2025/09/26

🟥腎不全患者の緩和ケアに初の手引、3学会 透析見合わせの意思確認を徹底

 腎不全患者に対する緩和ケアを巡り、日本緩和医療学会と日本腎臓学会、日本透析医学会が医療従事者向けの具体的な対応を示した国内初のガイダンスをまとめたことが25日、関係者への取材でわかった。痛みや抑うつなどへの対処に加え、家族支援も記載。末期腎不全による症状は透析によって和らぐことがほとんどだが、和らがない場合は死を迎える。本人が透析をしない意向を示した際は、意思に変更がないかを繰り返し確認するよう求めた。

 がん以外では緩和ケアの提供体制が不十分で、取り組む医療機関が少ないとの指摘がある。厚生労働省は、体制整備のため、来年度予算の概算要求に1億円を盛り込んだ。学会が、医療従事者が実践しやすいガイダンスを作成したことで、多くの医療機関で普及が進むと期待される。近く公表する。

 ガイダンスは腎不全の緩和ケアを「透析の有無にかかわらず、患者と家族の身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな問題を評価し、苦痛を予防し和らげることを通じて生活の質を向上させるアプローチ」と定義。全病期に応じた緩和ケアを示した。

 2025年9月26日(金)

2025/09/25

🟥熱中症、5月から8月の救急搬送9万744人 同時期では過去2番目の多さ

 今年5月から8月までに熱中症で医療機関に救急搬送された人は全国で9万人余りで、同じ時期の数としては、比較できる2015年以降2番目に多くなったことが総務省消防庁のまとめでわかった。

 総務省消防庁によると、今年5月から8月までに熱中症で医療機関に救急搬送された人は全国で9万744人に上り、同じ時期の数としては5月分の調査を始めた2015年以降、2番目に多くなった。

 また、8月の搬送者の数は全国で3万1526人となっていて、死亡したのは39人、入院が必要な「重症」や「中等症」が合わせて1万1458人、「軽症」が1万9936人だった。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が1万7273人と、全体の半分以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1万1487人、7歳以上18歳未満が2641人、7歳未満が125人となっている。

 場所別では、住居が1万1579人と最も多く、次いで、道路が6288人、屋外の競技場や駐車場などが4250人、工事現場や工場などが3472人となっている。

 都道府県別では、東京都が3318人、大阪府が2219人、愛知県が2187人、埼玉県が1996人となっている。

 総務省消防庁は「今週は暑さが戻るという予報があるほか、来月も全国的に平年より気温が高い見通しのため、引き続きこまめに水分を取るなど、熱中症の対策を心掛けてほしい」としている。

 2025年9月25日(木)

2025/09/23

🟥将来の妊娠に備えた「卵子凍結」、1回20万円を上限に補助へ 10都道府県程度を予定

 こども家庭庁は2026年度、将来の妊娠に備えた「卵子凍結」を希望する女性に必要な費用を補助する方針を固めた。1回20万円を上限とする。妊娠を保証するものではないことなどを理解してもらうとともに、事業を通して卵巣の病気などに関係するデータも集めたい考えだ。

 卵子凍結では、卵子を凍結保存し、妊娠希望時に融解して体外受精を行う。加齢で卵子の数が減ったり、質が低下したりする前の若いうちに保存することで、妊娠の確率を高めることが期待される。1回の採卵や凍結に数十万円かかる。

 事業は、10都道府県程度を予定。指定する医療機関で、卵子の凍結や、凍結した卵子を使って体外受精などを受けた際の費用の一部を補助する。

 補助額は卵子凍結で1回20万円を上限とする。体外受精などは1回25万円が上限で、39歳以下は6回まで、40~42歳は3回まで受けられる。事前の講習会で、必ずしも妊娠に結び付くわけではないことや、排卵を促す薬の使用で血栓(血の塊)ができるリスクもあることなどを学んでもらう。

 こども家庭庁は、補助を受けた人のデータを集め、卵子凍結の希望者数や国内の治療実績を分析する。若くして月経がなくなる早発卵巣不全との関連も調べる。

 こども家庭庁は2026年度予算の概算要求に関連費用として10億円を計上した。

 2025年9月23日(火)

2025/09/22

🟥スマホ等の使用、仕事・勉強・家事以外は1日2時間まで 愛知県豊明市の条例案可決

 仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にするよう促す条例案が、22日、愛知県豊明市の市議会で採決され、賛成多数で可決・成立した。市によると、すべての市民を対象にスマートフォンなどの使用時間の目安を示した条例は全国で初めてで、10月1日に施行される。

 豊明市は、スマートフォンなどは生活に欠かせない必需品だとする一方で、長時間の使用は、睡眠不足などの健康面のほか、家族の会話が短くなるなど家庭環境にも影響を与え、子供の健全な生育を妨げる恐れがあるとして、仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンやタブレット、ゲーム機などの使用は、1日2時間以内を目安にするよう促す条例案を市議会に提出した。

 この条例案について、22日午後、市議会本会議で採決が行われ、議長を除く19人の議員のうち12人が賛成し、賛成多数で可決・成立した。

  条例の対象となるのは、▽すべての市民と▽市内の学校に通う18歳未満の子供で、子供の使用については、▽小学生以下は午後9時まで、▽中学生以上は午後10時までとする時間帯の目安も盛り込まれ、各家庭でルールを作るよう促している。条例に強制力や罰則はない。

 市議会では、付帯決議も可決され、1日2時間以内という条例の記述について、▽あくまで目安であることを明確にし、生活スタイルや家庭環境の多様性を尊重すること、▽市民に誤解を与えないよう丁寧でわかりやすい情報提供を行うこと、そして▽定期的に効果や市民の反応を検証し、必要に応じて条例の見直しを行うことなどを求めた。

 市によると、すべての市民を対象にスマートフォンなどの使用時間の目安を示した条例は全国で初めてで、10月1日に施行される。

 2025年9月22日(月)

2025/09/21

🟥血液製剤使えなくなるなど不適切な取り扱い5件相次ぐ 日本赤十字社公表

  日本赤十字社は、冷凍庫の電源が落ちて血液製剤1万本あまりが輸血用として使えなくなるなど、血液事業での不適切な取り扱いが5件相次いだことを明らかにした。日本赤十字社は、今後、全国で一斉点検を実施するなど、再発防止に努めるとしている。

 これは、日本赤十字社が19日、東京都内で会見し、明らかにした。

 日本赤十字社によると、今年5月、東京都江東区にある血液センターの出張所で、冷凍庫の電源が落ちて1万3700本あまりの血液製剤が、輸血用として使用できなくなった。

 その後も、9月には北海道の献血会場で職員が誤って使用済みの針を献血者に刺したほか、福岡県では献血者33人分の血液製剤が規定より少ない数の保冷剤で搬送されたため、廃棄処分になるなど、血液事業での不適切な事案や取り扱いが、全国で5件相次いだということである。

 日本赤十字社の紀野修一血液事業本部長は、「深くおわび申し上げます。献血は国民の皆様の善意で成り立っていることなどを踏まえ、重く受け止めています」と謝罪した。

 その上で、全国の血液センターで、業務が手順どおりに行われているかを確認する一斉点検を行うほか、新たに安全管理室を立ち上げることを発表した。

 また、事案の中には発生から公表までに2カ月以上かかったケースもあったことから、厚生労働省への報告や公表の在り方についても見直すとしている。

 2025年9月21日(日)

2025/09/19

🟥男性の性機能障害「ED」治療薬、市販薬として薬局などで購入可能へ

 男性の性機能の障害「ED(勃起障害)」の治療薬が、医師の処方箋がなくても市販薬として薬局などで購入できる見通しとなった。

 この薬は、「エスエス製薬」が市販薬の製造販売について承認申請していた男性の「ED(勃起障害)」の治療薬「シアリス(一般名・タダラフィル)」で、18日に開かれた厚生労働省の審議会で、医師の処方箋なしに薬局などで購入できるようにする方針が了承された。

 購入できるのは、EDの症状がある18歳以上の成人男性で、性行為の前に服用することで機能が改善するとされている。

 この薬は服用すると、陰茎の血管を拡張させて血液量を増やし、勃起を達成させる。国内の臨床試験では、10ミリグラムの服用で挿入成功が81・1%、性交の成功が64・8%だった。

 中枢神経には作用せず、性的欲求を増進させるなどの効果はないということである。

 また、狭心症に使われる硝酸剤など、併用してはいけない薬があることなどから、事前に製薬会社の研修を受けた薬剤師が対面で販売するということである。

 この薬は、3年前の2022年から不妊治療の目的で処方された場合に限り、保険が適用されているが、EDでは、症状があっても、羞恥心などから受診を控える人が少なくないほか、偽造薬が多く流通し、健康被害が出ることなども問題となっていた。

 厚労省によると、薬局などで市販薬として販売されることになれば、こうした状況の改善が期待されるということで、今後、販売錠数の上限といった詳細を詰めた後、パブリックコメントなどを行った上で、正式に承認することにしている。

 2025年9月19日(金)

🟥新型コロナ新規感染者、わずかに増加 1医療機関当たり8・43人

 厚生労働省は19日、全国約3000の定点医療機関から8~14日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が3万1831人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は8・43人で、前週比1・04倍。前週まで2週連続で減少していたが、わずかに増加した。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最も多かったのは宮崎県の17・93人で、愛媛県14・89人、長崎県14・61人と続いた。少なかったのは東京都4・43人、沖縄県4・84人、北海道4・86人などだった。

 2025年9月19日(金)

🟥北海道白老町の養鶏場、鳥インフルエンザ感染確定 今シーズン国内初、45万9000羽の殺処分始まる

 北海道白老町の養鶏場で死んだニワトリから、高病原性の「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された。今シーズン、養鶏場での確認は全国で初めてで、北海道はこの養鶏場で飼育されているニワトリ、約46万羽の処分を始めた。  21日、北海道白老町の養鶏場で複数のニワトリが死んでいる...