2024/12/19

🟪アメリカ初の鳥インフルエンザ重症患者、南部ルイジアナ州で報告

 アメリカ疾病対策センター(CDC)などは18日、南部ルイジアナ州在住の高齢者1人が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染し、重症だと発表しました。鳥インフルエンザのパンデミック(世界的な大流行)への懸念が高まる中、アメリカ国内で人の重症例が報告されたのは初めて。

 アメリカで今年4月以降に報告された鳥インフルエンザの感染者数は、これで61人となりました。これまでの感染者はいずれも軽症で、自宅療養していました。

 CDCによると、ルイジアナ州の患者は裏庭で病気になったり死んだりした飼育中の鳥と接触していました。

 ルイジアナ州保健局は、「患者はH5N1感染に関連する重度の呼吸器疾患を患っており、現在入院している。重篤な状態だ」と明らかにしました。患者は基礎疾患を有し、65歳以上だといいます。

 カナダ西部ブリティッシュコロンビア州でも11月に、10歳代の重症患者が入院。この患者とルイジアナ州の患者のウイルスは、いずれも遺伝子型が「D1・1」で共通しています。

 こうした中、アメリカで最も人口が多く、感染者61人のうち34人が報告された西部カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は18日、非常事態を宣言し、州の監視態勢を強化し、農業部門を支援すると表明しました。

 2024年12月19日(木)

2024/12/18

🟪アメリカ・ニューヨーク大、ブタの腎臓を人に移植 3例目、患者は退院し透析離脱

 アメリカのニューヨーク大学ランゴーン医療センターは17日、遺伝子を改変したブタの腎臓を53歳の女性患者に移植することに成功したと発表しました。患者の治療を目指した腎臓の異種移植は3例目で、前の2人は移植から2カ月前後で死亡しており、現在、世界で唯一の異種移植を受けた生存者だとしています。

 アラバマ州出身のトワナ・ルーニーさんは、1999年に母親に腎臓一つを提供しましたが、数年後、妊娠合併症のため、残りの腎臓が機能しなくなりました。

 動物の臓器を人に移植する異種移植は長年、実現が困難とされてきたものの、遺伝子改変と免疫管理の進歩により、夢の医療ではなくなってきており、中でも近年、ブタは理想的なドナー候補と見なされています。

 妊娠高血圧腎症により慢性腎臓病を患っていたルーニーさんは、2016年12月から8年間、人工透析を受けてきました。

 腎臓移植待機リストに入れられていましたが、適合する腎臓がなかなか見付からずにいました。有害な抗体レベルが異常に高いため、拒絶反応が起きるのはほぼ間違いなく、一方で、透析の継続に必要な血管の条件が悪くなってきたため、健康状態が悪化していました。

 選択肢が尽きたルーニーさんは、ブタの腎臓移植の臨床試験に参加することを申請。11月25日に7時間におよぶ手術を受けました。

 ルーニーさんは12月6日に退院。体調はよく、人工透析をやめられたといいます。記者会見に臨んで、「この贈り物、第2の人生のチャンスを受け取ることができて、とてもうれしい」と語り、「元気いっぱいです。食欲もあるし…もちろん、トイレにも行ける。8年間行けなかったのに!」と笑い、「ディズニー・ワールド」でお祝いする予定だと付け加えました。

 遺伝子改変されたブタの腎臓が脳死状態ではない人に移植されたのは、ルーニーさんで3人目。

 1人目の患者は、手術から2カ月後に亡くなり、2人目は回復の兆しを見せていたものの、47日後に移植した腎臓を取り出す必要に迫られ、その後、亡くなりました。

 しかし、ルーニーさんの場合は移植を受ける前に末期状態ではなかったと、手術を主導したロバート・モンゴメリー医師は指摘し、過去のそれぞれの事例が重要な教訓となり、技術が洗練したと強調しました。

 ルーニーさんに提供されたブタの腎臓には、人体との適合性を高めるため10個の遺伝子改変が施されており、その中には、宿主の拒絶反応を防ぐのに役立つ胸腺も含まれています。

 2021年に脳死患者に遺伝子改変されたブタの臓器移植を世界で初めて行った異種移植の先駆者、モンゴメリー医師は、いずれの技術についても「おそらく来年の今ごろか、もっと早く」正式の臨床試験が行われる可能性が高いとの見方を示しました。

 2024年12月18日(水)

2024/12/16

🟪2023年の青森県がん死亡率、20年連続全国最悪

 人口10万人当たり何人ががんで死亡したかを表す青森県の75歳未満年齢調整死亡率が、2023年は86・1(前年比2・1ポイント悪化)となり、20年連続で47都道府県中最も悪かったことが13日、国立がん研究センター(東京都中央区)のまとめでわかりました。

 男女ともに数値が悪化し、全国平均との差が拡大しました。主要部位のうち、大腸がんは2・7ポイント悪化の14・4で全国ワースト。肺がんと乳がんはほぼ横ばいだったものの、前年に続き最下位となりました。

 男女計の死亡率86・1は、全国平均の65・7と比べ20・4ポイント高く、2022年の16・6ポイント差からさらに大きく開きました。

 男女別では、男性が105・7(前年比4・4ポイント悪化)、女性が69・6(同0・2ポイント悪化)。男性は20年連続、女性は12年連続で都道府県別順位がワーストでした。

 部位別では、肺がんが0・1ポイント改善の16・1、乳がんが横ばいで13・6。肝がんは0・3ポイント増の4・3、前立腺がんは0・8ポイント増の3・2で悪化しました。一方、胃がんは1・0ポイント減の7・7、食道がんは0・2ポイント減の3・0、子宮がんは1・4ポイント減の6・9、卵巣がんは1・3ポイント減の3・5と改善しました。

 都道府県別順位は、子宮がんと食道がんが2022年に引き続きワースト(47位)。前立腺がんは前年の39位から47位、肝がんは31位から43位に順位を下げました。胃がんは変わらず45位でした。卵巣がんは38位から14位に順位が大きく改善しました。

 2006〜2021年まで16年連続全国ワーストだった大腸がんは、2022年は46位と改善したものの、2023年は再びワーストに。大腸がんのうち、結腸がんの死亡率が9・4(同2・7ポイント悪化)となり、全国順位も前年の37位から47位に下がりました。

 青森県健康医療福祉部の守川義信部長は、「数値がよくなっている部位もあるが、全体として数値が悪くなっていることや、特に下部消化管のがんが悪くなっていることは重く受け止めている。本年度から始めたがん精密検査の受診費用補助を活用してもらうとともに、さらに検査を受けやすい仕組みを考えていきたい」と話しました。

 2024年12月16日(月)

2024/12/14

🟪新型コロナ感染者2週連続で増加 前週比1・27倍 

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、12月8日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が3・07人と、2週連続で増加しました。厚生労働省は「例年、冬は感染が拡大する傾向にあり、引き続き基本的な感染対策を徹底してほしい」としています。

 厚労省によりますと、12月2〜8日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から3218人増えて、1万5163人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は3・07人で、前の週の1・27倍となりました。

 都道府県別では、多い順に秋田県が9・31人、北海道が9・27人、岩手県が8・21人、青森県が6・03人、山梨県が6人などとなっていて、少なかったのは沖縄県0・80人、鹿児島県0・84人、和歌山県0・88人など。岩手県、秋田県、大阪府、和歌山県を除く43の都道府県で、前の週より増加しています。

 12月8日までの1週間に、全国約500の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1658人で、前週の1・17倍、前々週の1・46倍と増加。11月初頭の1・93倍となっています。

 厚生労働省は全国の流行状況について、「例年、冬は感染が拡大する傾向にあり、引き続き、手洗いやうがい、せきエチケットなどの基本的な感染対策を徹底してほしい」と呼び掛けています。

 2024年12月14日(土)

2024/12/13

🟪インフルエンザ感染者、1医療機関当たり9・03人に 全都道府県で増加

 厚生労働省は13日、全国約5000カ所の定点医療機関から直近(12月2〜8日)の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、1医療機関当たり9・03人(前週4・86人)だったと発表しました。増加は7週連続で、全都道府県で前週より増えました。

 都道府県別では、福岡県が20・3人(前週11・43人)となり、3週連続で最多。次いで、大分県が13・41人(同6・91人)、千葉県が13・23人(同8・18人)の順となりました。全国の計1402施設で学校などの休校や学年・学級閉鎖がとられました。

 一方、直近1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は1医療機関当たり3・07人で、前週の2・42人から増加しました。

 2024年12月13日(金)

2024/12/12

🟪神奈川平塚市の特養ホームで49人が新型コロナ集団感染、90歳代の3人死亡

 神奈川県平塚市東八幡の特別養護老人ホーム「ローズヒル東八幡」で12月に入って新型コロナウイルスの集団感染が発生し、9日までに90歳代の男女3人が死亡していたことがわかりました。感染者は入所者96人のうち34人と職員15人の計49人に上ったものの、現在は収束に向かっているといいます。

 特養を設置・運営する同市の社会福祉法人「つちや社会福祉会」によると、最初の感染が確認されたのは1日。その後、1日5、6人のペースで増加しました。連絡を受けた県平塚保健福祉事務所が6、9日に立ち入り調査を実施し、集団感染に至った原因などについて特定を進めています。

 同法人によると、特養では利用者、職員ともに通常はマスクを着用して生活しているといいます。事態を受け、水島圭一理事長(54)は「施設内での集団感染防止に万全を期してきたが、防ぐことができず申し訳ない。今後、行政機関の指導に基づき、再発防止に最大限の努力をする」としました。

 神奈川県のまとめによると、新型コロナの県内の発生状況は7月下旬をピークに減少を続け、11月末にやや増加しています。県内366カ所の定点医療機関で7月22〜28日の1週間は3902人(1医療機関当たり10・66人)の感染を確認。11月25日〜12月1日は、前週比191人増の681人(同1・86人)でした。

 2024年12月12日(木)

2024/12/11

🟪埼玉県越谷市が全AEDをオートショック型に 県内初、初動の迅速化で救命率上昇を期待

 埼玉県越谷市は12月、市が設置したすべての自動体外式除細動器(AED)を、電気ショックが自動で始まる「オートショック型」に切り替えました。市によると、自治体が設置したAEDをすべて同タイプにするのは越谷市が県内で初めて。自動化により救助者の心理的負担が減り初動が早くなることで、救命率の向上が期待できるとしています。

 市消防局によると、オートショック型は急病人を見付けた救助者が機器を体にセッティングすれば、電気ショックが必要なケースでは自動で作動するタイプ。ガイダンス後に音声アナウンスで「電気ショックを行います。離れてください」と流れ、その間に急病人の体に触る必要はなく、カウントダウンが終わった後に電気ショックが始まります。

 市は12月、既存のAEDをオートショック型に切り替え、新たに50台の同タイプを増設。228台のAEDがすべてオートショック型になりました。

 担当者によると、従来タイプは作動ボタンを救助者が押さなければならず、「助からなかったら自分の責任になるのでは」「AEDを使ったらかえって悪化するのでは」という心理的負担があり、使用をためらい使用が遅れる可能性があると指摘されています。オートショック型なら電気ショックをすべきかどうかを判断するのは機器で、自動作動することで迅速な対応ができます。

 市は2006年、市役所などの公共施設や市立の小中学校にAEDの設置を始め、その後、リース契約の更新に合わせて、一部のコンビニエンスストアなどにも増設をしてきました。

市が消防庁のデータなどを調べた結果、市内で従来のAEDの処置を受けた人で社会復帰したのは約50%だといいます。

 2024年12月11日(水)

🟪「健康寿命」ほぼ横ばいで推移、厚労省発表 男性72・57歳、女性75・45歳

 厚生労働省は24日、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2022年は男性72・57歳、女性75・45歳だったと公表しました。前回調査の2019年(男性72・68歳、女性75・38歳)から、ほぼ横ばいで推移しました。  健康寿命は3年...