2023/06/06

🟧「インフルエンザに効く」とうたってミネラルウォーターを2リットルあたり1万円で販売 76歳会社社長ら4人逮捕

 「インフルエンザウイルスを1分で99・99%以上不活性化させる」などとうたったミネラルウォーターをインターネットで広告し、販売したとして、男女4人が医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告など)容疑で逮捕されました。

 千葉県警に6日、逮捕されたのは「有限会社ミネラル総研」(東京都文京区)の社長・野島洋子容疑者(76)(千葉市稲毛区)ら4人で、昨年3月から6月までの間、医薬品の承認を得ずに「超ミネラル水 岩の力」と称したミネラルウォーターをインターネット上で広告し、販売した疑いがもたれています。

 「超ミネラル水 岩の力」について、「インフルエンザウイルスを1分で99・99%以上不活性化させる」などとうたっていましたが、実際の中身はほとんどが「ただの水」だったということです。

 千葉県警によりますと、野島容疑者らはこの水を2リットルあたりおよそ1万円で販売し、昨年までの5年間で4億円以上を売り上げていたということです。

 千葉県警は野島容疑者らの認否を明らかにしていません。

 2023年6月6日(火)

2023/06/05

🟧希少な網膜疾患、遺伝子レベルで解析  シスメックスと神戸アイセンターが検査システムを共同開発

 医療用検査機器・試薬メーカーのシスメックス(神戸市中央区)は5日、目の網膜の働きが損なわれて見えにくくなる「遺伝性網膜ジストロフィー」の原因を遺伝子レベルで解析できる検査システムの製造販売承認を国内で初めて取得したと発表しました。神戸市立神戸アイセンター病院(同)と共同開発。2023年度中の保険適用を目指し、厚生労働省や関連学会と作業を進めます。

 遺伝性網膜ジストロフィーは、4000~8000人に1人がかかる希少疾患の総称。代表的な「網膜色素変性症」は国内に約3万人の患者がいます。暗い所で物が見えにくくなったり、視野が狭くなったりする症状に始まり、進行すると失明することもあります。

 今回の検査システムは、同社と同病院が2020年に開発に着手。1回の血液検査で82種類の遺伝子変異を調べ、原因遺伝子を特定できます。

 遺伝性網膜ジストロフィーは根本的な治療法がなかったものの、欧米で一部の原因遺伝子に対する治療法が確立されました。遺伝子を特定できれば適切な治療に早く取りかかれ、症状の進行を予測できるといいます。

 シスメックスは、「検査結果を新薬の開発に生かせる可能性もあり、早期の販売開始を目指したい」としています。

 2023年6月5日(月)

🟧東京都以外で初、国内3カ所目の母乳バンクを開設 愛知県・藤田医科大学病院

 愛知県豊明市の藤田医科大学病院は5日、母乳が出ない母親の代わりに別の母親の母乳を保存・提供する「母乳バンク」を開設しました。低体重で臓器が未発達な赤ん坊が対象で、粉ミルクなどに比べ病気のリスクを低減できるといいます。国内で3例目、東京都以外では初の設置となり、地震や台風など災害時の供給元としての役割も担います。

 母乳バンクは別の母親から提供された母乳(ドナーミルク)を殺菌処理し、必要な赤ん坊に提供する仕組みです。1500グラム未満の赤ん坊が主な対象で、消化器が未発達だと粉ミルクではうまく消化吸収ができないとされます。母乳には免疫成分も含まれ、生死にかかわる「新生児壊死(えし)性腸炎」などのリスクも減らせるといいます。

 国内の母乳バンクには現在、約600人がドナー登録し、2022年度は800人以上の赤ん坊が利用しました。日本では、年間約7000人の赤ん坊が1500グラム未満で生まれ、うち約5000人がドナーミルクを必要としているといいます。

 藤田医科大学病院の母乳バンクには、約2週間分(約50リットル)のドナーミルクが保存できる施設を整備。通常時は東海地方の新生児集中治療室(NICU)へ提供し、災害などで東京都のライフラインが停止した際には当バンクから全国の新生児集中治療室に発送します。

 藤田医科大学病院に運営委託する日本財団母乳バンクは、「ドナーミルクは出産直後など母乳が出にくい時期に命をつなぐ役割がある。使う際には医療機関での倫理審査が必要になり、啓発活動を通じて利用を広げていきたい」と話しました。利用量の拡大には衛生管理や品質検査体制の整備なども課題になります。

 ドナーミルク需要の高まりを受け、2019年12月には厚生労働省が母乳バンクを全国に整備する方針を発表。2020年度より医学的効果や衛生基準についての調査研究が進められています。

 2023年6月5日(月)

🟧インフルエンザ、10年ぶりに5月下旬まで流行継続 コロナ禍で免疫低下の見方も

 通常の流行期は12~3月とされる季節性インフルエンザが長期化して、季節外れに流行しています。5月28日までの1週間に、全国約5000カ所の定点医療機関から報告された患者数は7975人で、1医療機関当たり1・62人。流行の目安(1人)を年末に超えてから、5月下旬まで継続するのは10年ぶりです。

 専門家は、「コロナ禍に入った2020年以降の2シーズンは流行がなく、インフルエンザワクチンの接種も減り、免疫が低下したことが原因」とみています。

 厚生労働省が2日に公表したインフルエンザの定点報告を都道府県別にみると、宮崎県の1医療機関当たり7・07人が最多で、長崎県の同4・14人、愛媛県の同3・67人、新潟県の同3・35人が続きました。

 この1週間に休校や学年・学級閉鎖をした小中高校や幼稚園などは、全国で325カ所。10年前の2013年も5月下旬まで流行が続いたものの、その年の同時期(157カ所)の2倍を超える多さです。

 今年5月は100人を超える大規模な集団感染も相次ぎました。大分市と宮崎市の高校では、それぞれ500人近く感染し、体育祭で広がった可能性も指摘されています。東京都調布市の小学校でも100人を超えました。

 今回のインフルエンザの長期化について、感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授は、「多くの人の免疫が低下しているぶん、感染が一気に広がりやすい。新型コロナの感染症法上の分類が5類に移行し、人の動きが活発化したことも影響している。今後もせきなどの症状があれば、マスク着用など適切な対策をとってほしい」と話しています。

 2023年6月5日(月)

🟧全日空、関空発着の国際線運航を3年ぶりに再開

 関西空港で5日午前、新型コロナウイルスの影響で休止していた全日空の上海(浦東)定期便が3年ぶりに運航を再開しました。関空からの同社の国際線再開はコロナ禍後初。まずは週に往復3便を運航します。

 コロナ禍前、全日空は関西空港から中国各都市への便を週に往復49便運航していましたが、2020年3月からすべての国際線を運休していました。全日空の宮坂純子関西空港支店長は、「今日は国際線再開の第一歩。たくさんご搭乗いただいて、夏の海外旅行シーズンに向けて便を増やしていきたい」と期待を込めました。

 関西空港発着の国際線の便数は、6月時点でコロナ禍前の5割超まで回復。ただ国際線の4割を占めていた中国便は、コロナ禍前の2割ほどの再開にとどまっています。

 全日空は今後、中国から日本への団体旅行が解禁されて、日本人がビザなしで中国に渡航できるようになれば、中国方面への便数を増やしていくとしています。

 コロナ禍前は上海便を毎週利用していたという奈良県斑鳩町の会社役員、増田隆さん(60)は、「これから仕事での行き来が増える。定期運航はありがたい」と話しました。現地法人に中国の顧客を案内する予定といいます。

 関空では、上海吉祥航空が7月1日、2019年に開港した北京大興空港への新規就航を予定しています。

 2023年6月5日(月)

2023/06/04

🟧パーキンソン病の治療薬でALSの症状抑制 慶応大の研究チーム

 慶応大学の研究チームは全身の筋肉が徐々に衰える筋委縮性側索硬化症(ALS)について、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った研究で見付けた治療薬候補を患者に投与した臨床試験(治験)の結果をまとめました。病気の進行を約7カ月遅らせる効果などを確認しました。2024年にも規模を拡大した最終段階の治験を始め、治療薬として実用化を目指します。iPS創薬による治療薬の実用化は、世界初となる見通しといいます。

 アメリカの科学誌「セル・ステム・セル」に2日、治験の結果が掲載されました。慶大の岡野栄之教授らはALS患者のiPS細胞から病気の神経細胞を再現し、既存の薬剤の中からパーキンソン病の薬「ロピニロール塩酸塩」を治療薬の候補として見出しました。20人の患者が参加した医師主導治験で、運動機能の低下など病気の進行を推定約7カ月遅らせる効果があることや安全性を確認しました。

 治験に参加した患者全員のiPS細胞を使い、細胞実験でもロピニロール塩酸塩の効果を調べました。細胞実験で高い効果がみられた患者は、実際の治験でも効果が高い傾向がありました。iPS細胞を活用して、ロピニロール塩酸塩の効果を事前に予測できる可能性があるといいます。

 慶大発スタートアップのケイファーマ(東京都港区)が中心となり、最終段階となる第3相治験を2024年にも始めます。より多くの患者が参加する治験で有効性などを調べ、ALSの治療薬としての承認申請を目指す方針です。岡野教授は「確実性の高い治験を計画して1回で決着させたい」と話しました。

 ALSは運動神経の障害で筋肉が徐々に衰える進行性の難病で、国内の患者数は約1万人。歩行困難や言語障害などの症状が出て、生活やコミュニケーションが非常に難しくなります。、根本的な治療薬はなく、個人差はあるものの、発症から数年で呼吸器の装着が必要になるか、亡くなります。病気の進行を遅らせることが、生活の質を保つために重要となっています。

 2023年6月4日(日)

🟧今春の平均気温、過去最高 気象庁、25年ぶり記録更新

 気象庁は1日、今春(3~5月)の平均気温は、基準値(1991年から2020年までの30年平均値)を1・59度上回り、統計を開始した1898年(明治31年)以降、最も高かったと発表しました。これまでの平均気温の最高は、基準値を1・24度上回った1998年春で、25年ぶりの更新。

 高緯度帯の偏西風「寒帯前線ジェット気流」が日本付近で平年より北を流れることが多く、寒気がほとんど南下しなかったため、暖かい空気に覆われやすくなりました。

 特に3月が西高東低の冬型の気圧配置になりにくかったため、基準値より2・75度高く、春の気温を押し上げました。

 2023年6月4日(日)

🟩世界の糖尿病患者、過去32年で倍増

 世界の成人の糖尿病患者の割合は過去30数年で倍増し、特に途上国での増加が著しいとする論文が14日、イギリスの医学誌「ランセット」に掲載されました。  イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らによると、成人の糖尿病患者は1990年には全成人のうち7%でしたが、202...