塩野義製薬は27日、同社がアメリカのセージ・セラピューティクスから日本、台湾および韓国における独占的開発権・販売権を取得しているうつ病治療薬「ズラノロン」について、同日付で日本での製造販売承認申請を行ったと発表しました。
今回の製造販売承認申請は、同社が日本で実施した第3相の臨床試験(治験)の良好な結果に基づくもの。第3相の臨床試験は、中等症から重症のうつ病患者412 名を対象に、ズラノロンの有効性および安全性、忍容性の評価を目的に国内で実施された試験です。
うつ病の重症度を評価する尺度であるHAM-D合計スコアのベースラインからの変化量について、ズラノロン投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意な減少が確認され、主要評価項目を達成しました。
また、ズラノロン投与群は、投与3日目からHAM-D合計スコアが有意に減少し、本剤の即効性が示されました。
日本におけるうつ病の患者数は約500万人と推計され、非致死性の健康を損なう疾患の中では最多の罹病者数です。既存の治療薬は効果発現までに数週間かかることが多く、即効性のある治療薬が求められています。これまでの臨床試験で即効性が確認されている同剤は、うつ病治療の新たな選択肢としての貢献が期待されます。
2024年9月29日(日)