アメリカ食品医薬品局(FDA)は8日、新型コロナウイルスのオミクロン型対応ワクチンの追加接種について、生後6カ月~4歳の乳幼児にも緊急使用許可を広げると発表しました。アメリカ疾病対策センター(CDC)が推奨すれば、接種を開始できます。
アメリカのファイザーとドイツのビオンテック製は6カ月~4歳、アメリカのモデルナ製は6カ月~5歳向けで、緊急使用許可が下りました。ともに従来型のコロナウイルスと「BA・5」などオミクロン派生型の双方に対応する「2価ワクチン」。
いずれも2回の初期接種後の追加接種(ブースター接種)としての利用を認めます。一方、従来型のファイザー製ワクチンを3回目の追加接種として受けた子供については、4回接種した場合のデータが十分に集まっていないため、今回は緊急使用を認めません。FDAによると、2023年1月にデータを発表する見通しです
FDAのロバート・カリフ長官は発表で、「ウイルスが変化し、これまでに普及していたワクチンの(新型コロナに対する)免疫力が下がっている。最新のワクチンを受けることで重症化や入院、死亡を防げる」と強調しました。
人の移動や集会が増える年末の休暇シーズンを控える中、アメリカ政府は感染再拡大を防ぎたい考えです。2022年冬は新型コロナに加えて、インフルエンザや乳幼児が重症化しやすいRSウイルスが例年よりも流行する「トリプルデミック」となっていて、アメリカでは子供の入院患者が増えていることに警戒感が高まっています。
2022年12月10日(土)