2025/05/12

🟩光免疫療法、同様名で自由診療クリニックなどで治療 学会が注意喚起

 5年前に世界で初めて日本で承認された、がんの治療「光免疫療法」と同様の名前の治療が自由診療のクリニックなどで行われていることについて、専門の学会は、国に承認された治療とは異なるものとみられるとして、注意を呼び掛けています。

 「光免疫療法」は、光に反応する化学物質と組み合わせたがんの薬を患者に投与し、レーザー光を当てて薬を活性化することで、がん細胞を攻撃する治療法で、5年前、再発するなどした頭頸(けい)部がんの治療薬が世界で初めて日本で承認されました。

 日本頭頸部外科学会は実施施設として全国の大学病院など約120カ所を認定していますが、同様の名前の治療が自由診療のクリニックなどで行われているとして注意を呼び掛ける文書を、12日に公表しました。

 この中では、認定した施設以外の治療に学会は一切関与しておらず、希望する場合は認定した施設を受診するよう強く推奨するとしています。

 学会などによりますと、自由診療のクリニックなどで行われている治療は国に承認されたものとは異なり、有効性や安全性は確立していないとみられるということです。

 日本頭頸部外科学会の朝蔭孝宏理事長は、「『光免疫療法』と検索して学会と関係のない医療機関に行ってしまうと、本来の治療にたどりつくまでに時間がかかるおそれがあるので、注意してほしい」と話していました。

 2025年5月12日(月)

2025/05/11

🟩指令受信の設定忘れ、救急隊の出動に6分遅れ 搬送時に60歳代男性は心肺停止状態

 名古屋市消防局は10日、仮眠中の救急隊員が、急病者搬送の指令に気付かず、出動が約6分遅れたと発表しました。別の救急隊が出動して心肺停止状態だった同市天白区の60歳代男性を病院に運んだものの、死亡が確認されました。

 市消防局によると、10日午前4時30分、名古屋市天白区の急病者の家族から救急搬送要請の119番がありました。本部機動部隊に所属する救急隊の3人が指令を受信する装置の設定を忘れ、仮眠していたため、指令センターからの指令を受けることができませんでした。指令センターは別の救急隊を出動させましたが、約6分の遅れが生じたといいます。救急隊が通報先に到着した際、急病者の男性は心肺停止状態で、病院に到着後に亡くなったといいます。

 消防局は、搬送した病院の医師の見解として「遅延が傷病者の予後に影響を与えたとは考えにくい」と説明し、死亡との因果関係は不明としています。

 伊藤一義消防局長は、「亡くなった方とご家族におわび申し上げる。今後このようなことが発生しないよう再発防止の徹底に取り組む」とのコメントを出しました。

 2025年5月11日(日)

2025/05/10

🟩逆子の適切処置、医師が怠った疑い 男児障害、京都府警が書類送検

 逆子の胎児を正常な位置に戻す施術で適切な処置を怠り、生まれた男児(4)に脳性まひなどの障害を負わせたとして、京都府警は9日、京都第一赤十字病院(京都市東山区)に勤務していた50歳代の男性医師を業務上過失傷害容疑で京都地検に書類送検しました。捜査関係者への取材でわかりました。

 捜査関係者によると、男性医師は2020年12月、母親(37)に対し、腹部を押すなどして逆子の胎児を正常な位置に戻す「外回転術」を2度行った後、胎児が低酸素状態となったにもかかわらず、緊急帝王切開などの適切な処置を怠った疑い。母親が昨年7月、男性医師を府警に告訴していました。

 告訴状によると、男性医師は20年以上の経験がある産婦人科医。母親は施術の2日後、別の医師による帝王切開で男児を出産しましたが、男児には脳性まひなど重度の障害が残り、介護が必要な状態といいます。告訴状によると、医師はすでに同病院を退職し、別の医療機関で勤務しています。

 京都第一赤十字病院は昨年7月、マスコミの取材に「医療過誤が発生したことは事実で、再発防止に努めている」とコメントしていました。

 2025年5月10日(土)

2025/05/09

🟩カルディ、生ハム7万個を自主回収へ 一部からサルモネラ属菌を検出

 輸入食品などを販売する「カルディコーヒーファーム」の運営会社「キャメル珈琲」は、店舗で取り扱っていた生ハムの一部からサルモネラ属菌が検出されたと発表し、約7万個の商品を自主回収することにしています。

 コーヒー豆や輸入食品などを販売する「カルディコーヒーファーム」の運営会社「キャメル珈琲」は、全国の店舗で取り扱っていた「オリジナル生ハム切り落とし」の一部から、食中毒を引き起こす可能性があるサルモネラ属菌が検出されたため、自主回収を行うと発表しました。

 消費者庁のウェブサイトによりますと、自主回収の対象は4月11日から5月6日までに全国約500店全店で販売された7万824個で、食べた場合には、腹痛やおう吐、発熱などの健康被害が発生する可能性があるとしています。

 会社は対象となる商品を店舗に持参することなどを呼び掛けています。

 客からの電話での問い合わせは、フリーダイヤル0120-415-023で午前9時から午後6時まで受け付けています。

 キャメル珈琲は、「お客様にはご迷惑をおかけいたしますことを心よりおわび申し上げます」とコメントしています。

 2025年5月9日(金)

2025/05/08

🟩新型コロナ以外の感染症、顕著に増加 5類移行2年、対策への意識低下も

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して8日で2年。この間、マイコプラズマ肺炎や百日ぜきなど、新型コロナ以外の感染症の報告数増加が顕著となっています。昨冬のインフルエンザの記録的な流行では、病床が逼迫する地域もありました。コロナ禍での感染対策強化によって病原体にさらされる機会が減り免疫が下がったことや、5類移行後の対策への意識低下が一因となっている可能性があります。

 全国の定点医療機関からの報告によると、新型コロナの流行の波は、5類移行後も夏と冬に現れているものの、規模は縮小傾向。2024年は夏、冬ともピーク時の1医療機関当たりの新規感染者数が2023年より少なくなりました。

 一方、2024年12月下旬には、1週間のインフルエンザ報告数が1医療機関当たり64・39人となり、同じ方式で統計を開始した1999年以降、最多となりました。一部で救急搬送や入院病床が逼迫しました。

 2023年7月には、乳幼児がかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」が流行し、国立健康危機管理研究機構によると、2013年以降で最多の報告数となりました。


 2025年5月8日(木)

 

2025/05/07

🟩はしか感染、新たに10歳代女性1人 茨城県内で今年16人目

 茨城県は6日、県内在住の10歳代女性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。竜ケ崎保健所管内の医療機関から報告がありました。

 女性は発症前、同県つくばみらい市のコミュニティーセンターに出入りしていました。すでに報告があった患者と接触して感染した可能性がある人の同居家族で、家庭内感染とみられます。県内の今年の感染者は計16人となりました。

 県感染症対策室によると、女性は3日に発熱と発疹があったため、医療機関を受診。県衛生研究所で4日に遺伝子検査した結果、陽性が確定しました。現在は自宅で療養しています。

 女性は2日、同市小絹の「小絹コミュニティセンター」を利用していました。同対策室は同日午後3〜6時に出入りした不特定多数の人に感染の可能性があるとし、10日前後経過して発熱や発疹などはしかの症状が出た場合、最寄りの保健所に電話連絡するよう呼び掛けています。

 2025年5月7日(水)

2025/05/06

🟩ドラッグ・ロス解消のため「開発の必要性が特に高い」14品目の開発要請へ 厚労省研究班まとめ

 海外で使える薬が日本で使えない、いわゆる「ドラッグ・ロス」について、厚生労働省の研究班は、開発の必要性が特に高い医薬品が、がんや肺炎の薬など14品目あるとする研究結果をまとめました。厚労省は企業に対して必要に応じて開発の要請などを行うことにしています。 

 海外では使える薬が日本では承認されていないために使えない、いわゆる「ドラッグ・ロス」を巡っては、2023年の時点で143品目に上り、このうち86品目は国内で開発も着手されていませんでした。

 こうした中、厚労省の研究班はこの86品目について、類似した薬があるかなどを調査して、開発の必要性がどこまであるかを分析しました。

 その結果、5つのグループに分類し、このうち「開発の必要性が特に高い医薬品」には、希少がんや産後うつ、それに細菌性の市中肺炎の薬など、14品目に上ると指摘しました。

 また「開発の必要性が高い医薬品」には、統合失調症や急性リンパ性白血病、それに片頭痛の薬など41品目を挙げました。

 一方で「開発の必要性が低い医薬品」には11品目、「開発の必要性がない医薬品」には12品目を分類しました。

 このほかの8品目については、すでにドラッグ・ロスが解消されているとしています。

 今回の研究結果を受けて厚労省は今後、専門家会議で議論し、必要性が高いと判断された薬については、企業に開発を要請したり、開発する企業を公募したりすることにしています。

 2025年5月6日(火)

🟩熱中症疑いで救急搬送、東京都28人埼玉県28人群馬県14人など

 東京消防庁によりますと、23日、東京都内では、午後3時までに32歳から98歳までの合わせて28人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。  このうち1人が重症、15人が中等症、12 人が軽症だということです。  東京消防庁は、のどが渇く前にこまめに水分を補給することや、室内で適...