2022/12/10

🟧アメリカFDA、乳幼児向けコロナワクチン承認 オミクロン型対応2価ワクチン

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は8日、新型コロナウイルスのオミクロン型対応ワクチンの追加接種について、生後6カ月~4歳の乳幼児にも緊急使用許可を広げると発表しました。アメリカ疾病対策センター(CDC)が推奨すれば、接種を開始できます。

 アメリカのファイザーとドイツのビオンテック製は6カ月~4歳、アメリカのモデルナ製は6カ月~5歳向けで、緊急使用許可が下りました。ともに従来型のコロナウイルスと「BA・5」などオミクロン派生型の双方に対応する「2価ワクチン」。

 いずれも2回の初期接種後の追加接種(ブースター接種)としての利用を認めます。一方、従来型のファイザー製ワクチンを3回目の追加接種として受けた子供については、4回接種した場合のデータが十分に集まっていないため、今回は緊急使用を認めません。FDAによると、2023年1月にデータを発表する見通しです

 FDAのロバート・カリフ長官は発表で、「ウイルスが変化し、これまでに普及していたワクチンの(新型コロナに対する)免疫力が下がっている。最新のワクチンを受けることで重症化や入院、死亡を防げる」と強調しました。

 人の移動や集会が増える年末の休暇シーズンを控える中、アメリカ政府は感染再拡大を防ぎたい考えです。2022年冬は新型コロナに加えて、インフルエンザや乳幼児が重症化しやすいRSウイルスが例年よりも流行する「トリプルデミック」となっていて、アメリカでは子供の入院患者が増えていることに警戒感が高まっています。

 2022年12月10日(土)

2022/12/09

🟧新型コロナ、東京都で1万3556人が新規感染 前週比2312人増

 厚生労働省は9日、都内で新たに1万3556人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の金曜日より2312人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは4日連続です。50歳代~100歳以上の24人の死亡も発表しました。

 9日までの週平均の感染者数は1日当たり1万2467・1人で前週(1万1762・4人)の106・0%でした。

 新規感染者を年代別にみると、最多は20歳代の2472人、次いで30歳代2432人、40歳代2293人など。65歳以上は1190人でした。

 病床使用率は45・8%。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日から2人減って15人でした。

 2022年12月9日(金)

🟧全国で新たに12万7090人が新型コロナ感染 前週から1万7000人増加

 厚生労働省は9日、新型コロナウイルスの感染者が全国で新たに12万7090人確認されたと発表しました。1週間前の金曜日から約1万7000人増加しました。前週を上回るのは4日連続となりました。

 また、国内で感染して亡くなった人は東京都で22人、北海道で21人、愛知県で15人、埼玉県で14人、秋田県で14人、神奈川県で11人、大阪府で9人、千葉県で8人、群馬県で8人、長野県で8人、宮城県で7人、福岡県で7人、茨城県で7人、青森県で7人、新潟県で6人、栃木県で6人、兵庫県で5人、岐阜県で5人、岩手県で5人、愛媛県で5人、滋賀県で5人、大分県で4人、広島県で4人、三重県で3人、京都府で3人、熊本県で3人、佐賀県で2人、宮崎県で2人、山口県で2人、岡山県で2人、島根県で2人、長崎県で2人、和歌山県で1人、奈良県で1人、富山県で1人、静岡県で1人の合わせて228人、累計で5万1290人となっています。

 都道府県別で最も多かったのは東京都で、1万3556人でした。そのほか神奈川県が8184人、愛知県が7653人、埼玉県が7125人、大阪府が7076人、北海道が5858人、千葉県が5692人、福岡県が4900人、愛知県が4533人などでした。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、9日時点で378人となっています。重症者の数は、8日と比べて15人増えました。

 一方、厚生労働省は9日、大阪府内で新たに7076人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで大阪府内の感染者の累計は234万2193人となりました。

 また、9人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて6811人となっています。重症者は41人と、8日より1人多くなっています。

 2022年12月9日(金)

🟧フランス、コンドームを薬局で若者に無料配布 性感染症対策で来年から

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は8日、若者の性感染症対策を強化するため、来年1月1日から18~25歳を対象に、薬局でコンドームを無料入手できるようにすると明らかにしました。フランスのメディアが伝えました。

 フランスでは、エイズや性感染症予防の観点から、医師や助産師の処方箋があれば社会保険でコンドーム購入費の還付を受けられるものの、さらに入手を容易にします。

 マクロン大統領は中西部ポワチエ近郊で開かれた若者の保健をテーマにした会合で、「(性感染症)予防の小さな革命となる」と述べ、性教育全般について「私たちはこの問題についてそんなに優れていない。教師に対し、より良い教育をするのが必要だ」と述べたといいます。

 また、子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを男子、女子ともに接種する必要があると強調しました。

 フランスの保健当局の推計によると、2020年と2021年に同国での性感染症の割合は約30%増えています。

 2022年12月9日(金)

🟧オミクロン型「BQ・1・1」「XBB」に抗ウイルス薬有効 東大研究チーム

 東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授(ウイルス学)らの研究チームは8日、新型コロナウイルスのオミクロン型の派生型「BQ・1・1」と「XBB」に対して、国内で承認されている3種類の抗ウイルス薬が増殖を抑える効果があったとする論文を発表しました。 夏の第7波で流行の主流だった「BA・5」に変異が加わった「BQ・1」や「BQ・1・1」は、アメリカやヨーロッパで増えています。アジアでは、「BA・2」系統の「XBB」が広がっています。

 日本国内では今のところ、「BQ・1・1」と「XBB」は大きな流行には至っていません。11月8~14日の東京都のゲノム解析では、「BA・5」が感染者の77%を占め、「BQ・1」と「BQ・1・1」の「BQ・1」系統は6・6%にとどまります。ただ、国立感染症研究所の推定では、12月5~11日に「BQ・1」系統が36%まで伸びています。

 アメリカ疾病対策センター(CDC)の推定によると、11月27日~12月3日のアメリカの新規感染者のうち「BQ・1」系統が計60%を超えました。直近の主流だった「BA・5」は13・8%まで減り、置き換わりが進んでいます。

 研究チームは「BQ・1・1」や「XBB」に感染した細胞に抗ウイルス薬を加えて、ウイルスの増殖を抑える効果を調べました。アメリカのギリアド・サイエンシズの点滴薬「ベクルリー(レムデシビル)」とアメリカのメルクの飲み薬「ラゲブリオ(モルヌピラビル)」、アメリカのファイザーの飲み薬「パキロビッド」の成分「ニルマトレルビル」については、いずれも新型コロナ流行初期の従来型ウイルスと同様に有効でした。

 抗ウイルス薬では11月に塩野義製薬の飲み薬「ゾコーバ」が承認されました。河岡特任教授は「ゾコーバは(オミクロン型の)BA・1に対して高い有効性を示しており、有効と考えられる」と話し、「BQ・1・1」や「XBB」の新たな派生型への効果にも期待を示しました。

 抗体医薬が「BQ・1・1」や「XBB」の細胞への感染をどれほど防ぐかも調べました。国内で承認されているイギリスのアストラゼネカの抗体医薬「エバシェルド(チキサゲビマブ・シルガビマブ)」やイギリスのグラクソ・スミスクラインなどの「ゼビュディ(ソトロビマブ)」、アメリカのリジェネロン・ファーマシューティカルズなどの「ロナプリーブ(カシリビマブ・イムデビマブ)」は、いずれも効果が低くなりました。これまで流行してきた「BA・2」や「BA・5」で高い効果を示していた国内では未承認のアメリカのイーライ・リリーの「ベブテロビマブ」も、同様に効果が低くなりました。

 河岡特任教授は「今後の派生型でも抗体医薬の効果が低い状態が続き、抗ウイルス薬に期待が高まる」と指摘しています。

 国立感染症研究所や国立国際医療研究センターとの共同研究で、7日付のアメリカの医学誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されました。

 2022年12月9日(金)

🟧モデルナ製コロナワクチン追加接種、対象年齢を18歳以上から12歳以上に引き下げ

 アメリカのモデルナ社製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省の専門家部会は8日、3回目以降の追加接種に使うワクチンの対象年齢を現在の18歳以上から12歳以上に引き下げることを了承しました。今後ワクチン分科会でも議論し、了承されれば実際に12歳から接種を受けられるようになります。

 対象のワクチンは現在主流となっているオミクロン型の派生型「BA・5」対応品、以前流行した「BA・1」対応品、流行初期のウイルスに対応した従来品の3種類。前回接種から3カ月以上の間隔を空けます。

 モデルナ製は遺伝情報の一部である「mRNA」を使ったワクチン。9月に「BA・1」、11月に「BA・5」対応のワクチンがそれぞれ承認され、接種が始まっています。アメリカのファイザー製ワクチンは、すでに12歳以上に使うことができます。

 厚労省によると、有効性について、ワクチンをうった12~17歳の約260人が参加した臨床試験で、感染を防ぐ中和抗体の働きが、ワクチンをうった18歳〜25歳と同程度であることが確認できました。安全性については12~17歳の約1300人のデータで、死亡例や重篤な有害事象はなかったといいます。

 2022年12月9日(金)

🟧武田薬品のデング熱ワクチン、ヨーロッパでも承認取得

 武田薬品工業は8日、同社開発のデング熱ワクチン「キューデンガ」がヨーロッパ連合(EU)での使用承認を得たと発表しました。キューデンガは、デング熱が流行するインドネシアですでに承認を得ており、重症化を防ぐ効果が高いとされます。中南米などの流行国に加え、日本やアメリカでの承認取得も目指しています。

 デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、毎年3億9000万人が感染し、子供を中心に毎年2万人から2万5000人が死亡しているとされます。同社のワクチンは複数のデングウイルスに有効で、4歳以上を接種の対象とします。

 ヨーロッパ医薬品庁(EMA)から肯定的な見解を得ていましたが、2万8000人以上を対象とした臨床試験を経て正式に承認を受けました。

 2015年に世界で初めて承認されたフランスの製薬会社サノフィの「デングワクシア」に続くデング熱ワクチンとなります。

 ただ、サノフィが2017年に「血清反応陰性」の子供で重症化リスクが高まることを公表した後、同社ワクチンの使用は大幅に縮小されました。

 武田薬品工業のデングプログラム責任者のデレク・ウォレス氏はインタビューで、自社のワクチンは有効であるという十分な証拠があり、安全性の懸念となる証拠は何もないと述べました。

 同社のワクチン事業の売上高は2023年3月期に約500億円の見通し。2024年3月期以降にキューデンガの本格的な収益貢献を見込んでいます。

 2022年12月9日(金)

🟪小中学生の体力調査、中学生男子はコロナ感染拡大前を上回る

 全国の小学5年生と中学2年生を対象に、50メートル走など8つの項目で体力や運動能力を調べる今年度の国の調査で、中学生の男子の合計点は新型コロナウイルスの感染拡大前を上回りました。一方で、小学生の男女は低下傾向にあり、スポーツ庁は運動の機会を増やす取り組みに力を入れていく方針で...