2023/01/05

🟪アメリカ、中絶薬が一般の薬局でも入手可能に 食品医薬品局が規制緩和

 アメリカ食品医薬品局(FDA)は3日、経口妊娠中絶薬に関する規制を緩和しました。処方箋などがあれば、認定された一般の薬局で中絶薬を受け取れるようになります。ただ中絶を禁止する保守的な州の一般の薬局での販売は困難とみられ、中絶措置が必要な女性への支援は引き続き課題になります。

 FDAは3日、妊娠を続けるために必要な黄体ホルモンの働きを抑える経口妊娠中絶薬の「ミフェプリストン」について、処方箋と本人の同意書があれば認定された一般の薬局が販売できるとしました。薬局は中絶薬を郵送することもできます。これまでは医師や医療機関、限られた通信販売薬局から直接または郵送で中絶薬を受け取る必要がありました。

 アメリカ産科婦人科学会は4日、「中絶へのアクセスを確保するための重要な一歩だ」と歓迎する声明を発表しました。一方で、「すべての人にとってアクセスの問題が解決されたわけではない」とも指摘しました。中絶を禁止する州にある薬局での販売は困難とみられるためです。

 中絶の権利の是非は、アメリカ世論を二分するテーマになっています。保守派判事が多数を占める連邦最高裁判所は2022年6月、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた1973年の判決を覆し、各州に判断を委ねました。アメリカメディアによると現在、南部テキサス州など少なくとも13州が中絶を原則として禁じています。

 中絶を禁じる州に住む女性は他州に行き、中絶措置を受けるケースが多くなっています。中絶の権利を擁護するリベラルな州では、女性や医療機関を支援したり、州憲法に中絶の権利を明記したりする動きが出ています。ジョー・バイデン政権にとっても、安全な中絶措置へのアクセスの確保は重要課題になっています。

 アメリカのガットマッハー研究所によると、2022年2月現在、アメリカで実施される中絶のうち54%が中絶薬によるものといいます。薬による中絶の割合は新型コロナウイルスが流行した2020年に50%を超えたことがわかりました。中絶薬の需要は今後も増加するとみられています。

 2023年1月5日(木)

🟪2022年の交通事故死者2610人、6年連続で最少更新 大阪府が最多141人、鳥取県が最少14人

 昨2022年1年間に全国で交通事故で亡くなった人は、2610人でした。前年より26人(1・0%)減少し、統計を取り始めた1948年以降の最少を6年連続で更新しました。警察庁が4日発表しました。政府は2021年に策定した「第11次交通安全基本計画」で、2025年までに交通事故による年間死者数を2000人以下に減らす目標を掲げています。

 警察庁は交通事故死者減少の要因として、官民が連携した事故防止の取り組みなどを挙げています。コロナ禍で外出自粛が続き、いずれも前年より200人以上減らした2020年と2021年と比べると減少幅は小さくなりましたが、警察庁はコロナ禍の影響について「今後分析する」としています。

 2022年の都道府県別の死者数は、大阪府が141人(前年比1人増)で統計史上初めて全国ワーストとなりました。次いで愛知県137人(同20人増)、東京都132人(同1人減)、千葉県124人(同3人増)、兵庫県120人(同6人増)の順で多くなりました。2021年に全国ワーストだった神奈川県は前年より29人少ない113人。最少は鳥取県の14人(同5人減)。人口10万人当たりでみると、岡山県の3・94人が最多で、最少は東京都の0・94人でした。

 65歳以上の高齢者の死者数(速報値)は1471人で前年より49人(3・2%)少なかったものの、全体の56・4%を占めました。

 交通事故の死者数は、1970年にピークの1万6765人に達しました。減少と増加傾向の後、1996年に1万人を下回ってからは減少傾向が続いています。警察庁は、国民の交通安全意識の高まりのほか、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)といった車の機能や性能の向上など、さまざまな要因があるとみています。

 昨年の交通事故の発生件数(速報値)は前年比1・3%減の30万1193件、負傷者数(同)は1・6%減の35万6419人でした。

 2023年1月5日(木)

🟪脳死からの臓器提供、2022年は93件 コロナ前と同程度に増える

 脳死からの臓器提供は新型コロナウイルスの感染が広がった2020年以降は大きく減少していましたが、2022年は93件とコロナ前と同程度の件数になったことがわかりました。感染が拡大した時期にも、救急医療の現場で家族の意思確認を行えるようになってきているとみられます。

 脳死からの臓器提供は、脳死になった人の家族の同意で可能になった2010年以降、おおむね増加傾向が続き、コロナ前の2019年には97件行われましたが、救急医療の現場がコロナ対応に追われたことなどが影響して、日本臓器移植ネットワークによりますと2020年は68件、2021は66件と3割ほど減少しました。

 2022年は新型コロナの感染者数はこの3年間で最も多くなりましたが、臓器提供は1年間で93件とコロナ前と同程度の件数になりました。

 第6波のさなかの2022年1月に11件、第7波の7月に12件、9月にも11件行われていて、感染が拡大した時期でも家族と面会して臓器提供の意思確認を行えるようになってきているとみられます。

 国立循環器病研究センター病院などで臓器移植に携わってきた千里金蘭大学の福嶌教偉学長は、「臓器提供はご家族と医療者の信頼関係がないと進まない。コロナが広がる中でも病院での対策が変わり、面会する機会が増えたことが背景にあるのではないか」と話しています。

 2023年1月5日(木)

🟪塩野義製薬、新型コロナ治療薬ゾコーバを韓国で承認申請 海外では初めて

 塩野義製薬は4日、新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」について、韓国で条件付き製造販売承認を申請したと発表しました。海外での申請は初めて。承認取得後は政府の購入を目指します。

 提携する韓国の製薬会社イルドンを通じて、日本の緊急承認に近い「条件付き製造販売承認」を申請し、受理されました。塩野義製薬は韓国でも臨床試験(治験)を行っていました。2023年3月期連結業績に与える影響は、状況に応じて精査するとしています。

 ゾコーバは軽症者にも使える初の国産の飲み薬として、昨年11月に日本の厚生労働省が緊急承認しました。

 塩野義製薬は中国やヨーロッパ、アメリカでも、承認申請の準備を進めています。

 2023年1月5日(木)

2023/01/04

🟪新型コロナ、東京都で1万554人感染 8日連続前週下回る

 厚生労働省は4日、東京都内で新たに1万554人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の水曜日より9689人減りました。前の週の同じ曜日を下回るのは8日連続です。

 正月三が日で検査数が少ないため単純比較はできないものの、4日までの週平均の感染者は1万1570・1人で、前週(1万7288・6人)の66・9%でした。

 4日の新規感染者を年代別にみると、20歳代の2570人が最多で、次いで30歳代2137人、40歳代1911人など。65歳以上の高齢者は605人。ほかに、医師の陽性判定を受けていない感染者も少なくないとみられます。

 入院しているのは4271人で、このうち「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日より2人増えて49人でした。

 重症者用の病床使用率は0・5ポイント下がって34・2%、全体の病床使用率は0・5ポイント下がって56・5%となっています。

 また、60歳代から100歳以上と年代不明の男女25人の死亡が確認されました。

 2023年1月4日(水)

🟪中国出国前72時間の陰性証明書求める 8日から水際措置をさらに強化

 中国の新型コロナの感染状況などを踏まえ、政府は現在行っている臨時的な水際措置を、1月8日からさらに強化する方針を固めました。中国本土からの入国者に対し、より精度が高い検査を行うなどとしています。

 政府は中国での新型コロナの感染拡大を受けて、昨年12月30日から中国本土から直行便で来た人と、7日以内に中国本土に渡航したすべての人を対象に、抗原検査キットによる簡易的な検査を実施し、陽性の場合は待機施設で原則7日間隔離するなど臨時の水際措置を行っています。また、中国本土からの直行便を、4空港(成田、羽田、関西、中部)に限定しています。

 政府関係者によりますと、年末年始の中国の感染状況や各国の対応を踏まえ、1月8日から水際措置をさらに強化する方針を固めました。

 具体的には中国本土からの入国者について、今の簡易的な「抗原定性検査」から、より精度が高い「抗原定量検査」やPCR検査に切り替えるとともに、直行便での入国者に対し出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出を求めるとしています。

 また、政府は中国本土からの国際線の増便を行わないよう航空会社に要請する措置について、8日以降も継続する方針です。

 2023年1月4日(水)

🟪中国、各国の入国制限を批判 上海市は人口の7割コロナ感染か 

 首都・北京市では新型コロナウイルス感染率が80%を超え、全国ではすでに6億人以上が感染したともいわれる中国。国家衛生当局は、感染対策は「重症化を防ぐ」段階に移ったと強調しています。

 しかし一方、中国からの入国者に対しアメリカが陰性証明の提示を義務付けたほか、日本を始め各国では水際対策を強化しています。

 これに対して中国政府は3日、各国が新型コロナウイルス対策として同国からの渡航者に課した入国制限について、「受け入れられない」と批判しました。

 中国外交部(外務省)の毛寧(もう・ねい)副報道局長は定例記者会見で、日本やアメリカなどが導入した入国制限について、中国のみを対象とした措置は「科学的根拠を欠いており、一部の過剰な措置は受け入れられない」と表明。「ウイルスの感染予防を利用し、政治的な目的を果たそうとするようなやり方に我々は断固反対し、場合によっては、相互主義の原則に基づき、相応の措置を取っていく」と警告しました。

 一方、外信メディアは3日、国家衛生当局の防疫措置緩和以降、中国で新型コロナウイルス感染症が急速に拡散する中で、人口2500万人の上海で7割ほどが感染したようだという現地医療スタッフの証言を報道しました。

 それによると、上海市の瑞金医院の副院長であり上海コロナ専門家諮問団の一員である陳爾真氏は、「この都市の人口は2500万人だが、このうち7割に達する人がすでに感染しているだろう」と述べました。

 上海市はコロナ拡散を理由に昨年4月から約2カ月間、強力な封鎖を経て市民が大きな不便を強いられた一方で、今回は防疫措置の緩和によってコロナ感染者が急増し、また別の苦痛を受けることになりました。

 陳氏は、「毎日病院に1600人が急病患者として運ばれてくるが、これはコロナ防疫緩和以前の2倍」とし、「急病患者のうち8割がコロナ感染者」と説明しました。

 また、陳氏は、「毎日病院に100台以上の救急車がきており、救急患者の半分程度が65歳以上」と付け加えました。

 中国では、今回のコロナ拡散が1月中旬ごろにピークを迎えると予想されています。だが変数もあり、1月21日から始まる春節(旧正月)の連休で大規模な人口移動が始まれば、都市地域の拡散が地方にも広がる恐れがあります。

 国家衛生健康委員会・医政司(局)の焦雅輝司長は、「(新型コロナ)パンデミック以降、人々は3年間故郷に帰ることができなかった」とし、「医療インフラが貧弱な農村地域におけるコロナ拡散は途方もない挑戦になるだろう」と話しました。

 2023年1月4日(水)

🟥訪問介護業者の倒産、最多45件 2025年1~6月、物価高で経営改善「限界」

 訪問介護事業者の倒産は2025年1〜6月に全国で45件あり、2年連続で過去最多を更新したことが9日わかった。前年同期の40件から12・5%増で、介護報酬の減額が影響した。集計した東京商工リサーチは、物価高でコスト削減が難しいため、自力での経営改善は「限界」だとして公的支援を訴...