2024/03/12

🟧はしか、国内でも流行拡大の懸念 東京都内でも20歳代女性の感染確認

 世界的に流行している、はしか(麻疹)について、国内でも感染が広がる懸念が強まってきました。11日には東京都内で20歳代女性の感染が確認され、東京都や厚生労働省はワクチン接種による予防を呼び掛けています。

 世界保健機関(WHO)は2月20日、世界の半数以上の国々が今年の流行リスクに直面しており、緊急に予防対策を講じるよう警告していました。

 東京都保健医療局によると、この女性は、すでに8人の感染が確認されている、2月24日にアラブ首長国連邦(UAE)から関西空港に到着した航空機に搭乗していました。

 女性は大阪市在住で、3月7日、新大阪駅を午後1時45分に出発した東海道新幹線「のぞみ」24号の6号車に乗って品川駅に到着。その後、午後9時から東京・銀座の飲食店で約2時間過ごし、ホテルに宿泊。翌日に発疹と38度の発熱があり、都内の医療機関を受診したところ、陽性が確認されたといいます。現在は入院していますが、回復に向かっているということです。

 はしかは空気感染で広がり、感染力が極めて強いため、都は、女性が利用した新幹線や飲食店の具体的な情報をホームページで公開しています。

 また、症状が疑われる場合は事前に医療機関に連絡した上で受診し、移動の際は、公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けています。

 武見敬三厚労相は8日の記者会見で、国内でのはしかの感染が確認されたことを受け、「はしかは感染力が非常に強く、先進国でも1000人に1人は死亡するといわれ、注意が必

要だ」と強調。「今後さらに感染が広がる可能性がある」と懸念を示しました。

 WHOによると、ロシアや中央アジアを含むヨーロッパ地域での感染報告数は2022年の937人に対し、2023年は5万8000人を超えました。感染者急増の理由について、新型コロナウイルス流行時に、はしかのワクチン接種率が下がったことが原因と分析しています。

 厚労省などによると、はしかは麻疹ウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、空気や飛沫、接触により感染。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続するといわれています。感染すると、約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が現れます。感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされて重症化し、死亡するケースもあります。

 2024年3月12日(火)

2024/03/11

🟧食中毒発生1021件で2年連続増 2023年、コロナ禍前の水準に

 2023年の食中毒発生件数は前年比59件増の1021件となり、2年連続で増えたことがわかりました。厚生労働省が11日までに明らかにしました。飲食店での増加が目立ち、新型コロナウイルス感染対策が緩和されたことなどが要因と見なされます。患者数は4947人増の1万1803人で、死者は4人でした。

 厚労省担当者は、「コロナ禍前の水準に戻りつつある。小まめな手洗いなどを徹底してほしい」と呼び掛けています。

 原因食品は、魚介類・加工品が320件で最多。野菜類・加工品が44件、肉類・加工品が34件、コロッケやギョーザなど複数原料で作った複合調理食品が27件と続きました。

 原因物質では、寄生虫のアニサキスが約4割の432件。春と秋には山菜やキノコなどによる植物性自然毒が増加し、高齢者の患者が多くなりました。

 厚労省は、食用と判断できない植物は口にせず、安全なキノコに似た毒キノコには気を付けるよう求めています。

 2024年3月11日(月)

2024/03/10

🟧心疾患で世界初の手術成功、別の難病も同時改善 島根大病院

 島根大病院は7日、心臓の血管に障害が生じる重い先天性疾患の30歳代女性に対して手術を実施し、成功したと明らかにしました。心疾患に加え別の血管に関する心臓の難病も発症した非常に珍しい例で、手術でいずれの症状も改善するのは世界で初めてとしています。女性はすでに退院したといいます。

 女性は島根県出雲市に在住。階段の上り下りで息が切れるなどしたため2022年に同病院を受診し、「右肺動脈大動脈起始症」と診断されました。心臓から血液を肺に届けるはずの肺動脈が、全身に血を送る大動脈と誤ってつながってしまった疾患で、心不全の原因となります。

 さらに肺動脈と肺静脈がつながり、血液が正常に循環せずに呼吸困難に陥る「肺動静脈瘻」の発症も判明しました。

 治療は小児循環器科などの医師が加わり検討。肺への血液量を減らす低リスクの手術も考えたものの完治とはならないため、大動脈とつながっている肺動脈を人工の血管で正常な形に再建する高リスクの手術に決めました。

 手術は昨年7月に約10時間にわたって実施。治療によって心臓の血の巡りが正常化しました。

 2024年3月10日(日)

2024/03/09

🟧KMバイオロジクスが5種混合ワクチンの出荷を始める 4月から定期接種の乳幼児向け

 熊本市の製薬会社KMバイオロジクスは5日、4月から定期接種となる乳幼児向け「5種混合ワクチン」の出荷を始めました。百日ぜき、ジフテリア、破傷風、ポリオ予防の従来の4種混合ワクチンに、インフルエンザ菌b型(ヒブ)のワクチンを加えたもの。昨年9月に厚生労働省から製造販売の承認を得ていました。

 接種対象年齢は、生後2カ月~7歳半。これまで4種混合とヒブのワクチンは別々に打っており、子供1人に計8回の接種が必要でした。4種混合になると計4回ですみ、負担を軽減できます。

 5日、大津町のKMバイオロジクス配送センターで、約14万本のワクチン(1人ぶん0・5ミリリットル)が入った段ボールを担当者が保管場所から次々に運び出しました。運送会社のトラックが関東、関西方面に向けて出発しました。

 5種混合ワクチンはKMバイオロジクスのほか、田辺三菱製薬(大阪市)と阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)が共同開発しました。2020年度の4種混合ワクチンの国内接種対象人数は約338万人。KMバイオロジクスは出荷予定量を明らかにしていません。

 2024年3月9日(土)

2024/03/08

🟧全国の新型コロナ患者数4週連続減少 インフルエンザ患者数も3週連続減少

 厚生労働省によりますと、2月26日から3月3日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は前の週から4636人減って、3万4488人になりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6・99人で、前の週の0・88倍になりました。前の週から減少が続くのは、4週連続となります。

 都道府県別では多い順に、宮城県が13・16人、新潟県が12・93人、山形県が12・33人、岩手県が11・07人、石川県が10・31人などとなっています。東京都は4・66人、愛知県は8・71人、大阪府は4・79人、福岡県は5・27人でした。42の都道府県で前の週より減少しています。

 3月3日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2390人で、前の週と比べて410人の減少でした。集中治療室(ICU)に入院している患者数は119人で、前の週と比べて24人の減少でした。

 厚労省は全国の流行状況について、「全国的に減少傾向が続き、冬の感染のピークはすぎたと考えられる。ただし、感染の拡大は繰り返すので、引き続き感染対策を行ってほしい」としています。

 また、国立感染症研究所などによりますと、2月26日から3月3日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告された季節性インフルエンザの患者数は、前の週より1万3858人少ない6万8883人だったということです。

 1医療機関当たりでは全国で13・96人と前の週よりも2・8人減り、3週連続の減少となりました。

 都道府県ごとでみてみますと、1医療機関当たりの患者数は、北海道が27・35人、石川県が24・85人、山形県が20・49人、長崎県が18・83人、新潟県が18・27人などとなっています。

 こうしたデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は約42万1000人で、昨年9月4日以降の累積の患者数は約1589万6000人と推計されています。

 また、直近5週間に検出されたウイルスを分析すると「B型」のインフルエンザが63%で、最も多くなっているということです。

 休校や学年・学級閉鎖は全国で計2141校で、前週の3297校から1156校減りました。

 日本感染症学会のインフルエンザ委員会で委員長を務める倉敷中央病院の石田直副院長は、「インフルエンザは減少が続いているが、新型コロナの流行以前と比べるととても緩やかな減り方だ。これまでであれば3月から4月にかけて急速に減ってゼロに近付くイメージだったが、いまだに『注意報レベル』に相当する定点当たり『10』を超える水準で、まだ流行状態にあるといえる。一度、感染した人も含めて感染対策には十分に注意してほしい」と話していました。

 2024年3月8日(金)

2024/03/07

🟧昨年から続くエルニーニョ現象、観測史上5位以内の強さ 世界気象機関が発表

 世界気象機関(WMO)は5日、昨年12月にピークを迎えたエルニーニョ現象は、観測史上5位に入る強さだったとし、5月までの気温は平年を上回る可能性が高いとの見通しを発表しました。

 現在のエルニーニョ現象は昨年6月に発生し、その影響は11月から今年1月にかけて最大となり、東部・中部太平洋熱帯域の平均海面水温は1991〜2020年の平均値を最高で約2度上回りました。

 WMOによると、エルニーニョ現象は徐々に弱まりつつありますが、温室効果ガスによって大気中に熱がこもり、影響は今後数カ月間続くとみられています。

 WMOは、「3〜5月の平均気温は、ほぼすべての陸地で平年値を上回る」と予測しています。さらに、3〜5月にかけてエルニーニョ現象が続く可能性は約60%、4〜6月にかけて平常となる可能性は80%としました。

 一方、今年後半にはラニーニャ現象が発生する可能性もあるものの、現時点ではその確率は不明だといいます。

 2024年3月7日(木)

2024/03/06

🟧ヨーロッパ各国で「オウム病」急増 5人死亡、多数が入院

 ヨーロッパ各国で細菌感染症の「オウム病」の症例が、昨年から今年にかけて急増しています。世界保健機関(WHO)は5日、これまでに5人が死亡したと発表しました。

 オウム病は、野鳥やペットの鳥に感染する細菌のオウム病クラミジアを原因とする疾患。感染した鳥に症状がなくても、呼吸や糞(ふん)を通じて人に感染することがあります。

 アメリカ疾病対策センターによると、人には鳥の分泌物が混じった埃(ほこり)を吸い込んだり、鳥にかまれたり、くちばしと口で接触するなどして感染します。人から人に感染する可能性はあるものの、極めてまれだといいます。

 感染すると、5~14日で頭痛、筋肉痛、せき、発熱、悪寒などの症状が現れます。抗生剤で治療でき、人が死に至ることは極めてまれ。

 WHOによれば、今回はペットの鳥や野鳥を通じて感染した症例が大多数を占めています。

 オーストリアでは2023年に14例が確認され、今年は3月4日までにさらに4例が確認されました。人から人への感染は確認されていません。いずれも海外への渡航歴はなく、野鳥とも接触していませんでした。

 デンマークでは2月27日までに23例が確認されました。実際の数はもっと多いと保健当局はみています。感染者のうち17人は入院して15人が肺炎になり、4人が死亡しました。

 ドイツでは2023年に14例、今年に入って5例を確認。ほぼ全員が肺炎を発症し、16人が入院しました。

 スウェーデンでは11月~12月にかけて症例が急増して26例になり、今年に入って13例を確認しました。

 オランダは昨年12月下旬から今年2月29日にかけて確認された症例が21例に上り、前年に比べて倍増。全員が入院し、1人が死亡しました。

 関係国は発生源を特定する調査などを実施。WHOは現時点で深刻なリスクとして評価していないものの、状況監視を続けるとしています。

 2024年3月6日(水)

🟥医療機関の受診、原則マイナ保険証の利用に 従来の保険証も3月までOK

 12月2日から、会社員やその家族が加入する健康保険組合の健康保険証に代わって、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用が原則となった。1日までですべての健康保険証の有効期限が切れたため。厚生労働省は患者が期限切れの保険証を提示しても、来年3月末まで...