2025/03/31

🟥インフルエンザ感染者、3週ぶりに減少 1医療機関当たり1・98人

 厚生労働省は28日、全国約5000カ所の定点医療機関から3月17〜23日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、1医療機関当たり1・98人(前週2・23人)だったと発表しました。3週ぶりの減少となりました。

 都道府県別で最も多かったのは新潟県で、5・02人(同5・86人)と2週連続で最多でした。続いて、長野県4・80人(同5・36人)、沖縄県4・20人(同4・96人)の順。東京都や大阪府など31都道府県で前週の感染者数を下回りましたが、宮城県や福島県など16県では増加しました。流行入りの目安となる「1人」を下回ったのは、岐阜県、三重県、島根県、山口県、徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県の8県でした。

 23日までの直近5週間のウイルスの検出状況をみると、H3N2(A香港型)とB型がそれぞれ36%を占め、前週まで最多だったH1N1(A型)の割合が27%に減りました。

 厚労省は、「感染者のボリュームが大きかったA型が減ったことが、全体の患者数の減少につながっている。A香港型とB型の割合がA型を上回ったが、いずれも感染者はそれほど多くなく、全体としては収束に向かっている」としています。

 定点医療機関から報告された新たな入院患者数は122人(前週127人)で、11週連続で減りました。

 休校や学級・学年閉鎖の措置が取られたのは、小学校を中心に148施設(同396施設)でした。

 2025年3月31日(月)

2025/03/30

🟥岡山県内の病院で男児が脳死判定、6歳未満からの臓器提供は41例目

 日本臓器移植ネットワークは29日、岡山県内の病院に蘇生後脳症のため入院していた6歳未満の男児が、改正臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表しました。

 家族が26日までに臓器提供に同意し、27日午後11時46分、脳死と判定されました。29日に臓器が摘出され、肝臓は九州大病院(福岡市)で10歳未満の男児、腎臓は岡山医療センター(岡山市)で10歳代男性に移植される予定。ほかの臓器は医学的理由などで断念しました。

 日本臓器移植ネットワークによると、6歳未満からの提供は41例目となります。

 2025年3月30日(日)

2025/03/29

🟥2021年のがん患者数は98万8900人、前年比4万4000人増 新型コロナ前の水準に

 厚生労働省は27日、2021年に全国でがんと診断された患者は98万8900人だったと公表しました。すべての患者を集計する「全国がん登録」のデータを分析。前年から約4万4000人増えました。新型コロナウイルスの流行開始による受診控えの影響が解消傾向にあることが増加の主な要因とみられ、流行前の水準に戻りました。

 男性が55万5918人、女性が43万2982人でした。

 人口分布を同じと仮定する「年齢調整罹患率」で計算した人口10万人当たりの患者数で多かったのは、秋田県(424人)、島根県(408人)、青森県(408人)で、少なかったのは宮崎県(344人)、長野県(349人)、沖縄県(358人)でした。

 2025年3月29日(土)

2025/03/28

🟥東京都、ベトナムへの渡航歴がある20歳代男性がはしかに感染と発表 新幹線で移動も

 東京都は、ベトナムへの渡航歴がある20歳代の男性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。

 都によりますと、都内に住む20歳代の男性は、3月20日にくしゃみや鼻水などの症状が出た後、22日以降、発熱や発疹などの症状がみられ、医療機関で検査を受けた結果、25日、はしかと診断されました。

 都内ではしかへの感染が確認されたのは、今年に入って7例目となります。

 男性は現在、自宅で療養中で、症状は軽く、快方に向かっているということです。

 男性には、ベトナムへの渡航歴があり、都は、現地で感染した可能性が高いとみています。

 また、男性は3月19日に新宿区高田馬場の飲食店を利用したほか、20日と22日には東京駅と京都駅の間を新幹線で移動し、不特定多数の人と接触した可能性があるということで、都はホームページで感染した人が利用した飲食店や公共交通機関の情報を公表しています。

 はしかは空気感染で広がり感染力が極めて強いため、都は、発熱や発疹など、感染が疑われる症状が出た場合は、事前に医療機関に連絡した上で受診し、移動の際は、公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けています。

 2025年3月28日(金)

2025/03/27

🟥鳥取県の障害児施設で難病の14歳入所者、看護師がストレッチャーから落下させ骨折 半日後に死亡

 25日、鳥取県米子市の障害児入所施設「県立総合療育センター」で、全身の筋肉が萎縮する難病「筋ジストロフィー」を患う14歳の入所者を、看護師がストレッチャーに移動させようとしたところ、誤って転落させました。入所者は足の骨を折る大けがをしましたが、26日未明に心肺停止となり、搬送先の病院で死亡が確認され、センターは警察とともに死因を調べています。

 鳥取県によりますと、25日午前11時ごろ、米子市にある県立総合療育センターで筋ジストロフィーを患う14歳の入所者が介助を受けて入浴を終えた後、看護師2人がストレッチャー(高さ80センチ)に移動させようとしたところ、誤って転落させました。

 入所者は左足を骨折する大けがをしてセンター内で治療を受けていましたが、26日未明に心肺停止となって別の病院に搬送され、死亡が確認されました。

 県によりますと、看護師2人はストレッチャーを固定するストッパー(安全装置)がかかっているか確認しておらず、移動の際にストレッチャーが動いたため、転落につながったということです。

 一方、死因についてはわかっていないということで、センターは警察と協力して詳しく調べるとしています。

 鳥取県子ども発達支援課の松本剛志課長は、「確認を怠った結果、誤って転落したことについておわびします」としています。

 2025年3月27日(木)

2025/03/26

🟥精子の正常な形成に必要なタンパク質複合体を発見 大阪大チーム、男性用経口避妊薬に期待

 精子が正常に形成されるためにはタンパク質同士が結合した複合体が必要で、欠いた場合は異常が起こることをマウスで突き止めたと、大阪大の研究チームが26日までにアメリカの科学誌「アメリカ科学アカデミー紀要」に発表しました。複合体がないと精子は頭部の根元が折れ曲がり、卵子と受精できないため、タンパク質の働きを阻害することで男性用経口避妊薬が期待できるといいます。

 チームによると、日本では年間約10万件の人工妊娠中絶が行われています。女性用には経口避妊薬があるものの、男性用の開発は成功していません。

 精子は頭部に細長いしっぽがついたような形をしています。チームがマウスのさまざまな遺伝子を操作したところ、Tex38という遺伝子を欠損させると子供が生まれず、精子頭部の根元が折れ曲がったようになるとわかりました。

 Tex38を基に作られたタンパク質は複合体を形成。この複合体が別のタンパク質に働き掛けて不要な細胞質を取り除き、精子の形を変化させていると考えられます。働きを阻害すると頭部に変形が生じたため、複合体が正常な精子を作るために重要な役割を持っていることが判明しました。

 2025年3月26日(水)

2025/03/25

🟥児童虐待が最多22万5509件 2023年度の児童相談所対応、「心理的虐待」6割

 全国の児童相談所が2023年度に対応した18歳未満の子供への虐待件数は22万5509件だったことが25日、厚生労働省の集計でわかりました。前年度から1万666件増え、33年連続で過去最多を更新しました。警察からの連絡が半数を占め、全体の件数を押し上げました。国は増え続ける虐待に適切に対応するため、児童相談所での相談体制を強化する方針です。

 類型別では、子供の前で親が家族に暴力をふるう「面前DV」や暴言を吐くなどの「心理的虐待」が最多で、59・8%を占めました。「身体的虐待」が22・9%、「ネグレクト(育児放棄)」が16・2%、「性的虐待」が1・1%でした。虐待された子供の年齢は「3歳」が1万4423件と最多で、身体的虐待の割合は年齢が上がると高くなっています。

 全国の233カ所の児童相談所から集計しました。虐待件数が増加の一途をたどる一方で、児童相談所は慢性的な人手不足に悩まされています。このためこども家庭庁は、対応に当たる専門職の児童福祉司を2026年度末までに約910人増員し、7390人とする方針を示しています。

 また国は、虐待が疑われる子供の一時保護の必要性を判定させる人工知能(AI)システムの開発も進めていたものの、精度の低さから同庁が導入見送りを決定。同庁は文書要約などの業務効率化に向け、別のAI開発を進める方針です。

 児童虐待に詳しい関西大の山縣文治教授(子ども家庭福祉)は、「虐待件数の増加傾向が止まらない現状では、業務の効率化とともに、質の高い児童相談所職員の確保が急務だ。同時に、深刻度の高いケースに児童相談所が注力できるよう、市町村の福祉担当者が児童相談所を積極的に支援することも求められる」と指摘しています。

 虐待件数を巡っては、「疑い」の段階で虐待としてカウントするなど、一部の自治体で誤った集計方法が続いていた影響で、2021年度以前については今後、減る可能性があるといいます。

 2025年3月25日(火)

🟩大阪市のダイキン工業従業員らから高濃度PFAS検出、肺疾患と関連か 医師らのチームが健康調査

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む製品を作っていた工場の元従業員らの健康調査をした医師らのチームが23日、大阪市内で記者会見を開き、元従業員ら5人の血液からPFASの代表的な物質「PFOA(ピーフォア)」を高濃度で検出したと明らかにしました。...