2023/06/01

🟧内臓脂肪による肥満、コロナの重症化リスクに マウス実験では肥満改善で生存率上昇

 内臓脂肪による肥満が新型コロナウイルス感染症の重症化リスクになっていることを人やマウスで確かめたと、東京医科歯科大などのチームが5月25日、発表しました。論文が5月22日、アメリカの「科学アカデミー紀要」に掲載されました。

 内臓脂肪の蓄積はメタボリック症候群の診断基準の一つで、内臓脂肪の過度な蓄積による肥満は、日本などアジアの人に多いとされます。新型コロナに感染すると、肥満のほか、高齢や糖尿病などが重症化リスクになるといわれているものの、詳しいメカニズムはわかっていません。

 チームが、同大学病院に入院した感染者250人の症状を調べると、内臓脂肪の量が一定以上の人は重症化する傾向がみられました。チームは肥満との関連性を確かめようと、遺伝的に内臓脂肪が多いマウスと正常なマウスを約10匹ずつ使い、新型コロナに感染させて症状を比較する実験を行いました。

 その結果、内臓脂肪の多い肥満の個体は7日後にすべて死んだのに対して、正常な個体は10日後もすべて生存していました。内臓脂肪の多い個体でも、食欲を抑えるホルモンを投与して肥満を改善すると生存率が上昇したといいます。

 チームは、内臓脂肪が多い人は体内の免疫細胞が変化し、免疫が暴走する「サイトカインストーム」が悪化しやすいとみています。

 同大の保田晋助教授( 膠原(こうげん)病・リウマチ内科学)は、「高齢者だけでなく、肥満の人も感染対策が必要だ。健康的な生活習慣が、新型コロナ重症化リスクの軽減につながる可能性がある」と話しています。

 白川純・群馬大教授(代謝・内分泌学)は、「これまで不明だった肥満によって重症化するメカニズムの一端を示した重要な成果だ」と評価しています。

 2023年6月1日(木)

🟧カナダ政府、たばこ一本一本に健康被害の警告を印刷へ 世界初の取り組み

 カナダ政府は世界禁煙デーの5月31日、国内で販売される紙巻きたばこについて、一本一本に健康被害の警告の印刷を義務付ける規制を発表しました。世界でも初めての取り組みといいます。「たばこはがんを引き起こす」「一服ごとに毒」「たばこの煙は子供に有害」などのメッセージが入る予定で、喫煙者が警告を避けられないようにする狙いがあります。

 新しい規制は、紙巻きたばこの種類ごとに、8月1日から段階的に実施する予定で、2025年4月までに店頭に並ぶ見通しです。

 カナダ政府によると、同国は2000年に世界で最初にたばこの製品パッケージに健康

被害を警告する画像表示の導入を決定しました。その後もパッケージの警告表示部分を増やしたり、販売・宣伝を制限したりして、規制を強化していました。

 新しい規制の発表にあたって、キャロリン・ベネットメンタルヘルス・依存症担当相は、「たばこ使用は現在も、年間4万8000人のカナダ人の死亡につながっている」と指摘。「さらに多くのカナダ人が喫煙をやめ、若者がたばこのない、健康な生活を送れるよう、必要な手段を取る」とコメントを発表しました。

 カナダ政府は、たばこ依存症に陥りやすい若者の中には、警告が表示されたパッケージではなく、たばこ1本を渡されたことを切っ掛けに喫煙を始める人もいると指摘。政府は2035年までに、喫煙率を現在の13%から5%(約200万人)に減らす目標を掲げています。

 2023年6月1日(木)

2023/05/31

🟧赤ちゃんポスト、昨年度預けられた子供は9人 母親3人が身元情報提出に応じる

 親が育てられない子供を匿名で受け入れる熊本市の慈恵病院が設置した「こうのとりのゆりかご」に昨年度、預けられた子供は9人で、過去最少だった2021年度の2人より7人多くなりました。開設された2007年以降、預けられた子供は計170人となりました。

 熊本市西区にある慈恵病院は、「こうのとりのゆりかご」という名前でいわゆる「赤ちゃんポスト」を全国で唯一、運営しており、30日は熊本市で児童相談所や医師会などとつくる協議会で、昨年度の預け入れ状況が報告されました。

 それによりますと、昨年度、預けられた子供は9人で、2007年5月の開設から16年間で合わせて170人となりました。

 預けられた9人の内訳は男児5人、女児4人。子供の年齢は、生後1カ月未満が7人、生後1カ月から生後1年未満が1人、生後1年から就学前が1人でした。4人が戸籍法の「棄児」として、熊本市が戸籍をつくりました。

 このうち医療関係者が立ち会わず、自宅などで1人で出産する「孤立出産」で生まれたのは6人でした。

 居住地は、熊本県以外の九州が2人、関東が2人、近畿が1人、不明が4人でした。

 預けた理由について複数回答で聞き取った結果、「生活困窮」が6件で最も多く、次に「育児不安や負担感」が3件でした。

 熊本市の大西一史市長は、「孤立出産や、出産直後の長距離移動に伴う母子の生命の危険などの課題は依然として残されている。子供の出自を知る権利の保障について慈恵病院と共同で検討を進めていく」とコメントしています。

 一方、ゆりかごを巡っては、「子供の出自を知る権利」をどう保障するかが課題となっています。

 慈恵病院では昨年度からゆりかごに子供を預けた利用者に対して、子供が一定の年齢に達したら開示する身元情報の提供を依頼し、同意が得られた場合には、病院の新生児相談室長だけに明かしてもらっています。

 身元情報は病院の金庫で保管されていて、昨年度は9人の預け入れのうち、3人が提供に応じたといいます。

 慈恵病院の蓮田健院長は、「ゆりかごは匿名での預け入れを前提としているが身元情報を保障することが大事なので試みとして実施している。開示時期や方法などを含めて子供の出自を知る権利の保障について社会で議論することが必要だ」と話しています。

 2023年5月31日(水)

🟧熱中症による死亡者、年間1000人超から2030年までに半減へ 6月から取り組み

 政府は2030年までに熱中症による死亡者数を現状から半減させることを目標とする実行計画を30日、閣議決定し、6月から具体的な取り組みを進め、この夏からの熱中症対策を強化します。

 熱中症で死亡する人が後を絶たない中、政府は熱中症対策を強化する改正法に基づき、現在5年ごとの平均で年間1000人を上回っている熱中症による死亡者数を2030年までに半減させることを目標として、各省庁が今後5年間に取り組む具体的な実行計画を30日、閣議決定しました。

 計画では高齢者への対策として適切なエアコン利用の周知徹底や、福祉関係の団体などに見守りの協力を求めるほか、教育現場などでは教室や体育館へのエアコンの設置の支援や、幼稚園などの送迎用バスでの車内への置き去り防止に取り組みます。

 さらに、災害級の極端な高温に備え「熱中症弱者」とされる高齢者や障害者などのうち、特に公的な支援が必要な人の所在や安否確認の方法を検討するとしています。

 西村明宏環境相は閣議後の会見で、「今年もすでに猛暑日を記録するなど熱中症対策は急務だ。近年、熱中症死亡者数が1000人を超える年が頻発し、これまで以上に高い目標を設定した。目標達成に向けて対策を推進していきたい」と述べました。

 2023年5月31日(水)

2023/05/30

🟧KMバイオロジクス、コロナ変異型対応ワクチンで承認申請へ 混合ワクチンの開発も進める

 明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)が開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省などと協議の上、変異型対応での承認申請を検討していることが30日、明らかになりました。当初は従来型対応のワクチンで今春の承認申請を想定していたものの、今後の定期接種化なども見据え、変異型対応での承認を目指します。また、季節性インフルエンザワクチンとの混合ワクチンの開発も進めていることを明らかにしました。

 KMバイオロジクスは、季節性インフルエンザワクチンなどでも使われている、毒性をなくしたウイルスを使った不活化ワクチンで新型コロナワクチンを開発しています。現在、成人と小児を対象に最終段階となる臨床試験(治験)を実施しており、小児の解析データは秋ごろに出る見込みといいます。

 現在の治験で使っているのは従来型対応のワクチンで、同社は今後、変異型に対応できるワクチンが社会に必要として厚労省などと協議し、変異型対応ワクチンのデータを集める方針。このため、早ければ6月中としていた承認申請は大きくずれ込むことになります。

 国産ワクチンを開発中の塩野義製薬と第一三共はすでに承認申請を行っているものの、いずれも従来型対応での申請。

 永里敏秋社長は、「現在の流行状況を見れば、変異型対応のワクチンの承認が必要になる。子供の新型コロナワクチンの接種率が低い中、不活化ワクチンへの期待は高いと考えている。今進めている治験のデータに変異型対応のデータを積み上げて、必ず実用化させたい」と話しました。

 また、承認申請の時期は明言しなかったものの、変異型対応のワクチンが承認された後には、季節性インフルエンザワクチンとの混合ワクチンの実用化も視野に開発を進めていることも明らかにしました。

 2023年5月30日(火)

🟧プロサッカー選手、認知症リスク1・6倍に上昇 スウェーデンで男性6千人調査

 過去にスウェーデンのプロサッカーの試合に選手として出場したことがある男性約6000人を調べると、アルツハイマー病を含む認知症の発症するリスクが一般の男性に比べて1・6倍に上昇していたとする研究結果を、同国にあるカロリンスカ研究所のチームがまとめました。

 ポジション別では、ゴールキーパーのリスクは一般人とほとんど変わらないのに対して、フォワードやミッドフィールダー、ディフェンスといったフィールドプレーヤーのリスクが高まっていました。

 チームの研究者は、「ヘディングや頭部打撲による衝撃が認知症のリスクを高めるとの仮説を支持する結果だ」と指摘。その一方で、「他の要因が関係している可能性もあり、現役の選手やアマチュア、子供のプレーヤーにそのまま当てはめることは難しそうだ」としています。

 チームは、1924年から2019年までにスウェーデンのトップリーグで1試合でもプレーしたことがある約6000人を調査。統計的に分析すると、これらの選手は一般人に比べてアルツハイマー病を含む認知症の発症リスクが62%高くなりました。ただ、同じ神経変性疾患でもパーキンソン病のリスクは一般人より32%低く、筋委縮性側索硬化症(ALS)の人はごく少数でした。

 イギリスのプロサッカー選手を対象とした研究では、神経変性疾患のリスクが3倍以上との報告があるものの、今回はそれよりもリスクが低くなりました。サッカー選手は一般人よりわずかに長生きしていることも示され、運動による予防効果で頭の衝撃による影響が緩和されている可能性もあります。

 研究は3月、イギリスの医学誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に発表されました。

 2023年5月30日(火)

🟧沖縄県、全国平均30%の「いきなりエイズ」が50%超え 2002年以来20年ぶり

 エイズ(後天性免疫不全症候群)発症後にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染したことが判明する「いきなりエイズ」の患者の割合が、沖縄県内で2022年に52・6%となり、2002年以来20年ぶりに50%台を超えました。県によると、全国平均は約30%で、突出して高くなっています。

 人口10万人当たりのエイズ患者報告数も全国で最も多く、感染が拡大しています。沖縄県は「私は大丈夫?それ本当?受けようHIV検査」を掲げ、6月1日から各保健所のHIV即日検査の日程を増やし、夜間・休日にも拡充していきます。

 2022年のHIV感染者/エイズ患者の県内報告は19人で、このうち「いきなりエイズ」の患者は10人(52・6%)でした。2021年は38・5%。県によると、重症化し、救急搬送されて初めてエイズだとわかったケースもありました。

 いきなりエイズの割合増加は、県内の各保健所が新型コロナウイルス関連業務のため、HIV検査を休止したことが背景にあるといいます。人口10万人当たりのHIV検査数は2021年に4・087人で、全国で2番目に低くなりました。

 エイズは、HIVに感染した早期の段階で発見し、治療すれば、発症を防ぐことができます。沖縄県ではHIV感染に気付かずエイズを発症し、重症化する人が水面下で増えている恐れがあります。

 県の担当者は、「感染に不安がある人はためらわず、HIV検査を受けてほしい。感染していても、治療して発症を防ぐことで、通常の生活ができる」と呼び掛けています。

 2021年の県内エイズ患者報告数は人口10万人当たり0・681人で全国最多。HIV感染者数も1・09人で全国で2番目に多く、県は「感染が拡大している」としています。

 2023年5月30日(火)

🟥みちのく記念病院の「みとり医」、自分の氏名わからず署名できず 青森県警、「しかるべき処分」の意見つけ書類送付

 2023年3月、青森県八戸市のみちのく記念病院で患者同士の殺人が起き、それを病院が 隠蔽(いんぺい)していた衝撃的な事件。県警は医師法違反(無診察治療)の疑いで同病院に勤務していた男性医師(86)の捜査書類を青森地検に送付し、起訴を求めない「しかるべき処分」の意見をつけた。一...