2024/11/30

🟩全国14カ所の水道でPFAS基準超え、2020〜2023年度 2024年度はゼロ

 環境省と国土交通省は29日、健康への悪影響が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」のうち「PFOS(ピーフォス)」「PFOA(ピーフォア)」について、全国の水道事業者が実施した水質検査の結果をとりまとめました。2020年度から2023年度にかけ、全国の14カ所において、PFOSとPFOAの合計で1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)という国の暫定目標値を一時的に上回っていたことがわかりました。

 2024年度については9月末時点で、暫定目標値を上回る水道事業者はありませんでした。岩倉市水道事業(愛知県)と新上五島町水道事業(長崎県)、むかわ町穂別簡易水道事業(北海道)では、49〜47ナノグラムと暫定目標値に近い数値が検出されました。

 環境省と国交省は2024年5月末から9月末にかけ、全国の水道事業者から水質検査の結果を集めました。回答した3595の事業者のうち、検査実績があったのは6割強でした。給水人口が少ない事業者も対象にした大規模調査は初めてとなります。環境省は回答結果を参考にPFASの規制強化について検討を進めます。

 2020年度は東京都や神奈川県座間市など11カ所、2021年度は兵庫県西脇市など5カ所で国の目標値を上回りました。

 目標値を超えた水道事業者は2022年度は4カ所、2023年度は3カ所と減少傾向にあるものの、岐阜県各務原市と岡山県吉備中央町では4年連続で目標値を上回っていました。各務原市では活性炭による浄化システムの稼働など、応急工事を実施しました。吉備中央町でも水源の変更や活性炭の入れ替えなど対策を進めました。

 厚生労働省は2020年、PFOSとPFOAについて水道水1リットル当たり計50ナノグラムとする暫定目標値を設定しました。体重50キロの人が生涯毎日2リットルの水を飲んだとしても、健康に悪影響が生じないと考えられる水準とされます。

 環境省は暫定目標値の位置付けや数値を見直す検討をしています。現在は水道法上で検査の義務が課されない「水質管理目標設定項目」で、目標値を超えることがないよう事業者に管理を依頼する形にとどまっています。

 検査義務などが課される「水質基準」とするかや、目標値を個別に設定するかなどが焦点となります。今回の調査で検査実績がないと回答した事業者は4割程度に上りました。測定義務がないことを理由としているところもありました。

 PFASは炭素とフッ素などが結合した有機化合物の総称で、1万種類以上あるとされます。ほとんど分解されることなく自然界に蓄積される特徴があり、「永遠の化学物質」と呼ばれます。

 代表例がPFOSとPFOAで、発がん性が指摘されています。2023年12月、国際がん研究機関はPFOAを4段階のうち最も高い「発がん性がある」に分類しました。たばこやアスベストと同じ扱いになります。PFOSは下から2番目の「発がん性がある可能性がある」としました。

 国内ではPFOSは2010年、PFOAは2021年に製造・輸入が原則禁じられました。土壌などの環境中に残っていて、現在も検出されます。

 その他のPFASは熱に強く水や油をはじく性質があるため、生活の身近なところで広く利用されています。フライパンや食品包装のコーティング剤や、カーペットなどのはっ水加工のほか、産業用途ではリチウムイオン電池や太陽光パネルの部材、半導体の製造工程に使われています。

 欧米を中心に規制が進みます。アメリカではPFOSとPFOAをそれぞれ1リットル当たり4ナノグラムとする規制値を4月に公表しました。基準を超過した場合は、5年以内に削減の措置を設けます。世界保健機関(WHO)は2022年、暫定ガイドライン値としてPFOSとPFOAをそれぞれ1リットル当たり100ナノグラムとの値を示しました。

 2024年11月30日(土)

2024/11/29

🟩インフルエンザ患者数、全国的な流行期入りから3週連続で増加

 11月24日までに全国から報告されたインフルエンザの患者数は1医療機関当たり2・

36人で、全国的な流行期に入ってから3週連続で増加しました。

 国立感染症研究所などによりますと、11月24日までの1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は1万1678人で、1医療機関当たり2・36人と、前の週から0・48人増えました。

 全国的な流行期に入ってから患者数が増加するのは3週連続です。

 都道府県ごとにみますと、福岡県が5・79人、山形県が5・65人、沖縄県が5・52人、鳥取県が4・28人、長野県が4・09人などとなっているほか、東京都が2・39人、大阪府が2・17人、愛知県が2・06人でした。

 37の都道府県で前の週から増加しているほか、43の都道府県で「1」を上回っています。

 また、これらの数値からこの1週間の全国の患者数は約9万1000人と推計されています。

 厚生労働省は、手洗いやマスクの着用を始めとした「せきエチケット」、それにワクチン接種の検討などの感染対策を呼び掛けています。

 2024年11月29日(金)

2024/11/28

🟩裸眼視力1・0に満たない小中学生、過去最悪だった前の年と横ばい

 子供たちの視力の低下傾向が止まりません。裸眼での視力が1・0に満たない小中学生の割合は、過去最悪だった前の年とほぼ横ばいの状態であることが国の調査でわかりました。

 文部科学省は、全国の幼稚園や小中学校、高校の5歳から17歳までの子供の健康診断の結果について一部を抽出して調査し、毎年公表しています。

 昨年度の裸眼の視力が1・0に満たない子供の割合は、幼稚園が22・9%、小学校が37・8%、中学校が60・9%、高校が67・8%でした。

 ここ4年は新型コロナの影響で調査の時期が異なり、過去の結果と単純比較はできませんが、小学生と中学生の割合は、過去最悪だった前の年よりわずかに改善しましたが、ほぼ横ばいの状態でした。

 また、高校生の割合も前の年より3ポイント余り改善したものの過去3番目の大きさで、子供たちの視力の低下傾向が止まりません。

 裸眼の視力1・0未満を学年別にみると、小1は24・05%ですが、小6は50・49%となり、その後も学年が上がると、増える傾向がみられました。0・3未満は小学生11・07%、中学生28・33%、高校生39・46%でした。

 一方、虫歯については改善傾向が続いていて、虫歯がある子供の割合は、幼稚園が22・6%、小学校が34・8%、中学校が28%、高校が36・4%と、いずれも過去最小となりました。

 子供たちの視力の低下傾向について、文部科学省は「新型コロナが5類移行し、外出する機会が増えたことでわずかに改善した可能性があるものの、タブレット端末の利用など近くを見る作業が増えていて、注意が必要だ。30センチ以上目を離すなどのルールを子供や保護者に呼び掛けていきたい」と話しています。

 2024年11月28日(木)

2024/11/27

🟩世界最高齢のイギリス人男性、112歳で死去 健康の秘訣は「何事もやりすぎない」

 存命中の世界最高齢男性だったイギリス人のジョン・ティニスウッドさんが25日、イングランド北西部サウスポートの介護施設で亡くなりました。112歳。さまざまな世界記録の認定で知られるギネス・ワールド・レコーズ社が26日に、家族の話として発表しました。

 1912年8月26日にリバプールで生まれたティニスウッドさんは、今年4月に世界最高齢の男性に認定されました。

 タイタニック号が沈没した年に生まれ、企業の会計係などを務め、戦時中は陸軍の財務管理の仕事に従事し、2度の世界大戦を生き抜いたティニスウッドさんは、長寿の秘訣は「純粋な運」だとコメント。「長生きするか短命かは運次第で、自分ではあまりできることはない」とギネス・ワールド・レコーズ社に語っていました。

 それでも、健康を保つためにあらゆることに節度を保つべきだとして、「飲みすぎたり、食べすぎたり、歩きすぎたり、何かをやりすぎると、最終的には苦しむことになる」と話していました。

 ティニスウッドさんは毎週金曜に、イギリス料理の代名詞フィッシュ&チップスを食べるのが習慣だったといいます。

 2024年11月27日(水)

2024/11/26

🟩マイコプラズマ肺炎の患者数、過去最多をさらに更新 1医療機関当たり2・84人

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の流行が続いています。11月17日までに全国の医療機関から報告された患者数は1医療機関当たり2・84人と過去最多を更新しました。

 マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛まつや接触で広がり、感染すると発熱や全身のけん怠感、頭痛、せきといった症状がみられます。

 中でもせきは1週間以上続くことがあるほか、一部の人は肺炎が重症化したり衰弱したりして入院するケースもあります。

 国立感染症研究所のまとめによりますと、11月17日までの1週間に全国約500カ所の医療機関から報告された患者数は1医療機関当たり前の週から0・41人増加して2・84人と、これまでで最も多かった10月下旬の2・49人を上回り、現在の方法で統計を取り始めてから最も多くなりました。

 都道府県別でみますと、最も多いのが福井県で8・83人、次いで青森県で5・00人、茨城県で4・92人、京都府で4・71人、北海道で4・59人、広島県で4・50人、埼玉県、愛知県で各4・33人、東京都で4・32人、岐阜県で4・20人、奈良県で4・17人と続きます。

 日本呼吸器学会などは、マスクの着用や手洗いといった基本的な感染対策を徹底することや、せきなどの症状があって周囲にも同じような症状の人がいる場合は医療機関を受診することなどを呼び掛けています。

 2024年11月26日(火)

2024/11/25

🟩丸美屋食品工業、「釜めしの素」に虫の一部混入で自主回収

 食品メーカーの「丸美屋食品工業」は「釜めしの素(もと)」として販売している商品に、ゴキブリとみられる虫の一部が混入していたとして、約1万5000個を自主回収すると発表しました。

 自主回収するのは丸美屋食品工業が新潟県の工場に委託して製造し、全国で販売した「とりごぼう釜めしの素」で、このうち賞味期限が2025年8月21日と9月3日で、内袋に「U4230N54」と印字がある商品です。

 会社によりますと11月、消費者から「商品の内袋に異物が入っている」と指摘があり、その商品を確認したところゴキブリとみられる虫の一部が混入していたということです。

 混入した具体的な経緯についてはわからないとしています。これまでのところ健康被害の報告はないということです。

 購入者は同社公式サイトの登録フォームから必要事項を入力すると、宅配業者が商品を回収し、商品代金相当のクオカードを後日送ります。問い合わせ先は(0120)566275。 

 丸美屋食品工業は「多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。今後このような事態が発生することのないよう品質管理体制を強化し、再発防止に努めてまいります」としています。

 2024年11月25日(月)

2024/11/24

🟩COP29、途上国の気候変動対策支援に年46兆円で合意 途上国からは非難の声

 アゼルバイジャンの首都バクーで開かれている国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)は24日、焦点となっていた途上国の気候変動対策を支援する資金について、会期を延長した末、合意に達したとして、「2035年までに少なくとも年間3000億ドル、日本円にして46兆円あまりを途上国に対して支援する」などとする成果文書を採択し閉幕しました。

 その上で、「すべての国や機関が協力し、公的資金や民間資金からの途上国に対する支援の規模を、2035年までに最低でも年間1兆3000億ドル、日本円にして201兆円あまりに拡大させるよう呼び掛ける」としています。

 支援額は現状の年間1000億ドルから引き上げられたものの、5000億ドルを求めていた途上国グループは不満を表明。採択直後にはインドを始めとしたとした途上国や新興国から、目標額が低すぎるなどと合意内容を批判する発言が相次ぎ、先進国側との対立を残す異例の結末となりました。

 インドの代表は、「成果文書は気候変動の重大さに応えておらず、採択には反対だ」と述べ、不満をあらわにしました。

 また、ナイジェリアの代表も合意された目標額について、「冗談のような金額で問題だ」などと述べて非難し、こうした途上国からの反発に会場からは大きな拍手が起きました。

 これに対し、ヨーロッパ連合(EU)の代表は「目標額は3倍に増やされ、これは野心的で達成可能だ」と述べ、合意の意義を強調しました。

 議長のアゼルバイジャンは、「発言は記録される」とだけ述べ合意は変わらないという姿勢を示しました。

 COP29の合意について国連のアントニオ・グテーレス事務総長は23日、声明を発表し、「1・5度の制限を維持するためには合意は不可欠だった。各国はそれを実現した」と評価しました。

 一方で、「私たちが直面している大きな課題に対応するため、資金面などでより野心的な成果を望んでいた」として、合意した内容は十分ではなかったという認識も示しました。

 その上で、「各国政府に対してこの合意を土台にして積み上げていくことを訴える。化石燃料の時代の終わりは経済的に避けられないことだ」と強調し、来年、ブラジルで開かれるCOP30に向けて各国にさらなる協力を呼び掛けました。

 2024年11月24日(日)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...