2024/09/02

🟩ギャンブル依存症の疑いある人、成人の1・7% インターネット利用が増加

 パチンコや競馬などのギャンブル依存症の疑いがある人の割合が成人の1・7%だったことが、厚生労働省の調査でわかりました。新型コロナの拡大前と比べてインターネットを使ったギャンブルの利用が増え、専門家は対策の必要性を指摘しています。

 厚労省はギャンブル依存症対策に役立てようと、3年に1度、ギャンブルに関する実態調査を行っており、昨年度に行った調査結果の速報値を公表しました。

 調査は18歳から75歳未満の男女を対象に郵便とインターネットで行われ、8898人から有効な回答を得ました。

 この中で、パチンコや競馬などのギャンブル依存症の疑いがある人の割合を調べたところ、全体では1・7%となり、男女別では男性が2・8%で、女性が0・5%でした。

 また、ギャンブル依存症の疑いがある人に、新型コロナの影響を尋ねたところ、約20%の人は感染拡大前と比べて、インターネットを使ったギャンブルの利用が増えたと回答しました。

 一方で、公的な相談機関を訪れた依存症の疑いのある人に、病院などに相談するまでの期間を尋ねたところ、約18%は5年以上かかったと答えました。

 厚労省の補助を受けて調査した久里浜医療センターの松下幸生院長は、「インターネットのギャンブルはいつでもどこでもアクセスでき、リスクが高いと考えられる。依存症に悩む人が相談しやすい環境を整えるなど、対策を検討すべきだ」と話していました。

 2024年9月2日(月)

2024/09/01

🟩主治医が薬の処方を失念して入院の男性死亡 千葉県循環器病センター、遺族と和解成立し公表

 千葉県は8月30日、市原市にある千葉県循環器病センターで2022年2月、入院中の70歳代男性に血栓予防の抗凝固薬を処方し忘れ、男性が死亡する医療事故があったと発表しました。外部の有識者を招いた事故調査委員会の調査が終了し、遺族との和解が成立したため、詳細を公表しました。

 同センターによると、男性は県内在住で、心不全や不整脈の持病がありました。2022年2月、呼吸苦でセンターに救急搬送され、集中治療室に緊急入院しました。その際、主治医は抗凝固薬「リクシアナ」の内服を中断し、注射用の抗凝固薬「ヘパリン」の点滴に切り替えました。

 治療で症状が改善し、男性は入院4日目に一般病棟に移りました。この時にヘパリンの点滴は終了しましたが、主治医がリクシアナの再開を失念し、処方しませんでした。

 男性は入院11日目、血栓が脳血管に詰まる心原性脳梗塞(こうそく)を発症。大脳機能に障害が起きて死亡しました。

 事故調査委員会は調査報告書で、「抗凝固薬の中断が脳梗塞の発症に影響した可能性がある」としています。主治医は、心臓に関係した症状のある患者を10人以上担当し、多忙でした。看護師や薬剤師らが再開の手立てを講じることもできませんでした。

 センターは再発防止のため、電子カルテに抗凝固薬の内服状況を入力するチェックリストを設け、看護師が情報を記入する、入院患者が病棟を移動する際はチェックリストを移動先の看護師に引き継ぐ、といった運用を始めています。医師以外の医療従事者が内服状況を共有するためです。

 センターの中村精岳病院長は、「患者や家族に申し訳ない。今後は医師や薬剤師、看護師などで薬の服用状況を共有する体制をつくるなどして、再発防止に努めたい」と述べました。

 2024年9月1日(日)

2024/08/31

🟩高齢者の「孤独死」、半年で2万8330人 死後1カ月以上たって把握も3936人

 自宅で亡くなった一人暮らしの人が今年の上半期(1~6月)に全国で計3万7227人(暫定値)いたことが、わかりました。警察庁が28日に発表しました。65歳以上の高齢者は2万8330人で全体の8割近くを占めました。政府は「孤独死・孤立死」の実態把握を進めており、今年から公表を始めました。

 死者数を年代別にみると、80歳代以上が最多の1万3042人。10歳代以下42人、20歳代431人、30歳代512人、40歳代1346人、50歳代3719人、60歳代6509人、70歳代1万1555人と、年代が上がるごとに増えています。

 死亡推定日から警察が把握するまでの日数では、1日以内が1万4775人で4割を占めました。2~3日は2割、4~7日が1割超だった。1カ月を超えて把握されるケースも1割あり、合わせて3936人に上り、1年以上経過していた人も130人いました。

 都道府県別にみると、死者のうち65歳以上の割合が最も高かったのが富山県で86・2%。徳島県82・3%、奈良県82・1%が続きました。最も低かったのは沖縄県で68・8%でした。

 警察庁は5月、警察が扱った遺体(自殺も含む)で一人暮らしだったものを初めてまとめ、1~3月分を公表していました。

 2024年8月31日(土)

2024/08/30

🟩通販サイト「アマゾン」で流通禁止の石綿付き金網販売 厚労省が注意喚起、販売量を調査

 厚生労働省は29日、流通が禁止されている、アスベスト(石綿)が付いた燃焼実験用の金網が通販サイト「アマゾン」で販売されていたとして、注意喚起しました。同省は販売量をアマゾンに確認しているほか、他の通販サイトでも同様の出品がないか調査しています。

 同省によると、アマゾンで石綿付きの金網4製品がそれぞれ別の出品者から販売されていました。すでに出品停止となっています。通常の使い方であれば健康上の問題は生じないものの、削れたり割れたりした場合は石綿が飛散する恐れがあるとしています。

 石綿付きの金網は、かつて学校などで広く使われていましたが、2006年から労働安全衛生法で製造や輸入、使用などが禁止されています。

 2024年8月30日(金)

2024/08/29

🟩「女性死亡は調剤ミスが原因」として、遺族がスギ薬局に賠償求め提訴

 ドラッグストアで調剤された薬を服用した東京都杉並区の70歳代の女性がその後死亡したのは、持病ではない糖尿病の薬を誤って混ぜられたのが原因だとして、遺族が「スギ薬局」などに3800万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。

 28日、東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、2022年5月に死亡した74歳の女性の遺族で、弁護士とともに都内で会見を開きました。

 訴状によりますと、女性は3年前の2021年10月、同区内の「スギ薬局高井戸店」で調剤された持病の薬を受け取って服用していましたが、1カ月後に自宅で意識を失い、翌年に低血糖後脳症などによる心不全で亡くなりました。

 搬送先の病院が服用していた薬を調べたところ、血糖値を下げる糖尿病患者向けの薬が含まれていて、薬局側は「前に調剤した患者の薬が一部混ざった」と説明したということです。

 遺族は、女性が死亡したのは調剤ミスが原因だとしてスギ薬局と薬剤師に合わせて3800万円余りの賠償を求めています。

 死亡した女性の長男は会見で、「母はスポーツ観戦や孫と話をするのが好きでした。自分たちのミスで人が亡くなったことに向き合ってほしい」と話していました。

 提訴について、スギ薬局の親会社の「スギホールディングス」は「誠実に対応してまいります。亡くなられた患者様のご冥福をお祈り申し上げ、ご家族様に深くおわび申し上げます。調剤過誤の発生以降、速やかに全店に指導を徹底してきました。引き続き再発防止に向けて取り組んでまいります」とコメントしています。

 2024年8月29日(木)

2024/08/28

🟩熱中症で25日までの1週間に6711人救急搬送 半数が高齢者、死亡は5県で5人

 総務省消防庁は27日、熱中症の1週間の救急搬送状況(8月19〜25⽇)の速報値を公表しました。救急搬送者数は、前週から5・5%減の6711人でした。前週の7104人からは393人減ったものの、依然として高い水準となっています。

 搬送者のうち65歳以上の高齢者が3378人で、全体の約半数を占めました。

 初診時の傷病程度別では、7割弱の4576人が外来診療のみの軽症。短期間の⼊院が必要な中等症が1935⼈で、軽症と合わせて全体の97・0%を占めました。3週間以上の⼊院が必要な重症が113⼈、死亡が5県で計5人、その他が82人でした。

 都道府県別の搬送者数は、東京都が568⼈で最多、次いで、大阪府(458⼈)、愛知県(418⼈)、埼玉県(383人)、兵庫県(370人)、福岡県(331⼈)などが続きました。

 熱中症の発⽣場所に関しては、住居(2179⼈)が最多で、道路(1240⼈)、道路工事現場や工場、作業所を始めとする仕事現場(1159人)などが続きました。

 2024年8月28日(水)

2024/08/27

🟩福岡県太宰府市、猛暑日連続40日 岡山県高梁市を抜き国内最長記録を更新中

 最高気温が35度以上の「猛暑日」が福岡県太宰府市で続き、国内最長記録を更新し続けています。27日も午後1時までに35度以上となり、40日連続となりました。これまでの最長は2020年8~9月の岡山県高梁(たかはし)市での24日間。

 福岡管区気象台は「一帯が暖かい空気に覆われ、強い日射の影響で高温になっている」などと分析、熱中症への警戒を呼び掛けています。

 同気象台によると、九州北部地方では8月中旬まで、雨をもたらす低気圧や台風の接近が少なかったため、降水量は平年を大幅に下回り、日照時間も増えました。福岡市でも、今夏は猛暑日が頻発していました。

 九州北部では8月末まで、平年より気温の高い状況が続く見通し。

 2024年8月27日(火)

🟧15日までの1週間の熱中症搬送、全国で4157人 今後も対策を

 総務省消防庁によりますと、9月9日から15日までの1週間に熱中症で病院に救急搬送された人は、全国で合わせて4157人で、前の1週間より1000人余り多くなり、2週連続で増加しました。  初診時の傷病程度別では、外来診療のみの軽症が2823人。短期間の入院が必要な中等症が121...