2022/08/14

🇨🇺卵アレルギー

卵アレルギーとは、卵の摂取でアレルギー症状が出現した状態。食物の摂取でアレルギー症状が出現する食物アレルギー(食品過敏症)の一種です。

卵アレルギーの場合、主なアレルゲン(抗原)は卵白(白身)に含まれています。そのアレルゲンは、オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリンなどのたんぱく質です。特に、オボムコイドは最もアレルゲン活性(アレルギーを起こす性質)が強く、加熱しても変わりません。

極度に強い卵アレルギーのある場合を除けば、卵黄にはアレルゲン活性はないといわれています。

卵アレルギーは、乳児や小児のころに多くみられます。消化器官が弱いことが一因となっているため、ある程度年齢を重ねると消化器官が強くなり、卵アレルギーが自然に治ってしまうことも多くみられます。しかし、牛乳アレルギーなどとは違って、大人になってもみられる人がいるのが特徴です。

アレルギー症状は、口唇、口腔(こうくう)粘膜の接触皮膚炎様の湿疹(しっしん)から、気管支喘息(ぜんそく)、じんましん、胃腸障害を引き起こすものまでさまざまです。時には、血圧低下、顔面蒼白(そうはく)、呼吸困難、意識混濁など生命にかかわる急激な全身のアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こす場合もあります。

卵を食べてから発症するまでの時間は、アレルゲンへのアレルギーの強さと本人の抵抗力とで、かなり差が出ます。アレルギーの度合いが極度に強ければ、食べて数分で呼吸困難や、じんましんを起こす場合もあります。アレルギーの度合いが軽ければ、半日~数日後に湿疹が出て、その後卵アレルギーが消失するケースもあります。

卵アレルギーの治療は、主治医との相談の上で進めることが基本。原因となる卵を食べないのはもちろん、原則として卵を含む加工品もすべて除去します。また、鶏卵以外の卵や、魚卵も除去します。卵で強いアレルギー症状が出ると診断された場合には、鶏肉や加工食品も除去します。

食物除去療法でアレルゲンを除いたら、それに代わる栄養価の食品で補う必要があります。充実しているアレルギー対応食品を利用するのもよいでしょう。

乳児や小児の場合は、卵を取らない食事に変えることによって、年齢が大きくなるとともに、卵アレルギーが改善される場合が多くあります。成人の場合でも、少数ながら加齢に伴って症状がなくなるという人もいますが、現在のところ、卵アレルギーを含めた食物アレルギーに関しては、根本的な治療法というのは見付かっていません。そのため、現状では除去食対応というのが、正式な対応になります。

卵アレルギーの原因となる卵を使用した主な食材は、はんぺん、かまぼこ、竹輪、めん類、マヨネーズ、菓子パン、カステラ、ケーキ、ケーキの素、ホットケーキ、インスタントラーメン、インスタントココア、豚カツ、コロッケ、天ぷら、プリン、アイスクリーム、ビスケットなど。

🇨🇺垂れ乳

出産、授乳、加齢などが原因となって乳房が垂れた状態

垂れ乳とは、出産や授乳、加齢などが原因となって、女性の乳房が垂れ下がった状態を指す症状。下垂乳房、乳房下垂症とも呼ばれます。

女性の乳房の理想は、両鎖骨間のくぼみである鎖骨上窩(じょうか)と左右の乳房にある乳頭の3点をそれぞれ結んだ三角形が正三角形であることとされていますが、左右の乳頭の位置が垂れ下がると縦長の二等辺三角形となります。このような状態を指す症状が、垂れ乳です。

女性の乳房の膨らみを形作っているのは乳腺(にゅうせん)組織、脂肪組織、クーパー靭帯(じんたい)と呼ばれる繊維の束の3種類です。クーパー靭帯は、乳房内に網の目のように張り巡らされており、乳腺組織、脂肪組織を大胸筋とつなぎ、乳房の膨らみを形作る役割を果たしています。

垂れ乳は、乳腺組織、脂肪組織を支えているクーパー靭帯が伸び切ってしまうことと、乳房を覆っている皮膚の衰えが主な原因となって、乳房の形が保てなくなることで起こります。

そのクーパー靭帯の伸び切り、乳房の皮膚の衰えは、加齢などによるホルモンバランスの変化、妊娠出産授乳時の乳房の大きさの急激な変化、乳房自体の重さ、物理的な刺激、姿勢の悪さなどが要因となって、起こります。

乳腺を発達させ、乳房の張りを保つのは、エストロゲンという女性ホルモンの役割です。加齢や不規則な生活によりホルモンのバランスが変化すると、エストロゲンの分泌が少なくなり、垂れ乳の原因となります。

また、妊娠出産授乳時に乳房の大きさの急激な変化を経験すると、クーパー靭帯と乳房の皮膚が伸びます。出産授乳時には、母乳を作るためのホルモンが働いて乳腺が発達して大きくなり、併せて乳房が大きくなり、それに合わせて皮膚も張って伸びてきます。やがて授乳の必要がなくなると、乳腺は委縮し、線維化し、脂肪化します。しかし、クーパー靭帯と皮膚のほうは、それと同じように委縮しません。中身が減ったのに伸びているので、乳房の形が保てなくなり垂れるわけです。妊娠や出産、授乳を重ねることにより、次第に形状の変化が明らかになります。

同じ意味で、体重の急激な増減に伴う乳房の大きさの変化も、垂れ乳の原因となります。

元々乳房が大きく、乳房自体の重さがあることも、クーパー靭帯と乳房の皮膚の伸びにつながり、垂れ乳の原因となります。乳房が大きすぎて垂れている場合には、重さで肩が凝ったり、猫背になったり、ブラジャーのストラップが肩に食い込んだり、乳房の下縁部に皮膚炎ができたりすることもあります。

ノーブラでランニング、ジョギングなど胸が上下に動くような激しい運動を頻繁にしたり、過度の乳房マッサージをしたりなどの物理的刺激によっても、乳腺組織やクーパー靭帯が痛められることがあり、垂れ乳につながることがあります。

日ごろから背中が丸まった猫背など悪い姿勢をとっていると、大胸筋などの胸付近の血流が滞って悪くなる結果、乳房が冷えて栄養がゆき届かなくなり、張りを失って、垂れ乳を招くこともあります。

垂れ乳は主にごく自然な生理現象として起こるので、加齢に伴う経年変化として受け入れられるのであれば、特に治療の必要はなく、放置してかまいません。

美容的な問題により、改善したいと望むのであれば、乳腺(にゅうせん)外科、形成外科、あるいは美容整形外科を受診し、垂れ乳を治療する形成外科手術によって整えることを考えてみてもよいのではないかと思われます。

垂れ乳の検査と診断と治療

乳腺外科、形成外科、美容整形外科の医師による診断では、視診、触診で判断します。超音波(エコー)検査、マンモグラフィー(乳腺X線検査)で脂肪化した乳腺を確認すれば、診断は確定します。

乳腺外科、形成外科、美容整形外科の医師による治療では、乳頭の高さによって軽度、中等度、重度の段階があり、それぞれで方法が違ってきます。

軽度の垂れ乳に対する手術は、乳輪の周囲の皮膚を切除し引き締める乳輪移動術が一般的で、乳輪から上部に渡って皮膚を切り取り、上にずらして縫合します。

中等度の垂れ乳に対する手術は、乳房の下垂や乳輪の位置の修正を目的とした乳房固定術が一般的で、乳輪の上部の皮膚を丸く切り取り、乳輪をそこへ移動させ、乳腺組織と脂肪組織を上部に縫合し、固定します。手術の後、どうしても重力の影響で乳輪の形が微妙に縦型になったり、おむすび型になったりすることがあります。これに対しては、手術部が十分落ち着いてから必要に応じて乳輪の形の修正を行います。

重度の垂れ乳に対する手術は、乳房縮小術が一般的で、乳輪を上部に移動させるだけでなく、乳房の下方をピラミッド型に切除して上に持ち上げて縫合します。

また、乳房の大きい人の場合、中身も大きく垂れていることが多いため、乳腺組織や脂肪組織を同時に除去する乳房縮小術を併用する場合もあります。

逆に、乳房が小さかったり、張りがなくなったために垂れている場合には、脂肪注入やフィラー注入、あるいは人工乳腺(豊胸バッグ)挿入による乳房形成手術(豊胸手術)を行うことで、よい結果が得られることがあります。

左右非対称の乳房の治療の場合も、同じように小さいほうの乳房を乳房形成手術(豊胸手術)で大きくする方法、もしくは大きいほうの乳房を乳房縮小術で小さくする方法で、大きさをそろえる治療をします。

ほとんどのケースは、局所麻酔下の手術が可能で日帰り手術です。入浴に関しては、手術部がぬれない半身浴なら翌日から可能です。

手術後数時間程度で麻酔が切れると、徐々に痛みが出てくる場合がありますが、処方された薬を服用することにより軽減できます。また、一時的に乳頭の感覚が鈍くなる場合がありますが、時間の経過により徐々に通常の感覚に戻ります。傷が目立たなくなり希望の状態になるまで、約半年ほどかかります。

🇧🇸単純性血管腫

出生時から認められ、皮膚の毛細血管の拡張、充血でできる赤あざ

単純性血管腫(しゅ)とは、赤ぶどう酒のような鮮紅色から暗赤色をした平らなあざ。 赤あざの一種で、赤ぶどう酒様血管腫、ポートワイン母斑(ぼはん)、毛細血管腫とも呼ばれます。

普通は出生時から認められ、形は不規則、境界は鮮明で、あざの表面が赤インクで染まったように見えます。顔面に最も多くみられますが、体のいずれの部位にも発生します。皮膚を圧迫すると、赤みは一時的に消えます。乳児の成長に比例して面積が増しますが、それ以上に拡大することはありません。

自然に消えてなくなることはなく、加齢によって色調が濃くなります。また、加齢とともに少し膨らみ、いぼ様の隆起が出現することもあります。

この単純性血管腫は、胎児期における血管の構成上の形成異常により、真皮の上の部分の毛細血管が拡張、充血するために生じます。毛細血管の細胞が増殖することはありません。多くは、美容的な問題があるだけであり、放置してもかまいません。

ただし、この型の大きな血管腫が目の周囲など顔の片側にある時は、スタージ・ウェーバー症候群といって、眼球や脳の中に血管腫が合併することがあり、緑内障、てんかんを生じることがあります。また、片側の腕や下肢に大きな血管腫がある時は、クリッペル・ウェーバー症候群といって、その部分の筋肉や骨の肥大などの合併症があることがあり、成長とともに患肢の肥大、延長、静脈瘤(りゅう)、動静脈ろうなどが明らかになることがありますので、注意が必要です。

乳児に単純性血管腫の症状が認められた場合には、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診して、診断を確定するとともに治療法についても相談します。

単純性血管腫の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科の医師は通常、見た目と経過から診断します。単純性血管腫を早期に的確に診断することは、必ずしも簡単ではありません。スタージ・ウェーバー症候群やクリッペル・ウェーバー症候群が疑われる場合には、画像検査などが必要になります。

単純性血管腫に対しては、パルス色素レーザー治療が第一選択です。うすいあざなので、手術をすると残った傷が目立つためです。パルス色素レーザー治療は、従来のレーザー治療に比べて傷跡が残ることが少なく、効果も優れていますが、まだ完全に赤みを消せるとまではいえません。また、数回以上の照射が必要になることも多いようです。乳幼児期から開始する早期治療が、有効です。

カバーマークによる化粧で色を隠すのも、選択肢の一つです。

🇧🇸単純性甲状腺腫

甲状腺が腫れるが、機能は正常

単純性甲状腺腫(せんしゅ)とは、甲状腺が腫(は)れる疾患。しかし、甲状腺の機能に異常はなく、炎症や腫瘍(しゅよう)もなく、単に甲状腺全体が均一に腫れている状態です。

原因ははっきりしませんが、生体に必要な甲状腺ホルモン量の不足が生じ、不足を補うために甲状腺刺激ホルモン(TSH)が増加して、甲状腺が腫れると考えられます。

その単純性甲状腺腫に含まれるものとして、思春期の甲状腺ホルモン需要の増大によるもの、甲状腺ホルモンを作る材料であるヨードの地域的な摂取不足によるもの、ヨードの過剰摂取によるもの、甲状腺ホルモン合成酵素の軽度の障害によるもの、甲状腺肥大を来す薬物の内服によるものなどが挙げられます。

思春期の甲状腺ホルモン需要の増大によるものとしては、思春期の女性で甲状腺の腫れが時々みられ、思春期甲状腺腫という名で呼ばれています。この場合、思春期を過ぎると自然に元に戻ると見なされます。

ヨードの地域的な摂取不足によるものは、大陸の奥地や山岳地帯に住んでいる人たちにみられ、土壌と水分にヨード含有量が少なく、ヨードを含む食べ物も少ないために起こってくるのであり、地方性甲状腺腫という名で呼ばれています。

ヨードの過剰摂取によるものは、海藻類などからヨードを多量に摂取にしているために起こってくるのであり、北海道の一部など単純性甲状腺腫が多発している地方があります。ヨードの摂取量とは関係はなく、他の何らかの原因によって起こっているとする説もあります。

症状としては、甲状腺腫が非常に大きくなると、気管や食道が圧迫され、多少呼吸や飲み下しが困難になることもありますが、非常にまれです。首が少し太く見える程度の腫れの場合には、ほかに症状はないのが一般的です。ただ、首の前や咽喉(いんこう)頭の違和感を覚える場合はあります。

検査と診断と治療

医師による検査では、慢性甲状腺炎(橋本病)や、バセドウ病に代表される甲状腺機能亢進(こうしん)症などとの区別のために、血液検査が行われます。腺腫様結節との区別のために、超音波検査が行われることもあります。

血中甲状腺ホルモン値が正常で、抗甲状腺抗体も陰性であり、自覚症状も特になく、柔らかい小さな甲状腺腫が触れる場合は、単純性甲状腺腫と診断されます。

ほとんどの場合、治療は必要なく、時々経過を追うだけで十分です。日常生活においても、海藻類などのヨードの摂取不足や過剰摂取に気を付ける以外は、特にありません。

甲状腺の肥大を来す薬物の内服がある場合は、それを是正します。甲状腺腫が大きい場合は、甲状腺ホルモン剤を服用すると、3カ月くらいで腫れていた甲状腺が縮小していきます。

なお、甲状腺腫が大きい場合は、後に橋本病やバセドウ病が出現する可能性を考えて、年1回程度病院でチェックするとよいでしょう。思春期の腫れに関しても、後々橋本病やバセドウ病が出現する場合もあるので、時々経過観察するとよいでしょう。

🇯🇲単純性紫斑

若い女性に多くみられ、四肢、特に下肢に紫色の出血斑が現れる疾患

単純性紫斑(しはん)とは、しこりのない点状の出血斑である紫斑が四肢、特に下肢の皮膚表面に好発する疾患。単純性紫斑病とも呼ばれます。

20歳代の女性に多くみられ、過労や生理の時に悪化しやすい傾向と、春、秋に多い傾向があります。紫斑ができやすい人が家族にいる場合もあり、遺伝的傾向が高いようです。

原因は不明で、血液検査をしても異常を認めませんが、毛細血管壁の弱さが関係するものと考えられています。毛細血管の抵抗力が弱り、血管の透過性が高まってしまうために、血液が血管から漏れ出して、皮下出血を起こすのです。

また、特定の物質に対するアレルギー反応が原因ともいわれています。アレルギー性紫斑病(血管性紫斑病、アナフィラクトイド紫斑病)の軽症型とみることもあるようです。

症状としては、下腿の皮膚の表面に粟(あわ)粒から米粒大の点状の紫斑が多数散在して現れ、時に色素の沈着を残します。膨らみのない平らな紫斑は臀部(でんぶ)、太ももなどの柔らかい部分に現れることが多く、時には上腕に現れます。紫斑が全身に現れることはなく、紫斑のほかには症状が現れることもありません。合併症もありません。本人には、下肢をぶつけたような記憶がないのが普通です。

激しいスポーツなどは控えて、なるべく安静にしていれば、紫色の出血斑は褐色、黄色に変わって消えていきます。数週間でよくなる予後のよいもので、それほど深刻な疾患ではないのですが、再発しやすいことに注意が必要です。

また、紫斑は血管や血小板の異常など重い疾患の前触れのこともあり、医療機関で検査をしてみないと、心配のいらないものか、治療の必要があるものかわかりません。従って、しばしば紫斑ができるようなら、アレルギー性紫斑病や軽症の特発性血小板減少性紫斑病など他の紫斑病との鑑別のため、早めに皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診するのが好ましいでしょう。

単純性紫斑の検査と診断と治療

血液検査をしても異常は認められず、血小板数、出血時間、プロトロンビン時間(止血作用を行う凝固因子の働きを測定する検査)などの出血性素因の検査は正常です。皮膚科、ないし皮膚泌尿器科の医師は目で見て診断しますが、腎(じん)炎の発症の可能性があるアレルギー性紫斑病、血液に異常のある特発性血小板減少性紫斑病などほかの紫斑病と区別する必要があります。

治療においては、なるべく安静し、激しいスポーツなどは控えるようにします。時に血管強化薬として、ビタミンC剤を内服することがあります。数週間で自然に消えてなくなり、予後のよい疾患ですが、再発しやすいので注意が必要です。

🇯🇲単純性早発乳房

乳幼児期の女児の乳房が大きくなるもの

単純性早発乳房とは、乳幼児期の女児の乳房がはれたり、乳房にしこりができるもの。単純性乳房肥大、早発乳房、乳房早期発育症、思春期前乳房隆起などとも呼ばれます。

発生頻度は人口10万人当たり40人程度で、珍しいものではありません。2歳以下の発症が、60〜85パーセントを占めます。

乳腺(にゅうせん)と乳房が軽度に大きくなり、異常に大きくなることはありません。両側性のものがほとんどですが、片側だけの場合もあります。

通常、症状は進行せず、多くの場合2年から3年で自然に縮小し、消失します。中には、軽度のはれやしこりが5年以上持続するものがあるものの、病的な意味はなく、特別な治療も必要ありません。

単純性早発乳房の原因は明らかでありませんが、下垂体ホルモンや卵巣ホルモンの分泌の一過性の高進や、これらのホルモンに対する乳腺の感受性の一過性の高進などが原因の一つと考えられています。

乳房の大きさが増したり、恥毛や腋毛(わきげ)が生えてきたり、初潮の発来が早すぎたり、身長の伸び方が急激すぎたりする場合は、単純性早発乳房以外の疾患の可能性を疑う必要があります。

疑われるのは、思春期早発症などのホルモン分泌異常による性早熟や、副腎(ふくじん)などの内分泌疾患で、このような場合は経過をみて小児科、小児内分泌科を受診し、検査を受けて区別する必要があります。

単純性早発乳房の検査と診断と治療

小児科、小児内分泌科の医師による診断では、視診、触診、超音波(エコー)検査で、乳腺の存在を確認します。血液検査で、ホルモンの異常がないかどうか確認します。

小児科、小児内分泌科の医師による治療では、特定の原因がない場合は、経過を観察します。一般に、特に治療を行わなくても、数カ月から3年以内に自然に縮小し、消失します。

思春期早発症、内分泌疾患によると考えられるものについては、そちらの治療を行います。

🇯🇲単純性鼻炎

鼻粘膜が炎症のために赤く腫れている状態

単純性鼻炎とは、鼻粘膜が炎症のために赤く腫(は)れている状態です。鼻カタルとも呼びます。

局所的な原因としては、空気中の塵埃(じんあい)、刺激物質による長期に渡る刺激、軽い感染の持続、副鼻腔(ふくびくう)炎などが考えられます。全身的な原因としては、風邪のほか、糖尿病、肝臓病などの病気、アレルギー体質が考えられます。

症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏(びろう)、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。

鼻詰まりは、片側のみ、あるいは左右交代に起こります。眠る時に下にした側の鼻に、起こったりもします。鼻漏は粘性が多く、鼻がかみきれない場合もあります。また、鼻漏がのどに落ちる、すなわち後鼻漏(こうびろう)もよく起こります。

単純性鼻炎の検査と診断と治療

耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による単純性鼻炎の治療では、薬物療法が中心で、鼻にネブライザーなどで薬を入れたり、薬を内服したりします。局所に血管収縮薬を用いると、鼻の粘膜の腫れがひき、鼻詰まりは改善されます。

薬局で売っている血管収縮剤を含んだ点鼻薬は、特に単純性鼻炎の鼻詰まりには有効です。しかし、長期に渡り、持続的に連用すると、薬物性鼻炎や肥厚性鼻炎になる可能性があります。薬物性鼻炎になると、点鼻薬を使っても鼻詰まりがあまり治らなかったり、鼻詰まりがとれている時間が徐々に短くなります。乱用を慎み、一日一回以内、一週間続けたら一週間休むくらいにするべきです。

体を鍛えたり、生活を規則正しくしたり、室内の温度や湿度の調節、入浴などの生活上の工夫も必要です。

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