件余りと過去最多を更新したことが、厚生労働省のまとめで明らかになりました。

 厚労省が全国の自治体を通じて、高齢者が介護施設の職員などから受けた虐待について調べたところ、2022年度は856件で、前の年度から15・8%増の117件でした。また、市町村への相談・通報件数は16・9%増の2795件で、いずれも2年連続で増加し過去最多となりました。介護現場は深刻な人手不足に陥っており、過度な業務負担によるストレスや疲労などが影響している可能性がある。

 1件の虐待で被害者が複数いるケースもあり、被害者数では1406人。複数回答で、暴力や拘束といった身体的虐待が57・6%で最も多く、暴言などの心理的虐待が33・0%、長時間放置などの介護放棄が23・2%でした。死亡したケースも8件(8人)ありました。

 虐待が起きた要因は、「教育・知識・介護技術などに関する問題」が56・1%と最も多く、次いで「職員のストレスや感情コントロールの問題」が23%でした。

 一方で、家庭内での家族や親族などによる虐待は前の年より243件増えて、1万6669件でした。

 虐待が起きた要因を調べると、複数回答で、虐待を受けた高齢者に認知症の症状があったケースが56・6%。虐待をした家族側の要因では、介護疲れ・介護ストレスが54・2%、理解力の不足や低下が47・9%でした。

 また、介護者がネグレクトをしたり、介護疲れなどから家族を殺害するいわゆる「介護殺人」をしたりしたことなどから死亡したと判断した高齢者は、32人となりました。

 厚労省は、「件数が高止まりしているが虐待への意識が高まり、顕在化したことも要因の1つと考える。自治体と引き続き連携して対策を強化したい」としており、虐待の発生を防止するため来年度から義務付けている施設での職員研修の実施などの措置が行われていない場合には、施設に支払う介護報酬を減らすことを決めています。

 2023年12月23日(土)

🟧インフルエンザ患者0・89倍 前週比減も23道県で警報レベル

 厚生労働省は22日、全国約5000の定点医療機関が11~17日に報告した季節性インフルエンザ患者数は14万7858人で、1医療機関当たり29・94人だったと発表しました。前週(33・72人)比0・89倍と減少しましたが、23道県で警報レベルとされる「30人」を超え、例年の同時期と比べて患者数が多い状況が続いています。

 国立感染症研究所によると、全国の推計患者数は約101万9000人でした。直近5週間

で検出されたウイルスはA香港型と呼ばれるH3型が58%、2009年に新型として流行したH1型が38%で、2つのタイプのA型が同時に流行しています。

 都道府県別で1医療機関当たりの患者数が最も多かったのは大分県55・17人、最も少なかったのは沖縄県9・61人。休校や学年・学級閉鎖は全国で計6334校で、前週の6382校から48校減りました。

 多くの人は軽症ですむものの、子供が感染するとインフルエンザ脳症を発症する場合があ

ります。沖縄県は20日、10月から11月にかけて県内に住む16歳未満の子供がインフルエンザA型に感染し、インフルエンザ脳症で死亡した事例が2例あったと発表しました。

 2023年12月23日(土)

🟧新型コロナワクチン定期接種の自己負担額、最大7000円程度 来年度、高齢者ら対象

 来年度から一部自己負担が求められる新型コロナウイルスワクチンの接種について、厚生労働省は、接種費用の自己負担額を最大で7000円程度にする方針を決めました。

 新型コロナワクチンの接種は、現在は費用が全額公費負担で、無料で受けることができますが、来年度以降は季節性インフルエンザなどと同様に、原則費用の一部自己負担を求める「定期接種」で行われます。

 定期接種の場合、国の交付税で、接種費用の3割程度を補助した上で接種が行われますが、新型コロナワクチンはインフルエンザワクチンと比べると高額で、厚労省の専門家会議では委員から「自己負担が高額になることへの対策を考えてほしい」と意見が上がっていました。

 こうした中、厚労省は、インフルエンザワクチン定期接種の費用が約5000円となっていることを参考に、接種費用の自己負担額を最大で7000円程度にする方針を決めました。

 ただ、ワクチンの価格が高い場合に、差額を国が補助するかどうかなど、自己負担額を7000円に収めるための方法については、今後検討するということです。

 このほかに、自治体独自の補助が行われた場合は、さらに負担額が少なくなることも考えられるとしています。

 一方、定期接種の対象者は65歳以上の高齢者と、60歳から64歳で基礎疾患がある重症化リスクの高い人で、これ以外の人は「任意接種」となるため、自己負担額は7000円を超える見通しだということです。

 国内の新型コロナワクチンの価格は明らかになっていないものの、アメリカではワクチンの価格と手技料を合わせて2万円前後だといいます。

 2023年12月23日(土)

2023/12/22

🟧新型コロナウイルス患者、4週連続で増加 前週比1・18倍

 厚労省によりますと、11日から17日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から3132人増えて2万511人となりました。

 また、1つの定点医療機関当たりの平均の患者数は4・15人で、前の週の1・18倍となりました。前の週から増加が続くのは、4週連続となります。

 都道府県別では多い順に、山梨県が9・63人、北海道が9・31人、長野県が8・49人、愛知県が6・09人、岐阜県が5・97人などとなっていて、40の都道府県で前の週より増加しています。少なかったのは沖縄県2・07人、大阪府2・49人、神奈川県2・50人など。

 17日までの1週間に、全国約500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1320人で、前の週と比べて176人減りました。

 2023年12月22日(金)

🟧後発医薬品の沢井製薬に行政処分 不正試験で大阪府、福岡県、厚労省

 後発医薬品(ジェネリック医薬品)最大手の「沢井製薬」が国の承認を得ていない不正な方法で試験を実施していた問題で、本社がある大阪府と工場がある福岡県は22日、それぞれ法律に基づく業務改善命令の行政処分を出しました。また、厚生労働省も総括製造販売責任者の変更命令を出しました。

 沢井製薬は今年10月、福岡県飯塚市にある九州工場で製造した胃薬「テプレノンカプセル50ミリグラム『サワイ』」について、品質を確認する試験を国の承認を得ていない不正な方法で実施していたと発表しました。

 この問題について、本社がある大阪府と工場がある福岡県は、2015年からおよそ8年間にわたって、薬の溶け具合を調べる際に別のカプセルに詰め替える不正な方法で試験が行わていたことを、製造販売業者として認識できず、適正な製造管理ができていなかったなどとして、それぞれ沢井製薬に対し、医薬品医療機器法に基づく業務改善命令を出しました。大阪府は製造販売業、福岡県は九州工場に製造業の許可を与えています。

 また、厚労省も、総括製造販売責任者を務める取締役が原因究明を指示しなかったほか、不正について大阪府や厚労省に報告しなかったなどとして、総括製造販売責任者の変更命令を出しました。

 薬は自主回収が進められていて、厚労省によりますと、健康被害などは確認されていないということです。

 沢井製薬の九州工場は今後1カ月以内に業務改善計画を提出することになっており、大阪府や福岡県は改善状況を確認することにしています。

 厚労省や大阪府などからの処分を踏まえ、沢井製薬は、澤井光郎会長が月額報酬の50%を、木村元彦社長が月額報酬の25%を、それぞれ半年間、減額することを明らかにしました。

 その上で会社は、今年10月にまとめた、すべての従業員へのコンプライアンス教育の実施や、生産時の作業手順の検証などを柱とした、再発防止策を進めているとしています。

 沢井製薬は、「患者様や医療従事者を始めとする関係者の皆様に大変なご迷惑、ご心配をおかけしていること、深くお詫び申し上げます。行政処分を厳粛に受け止め、役員や従業員が一丸となって再発防止に向けた取り組みを徹底的に行い、信頼を回復できるように努めてまいります」とコメントしています。

 2023年12月22日(金)

2023/12/21

🟧A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、東京都で初の警報発表 患者の9割超が15歳未満

 東京都は、主に子供が感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の患者数が初めて警報基準を上回ったとして、21

午後に発表し、こまめな手洗いや、せきやくしゃみが出る場合はマスクをするなどの感染対策を呼び掛けています。

 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は数日の潜伏期間の後、突然の発熱やのどの痛みなどの症状が出る子供がかかりやすい感染症です。

 関係者によりますと、12月17日までの1週間の患者数で、1医療機関当たりで一定数を上回った保健所管内の人口の合計の割合が都内全体の30%余りとなり、警報基準の30%を上回ったということです。都によると、今年に入って報告された患者の9割超が15歳未満でした。

 関東では、20日、埼玉県と千葉県でも警報基準を上回ったことが公表されました。

 溶連菌にはさまざまな種類がありますが、発熱やのどの痛みなどの症状が出る溶連菌感染症のほとんどがA群溶血性レンサ球菌という細菌が原因です。

 主に幼児や小学生などの子供がかかり、数日の潜伏期間の後、突然の38度以上の発熱やのどの痛みなどの症状のほか、首や胸などに赤い発疹が出たり、舌に小さな赤い出来物が出たりすることがあります。

 東京都で同じく警報が発令されている咽頭結膜熱(プール熱)は、12月17日までの1週間の定点医療機関当たりの患者報告数が3・36人(前週3・23人)で、引き続き警報レベル。

 注意報が発令されているインフルエンザは、同期間の患者報告数が20・48人(前週20・30人)。新型コロナウイルスは、2・58人(前週2・31人)でした。

 2023年12月21日(木)

🟧新型コロナワクチンの公平分配目指す国際枠組み、年末に終了へ WHO発表

 世界保健機関(WHO)は20日までに、新型コロナウイルスワクチンの国際的な共同購入・分配の枠組みである「COVAX(コバックス)ファシリティ」を2023年末に終了すると発表しました。これまで世界の146カ国でおよそ20億回分のワクチンを供給し、低所得国における接種率の向上に貢献しました。

 COVAXファシリティは日本など195の国・地域が参加し、低所得国を含めたワクチンの公平な分配を目指し、新型コロナが世界的に感染拡大した2020年に発足しました。

 WHOによると、COVAXファシリティの取り組みにより、低所得国のコロナワクチンの2回目接種率は57%に達しました。世界平均の67%にはまだ隔たりがあるものの、「少なくとも270万人の死亡を防いだ」といいます。

 低所得国は今後2年間、ワクチン普及を進める国際組織「Gaviワクチンアライアンス」を通じて、コロナワクチンを調達できます。すでに58カ国が2024年用に8300万回分のワクチンを希望しているといいます。

 COVAXファシリテについて、WHOは、グローバル・サウスと呼ばれる途上国や新興国で「新型コロナの苦しみを緩和するのに大きく貢献した」と評価する一方、設立当初、資金不足やワクチンの輸出制限で供給が計画通りに進まなかったことを踏まえ「ワクチンの不公平さを完全に克服することはできなかった」と指摘しています。

 2023年12月21日(木)

🟥スマホ等の使用、仕事・勉強・家事以外は1日2時間まで 愛知県豊明市の条例案可決

 仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にするよう促す条例案が、22日、愛知県豊明市の市議会で採決され、賛成多数で可決・成立した。市によると、すべての市民を対象にスマートフォンなどの使用時間の目安を示した条例は全国で初めてで、10月1日に施行され...