2025/08/30

🟥新型コロナ、10週連続で増加 ニンバス流行、のどに強い痛み

 厚生労働省は29日、全国約3000の定点医療機関から18〜24日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万3275人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は8・73人。前週比1・39倍で10週連続の増加となった。研究者が「ニンバス」と呼ぶ変異株「NB・1.8・1」が流行している。

 のどの強い痛みが特徴で、海外では「カミソリの刃をのんだような痛み」と表現される。重症化のリスクは高まっていないが、夏休み明けの学校で集団行動が増えるため、専門家は注意を呼び掛けている。

 1医療機関当たりの感染者が最も多かったのは宮崎県の21・04人で、鹿児島県16・81人、長崎県14・78人と続いた。

 2025年8月30日(土)

2025/08/29

🟥マイナ保険証搭載スマートフォン、9月19日から全国で順次利用可能に

 「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォンが9月19日から、準備が整った全国の医療機関や薬局で順次、利用できるようになる。

 マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォンについて、厚生労働省は7月から関東の一部の医療機関を対象に先行する形で利用できるようにしたところ、大きな問題はなかったとして、9月19日から、準備が整った全国の医療機関や薬局で順次、使えるようにすることを明らかにした。

 利用できるのは、スマートフォンの読み取りに対応した専用の機器を設置している医療機関や薬局で、厚労省は、受診に際しては事前に確認し、わからない場合は、実物のマイナンバーカードを持参するよう呼び掛けている。

 また、何らかの事情でスマートフォンの読み取りができない場合は、マイナポータルにログインして、資格情報の画面を提示すれば、保険診療を受けられるということである。

 厚労省は、「今後、対応している医療機関や薬局をホームページに掲載するなどして、円滑に受診できる環境整備に取り組んでいきたい」としている。

 2025年8月29日(金)

2025/08/28

🟥富山県内初、猫がマダニ感染症「SFTS」に感染 高岡厚生センター管内

 富山県は27日、高岡厚生センター管内で、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に、猫が感染したと発表した。猫の感染は県内初となる。SFTSは犬や猫から人に感染する恐れがある。県は過剰な触れ合いは避け、ペットが体調不良の際には、すぐに動物病院を受診するように求めている。

 県によると、高岡厚生センター管内の住民が飼育する猫が8月22日、食欲がなく、動物病院を受診したところ、発熱や黄疸(おうだん)などの症状がみられた。25日に県衛生研究所の検査で陽性であることが判明した。人への感染は確認されていない。

 県内では、人のSFTS感染は2022年11月と今年6月に計2例発生している。県生活衛生課の担当者はマダニにかまれないよう、草むらでは長袖や長ズボンの着用を呼び掛けている。

 2025年8月28日(木)

2025/08/27

🟥T細胞を作り出す「胸腺」細胞、人のiPS細胞から作製成功 免疫不全患者らの治療法開発に期待、京都大

 京都大学の研究チームは、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から、免疫に関して重要な役割を果たす「胸腺」の細胞を作ることに成功したと発表した。

 将来的には重い免疫不全などの治療につながる可能性があるとして、さらに研究を進めるということである。

 この研究は、京都大学iPS細胞研究所の浜崎洋子教授らのチームが発表したものである。

 胸腺は、ウイルスやがんなどの異物を体の中から排除する「免疫応答」で中心的な役割を担う「T細胞」を作り出している。

 今回、研究チームはこの胸腺に注目し、人のiPS細胞を使って、胸腺の内部にある細胞を作り出すことに成功したということである

 さらにこれを、T細胞のもとになる細胞とともに実験室で培養したところ、さまざまな異物に反応できるT細胞そのものができることがわかったということである。

 研究チームは、今回の手法が、年齢とともに免疫の機能が衰えた人や、重い免疫不全の患者の治療に、将来的につながる可能性があるとして、さらに研究を進めることにしている。

 浜崎教授は、「今回の方法を使えば、本来、私たちが持っている免疫の機能を与えることができる可能性がある。高齢者や新生児など免疫が十分ではない人に必要な免疫を与えられる未来につながることを期待したい」と話していた。

 2025年8月27日(水)

2025/08/26

🟥マダニ媒介感染症「SFTS」、今年の患者数143人で過去最多を更新

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年これまでに全国から報告された患者数は速報値で143人となった。今年はこれまで感染が確認されていなかった地域でも患者が報告されていて、厚生労働省は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月17日までの1週間に全国から報告されたSFTSの患者は三重、兵庫、佐賀、熊本、鹿児島の各県でそれぞれ1人ずつの5人で、今年の累計の患者数は速報値で143人となり、国内で初めて感染が報告された2013年以降の最多を更新した。

 感染者が報告されているのは31道府県で、高知県で14人、大分県で11人、熊本県、長崎県で9人、鹿児島県、島根県、兵庫県で8人など、西日本を中心に多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった関東地方や北海道でも報告されている。

 厚労省は、西日本に限らず他の地域でも患者が報告される可能性があるとして、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を周知するよう自治体に通知を出して注意を呼び掛けている。

 2025年8月26日(火)

2025/08/25

🟥沖縄県、はしか感染1人確認と発表 県内6年ぶり発生

 沖縄県地域保健課は25日、中部保健所管内で10歳代のはしか(麻疹)感染を確認したと発表した。県内ではしかの患者発生が報告されるのは2019年5月以来で、6年ぶり。周囲に感染させる可能性がある期間に、不特定多数の人と接触した行動履歴は確認されていない。

 10歳代の患者は8月7日からカンボジアに渡航し、12日に帰沖。19日に発熱や倦怠感の症状があり、23日に中部保健所管内の医療機関を受診し、はしかの陽性が確認された。自宅で療養し、24日には回復しているという。

 潜伏期間を踏まえると、カンボジアで感染した可能性が高いとみられる。保健所が、家族ら濃厚接触者の確認を進めている。患者のはしか予防接種歴は2回。

 はしかは感染力が非常に強く、肺炎や中耳炎、脳炎を合併することがあり、先進国でも1000人に1人程度の割合で死亡するといわれる。妊婦がかかると、流産や早産を起こす可能性がある。厚生労働省によると、感染させる可能性がある期間は、発症日の1日前から解熱後3日を経過するまでの期間。

 2025年8月25日(月)

2025/08/24

🟥観光客急増で南極汚染深刻化、研究者が警告

 観光客の急増と研究プロジェクトの拡大が南極の汚染を深刻化させていると、研究者たちが20日に警告した。すでに人為的な気候変動の脅威にさらされている地球上で最も手つかずの自然環境の一つにとって、新たな打撃となる。

 国際研究チームは新たな研究で、南極の人間が活動してきた地域では、重金属を含む微粒子の濃度が40年前の10倍に上昇していると述べた。

 国際南極旅行業協会によると、この変化は南極大陸を訪れる観光客数が過去20年間で年間2万人から12万人に増加したことと関連している。

 科学誌「ネイチャー・サステナビリティー」に掲載された研究は、「南極における人間活動の増加は、船舶、航空機、車両、そして支援インフラなどから発生する化石燃料の燃焼による汚染物質への懸念を高めている」と述べている。

 観光客を乗せた船は、汚染物質を多く含む化石燃料で動いており、ニッケル、銅、亜鉛、鉛などの微粒子の発生源となっている。

 研究論文の共著者の一人、オランダ・フローニンゲン大学のラウル・コルデロ氏は、「観光客が頻繁に訪れる地域には汚染粒子が存在するため、南極の雪はより速く解ける」「観光客1人でも、約100トンの雪の融解を加速させる一因となる可能性がある」と語った。

 重金属は、科学調査によっても増加している。コルデロ氏によると、長期間滞在する研究プロジェクトは、観光客1人の最大10倍の影響を与える可能性があるという。

 この研究は、汚染度の高い重油の使用禁止や、観光業界による電気推進船やハイブリッド推進船の導入など、南極大陸を保護するための取り組みにおいて「意義ある前進」があったことを認める一方で、「南極大陸における人間活動による負荷を軽減するために、再生可能エネルギーへの移行の加速や化石燃料の使用削減など、さらに多くのことを行う必要がある」と指摘している。

 2025年8月24日(日)

🟥北海道白老町の養鶏場、鳥インフルエンザ感染確定 今シーズン国内初、45万9000羽の殺処分始まる

 北海道白老町の養鶏場で死んだニワトリから、高病原性の「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された。今シーズン、養鶏場での確認は全国で初めてで、北海道はこの養鶏場で飼育されているニワトリ、約46万羽の処分を始めた。  21日、北海道白老町の養鶏場で複数のニワトリが死んでいる...