2024/02/29

🟧花王とアース、東南アジアで蚊よけ殺虫剤を販売へ デング熱感染防止

 花王とアース製薬は29日、東南アジア向けに蚊よけの殺虫剤を共同で商品化したと発表しました。花王独自の界面活性剤の技術を活用し、蚊の羽の表面をぬらして飛べなくする製品を開発しました。まずタイで7月から販売します。蚊が媒介するデング熱の感染拡大の防止につなげます。

 商品名は「アース モスシューター」。花王が開発した特殊な界面活性剤は、水をはじきやすい蚊の羽の表面をぬらすことができるといいます。最終的に「気門」と呼ばれる酸素を取り込む体の表面の穴を液剤で覆い、窒息させることで駆除します。

 花王のタイの工場で製造し、主にアース製薬の持つ販路を通じて、スーパーや個人経営の商店など5万店で販売し、年間数億円の売上高を目指します。販売状況を見ながら段階的に取扱店舗や商品数を増やすほか、周辺国での販売も検討します。

 東南アジアでは温暖化の影響もあり、重症化すると死亡する恐れもあるデング熱の感染が急速に拡大しています。世界保健機関(WHO)の推計によると、世界で年間3億9000万人が感染しており、タイやベトナム、マレーシアの感染者は2023年に前年の数倍に増えたもようです。

 花王とアース製薬は、入浴剤やトイレ用洗剤などでは競合するライバル。花王の長谷部佳宏社長は29日の発表会で、「自社だけでの開発も検討したが、少しでも早く商品を出すために虫の研究に強いアース製薬と組むことにした」と説明しました。花王は2023年12月期まで5期連続で最終減益となりました。独自技術を生かした商品の開発に力を入れます。

 レモングラス由来の殺虫成分を使ったのも新商品の特徴です。化学合成の殺虫成分の健康への影響を懸念して、東南アジアでは殺虫剤の使用を控える消費者もいるといいます。

 アース製薬の川端克宜社長は、「小さな子を持つ家庭など化学成分を使わない殺虫剤へのニーズは高い」と話しています。タイは同社にとって東南アジアでの主戦場で、2023年の売上高は51億円、殺虫剤のシェアは2割弱の2位です。

 デング熱対策では日本企業が存在感を示しており、武田薬品工業はインドでワクチン製造を始めます。

 2024年2月29日(木)

2024/02/28

🟧高病原性鳥インフルエンザ、周辺の島に続けて南極大陸で初検出 南アメリカから渡り鳥が持ち込んだか

 イギリス南極研究所(BAS)は23日、南極地域で渡り鳥の死骸から高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が初めて検出されたと明らかにしました。ペンギンなど在来種への影響が懸念されます。

 BASは、南極大陸の北に位置するイギリス領サウスジョージア・サウスサンドイッチ諸島のバード島で、ミナミオオトウゾクカモメの死骸から検体を採取。イギリスに検査のため送った結果、陽性だったといいます。

 鳥インフルエンザの感染が拡大している南アメリカから戻ってきた渡り鳥が、ウイルスを持ち込んだ可能性が高いとしています。

 鳥インフルエンザが専門のオーストラリア・メルボルン大学のミシェル・ウィレ氏は、南極地域への感染拡大は「衝撃的な知らせ」だと述べました。

 同氏はX(旧ツイッター)に、「状況は急速に変わる恐れがある」と投稿しました。

 専門家らは、史上最悪の被害をもたらしているHPAIが、多くの鳥類の主要繁殖地となっている南極に到達するとの懸念を示していました。

 イギリス動植物衛生庁のウイルス部門責任者、イアン・ブラウン氏は先週、渡り鳥が南アメリカから南極周辺の島々へ、それから南極大陸へウイルスを広げる恐れがあると警告しました。

 ブラウン氏は報道陣に対し、ペンギンなど南極固有の鳥への影響が現実味を帯びる可能性があると指摘していました。

 一方、スペインの研究機関が25日に公表した報告書によると、南極にあるアルゼンチンの基地付近で見付かった複数のトウゾクカモメの死骸を検査したところ、HPAIが確認されました。これまで南極周辺の島でカモメなどから検出されていましたが、南極大陸で確認されるのは初めて。

 研究機関は、HPAIが「他の大陸から距離がある南極に到達したことを初めて示した」としています。

 2024年2月28日(水)

2024/02/27

🟧2023年出生数、過去最少75万8631人 人口の減少幅は初の80万人超

 厚生労働省は27日、2023年の出生数(速報値)が前年比5・1%減の75万8631人だったと発表しました。8年連続で減少し、過去最少となりました。外国人を含む値で、今後発表する日本人だけの出生数は70万人台前半への落ち込みが確実な情勢です。人口の減少幅は初めて80万人を超え、国力低下に歯止めがかかっていません。

 出生数は、初めて80万人を割った2022年からさらに減りました。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2023年の出生数は76・2万人と見込まれていたものの、想定より早く少子化が進んでいます。推計では、2024年に出生数が一時増加に転じ、76万人を切るのは2035年と予想していました。

 婚姻数は48万9281組で戦後初めて50万組を割り、前年から3万組以上減少しました。新型コロナウイルスの影響で減少したまま、回復していません。2022年は微増でしたが、再び大幅な減少に転じました。婚姻が増えなければ、出生数増加への反転も見通せません。

 離婚数は2・6%増の18万7798組でした。2020年に20万人を切り減少が続いていたものの、4年ぶりに増加に転じました。

 コロナ禍を経て人口減少は加速しています。自然減は83万1872人で、減少幅は4万9567人拡大しました。2020年には51万人程度でした。2024年には人口の半数以上が50歳を超えると見込まれています。現役世代がますます減る中、経済や社会保障の持続性が懸念されます。

 死亡者数は159万503人で前年から8470人増え、過去最多でした。高齢化を背景に3年連続で増加し、出生数の2倍以上となりました。推計値を10万人上回っています。

 2024年2月27日(火)

🟧千葉県の出生数が過去最少の3万6779人 婚姻数も減少し「静かなる有事」が加速

 厚生労働省が27日に公表した2023年1年間の人口動態統計(外国人も含む)の速報値で、千葉県内で生まれた赤ちゃんの数(出生数)は3万6779人で、記録が残る1947年以来、過去最少となりました。前年(確定値)の3万6966人よりも187人減りました。「静かなる有事」(内閣官房幹部)である少子化が加速している実態が浮き彫りになりました。

 死亡数は7万3721人で、前年よりも1463人増えました。出生数と差し引きした自然減は3万6942人でした。

 非婚化も進み、出生数を左右する婚姻数は2万3203組で、前年から1621組減りました。

 出生数の年別の推移をみると、第2次ベビーブームさなかの1973年に8万2960人とピークになって以来、なだらかに減少傾向が続きました。1989年に平成に入ると、5万人台前半でほぼ推移し、2012年には5万人を、2021年には4万人を割りました。

 このまま将来の社会の担い手が減り続ければ、千葉県にとどまらず、国全体の活力が損なわれます。

 政府は「次元の異なる少子化対策」を打ち出し、今国会には児童手当の拡充などを盛り込んだ関連法案を提出しています。

 県も現在、2024年度から4カ年の地方創生総合戦略の改定作業を進めています。ここで今後の人口ビジョンを示し、子供を育て、はぐぐむための方向性を示します。

 2024年2月27日(火)

2024/02/26

🟧インフルエンザ患者数、1カ月半ぶりに減少 B型が最多で42%

 全国の医療機関から報告された季節性インフルエンザの患者数は、2月12日から18日までの1週間で1医療機関当たり20・64人と、前の週より3・29人減りました。前週比0・86倍で、1月初旬以来約1カ月半ぶりに減少しました。

 国立感染症研究所などによりますと、2月12日から18日までの1週間に全国約5000カ所の定点医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週より1万5820人少ない10万1832人だったということです。

 データを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は、約63万3000人となり、昨年9月4日以降の累積の患者数は、約1497万1000人と推計されています。

 都道府県ごとでみてみますと、1医療機関当たりの患者数は、多かったのは福岡県が37・07人、大分県が30・47人、熊本県が29・91人、埼玉県が29・00人、沖縄県が28・33人、少なかったのは秋田県が5・45人、島根県が6・47人、鳥取県が9・48人などとなっていて、39の都府県で前の週よりも減少しましたが、引き続き患者数が多い地域もあります。

 直近5週間で検出されたウイルスはB型が最多で、42%でした。

 感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は、「例年のシーズンのように『A型』が先に広がって、『B型』に置き換わり、減少傾向に転じていく流れをたどっているが、今シーズンは、新型コロナウイルスとの同時流行となったこともあり、このまま推移していくかはまだわからない。入院患者も多い状況で、今後、患者数がどう推移するか、少なくとも数週間は注意する必要がある」と話していました。

 2024年2月26日(月)

🟧気象庁長期予報 、「この夏は顕著な高温になる可能性も」

 今年の春と夏の天候について、気象庁が予報を発表しました。春は気温が平年並みか平年より高くなり、夏は昨年に続き厳しい暑さとなる可能性があるということです。

 気象庁が20日発表した長期予報によりますと、3月から5月までの3カ月は暖かい空気に覆われやすいということです。

 このため、平均気温は、北日本で「ほぼ平年並み」、東日本と西日本で「平年並みか高い」、沖縄・奄美で「高い」と予想されています。

 また、6月から8月の夏の時期は太平洋高気圧が強く楳張り出し、この高気圧の縁を回って暖かい空気が流れ込みやすくなる見込みで、すべての地域で「高い」と予想されています。 降水量については、3月から5月の3カ月は、北日本と東日本、西日本で「ほぼ平年並み」、沖縄・奄美で「平年並みか多い」見込みです。

 6月から8月にかけては、すべての地域で「ほぼ平年並み」と予想され、梅雨の時期は、西日本の日本海側と東日本、北日本で「ほぼ平年並み」、西日本の太平洋側と沖縄・奄美で「平年並みか多い」見込みです。

 気象庁異常気象情報センターの楳田貴郁所長は、「熱帯の大気や海流の動きからこの夏の高温が予測されている。さらに、昨年のように上空の偏西風が大きく蛇行したり、太平洋高気圧が極端に強まったりすると、顕著な高温になる可能性がある」と話しています。

 2024年2月26日(月)

🟧ドラッグストアのウエルシアとツルハ、イオン主導で経営統合を検討 売上高2兆円超に

 流通大手のイオンは、子会社のドラッグストア最大手「ウエルシアホールディングス」と、株式の追加取得を検討しているドラッグストア大手「ツルハホールディングス」の経営統合について、検討していることを明らかにしました。

 イオンは、札幌市に本社があるツルハホールディングスの株式を香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」から追加で取得する交渉を進めており、ファンド側からすべての株式を取得した場合には合わせて26%を超える大株主となり、持ち分法適用会社としてツルハが傘下に入る可能性もあります。

 この交渉と並行する形で、イオンは、子会社のウエルシアホールディングスと、ツルハの経営統合について、検討していることを明らかにし、両社もそれぞれコメントを発表して、経営統合の可能性について検討しているとしています。

 統合が実現した場合には、売り上げが2兆円規模となる巨大ドラッグストアが誕生することになります。

 イオンは、「経営統合について決定された事実はないが、決定され次第、速やかに公表する」とコメントしています。

 また、ツルハは、「決定した事実はない。決定され次第、速やかに公表する」とコメントしています。

 ドラッグストア業界は、各社が買収を繰り返して規模を拡大してきました。2021年にはマツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合しました。イオンも業界再編の必要性を認めており、主導する形で経営統合を検討します。

 2024年2月26日(月)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...