2022/08/03

🇮🇸伝染性軟属腫(水いぼ)

幼児に多いウイルス性のいぼで、他人にも移りやすい疾患

伝染性軟属腫(しゅ)とは、6歳以下の子供の皮膚に多くできる小さな、丸い突起物。でき初めは水っぽく見えるので、一般的には、水いぼと呼ばれています。

ウイルス感染が原因で起こり、自分の皮膚に移って広がるだけでなく、プールなどで他人にも移りやすい疾患です。

背中や首、ひざの裏など皮膚の薄いところにできやすく、直径1~3ミリほど、肌色や白色、赤みがかったものがあります。半球状に盛り上がり、表面は滑らかで光沢があり、成長したものでは中央にへそのようなくぼみができるのが特徴です。

自覚症状は少ないものの、時に多少のかゆみを伴うこともあります。気になって絶えずいじることも多く、このため自分の体に次々と移して数を増やすことになります。

放っておいて自然治癒することもあります。しかし、半年から2年、長いと4年ほどかかりますし、その間にいぼの数が増えてしまう恐れもあります。早めに皮膚科、ないし小児科の専門医を受診することが勧められます。

伝染性軟属腫の検査と診断と治療

先が輪っかになった特殊なピンセットで、いぼをつまみ取るのが、最も早く効果的な方法です。いぼの中にあるウイルスの白い塊を取り除くのです。ただ、痛みがあるので、泣いたり暴れたりする子供もいます。痛みを和らげるために、事前に局所麻酔剤付きのテープを張った後に行うこともあります。

一部の医師では、痛くない治療として、いぼを液体窒素で凍らせウイルスを死滅させる方法や、硝酸銀溶液を塗って焼き取る方法などをしています。しかし、治療期間が長くなったり、効果が出にくかったり、硝酸銀の場合、患部回りの皮膚にまで薬剤がついてしまい、軽いやけどの跡が残ってしまうこともあるなど一長一短です。治療内容を問い合わせてから、受診するとよいでしょう。

家庭での注意としては、軽いかゆみを感じることがあっても、いじって、いぼをつぶさないこと。ウイルスが散って症状が広がったり、他人に移すことになります。 水を介して移ることはなく、裸同士の接触で感染すると考えられています。治るまで入浴は兄弟姉妹と別々にし、タオルも使い分けます。保育園などのプールは、治療がすむまで控えることが望まれます。

🇹🇷伝染性膿痂疹(とびひ)

化膿菌がついて全身のどこにでも炎症が起こる皮膚病

伝染性膿痂疹(のうかしん)とは、虫刺されやけがによる傷をかき壊したところに、化膿菌がついて起きる皮膚の炎症。俗に、とびびと呼ばれます。

幼児にできやすい疾患で、全身のどこにでも、水膨れと、かさぶたのついたジクジクしたびらん面ができ、かゆみが強いためにかくと、どんどん広がっていきます。

原因菌は、黄色ブドウ球菌と溶血性連鎖球菌(溶連菌)という二つの菌が主体になります。この化膿菌は、毛包とか汗管を通らないで、直接に表皮角質の間を侵入、感染して、炎症が起こります。

黄色ブドウ球菌の時は大きな水膨れになる水疱(すいほう)性膿痂疹、溶血性連鎖球菌の時は大きな水膨れにならず、かさぶたが厚くつく結痂性膿痂疹に分類されますが、両方の菌が感染していることも多く、はっきりと区別のつけにくいこともあります。

黄色ブドウ球菌は、扁桃(へんとう)炎の原因にもなる菌で、鼻など体のどこにでもいます。この菌が健康な皮膚についても何の症状も起こしませんが、虫刺されやけがでできた傷、あせもやアトピー性皮膚炎などをかいてできた傷などにつくと、そこから感染して化膿します。

最初の症状は、粟(あわ)粒からクルミの実くらいの大きさで、膜の薄く、破れやすい水膨れが多発します。皮膚に赤みがある場合と、赤みがない場合とがあります。水膨れはすぐにつぶれて、かさぶたのついたジクジクしたびらん面になり、その周囲に新たに、小さい水膨れが拡大していきます。びらん面は1週間ほどで治りますが、次々に新しい水膨れができていきます。

かゆみが強いため、そこをかいた手でほかの部分をかくと、手についた菌がついて、全身のどこにでも広がっていきます。本人だけでなく、幼くて皮膚の抵抗力が低い兄弟姉妹など周囲の人にも感染していきます。

季節的には一年中できる可能性はありますが、やはり高温多湿の8月から9月にかけてが最も多くみられます。

まれに、黄色ブドウ球菌の持つ毒素が全身に回って、全身の皮膚が真っ赤になり、やけどのように皮膚がはがれるなどの、激しい症状が出る場合があります。これはSSS症候群(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)と呼ばれ、入院治療が必要になります。

また、生後間もない新生児が伝染性膿痂疹にかかると、敗血症や肺炎などを併発する場合があるので、注意が必要です。

伝染性膿痂疹の検査と診断と治療

伝染性膿痂疹(とびひ)の最中に、幼児の口、目の回り、わきの下、またの付け根などが赤くなり、痛がり、発熱することがあります。これはSSS症候群で、とても危険な状態ですので、すぐに皮膚科を受診します。また、腎(じん)炎を併発することもあるので、顔にむくみが出たら小児科を受診します。

軽い場合は、患部を消毒して、皮膚科で処方された抗生物質の入った軟こうを塗ります。全身に広がっていたり、ジクジクがひどい場合は、さらに抗生物質を内服したり、注射します。抗生物質での治療は、効果が十分に出て化膿菌が完全に死滅するまで時間がかかるため、医師にいわれた期間は必ず続けるけることが必要。途中でやめてしまうと、すぐに再発して、治るまでに時間がかかります。

また、入浴は最低でも1日1回、できれば何回でも、幼児にさせます。伝染性膿痂疹は感染力が強いので、湯船には入れずに、シャワー浴にしたほうが無難です。殺菌効果の高いせっけんを使って、ガーゼでかさぶたや水膨れを取るようにして、よく洗います。洗ったあとは、患部をよく乾燥させてから、消毒し軟こうを塗ります。

兄弟姉妹がいる場合は、タオルの共用は避けます。完治するまでは、プールや大衆浴場へは行かないようにします。

黄色ブドウ球菌は、鼻の中にたくさんいます。鼻水や鼻くそは、ガーゼなどできれいに掃除します。アトピー性皮膚炎を起こす子供の場合は、もともと皮膚のバリア機能が弱くて、ブドウ球菌への抵抗力が備わりにくく、伝染性膿痂疹になりやすい傾向にあります。早めのケアを心掛けます。

🇦🇺点頭てんかん

生後4カ月から1歳ころの小児に発症する予後不良のてんかん

点頭てんかんとは、生後4カ月から1歳ころの小児、特に男児に多く発症する予後不良のてんかん。1841年にウエストという医師が彼自身の息子の病状と経過を報告したのが最初で、ウエスト症候群とも呼ばれます。

てんかんは、脳の神経細胞の伝達システムに一時的な機能異常が発生して、反復性の発作が起こる疾患です。発作時には意識障害がみられるのが普通ですが、動作の異常、けいれんなどだけの場合もあります。こうした異常な症状が長期間に渡って何度も繰り返し現れるのが、てんかんの特徴です。

てんかんの一つの点頭てんかんは、新生児期から乳児早期に発症する大田原症候群、2歳~8歳に発症するレノックスガストー症候群とともに、年齢依存症てんかん性脳症に分類されます。それぞれのてんかんの好発年齢が乳幼児期にみられること、大田原症候群から点頭てんかんへ、さらに点頭てんかんからレノックスガストー症候群へと年齢とともに変容することが多いため、脳の発達過程とこれらのてんかんの発症が密接に関連しているものと考えられています。

点頭てんかんは、発症前の発達が正常で、いろいろな検査でも原因が見いだせない特発性と、明らかな原因となる基礎疾患があって脳に障害が存在し、その随伴症状として発作がみられる症候性の2つに大別されます。特発性が10から20パーセント、症候性が80から90パーセントを占めます。

症候性点頭てんかんの基礎疾患としては、胎内感染症、先天性脳奇形、先天性代謝異常症、新生児頭蓋内(ずがいない)出血、新生児低酸素性虚血性脳症、小頭症、髄膜脳炎、結節性硬化症、フェニルケトン尿症、頭部外傷などがあります。原因となる基礎疾患のうち、単性疾患としては結節性硬化症が最も多く、皮膚の白斑(はくはん)が診断の手掛かりとなります。

発作の型としては、瞬間的な全身性ミオクロニー発作が特徴です。すなわち、驚いたように両腕を上げると同時に頭部を前屈(点頭)する短い強直発作が数秒間の間隔で、数回から数十回と反復して起こります。このような反復発作をシリーズ形成といい、寝て起きた時あるいは眠くなった時など1日に数シリーズ繰り返してみられます。

 発作が起こるとともに、今まで笑っていた乳児が笑わなくなったり、お座りしていた乳児がお座りしなくなるような精神運動発達の荒廃がみられてきます。

症状がある場合は、小児科、あるいは神経内科を受診します。早期診断と早期治療開始が重要で、とりわけ点頭てんかん発症まで正常の発達がみられていた特発性では、治療によって良好な予後が期待されます。

医師による診断では、脳波検査が決め手となり、ヒプスアリスミア(脳波の不整波)と呼ばれる特徴的な所見がみられます。生後1カ年未満で、10分間程度の間に発作が10~30回まとまってみられるシリーズ形成した点頭発作、ヒプスアリスミア、精神運動発達遅滞がみられれば、点頭てんかんと確定されます。原因となる症候性点頭てんかんの基礎疾患の検討も重要で、血液検査、頭部CT、頭部MRI検査などを行います。

医師による治療では、バルプロ酸、ゾニサミド、ニトラゼパム、クロナゼパムなどの抗てんかん薬と、ビタミンB6の大量投与が試みられますが、有効でない場合も少なくありません。

その場合は、副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモン(ACTH)療法が行われます。約70パーセントにコントロールが期待されますが、副作用として感染症、高血圧、電解質異常、一過性の脳委縮などがみられることがあるため注意が必要で、最近はなるべく少量を短期間に使用する傾向があります。症候性点頭てんかんでは、ACTH療法で一時的にコントロールできても再発することも多く、年齢が進むとレノックスガストー症候群へ変容することも多くみられます。

予後は不良で、90パーセント以上に何らかの精神運動発達障害みられます。また、50パーセント以上に他の発作型の合併がみられます。点頭てんかんの発作そのものは、2~3歳以後になると自然消失しますが、多くはレノックスガストー症候群や焦点発作などの他の発作型へ移行します。脳波のヒプスアリスミアも発達の一時期にみられる異常で、年齢とともに、焦点性発作波や不規則棘徐波(きょくじょは)結合に移行します。

点頭てんかんで予後良好なものとしては、発症以前の発達が正常で、治療が発症1カ月以内に開始されて発作が抑制され、脳波で局在のみられないものが挙げられます。発作の消失は、必ずしも知能の改善を意味しません。

2022/08/02

■東京都で3万842人が新型コロナ感染 2日連続前週下回る

 東京都は2日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の3万842人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

 1週間前の火曜日より751人減り、1日に続いて2日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。2日までの7日間平均は3万2009人で、前の週の110・9%でした。

 新規感染者を年代別にみると、最多は40歳代の5406人で、20歳代の5359人、30歳代の5254人と続きました。65歳以上は3342人でした。

 ワクチンの接種状況別では、2回接種済みが2万6人、未接種は5292人でした。

 病床使用率は55・0%。また、都が緊急事態宣言の要請を判断する指標を30~40%としている重症者用病床使用率は29・8%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者数は、前日より5人増えて34人でした。

 一方、都は、感染が確認された60歳代から90歳代の男女合わせて9人が死亡したことを発表しました。

 東京都の累計の感染者数は221万9533人となり、累計の死者数は4681人になりました。

 2022年8月2日(火)

■韓国、新規コロナ感染者11万1789人 105日ぶりに高水準、海外流入も568人で最多

 韓国の中央防疫対策本部は2日、この日午前0時現在の国内の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時の時点から11万1789人増え、累計1993万2439人になったと発表しました。1日当たりの新規感染者数としては、オミクロン型変異ウイルスの流行がピークを過ぎて減少しつつあった4月19日(11万8474人)以来、105日ぶりに11万人を超える高水準となります。また、累計感染者数は今日2日のうちに2000万人に達する見通し。

 新規感染者数は前日(4万4689人)の2・5倍に急増しました。週末に検査件数が減る影響で月曜日の発表では新規感染者数が少なめとなり、週半ばにかけて増える傾向があります。

 1週間前の7月26日(9万9252人)と比べると約1・1倍、2週間前の同19日(7万3550人)比では約1・5倍でした。7月は前週比で約2倍増加する状況が続いたものの、先週半ばからは増加ペースがやや鈍化しています。

 一方、累計感染者数は明日3日の発表で2000万人を超えると予想されます。国内で最初の感染者が確認された2020年1月20日から792日となる今年3月22日に1000万人に達し、さらに133日で2000万人を突破することになります。

 この日の新規感染者のうち海外からの入国者は前日より132人多い568人でした。7月27日(534人)を上回り過去最多を更新しました。入国者に対する規制緩和を受け6月24日から連続で100人を上回っています。夏休みシーズンで海外旅行などに出掛ける人が増えたことも影響しました。市中感染者は11万1221人でした。

 新たな死者は16人で、前日より5人少なくなっています。年齢帯別には、80歳以上9人、70歳代5人、60歳代と50歳代がそれぞれ1人です。死者の累計は2万5084人。致死率は0・13%。

 重症者数は282人と前日から5人減ったものの、1週間前(168人)の約1・7倍、2週間前(91人)に比べると約3・1倍となりました。増加ペースは新規感染者数を上回っています。

 2022年8月2日(火)

■北朝鮮、4日連続で新型コロナ感染疑われる新規発熱者「ゼロ」と発表

 北朝鮮が新型コロナウイルス感染が疑われる新規発熱患者数が4日連続で「0人」だったと発表しました。

 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は2日、国家非常防疫司令部の発表を引用し、去る8月31日午後6時からの24時間で、全国的に新たに発生した発熱患者は「いない」と報じました。同期間、完治した発熱患者数は49人と集計されたとしています。

 北朝鮮が1日当たりの新規発熱患者を「0人」と発表するのは、報道日を基準にして7月30日から「4日連続」。

 ただし、新規死亡者および累計死亡者統計、致死率は公表しませんでした。最後に公開した7月5日の統計では死者の累計は74人、致死率は0・002%となっています。

 一方、北朝鮮で今年4月末から前日午後まで、北朝鮮内で発生した発熱患者は計477万2813人。このうち99・996%に該当する477万2644人が完治し、0・002%に当たる95人が治療を受けています。

 2022年8月2日(火)

■救急搬送困難が全国で6307件、1週間で過去最多

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、救急患者の搬送先がすぐ決まらない「救急搬送困難事案」が、7月31日までの1週間に全国で6307件あり、過去最多となりました。総務省消防庁が2日に発表しました。

 前週と比べて272件(5%)増えました。これまでの最多は、第6波のさなかの今年2月14~20日の6064件。オミクロン型の変異系統「BA・5」の流行による第7波を受け、医療機関の救急患者の受け入れがかつてなく難しくなっていることが浮き彫りとなりました。

 このうち、コロナ感染が疑われる患者の搬送困難事案も2789件と、2週連続で過去最多を更新しました。

 消防庁では全国主要都市の52の消防本部で、救急隊が医療機関に患者を受け入れ可能か4回以上問い合わせ、現場に30分以上とどまった事例の件数を、2020年4月から1週間ごとに調べています。主な消防本部では、東京消防庁2861件(前週比10%減)、大阪市消防局526件(同2%増)、名古屋市消防局102件(同44%増)、福岡市消防局217件(同50%増)など。

 2022年8月2日(火) 

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...