2024/08/09

🟩美容施術「HIFU」でやけど、20歳代女性がエステサロン経営会社を提訴

 医師免許を持たない人から「HIFU(ハイフ)」と呼ばれる技術を使った美容の施術を受けてやけどを負ったとして、20歳代の女性がエステサロンを経営する会社に賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。「HIFU」でやけどや目の病気になったという相談は近年相次いでおり、国が注意を呼び掛けています。

 8日東京地方裁判所に提出された訴状によりますと、20歳代の女性は3年前、東京都内のエステ店で医師免許を持たない人から「HIFU」の施術を受け、左足にやけどを負ったとして、経営する会社に慰謝料など415万円の賠償を求めています。

 原告の女性は都内で会見を開き、「治療に2年ほどかかり、今もやけどの痕が残っている。友人と温泉などに行った時に聞かれたり、着替えの時に目に入ったりするので、当時のつらい気持ちを思い出します」と話していました。

 消費者庁によりますと、「HIFU」は専用の機械で皮膚に超音波を当てて加熱する技術で、肌のたるみやしわの改善、やせるなどの効果があるなどとされていますが、施術を受けた人からやけどや顔のまひ、急性白内障などになったという相談も相次いでいます。

 こうした事態を受けて厚生労働省は今年6月、施術には医師免許が必要で、違反行為には速やかな指導を行うように促す通知を都道府県に出しました。

 原告側によりますと、医師免許を持たない人による「HIFU」の違法性を問う裁判は初めてだということです。

 エステ店を経営する会社は「訴状が届いていないので、コメントは差し控えさせていただきます」としています。

 消費者庁によりますと、「HIFU」による健康被害の相談は9年前から一昨年までに135件あり、このうち7割に当たる96件がエステサロンでの施術でした。

 相談の内容を見ると、7割が顔の症状についてのもので、「口が動かずろれつが回らない。右側の口がまひ」「唇が痛くなり3年たつが今でもしびれが残っている」、「目にもやがかかったような違和感がある」など、やけどだけでなく神経などにかかわる報告もありました。

 消費者庁は、「HIFU」の性能やリスク、ほかの施術方法などについて十分に理解した上で、受ける必要性について考えてほしいとしています。

 医師で「HIFU」の施術に詳しい東海大学医学部の河野太郎教授は、施術を受ける人は安全性などについて事前に十分に検討してほしいと話しています。

 河野教授は、「『HIFU』はこれまでの治療より安全性が高く、手軽なのは事実だが、合併症の可能性は全く別の問題だ。行う人が顔や体の構造の違いを理解していないと、やけどをさせたり、神経や目の組織を傷付けたりすることもある。知識と技術が非常に重要になる」と指摘しています。

 その上で、「施術を考えている人は、安全性について医師などから説明を受けることがとても重要だ。施術する部位ごとに起こり得る合併症やその対処法について理解し、十分に考える時間をとった上で判断してもらいたい」と話していました。

 2024年8月9日(金)

2024/08/08

🟧小林製薬、紅麹事業からの撤退を決定 健康被害の補償を19日に開始、関連損失79億円に拡大

 小林製薬が製造・販売した「紅麹(べにこうじ)」成分のサプリメントを巡る健康被害問題を受け、同社は8日の取締役会で紅麹事業からの撤退を決定しました。関連製品の製造・販売事業を取りやめます。健康被害の補償を19日から始める方針も明らかにしました。関連損失は79億円となりました。

 紅麹事業からの撤退は8日に開催した取締役会で決議しました。完了日は未定としています。補償は「紅麹コレステヘルプ」を含む3製品の使用者が対象で、医療費や慰謝料、休業などを補償します。

 同日発表した2024年6月中間連結決算では関連製品の回収に伴う特別損失40億円を新たに計上しました。

 同社は2016年にグンゼから事業を引き継ぎ、紅麹原料を製造。協力会社でサプリなどの製品をつくり、「紅麹コレステヘルプ」などを販売していました。2023年12月期決算では、全体で約1730億円の年間売り上げがあり、そのうち紅麹関連事業は約0・44%を占めていました。

 今年1月にサプリとの関連が疑われる腎疾患の症例を同社が把握。その後、健康被害を訴える報告が同社に相次ぎ、厚生労働省によると、死亡と製品の因果関係を調査している事例は8月6日時点で100人を超えています。

 同社は事業撤退について、「重大な健康被害を引き起こし、社会にご迷惑をおかけしていることを踏まえた」としています。

 2024年8月8日(木)

2024/08/07

🟧熱中症搬送1万2000人超、猛暑で2週連続 18県で21人死亡

 総務省消防庁は6日、熱中症で救急搬送された人が7月29日〜8月4日の1週間で1万2272人だったと発表しました。今年4月29日の調査開始以降、搬送者数が最多となった前週(7月22日〜28日)からは394人減ったものの、各地で35度以上の猛暑日が相次ぎ、2週連続で1万2000人を超えました。

 搬送された人のうち、65歳以上の高齢者は7395人で全体の60・3%を占めました。死者は18県で計21人、3週間以上の入院が必要な重症者は386人、短期の入院が必要な中等症は4113人でした。

 熱中症の発生場所は、自宅などの「住居」が5111人と最も多く、「道路」が2287人でこれに次ぎました。 

 今後も厳しい暑さが続く見込みで、消防庁は小まめな水分補給や適切なエアコン使用などの対策を呼び掛けています。

 2024年8月7日(水)

2024/08/06

🟧異物混入の食パン「超熟」、生産再開へ 敷島製パンが再発防止策

 敷島製パン(名古屋市)は6日、パスコ東京多摩工場(東京都昭島市)で生産した食パンにクマネズミの一部が混入した問題について、当該ラインでの生産を10日出荷分から再開すると発表しました。X線検査装置の設置など異物混入の防止策を講じ、約3カ月ぶりに生産を再開します」。

 原因の調査結果によると、混入していたクマネズミは資材搬入用設備の昇降路から工場内に侵入し、生地を成型する工程で混入しました。対策として工場外周の地中・地表に金網などを敷設したほか、異物を検知し排除するX線検査装置を設置しました。

 異物の混入は5月、消費者から指摘があり発覚しました。同社は問題の発覚を受け、パスコ東京多摩工場で生産した食パン「超熟」シリーズの一部商品約10万4000個を自主回収しています。

 2024年8月6日(火)

2024/08/05

🟧7月の東京23区、熱中症疑いで123人死亡 6年ぶりに100人超える

 東京23区で7月、熱中症の疑いで死亡した人は123人に上ったことが、東京都監察医務院のまとめで明らかになりました。都内では救急搬送された人も昨年より500人以上増えていて、東京消防庁は対策の徹底を呼び掛けています。

 東京都監察医務院によりますと、東京23区で7月、熱中症の疑いで死亡したのは、速報値で40歳代から90歳以上の合わせて123人で、7月に100人を超えるのは2018年以来、6年ぶりとなります。

 同医務院によると、死者123人のうち121人(98%)が屋内で亡くなりました。エアコンの使用状況でみると、エアコンはあるが未使用が79人と最多。エアコンなしが28人、エアコンを使用していた人も14人いました。

 死者の年代別では、40歳代が1人、50歳代が4人、60歳代が12人、70歳代が41人、80歳代が44人、90歳代以上が21人。高齢者が多くなりました。

 また、東京消防庁によりますと、7月1日から28日までに、熱中症の疑いで救急搬送された人は速報値で3647人に上り、昨年の同じ時期より573人増えています。このうち、東京都府中市で日中の最高気温が39・2度となった7月8日には、最も多い304人が救急搬送されました。

 7月に救急車が出動した件数は9万1614件で、昨年同期比で2592件増加。月間として過去最多となりました。今年の出動件数は7月末時点で54万2256件で、昨年同期比で2万2796件増加し、過去最多となった昨年を上回るペースで増えています。

 東京消防庁は「救急車の出動が多くなれば現場への到着時間も遅れてしまう。不要不急の通報は控えてほしいが、緊急性がある場合はためらわず救急車を呼んでほしい」とし、のどが渇く前にこまめに水分を補給するほか、屋内で適切に冷房や扇風機を利用するなどして、熱中症予防対策を徹底するよう呼び掛けています。

 2024年8月5日(月)

2024/08/04

🟧摂津市のダイキン工場周辺の地下水からPFAS検出 血液検査でアメリカ指針超の高濃度

 大手空調メーカー「ダイキン工業」の工場がある大阪府摂津市の地下水から有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出され、京都大と市民団体が住民やダイキン工業の元従業員ら1190人の血液検査をしたところ、約3割で健康へのリスク増加が懸念されるアメリカの指針値を上回る濃度を検出したことが3日、明らかになりまし。元従業員で30倍の値だった人もおり、同様の検査としては国内最多人数といいます。

 国は血中濃度と健康影響の関係は明らかでないとし、国内の指針値はありません。だが今回の結果は、国が実施した2020年度の全国調査の値も上回る傾向にあり、団体は早急な基準の策定を求めたいとしています。

 ダイキン工業は過去に摂津市の淀川製作所を含め、PFASの一種であるPFOA(ピーフォア)を取り扱っていました。

 京都大の原田浩二准教授と小泉昭夫名誉教授(いずれも環境衛生学)らが、工場周辺や元従業員の居住地を中心に、大阪府と兵庫県の約30の自治体で調査。暫定集計で値が最も高かったのは兵庫県内の元従業員で1ミリリットル当たり約610ナノグラム(ナノは10億分の1)。学術機関のアメリカアカデミーが検査を推奨するとしている指針値20ナノグラムの約30倍でした。

 2024年8月4日(日)

2024/08/03

🟧126年間で最も暑い7月、全国の平均気温が過去最高に

 7月の平均気温が統計史上最も暑かった昨年を上回り、記録の残る126年間で「最も暑い7月」だったことがわかりました。

 気象庁によりますと、7月の日本の平均気温は平年と比較して2・16度高く、1898年に統計を取り始めてから過去最高を更新しました。これまでで最も高かったのは平年と比較して1・.91度高かった昨年で、2年連続で過去最高を更新するのは初めてです。

 気象庁によりますと、7月は太平洋高気圧の勢力が強まり、上空にも高気圧が張り出したことで、上層から下層まで暖かい空気に覆われ、危険な暑さが相次ぎました。

 地域別では、沖縄・奄美と東日本が、地域別の統計を取り始めた1946年以降で最も高くなったほか、西日本と北日本は過去2番目の高さとなりました。

 地点ごとにみますと、平年と比べて北海道帯広市で4度、東京都の都心で3度、名古屋市で2・5度、高知市で1・8度、那覇市で1・4度、それぞれ高くなるなど全国153地点のうち62地点で7月の記録を更新しました。

 気象庁の担当者は「危険な暑さになっており、危機感を持っている」とし、「今後も地球温暖化が進めば記録の更新が起こり得る。8月も全国的に平年より高い気温が予想されるため、熱中症の危険性が高く、こまめに水分を補給し、外出を控えるなど対策を心掛けてほしい」と話しています。

 2024年8月3日(土)

🟧8月熱中症搬送は3万2806人、昨年8月より2029人減少 死者は23都府県で43人

 総務省消防庁は18日、熱中症により8月に救急搬送された人は、全国で3万2806人だったと発表しました。猛暑が続く一方、台風10号の影響で悪天候の日も多く、昨年8月より2029人減少しました。23都府県で計43人の死亡が確認されました。  今後も数日間は残暑が続く見通しで、消防...