2024/03/20

🟧マダニ媒介のウイルス感染症、国内初の人から人への感染確認 患者を処置した医師に症状

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、国立感染症研究所は人から人に感染したケースを国内で初めて確認したと発表しました。感染したのはSFTSの患者を担当した医師で、すでに症状は軽快しているということです。

 国立感染症研究所によりますと、2023年4月、SFTSに感染した90歳代の男性患者を診察した20歳代の男性医師が、最初の接触から11日後に発熱し、その後、SFTSと診断されたということで、ウイルスの遺伝子検査で90歳代の患者と同じウイルスと考えられることなどから、人から人への感染と診断したということです。

 SFTSの人から人への感染は中国や韓国では報告されていますが、国内で確認されたのは、初めてだということです。

 国立感染症研究所によりますと、90歳代の男性患者が入院中は、医療従事者は感染対策をとっていましたが、医師は診断される前の診察で手袋をしておらず、また、その後、患者が死亡し、点滴を外す処置などをした際もマスクや手袋などはしていたもののゴーグルを着けていなかったということです。

 SFTSは、主にマダニに刺されることで感染するウイルス感染症で、発熱や腹痛などの症状を引き起こし、重症化すると死に至ることもあります。

 国立感染症研究所は、感染した患者の診療の際には、医療従事者は感染予防対策を徹底するよう注意を呼び掛けています。

 厚生労働省は、「SFTSはマダニからの感染が基本で、人から人への感染は簡単には起きない。ただ、患者の血液や体液に触れる可能性がある医療従事者は感染対策を徹底する必要がある」としています。

 2024年3月20日(水)

🟧2023年は観測史上最も暑い年、南極海氷も最小に WMO発表

 スイスのジュネーブに本部を置く世界気象機関(WMO)は19日、2023年が観測史上最も暑い年になったのを確認したとする報告書を発表しました。南極の海氷消失や海が蓄えた熱量、海面上昇、氷河の融解でも、それぞれ過去最高の記録を更新しました。

 WMOがまとめた報告書は、2023年が観測史上最も暑い年になったとの暫定データを確認すると同時に、直近10年間も観測史上最も暑い10年間だったと指摘しています。

 報告書によると、2023年の世界の平均気温は、産業革命前と同程度とされる1850~1900年の平均より約1・45度高くなりました。今世紀末の気温上昇を1・5度に抑えるとする2015年パリ協定の目標値に迫っています。

 南極の海氷は、1979年以降で最小となる面積を2023年2月に記録。2023年で最大だった9月の約1700万平方キロメートルも、これまでの最小記録より約100万平方キロメートルも小さくなりました。

 WMOの気候監視部門の責任者は会見で、「2024年は昨年の記録を再度更新する可能性が高い」と述べました。

 国連(UN)のアントニオ・グテレス事務総長は同報告書について、「地球は瀬戸際にある」とビデオメッセージで指摘。「地球は救難信号を発している」「化石燃料による汚染で気候変動が加速している」と警告しました。

 2024年3月20日(水)

2024/03/19

🟧東京都で20歳代男性のはしか感染を確認 今年に入って4人目 2月下旬に東南アジアから帰国

 国内で「はしか」(麻疹)の感染報告が相次ぐ中、東京都内に住む20歳代の男性の感染が新たに確認されました。都内では、今年4人目の感染者となります。

 東京都によりますと、「はしか」への感染が確認されたのは都内在住の20歳代の男性です。

 男性は、3月10日に発熱やせき、それに目の充血などの症状が出たことから、医療機関を受診しましたが「はしか」とは診断されず、その後、発疹の症状も出たため、再度、医療機関を受診したところ、18日になって感染が確認されました。現在、男性は自宅で療養中で、快方に向かっているということです。

 感染経路はわかっていませんが、男性は2月下旬に東南アジアから帰国し、3月10日の夜に新宿区内の飲食店を、12日の昼に千代田区内のファストフード店を利用していたということです。

 「はしか」は空気感染で広がり、感染力が極めて強いため、都は男性が利用した飲食店などの情報をホームページで公開しています。

 「はしか」を巡っては3月に入って、都内を訪れていた大阪市在住の20歳代の女性や、都内に住む5歳未満の男の子の感染が確認されていますが、都によりますと、感染経路はそれぞれ異なるとみられています。

 今回の感染で、今年の都内の感染者数は4人となりました。

 都は症状が疑われる場合は事前に医療機関に連絡した上で受診し、移動の際は公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けています。

 2024年3月19日(火)

🟧認知機能低下による死亡リスク、「独居」の高齢者は「同居」の高齢者より低い 7万5000人を調査

 認知機能の低下や認知症は、将来の死亡リスクを高める要因として知られています。この関係に「孤立」がどう作用しているか調べたところ、1人暮らしの場合、同居の人がいるよりも、認知機能低下が死亡につながる関係性は弱かったとの意外な分析結果を、東京都健康長寿医療センター研究所の研究チームがアメリカの医学誌に発表しました。

 研究チームは、2015年に東京都足立区で自宅に居住し、認知症との診断を受けていない65歳以上の約7万5000人に、認知機能や世帯構成、他者との交流頻度などに関するアンケートに答えてもらいました。このデータを、区の協力で得たその後5年間の死亡情報と突き合わせて、認知機能低下と死亡リスク、孤立の状況の関係を分析しました。

 その結果、調査時に認知機能が低下していた人は、していなかった人と比べて、5年後までの死亡リスクが1・37倍高くなりました。特に、他者との交流が少ない人の死亡リスクは1・60倍と高く、交流が多い人は1・24倍と低くなりました。

 誰かと同居している場合、認知機能低下による死亡リスクは1・43倍だったのに対し、独居の人の認知機能低下による死亡リスクは1・13倍と低くなりました。

 調査結果をまとめた社会参加とヘルシーエイジング研究チームの村山洋史研究副部長は、「認知機能が低下すると死亡リスクが高まり、他者との交流が少ないとますますリスクが高まるが、独居は必ずしもそうではない。家事を独りでできるなど、生活力があるから独居できていることもある。孤立の実態を注意深く把握し、支援やケアの在り方に役立てるべきだ」と話しています。

 2024年3月19日(火)

2024/03/18

🟧環境省がPFAS除去の指針を策定へ 各地の健康懸念受け

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を巡り、水道水や生活用水の水源などで高濃度で検出された場合の具体的な除去技術をまとめた指針を環境省が夏ごろ策定することが16日、わかりました。国の暫定目標値を超えるPFASが各地で相次ぎ検出されて、健康への影響が懸念されており、自治体などが取るべき対応を明確にします。

 汚染が確認された岐阜県各務原市や沖縄県宜野湾市では、活性炭などを使った除去の実証を進めており、知見を指針に反映させます。最新の研究事例も盛り込む方針で、環境省の専門家会議で議論します。

 活性炭は低コストで多用途に使える除去技術として、PFAS除去でも利用が拡大。だが岡山県吉備中央町の浄水場汚染は、野ざらしで保管された使用済みの活性炭からPFASが流出したのが原因とみられており、政府関係者は「活性炭使用後の適切な処理の徹底を同時に図る必要がある」と強調しています。

 PFASはフライパンのコーティングや航空機用の泡消火剤など幅広く使われてきました。極めて分解されにくく、環境中に出ると長期間残留して人の体内などに蓄積。発がんリスクやコレステロール値の上昇、免疫機能への悪影響などが懸念されています。

 2024年3月18日(月)

2024/03/17

🟧大阪名物「551の豚まん」19万6600個を自主回収 16日に販売した一部商品に樹脂片が混入

 大阪名物の豚まんなどを製造販売する551蓬莱(大阪市浪速区)は17日、16日に販売した商品の一部に樹脂片が混入していたと発表しました。健康被害を訴える情報はないものの、同社は16日に販売した「豚まん」「チルド豚まん」約19万6600個の自主回収を進めています。

 同社によると、工場の従業員が16日正午ごろ、チルド用の豚まんに使用するあんに樹脂片が入っているのを見付けました。タマネギを洗浄してカットする機械に取り付けている水はね防止カバーの一部が欠けて欠けており、混入したと判断。午後6時には販売を中止したものの、すでに20店舗以上に具が納入されており、9人の客から樹脂片の混入が報告されました。

 同社は「深くおわび申し上げます。今後このような事態が発生することのないよう、一層の管理体制の強化に努め、万全を尽くします」などとコメントしています。

 店舗への持ち込みか郵送で回収し、返金または交換に応じます。問い合わせは551蓬萊品質管理室(電話06・6567・0551)。

 2024年3月17日(日)

2024/03/16

🟧新型コロナ患者数、5週連続減少 インフルエンザ患者数は増加に転じる

 厚生労働省によりますと、3月10日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は、前の週から2252人減って3万2236人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6・53人で、前の週の0・93倍でした。前の週から減少が続くのは5週連続となります。

 都道府県別では、多い順に宮城県が12・1人、新潟県が11・94人、山形県が11・16人、岩手県が10・9人、青森県が10・5人など。少なかったのは東京都4・25人、大阪府4・34人などでした。31都道府県で前の週より減少しています。

 3月10日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新たに入院した患者の数は2290人で、前の週と比べて139人の減少でした。

 厚労省は全国の流行状況について、「全国でみると減少傾向が続いているものの、減少幅は緩やかな傾向にある。引き続き感染対策を行ってほしい」としています。

 国立感染症研究所などによりますと、3月10日までの1週間に全国約5000カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週より1万760人多い7万9643人だったということです。

 1医療機関当たりでは、全国で16・14人と前の週から2・18人増え、4週間ぶりに増加に転じました。

 都道府県ごとの1医療機関当たりの患者数は、石川県が37・10人、北海道が35・01人、新潟県が31・79人、山形県が28・28人、富山県が26・21人などとなっています。

 こうしたデータを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は約47万人で、昨年9月4日以降の累積の患者数は約1636万6000人と推計されています。

 また、直近5週間に検出されたウイルスを分析すると「B型」のインフルエンザが77%で、最も多くなっているということです。

 日本感染症学会のインフルエンザ委員会で委員長を務める倉敷中央病院の石田直副院長は、「気温の低い日が全国的に続き、患者の増加に影響しているとみられる。例年であれば今月から来月にかけて減っていく見込みだが、『B型』に免疫がない人が多く急には減少しないと考えられるので、引き続き感染対策を続けてほしい」と話していました。

 2024年3月16日(土)

🟧神戸徳洲会病院、カテーテル治療後に死亡の10件は「医療事故に該当せず」 患者死亡問題で見解公表

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で入院患者が相次いで死亡した問題で、同病院は15日までに、カテーテル治療後に死亡した事例など10件について、外部の専門家を交えた院内検証の結果、医療事故には該当しなかったとの見解をホームページで公表しました。  同病院では、患者死亡事例など15件...