2025/09/03

🟥熱中症で5486人搬送、6人死亡 8月31日までの1週間

 8月25日から31日までの1週間に熱中症で医療機関に運ばれた人は全国で合わせて5486人だったことが、総務省消防庁のまとめでわかった。

 内訳でみると、岐阜県、兵庫県、高知県など1府5県で「死亡」が計6人、入院が必要な「重症」と「中等症」が1979人、入院の必要がない「軽症」が3474人などだった。

 都道府県別の搬送者は、東京都が589人で最多。大阪府422人、埼玉県357人と続いた。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が3143人と全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1868人、7歳以上18歳未満が457人、7歳未満が18人だった。

 場所ごとに詳しくみると、住宅が1982人と最も多く、次いで道路が1149人、駅や競技場、野外のコンサート会場など不特定の人が出入りする屋外が771人などとなっている。

 これで、今年5月1日から8月31日までの累計は9万7人となり、昨年の同じ時期の8万6075人から3900人余り多くなった。

 2025年9月3日(水)

2025/09/02

🟥マダニ媒介感染症「SFTS」、患者数142人 ペット介して感染にも注意を

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年、これまでに全国から報告された患者数は速報値で142人となった。感染したペットの体液などを介して感染するケースも確認されていて、専門家は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、厚生労働省によると、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月24日までに31の道府県から患者が報告され、累計の患者数は速報値で142人となっていて、これまでで最も多かった2023年を上回って過去最多となっている。

 西日本を中心に患者数が多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった北海道や関東地方からも患者が報告されていて、厚労省は、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を呼び掛けている。

 さらに感染したネコを始めとしたペットの体液などを介して人に感染するケースもあり、国立健康危機管理研究機構獣医科学部の前田健部長は「患者の少なくとも数%は、感染したネコから感染するなどしていると考えられる。ネコを飼っている場合は、ダニに刺されないよう室内飼いを徹底するほか、野外のネコは素手で触らないようにしてほしい」と呼び掛けている。

 2025年9月2日(火)

2025/09/01

🟥東京都の今夏、熱中症疑いで8341人搬送 すでに昨夏を上回る

 厳しい暑さが続く中、東京都内でこの夏、熱中症の疑いで医療機関に搬送された人は合わせて8341人と、昨年の夏をすでに上回り、2年連続で過去最多となったことがわかった。

 東京消防庁は、年齢や場所にかかわらず症状を訴える人が相次いでいるとして、対策の徹底を呼び掛けている。

 東京消防庁によると、都内で今年6月以降に熱中症の疑いで搬送された人は8月31日までに速報値で8341人に上った。

 これは昨年の6月から9月までの搬送者の数(7996人)より340人余り多く、2年連続で過去最多となった。

 搬送者のうち、1人が死亡、47人が重篤、192人が重症、3125人が中等症、4976人が軽症となっている。

 年代別では高齢者が多いものの、10歳代や20歳代の若い世代も含まれているということである。

 東京消防庁は厳しい暑さが続く中、年齢や場所にかかわらず症状を訴える人が相次いでいるとして、のどが渇く前にこまめに水分を補給することや、室内では冷房や扇風機を適切に使用することなど、対策の徹底を呼び掛けている。

 2025年9月1日(月

2025/08/31

🟥緊急避妊薬「ノルレボ」の市販了承 対面販売義務付け、年齢制限せず保護者の同意も不要

 望まない妊娠を防ぐ緊急避妊薬(アフターピル)「ノルレボ」について、厚生労働省の専門家部会は29日、医師の処方箋なしに薬局で購入できる市販薬としての製造販売を了承した。対面販売を義務付けた上、購入する女性の年齢を制限せず、保護者の同意は不要とした。

 この薬は、あすか製薬(東京都港区)が製造販売するもので、避妊を失敗したり、性暴力を受けたりした女性が使う。性行為から72時間以内に服用すると、妊娠を約8割防げる。

 専門家部会では、市販化に際し、薬剤師が対面で販売し、その場で服用することを義務付けるとした。臨床試験などで安全性が確認されているため、使用者の年齢を制限せず、予期せぬ妊娠を望まない若者を支援する観点から保護者の同意は不要とする。

 性犯罪による被害が疑われる場合には性被害者の支援拠点である都道府県の「ワンストップ支援センター」などの支援機関とも連携するとしている。

 この薬は、市販化を求める声を受け、2023年11月から日本薬剤師会が国の調査事業として、処方箋なしでの試験販売を16歳以上の女性を対象に一部薬局で行っている。

 緊急避妊薬は、海外約90カ国・地域では薬局で処方箋なしで買えるが、国内では医師の処方を受ける必要があった。

 2025年8月31日(日)

2025/08/30

🟥新型コロナ、10週連続で増加 ニンバス流行、のどに強い痛み

 厚生労働省は29日、全国約3000の定点医療機関から18〜24日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万3275人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は8・73人。前週比1・39倍で10週連続の増加となった。研究者が「ニンバス」と呼ぶ変異株「NB・1.8・1」が流行している。

 のどの強い痛みが特徴で、海外では「カミソリの刃をのんだような痛み」と表現される。重症化のリスクは高まっていないが、夏休み明けの学校で集団行動が増えるため、専門家は注意を呼び掛けている。

 1医療機関当たりの感染者が最も多かったのは宮崎県の21・04人で、鹿児島県16・81人、長崎県14・78人と続いた。

 2025年8月30日(土)

2025/08/29

🟥マイナ保険証搭載スマートフォン、9月19日から全国で順次利用可能に

 「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォンが9月19日から、準備が整った全国の医療機関や薬局で順次、利用できるようになる。

 マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の機能を搭載したスマートフォンについて、厚生労働省は7月から関東の一部の医療機関を対象に先行する形で利用できるようにしたところ、大きな問題はなかったとして、9月19日から、準備が整った全国の医療機関や薬局で順次、使えるようにすることを明らかにした。

 利用できるのは、スマートフォンの読み取りに対応した専用の機器を設置している医療機関や薬局で、厚労省は、受診に際しては事前に確認し、わからない場合は、実物のマイナンバーカードを持参するよう呼び掛けている。

 また、何らかの事情でスマートフォンの読み取りができない場合は、マイナポータルにログインして、資格情報の画面を提示すれば、保険診療を受けられるということである。

 厚労省は、「今後、対応している医療機関や薬局をホームページに掲載するなどして、円滑に受診できる環境整備に取り組んでいきたい」としている。

 2025年8月29日(金)

2025/08/28

🟥富山県内初、猫がマダニ感染症「SFTS」に感染 高岡厚生センター管内

 富山県は27日、高岡厚生センター管内で、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に、猫が感染したと発表した。猫の感染は県内初となる。SFTSは犬や猫から人に感染する恐れがある。県は過剰な触れ合いは避け、ペットが体調不良の際には、すぐに動物病院を受診するように求めている。

 県によると、高岡厚生センター管内の住民が飼育する猫が8月22日、食欲がなく、動物病院を受診したところ、発熱や黄疸(おうだん)などの症状がみられた。25日に県衛生研究所の検査で陽性であることが判明した。人への感染は確認されていない。

 県内では、人のSFTS感染は2022年11月と今年6月に計2例発生している。県生活衛生課の担当者はマダニにかまれないよう、草むらでは長袖や長ズボンの着用を呼び掛けている。

 2025年8月28日(木)

🟥第三者機関の医療事故推奨に32%報告なし 2015~2024年、112件

 患者の予期せぬ死亡原因を調べる医療事故調査制度が始まった2015年から昨年末までに、医療機関から相談を受けて、第三者機関が事故として報告を推奨すると助言した計346件のうち、112件(約32%)の報告がなかったことが27日、第三者機関を運営する日本医療安全調査機構への取材でわ...