2025/02/10

🟪カフェインでハエ退治が可能に 高濃度、1週間以内に死滅

 コーヒーや緑茶に含まれるカフェインをハエの一種に過剰摂取させると、1週間以内にほぼ死滅することがわかったとの研究成果を、岡山大の宮竹貴久教授(応用昆虫学)らの研究チームが10日、発表しました。人体に優しい害虫駆除の手段として実用化できる可能性があるとしています。

 カフェインは人が飲むと気分を高揚させる効果がある一方、取りすぎると不眠やめまいなどが起こると指摘されています。研究チームによると、昆虫でも高濃度では発育抑制の効果があるとの報告はあるものの、害虫駆除に有効かどうかは、はっきりしていませんでした。

 宮竹教授らは、日本を含む温帯・熱帯地域に広く生息する「ヒロズキンバエ」に注目し、カフェイン入りの砂糖水を脱脂綿に含ませて自由に飲ませ、カフェイン濃度を0・01~2%に変えて状態を比較しました。

 その結果、砂糖水だけを与えた時は寿命が延びましたが、カフェイン濃度0・5%以上では、7日以内にほとんどが死滅しました。寿命との関連は不明ですが体内脂肪量が減少し、動きを自動計測してみると、ハエの活動自体も鈍っていたといいます。

 2025年2月10日(月)

2025/02/09

🟪トランプ大統領、紙製ストロー推進中止へ 「ばかげている」とプラスチック回帰

 アメリカのロナルド・トランプ大統領は7日、SNSへの投稿で、ジョー・バイデン前政権が環境対策として始めた紙製ストロー導入推進を中止する大統領令に来週署名すると表明しました。前政権の取り組みを「ばかげている」と批判し、「プラスチックに戻そう!」と強調しました。

 紙ストローは、不適切に廃棄されたプラスチックごみによる海洋汚染が問題となる中、世界的に導入が広がりました。バイデン前政権は昨年、使い捨てのプラスチック製品の政府調達を段階的に廃止する方針を打ち出していました。

 ただ、紙ストローの飲み心地に不満を訴える消費者も多く、一部では植物由来のバイオマスプラスチック製ストローに切り替える動きが出ています。

 2025年2月9日(日)

2025/02/08

🟪鳥インフルエンザの遺伝子型「D1・1」、乳牛から初検出 アメリカ・ネバダ州

 高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の遺伝子型「D1・1」がアメリカの乳牛から初めて検出されました。当局が5日に確認しました。D1・1は鳥の間でまん延しており、人が感染して重症化した事例もあります。

 この検出により、養鶏業界に多大な影響を与えているH5N1のパンデミック(世界的な大流行)が、人でのパンデミックに発展するのではないかとの懸念がさらに高まっています。

 南西部ネバダ州の乳牛から検出された鳥インフルエンザウイルスについて、アメリカ農務省が同日、遺伝子型がD1・1であることを確認しました。

 別の遺伝子型「B3・13」は昨年からアメリカの乳牛農場で広くまん延しており、16州で950例以上が確認されています。

 農場で働く酪農従事者数人が昨年、B3・13に感染したものの軽症ですみました。

 一方、D1・1は少数ですが人が感染して重症化した例があり、1月上旬にはアメリカで初の死亡例も確認されています。

 保健当局は当時、D1・1に感染した患者(65)には基礎疾患があり、公衆へのリスクは低いと発表していました。

 農務省はウェブサイトで、D1・1は「この秋から冬にかけて北アメリカの渡り鳥の経路で多く見られ、野鳥、哺乳類、さらには家禽(かきん)への感染も確認されている」と述べました。

 CBSニュースがインタビューしたネバダ州の当局者によれば、どちらの遺伝子型でも乳牛が感染した場合の症状はほぼ同じで、「発熱や食欲不振、乳量の減少、軽度の呼吸器症状」などだといいます。

 鳥インフルエンザの影響で多くの鶏が殺処分され、アメリカ全土で卵が不足しています。

 2025年2月8日(土)

2025/02/07

🟪口内が不健康なほど要介護認定や死亡のリスク高まる 島根大「歯科健診受け治療を」

 かみ砕く力が低下していたり、歯の数が少なかったりするなど口内が不健康なほど、要介護認定や死亡のリスクが高まるとの調査結果を島根大などの研究チームが発表しました。チームは「歯科健診を受け、口内を治療することでリスクが軽減される可能性がある」としています。

 島根県内に住む75歳以上の約2万5000人を対象に調べました。口内の状態と死亡率などとの関連を示す研究はこれまでもあったものの、島根大によると、2万人超の大規模調査は珍しいといいます。

 チームは、島根県歯科医師会などが2016〜2021年度に実施した後期高齢者の口内検査のデータを分析しました。かむ力や歯の数など13項目を調べた上で、その後の要介護認定や死亡の状況を確認しました。

 特に強い関連が認められたのが、かみ砕く力で、グミを15秒間かみ、いくつに分割できたか個数を数えて能力を計測。個数が3個以下のグループは22個以上のグループに比べ、要介護2以上に認定された人の割合が2・25倍でした。死亡率も個数が少ないほど高くなりました。

 検査項目のうち(1)歯の数が少ない(2)歯周病がある(3)自分自身が食べ物をかめないと自覚している―に該当する人もリスクが高い傾向が目立ちました。

 チームは、うまくかめず食べられる物が限定されることが関係している可能性があると指摘。島根大の安部孝文講師(医学)は、「今後、口内を治療した場合に死亡率などにどう影響するかも調べたい」としています。

 2025年2月7日(金)

2025/02/06

🟪アステラス製薬の眼疾患薬、日本で承認申請 アメリカやイギリスではすでに販売

 アステラス製薬は5日、目の疾患治療薬「アイザーヴェイ」について、国内での製造販売に向け承認申請したと発表しました。アメリカやイギリスでは失明の恐れがある加齢黄斑変性の治療薬として販売しています。日本でも承認を目指し、患者の新たな治療手段につなげます。

 有効性を確認するために実施した海外での臨床試験(治験)の結果をもとに申請しました。今後は並行して日本で小規模な治験を進め、安全性についての追加データをまとめて審査機関に提出します。投与間隔は1年間までは月1回、以降は月1回もしくは隔月としました。

 アイザーヴェイは2023年に、アメリカで初めて認可されました。アステラス製薬の重点戦略製品として、2025年3月期の売り上げは世界で715億円に達する見込みです。今回の申請を巡る2025年3月期の連結業績への影響はありません。

 2025年2月6日(木)

2025/02/05

🟪ドラッグラグが再拡大の兆し 希少疾患の分野、アメリカの新興企業と連携不足

 海外で承認された新薬の国内承認が遅れる「ドラッグラグ」が、希少疾患の分野で再び拡大し始めているとの研究結果を、星薬科大や名古屋市立大のチームが5日付で発表しました。近年、新薬開発の中心となっているアメリカのスタートアップ(新興企業)と日本企業が早い段階で連携できていないのが主な要因と指摘しています。

 希少疾患は患者数の少ない病気で、アメリカでは20万人未満、日本では5万人未満と定義されます。世界に約7000あり、命にかかわるものが多いものの、治療法があるのは5%未満といいます。

 チームは、2005〜2021年にアメリカで承認された希少疾患薬243種類の日本での開発状況を分析。2010〜2012年には4年以上の遅れがありましたが、厚生労働省が承認審査を迅速化したほか、外資系の大手製薬企業が日本での臨床試験を積極的に進めた結果、2016~2018年には差が195日に短縮しました。

 しかし2019〜2021年には261日と再び拡大に転じていました。日本に開発拠点を持たないアメリカの新興企業が開発する薬が増える中、アメリカでの開発がある程度進んでから日本に導入する事例が多くなっています。

 2025年2月5日(水)

2025/02/04

🟪食品の賞味期限、必要以上の短縮抑制 消費者庁、食品ロス量削減で新指針

 消費者庁の検討会は4日、食品の安全性を保ちながら賞味期限と消費期限の表示を長期化するため、事業者に期限を必要以上に差し引かないよう求める表示設定ガイドラインの改正案を議論しました。後日、意見公募(パブリックコメント)を行い、3月末までに正式決定する見込みです。政府の掲げた目標に向けて食品ロス量削減が進む中で、新たな指針により、さらなる促進を目指します。

 表示の意味を消費者がわかりやすいように、消費期限は「期限を過ぎたら食べないでください」、賞味期限は「おいしく食べられる期限」などの説明を付記することを促す内容も盛り込みました。

 政府は2030年度までに食品ロスの削減目標を、事業者は「2000年度比で60%減」とします。当初は消費者と事業者いずれも「2000年度比で半減」としていたものの、事業者はすでに達成し、新たな目標を設定しました。食品寄付の促進も目指しています。

 2025年2月4日(火)

🟪18~39歳のがん患者、4割超が金銭的負担で生活に影響 国立がん研究センターが患者実態調査

 がん治療による金銭的な負担から生活に影響があった患者は、全体の2割に上るとの調査結果を国立がん研究センターがまとめました。中でも18〜39歳では4割を上回り、若年患者ほど治療が経済的に重くのしかかっている実態が浮き彫りになりました。  調査は、患者の実態を把握し、国のがん対策...