2024/10/24

🟪埼玉県で20歳代女性がはしかに感染 今月に入って5例目

 埼玉県は23日、20歳代の女性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。感染経路がわかっていない上、今月に入って5例目の感染確認となり、県は注意を呼び掛けています。

 県感染症対策課によると、女性は13日に発熱、せき、発疹などの症状があり、後日に医療機関を受診。検査の結果、はしかに感染していることがわかりました。現在は退院し、自宅療養で快方に向かっているといいます。

 女性は、はしかの予防接種歴がなく、海外渡航歴、感染源は不明。13、14日にさいたま市内と三郷市内の商業施設を利用していました。

 県は女性と接触があった人たちの健康観察を続けていますが、これまでのところ、発症した人はいないとしています。

 はしかは感染力が極めて強い感染症で、空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染します。潜伏期間を経て、風邪のような症状が現れた後、39度以上の高熱や赤い発疹が体中に出るといいます。

 同課は、症状からはしかが疑われる場合は事前に医療機関に連絡し、マスクを着けて速やかに受診するよう、注意を呼び掛けました。

 2024年10月24日(木)

2024/10/23

🟪マダニ感染症で80歳代男性死亡 兵庫県内2例目、龍野健康福祉事務所管内

 兵庫県西部に住む80歳代の男性がマダニが媒介するウイルスに感染して22日に死亡したことがわかり、兵庫県は草むらなどでマダニにかまれないよう注意を呼び掛けています。

 県によりますと、10月17日、龍野健康福祉事務所管内(たつの市、宍粟市、太子町、佐用町)に住む80歳代の男性が発熱などの症状を訴えて医療機関で診察を受け、その後入院していましたが、22日、死亡しました。 検査の結果、男性は、マダニが媒介するウイルスによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に感染していたことがわかったということです。

 男性にマダニにかまれた痕はなく直接の死因がこの感染症だったかどうかは調査中だということですが、潜伏期間は6日から2週間だということで、県は、かまれた痕が治った後に症状が出た可能性もあるとみています。

 SFTSは、マダニが媒介し発熱や頭痛、下痢などの症状を起こす感染症で、致死率は10%から30%で、夏から秋にかけて発生数が増加するということです。

 県疾病対策課は草むらややぶなどマダニが多く生息する場所に入る時には、長袖、長ズボンを着用し、足を完全に覆う靴をはいて肌の露出を少なくするなどの対策をとるよう呼び掛けています。

 2024年10月23日(水)

2024/10/22

🟪パーキンソン病患者の大腸に腸内細菌移植、国内初の臨床研究 順天堂大グループ

 順天堂大学は21日、2024年中にもパーキンソン病の患者に健康な人の便から取った腸内細菌を移植すると発表しました。腸内細菌の乱れとパーキンソン病の発症リスクが関連するとの研究があり、今回の臨床研究で移植の治療効果や安全性を確かめます。

 パーキンソン病は手足の震えなどの運動障害が起きる難病で、進行すると認知症になることもあります。病気の仕組みに作用して進行を抑える薬はまだありません。

 順天堂大の服部信孝主任教授は21日の記者会見で、「腸内細菌移植でパーキンソン病の進行を緩やかにできれば、認知症の発症を抑えられるかもしれない」と期待を語りました。

 スタートアップのメタジェンセラピューティクス(山形県鶴岡市)と共同で、40~75歳でパーキンソン病進行期の患者約30人を対象に臨床研究を実施します。抗菌薬で患者の腸内細菌をいったん除き、半数には健康な人の腸内細菌を含む溶液を内視鏡で投与します。残り半数には細菌を含まない溶液を投与します。

 投与から約2カ月後、パーキンソン病の症状を示すスコアの改善の度合いなどを調べ、腸内細菌を投与しなかった患者と比べて治療の効果を検証します。

 近年の研究により、パーキンソン病患者は腸内細菌のバランスが大きく変化しているとわかってきました。腸内細菌の乱れが一因となる腸炎により、パーキンソン病の発症リスクが高まることも判明しました。

 人の腸内には1000種類以上、約40兆個の腸内細菌がすんでおり、代謝物などを通して人体と密接に関係しています。腸内細菌を移植する治療法の研究はパーキンソン病以外でも進んでいます。

 2023年には順天堂大などが潰瘍性大腸炎患者を対象に先進医療を始めました。2024年8月には国立がん研究センターと順天堂大、メタジェンセラピューティクスが、がん患者に腸内細菌を移植してがん免疫薬の効果向上を狙う臨床試験を始めると発表しました。アメリカでは2022年、病原性の腸内細菌による大腸炎の治療法として承認されました。

 2024年10月21日(月)

2024/10/21

🟪臓器移植で緊急性の高い患者を優先するルール、対象を肝臓のみから「心臓・肺」に拡大へ

 脳死者から提供された臓器の移植を受ける患者を選ぶ基準について、厚生労働省は、命の危険が迫り、緊急性が高い患者を優先するルールを拡大する検討に入りました。肝臓だけでなく、心臓や肺に広げます。移植が間に合わずに亡くなる患者を減らす狙いがあります。月内にも開く厚生科学審議会の臓器移植委員会で議論を始めます。

 脳死者から提供された臓器については、日本臓器移植ネットワーク(JOT)が厚労省の基準を踏まえて、移植を待つ患者の優先順位を決めます。上位から、患者が登録した移植施設に臓器の受け入れを要請します。基準は、学会や研究会の提案を反映しており、臓器で異なります。

 見直しは心臓移植から始めます。現在は待機期間が長い患者が移植を受けやすい基準になっています。臓器移植委員会では、余命が短いと判断された患者については待機期間にかかわらず最優先に臓器をあっせんできないかや、対象となる患者の具体的な条件を議論します。肺移植でも検討したい考えです。すでに肝臓では、余命が1カ月以内の患者に適用しています。

 このほか、心臓や肝臓などで臓器を摘出する施設と近距離の移植施設に登録する患者の優先度を高める案も検討します。両施設が離れているため、臓器の搬送を担う人員や手段が確保できず臓器の受け入れを断念する場合があります。搬送時間の短いケースを優先させることで、断念を防ぐことが期待できるとしています。

 JOTによると、9月末現在、国内の待機患者は1万6452人。2023年は592人が移植を受けた一方、463人が待機中に亡くなりました。

 移植を受ける患者の選定基準の見直しは、より多くの命を救うためです。

 具体的な検討に入る心臓は、移植を受ける患者の待機期間が長期化し、平均5年を超えています。現行基準では、待機中に病状が悪化しても優先されず、命を落とす患者が後を絶ちません。

 厚生労働省が9月に公表した移植の実態調査では、一つの臓器あっせんで多くの患者が移植を見送られていた現状が判明しました。効率的なあっせんが行われていないとして、移植医療体制の改革案に盛り込まれました。

 今後、臓器摘出の施設と移植施設の近さを優先する案も議論される見通しです。

 移植を受ける患者数は増加傾向にあるものの、待機患者数を大きく下回ります。一日でも早く移植を受けたいと願う待機患者が納得できる基準にするには、見直しにより、移植の優先順位が下がる患者への影響も含め、慎重な議論が求められます。

 2024年10月21日(月)

2024/10/20

🟪今年のエムポックス死者、アフリカ全土で1100人

 アフリカ連合(AU)の保健機関、アフリカ疾病対策センターは17日、アフリカ大陸全体では今年これまでに、約1100人がウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」で死亡したと発表しました。

 1月以降、アフリカでは計4万2000件の症例が報告されています。初の症例が報告されたザンビアとジンバブエを含め、18カ国で感染が確認されています。

 アフリカ疾病対策センターのジャン・カセヤ事務局長は、「対策を講じなければ、エムポックスは制御不能になる」と警告しました。

 死者の大多数は、流行の震源地となったコンゴ民主共和国(旧ザイール)に集中しています。同国では今月、ようやくワクチンの集団接種が開始されました。

 カセヤ事務局長は、大陸全体で「週ごとに新たな症例が増えている」とし、国際的なパートナーに対し支援の強化と、エムポックス対策のために約束された資金を直ちに拠出するよう求めました。

 2024年10月20日(日)

2024/10/18

🟪モデルナ、日本でコロナ・インフル混合ワクチン生産へ

 アメリカの製薬会社モデルナは17日、神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)で記者会見を開き、同施設内でメッセンジャーRNA(mRNA)製品を製造することを明らかにしました。ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は「複数のmRNA製品を日本で販売したい」と話しました。

 モデルナは2023年9月に、日本政府が主導するワクチンの国内生産体制整備事業の事業者に採択されました。経済産業省から補助金を受け、湘南アイパーク内にmRNAワクチンの製造施設を新設します。今回、改めて日本でのワクチン生産計画の詳細を明らかにしました。バンセルCEOは「今後、数年以内に生産を開始したい」と稼働時期についても示しました。

 同施設ではすでに国内で普及するmRNAのコロナワクチンに加え、RSウイルスワクチン、インフルエンザウイルスとコロナの混合ワクチンなどの新製品も製造する計画だといいます。

 モデルナは日本で呼吸器感染症やサイトメガロウイルス、希少疾患やがん治療など6つのワクチンの臨床試験(治験)を進めています。こうしたワクチン候補の開発が成功し製造販売承認を取得した場合、日本で製造する体制を整備することで日本のヘルスケアに貢献します。

 モデルナは売上高の多くをコロナワクチンが占めており、日本は同社にとってワクチン販売の重要な市場とみています。またワクチン販売以外にも東京大学といった研究機関と連携し、mRNA技術の応用を支援するといいます。

 2024年10月18日(金)

2024/10/17

🟪低炭素のクリーンエネルギー、2030年代の主役に 国際エネルギー機関予測、石油は減少

 国際エネルギー機関(IEA)は16日、2024年版の「世界エネルギー展望」を公表しました。太陽光など再生可能エネルギーの普及により、2030年代半ばに原子力を含む低炭素のクリーンエネルギーが「最大のエネルギー供給源になる」との予測を示しました。一方、世界の石油需要は2030年までにピークを迎え、減少に転じると見通しました。

 日米欧を中心とした主な石油消費国でつくるIEAは近年、気候変動対策の旗振り役として存在感を高めています。主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)は9月、2050年の石油需要が2023年比で18%増えるとの予測を公表しており、両者で異なるシナリオを発信しています。

 IEAは、各国が脱炭素化に向けた表明済みの政策を実行するシナリオでは、クリーンエネルギーが2030年代半ばに石油を上回って最大のエネルギー供給源となり、2050年時点で全体の約4割に達すると予想しました。

 クリーンエネルギーへの投資額は2024年に約2兆ドル(約300兆円)となり、化石燃料の2倍となる見通しです。

 2024年10月17日(木)

🟩世界のサンゴの44%が絶滅危機 温暖化影響、COP29で公表

 世界のサンゴ892種のうち44%が絶滅の危機にあると、国際自然保護連合(IUCN)が14日までに発表しました。温暖化が主な要因で、IUCNは「急速な気候変動が地球上の生き物に与える影響の深刻さを表している」と警鐘を鳴らしました。  アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気...