2023/01/09

🟪中国、入国者の隔離措置を撤廃 往来の拡大で経済の回復を図る

 中国では、新型コロナウイルスの感染対策として入国者に義務付けてきた隔離措置などが8日から撤廃され、上海市の空港では日本からの渡航者が隔離なしで入国する姿が見られました。

 最大の経済都市、上海市にある空港では8日朝、早速、日本や韓国などからの航空便の渡航者が隔離施設に向かうことなく、出迎えた人と再会を喜ぶ姿が見られました。国際便の搭乗率の制限も8日の便から撤廃されていて、成田空港から上海市に到着した便はほぼ満席だったということです。

 上海市に駐在する60歳代の男性は「隔離がなく、うれしいです。人の交流が増えることによってビジネスも活発化すると思います」と話していました。

 中国では、これまでの厳しい感染対策で経済が停滞していて、政府としては入国後の隔離措置などを撤廃することで往来を拡大させ、経済の回復につなげる狙いがあるとみられます。

 ただ、中国の航空当局の計画によりますと、昨年10月下旬から今年3月下旬に中国を発着する国際旅客便の数は、感染拡大前の同じ時期と比べて5%にも満たない上、感染が広がる中国からの入国を各国が警戒する中、往来の本格化には時間がかかるとみられます。

 2023年1月9日(月)

🟪アメリカ当局、エーザイのアルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認 病気の進行を抑制

 日本とアメリカの製薬会社が共同で開発したアルツハイマー病の新薬についてアメリカ食品医薬品局(FDA)は6日、患者の脳内にたまっている異常なたんぱく質を減らす効果を示したとして、治療薬として承認したと発表しました。

 FDAがアルツハイマー病の新しい治療薬として承認したのは、日本の製薬大手「エーザイ」とアメリカの製薬会社「バイオジェン」が共同で開発を進めてきた新薬「レカネマブ」です。

 アルツハイマー病になった患者の脳では「アミロイドβ」という異常なたんぱく質がたまっていて、これによって神経細胞が壊れると考えられています。

 FDAは、研究チームが行った約850人を対象にした中間段階の臨床試験(治験)で、この薬を投与された患者の脳からアミロイドβを減らす効果が示されたと評価しています。

 承認された治療薬はアミロイドβがたまる前の段階で人工的に作った抗体を結合させて取り除こうというもので、神経細胞が壊れるのを防ぎ、病気の進行そのものを抑える効果が期待されています。

 ただ、壊れてしまった神経細胞を再生させることはできないため、発症する前の「軽度認知障害」の段階や、発症後、早期に投与することが重要だとされています。

 アミロイドβに作用するアルツハイマー病の治療薬がアメリカで承認されるのは今回が2例目で、FDAは「アルツハイマー病との闘いにおける重要な進歩だ」としています。

 今回の承認は深刻な病気の患者に対し、より早く治療を提供する「迅速承認」という仕組みで行われ、開発したエーザイは、最終段階の臨床試験(治験)のデータをもとに、速やかに完全な承認を申請することにしています。

 2023年1月9日(月)

🟪アルツハイマー病新薬、日本でも年内承認目指す エーザイの「レカネマブ」

 日本の製薬大手エーザイは7日、アメリカの製薬企業バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」がアメリカ食品医薬品局(FDA)に迅速承認されたと発表しました。対象は早期の患者で、病気の原因とみられる物質を脳内から取り除き、認知症が進行するスピードを緩やかにします。日本でも早急に申請し、年内承認を目指すとしています。

 アルツハイマー病は、「アミロイドβ」という異常なたんぱく質が脳内に蓄積することで神経細胞が傷付き、認知機能が低下すると考えられています。既存の認知症薬は脳内の信号の伝達を活発にすることで症状の一時的な改善を図るものの、徐々に進む脳の損傷は止められません。レカネマブは脳内のアミロイドβを除去することで、長期的に脳の損傷の進行を抑えることを図ります。

 アメリカの迅速承認は、深刻な病気の薬を早く実用化するために、効果が予測できれば使用を認める制度。エーザイは2021年秋から2022年春にかけ、中間段階の臨床試験データでFDAに迅速承認を申請していました。

 その上で2022年秋、早期アルツハイマー病患者約1800人が参加した最終段階の臨床試験で、レカネマブを1年半にわたり、2週に1回点滴した集団は、偽薬を点滴した集団に比べ、症状の悪化を27%抑制したとする論文を発表しました。

 迅速承認は暫定的なもので、正式な承認を得るには、有効性を検証する追加の臨床試験が必要になります。

 迅速承認を受け、エーザイの内藤晴夫・最高経営責任者(CEO)は7日、東京都内で記者会見を開き、最終段階の試験結果をFDAに提出し、正式承認の申請を行ったと説明しました。アメリカでのレカネマブの販売は、23日の週までに始めます。

 アメリカでの販売価格については、患者1人当たり年2万6500ドル(約350万円)に設定するとしました。

 日本で承認された場合は、公的保険診療の中での使用が想定されます。薬価は国が決め、アメリカよりも低く設定されることが一般的ですが、それでも百万円単位になると見なされます。患者の自己負担は、国の高額療養費制度があるため、70歳以上の一般所得層(年収156万~約370万円)の場合は年14万4000円が上限となり、医療財政の圧迫を懸念する声もあります。

 2023年1月9日(月)

2023/01/08

🟪プラスチック添加の化学物質、魚体内に蓄積を初実証 北大などの研究チーム

 細かく砕いたプラスチックを水槽に入れて魚を飼育したところ、溶け出した化学物質が魚の体内に蓄積したとする研究成果を北海道大学と東京農工大学の共同研究チームが発表しました。

 北海道大学の仲岡雅裕教授たちの研究チームは、海の生態系への影響が懸念されている大きさが5ミリ以下のマイクロプラスチックに含まれる化学物質が魚に与える影響を調べようと、水槽に100分の3ミリまで砕いたプラスチックを入れて、カジカの仲間やそのエサとなる「アミ」と呼ばれる甲殻類の一種を飼育する実験を行いました。

 その結果、プラスチックを燃えにくくしたり劣化しにくくしたりするために添加された化学物質が、魚が食べたアミや飲み込んだ海水を通じて魚の筋肉などに実際に蓄積していたことが世界で初めて実証されたとしています。

 マイクロプラスチックは、海に捨てられたプラスチックのごみが紫外線や波の力で細かく砕けたものですが、研究チームによりますとこれまで中に含まれている化学物質は溶け出しにくいとみられてきました。

 研究チームはプラスチックが細かく砕かれたことで溶け出した可能性があるとみて、さらに詳しく調べたいとしており、仲岡教授は「私たちが食料としている水産資源に危険が迫っていることがわかった。ほかの魚でも調べて溶け出した化学物質が取り込まれるメカニズムを解明したい」と話しています。

 2023年1月8日(日)

🟪新型コロナ後発薬、中国で製造・供給も アメリカのファイザーと交渉

 新型コロナウイルスの感染が広がる中国の国家薬品監督管理局が、アメリカの製薬大手ファイザーの飲み薬「パキロビッド」のジェネリック医薬品(後発薬)を国内で製造、供給できるようファイザーと交渉していると、ロイター通信が6日報じました。中国側は1月下旬の春節(旧正月)までにまとめたい意向だといいます。

 パキロビッドの臨床試験では、重症化リスクのある人が発症早期に飲み始めると、入院や死亡を9割近く抑えられました。中国では昨年2月に緊急使用が許可されているものの、極度の品薄状態となって非正規の取引や価格のつり上げが起き、一時は1箱1万元(約19万円)に価格が高騰していました。

 国家薬品監督管理局は昨年12月、ファイザーとの交渉合意を見越して複数の国内メーカーと製造に向けて協議。一部メーカーはすでに、後発薬がパキロビッドと同じように体に吸収され、効果を発揮できるかどうかを検証する試験を始めているといいます。

 2023年1月8日(日)

🟪新型コロナ、東京都で新たに1万5124人の感染確認 死者28人、重症55人

 東京都は8日、新型コロナウイルス感染者を新たに1万5124人確認したと発表しました。1週間前の日曜日より5938人増えました。前の週の同じ曜日を上回るのは4日連続です。

 8日までの週平均の感染者は1万4846・9人で、前週(1万4858・0人)の99・9%でした。

 8日の新規感染者の年代は、20歳代の3100人が最多で、30歳代2595人、40歳代2335人など。重症化しやすいとされる65歳以上の高齢者は1862人でした。発表人数以外に、医師の陽性判定を受けていない感染者も少なくないとみられます。

 入院しているのは4167人で、このうち「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)を使用」とする都基準の重症者は、前日より1人増えて55人でした。

 重症者用の病床使用率は前日と同じ35・0%、全体の病床使用率は0・5ポイント下がって55・1%となっています。

 一方、感染が確認された60歳代から90歳代の男女28人の死亡も発表されました。

 2023年1月8日(日)

🟪全国で19万538人が新型コロナに感染、死者は407人 死者は3日連続で400人超

 厚生労働省によりますと、8日午前0時までに報告された全国の新たな新型コロナウイルス感染者は19万538人で、先週日曜日と比べ10万3496人増えました。

 また、国内で新型コロナウイルスに感染して新たに亡くなった人は、愛知県で44人、東京都で30人、大阪府で28人、神奈川県で26人、福岡県で22人、埼玉県で21人、千葉県で20人、熊本県で20人、北海道で16人、広島県で14人、愛媛県で10人、長野県で10人、静岡県で10人、京都府で8人、兵庫県で8人、大分県で8人、宮城県で8人、宮崎県で8人、香川県で8人、栃木県で7人、秋田県で7人、岐阜県で6人、茨城県で6人、長崎県で6人、岩手県で5人、滋賀県で5人、群馬県で5人、佐賀県で4人、山口県で4人、岡山県で4人、徳島県で4人、石川県で4人、富山県で3人、鹿児島県で3人、山形県で2人、島根県で2人、青森県で2人、高知県で2人、鳥取県で2人、三重県で1人、和歌山県で1人、奈良県で1人、山梨県で1人、福井県で1人の合わせて407人、累計で5万9822人となっています。死者は全国で新たに407人確認され、6日の456人、7日の463人に続き、初めて3日連続で400人を超えました。

 都道府県別に新規感染者数をみると、東京都が最も多く1万5124人でした。大阪府の1万2542人、福岡県の1万1705人、愛知県の1万1350人、兵庫県の1万1053人、神奈川県の1万96人、静岡県の9184人、埼玉県の8782人、広島県の8076人が続きました。茨城県(5542人)と三重県(5232人)では、新規感染者数が過去最多を更新しました。

 また、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO<エクモ>)をつけたり、集中治療室などで治療を受けたりしている重症者は、8日時点で671人となっています。重症者の数は、7日と比べて3人増えました。

 一方、厚生労働省は8日、大阪府内で新たに1万2542人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これで、大阪府内の感染者の累計は263万1184人となりました。

 また、28人の死亡が発表され、府内で感染して亡くなった人は合わせて7331人となっています。重症者は7日より1人少ない71人です。

 2023年1月8日(日)

🟪関東ではしか感染報告相次ぐ、すでに昨年1年間の4倍以上 海外渡航の注意や予防接種呼び掛け

 関東ではしか(麻疹)の感染報告が相次いでいます。アメリカでは33年ぶりの大流行となっており、厚生労働省や各自治体は海外渡航の注意や予防接種を呼び掛けています。  厚労省によると、7月2日までの全国のはしか発生件数は計167件。そのうち関東1都6県は計96件で、全国の半数以上を...