2023/06/24

🟧新型コロナ起源、見解分かれ結論出さず アメリカの情報機関が報告書を提出

 世界に拡大した新型コロナウイルスの起源を調査してきたアメリカの情報機関を統括する国家情報長官室は24日、中国からの情報不足などが原因で結論に達していないとする機密報告書を政府に提出しました。

 この調査は、ジョー・バイデン大統領が90日前に命じていました。

 ワシントン・ポストはこの件に詳しいアメリカ高官2人の話として、中国中部で最初に確認された新型ウイルスが動物を介して人間に伝染したのか、あるいは厳重な警備が敷かれている武漢ウイルス研究所の実験室での事故が原因で流出したのか、今回の調査では確定的な結論に至らなかったと伝えました。

 バイデン大統領は調査を命じた際、動物説と研究所説でアメリカの情報機関の見方は二分されていると述べていました。

 同高官らは、情報機関は「努力を倍加して」起源を巡る議論を決着させよとの大統領令を受けたにもかかわらず、90日間の調査でも統一見解に至らなかったと明かしたとされます。

 ウォールストリート・ジャーナルは、問題の一部は中国から詳しい情報を得られなかったことにあると報じています。

 報告書は、アメリカ中央情報局(CIA)など18の情報機関でつくる「情報コミュニティー」の評価をまとめました。国家情報会議(NIC)と他の4機関は動物を介した説を支持した一方で、アメリカエネルギー省とアメリカ連邦捜査局(FBI)は研究所からの

流出した可能性が最も高いと判断しています。CIAは結論を出していません。

 中国に対しては、研究所流出説をより徹底的に評価するよう求める圧力が強まっています。

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は、武漢市の研究所に対するWHOの初期調査は不十分だったと認めています。WHOは5月、起源調査の第2段階として研究所の監査などを提案しました。

 中国はこれに強く反発。中国国家衛生健康委員会(NHC)の曾益新副主任は、追加調査計画について「常識を尊重せず、科学に対する傲慢(ごうまん)さが表れている」と指摘しました。

 2023年6月24日(土)

🟧5月の熱中症搬送は3655人 過去2番目に多く2人死亡

 総務省消防庁は24日までに、5月に熱中症で救急搬送された人は全国で3655人だったと発表しました。昨年5月を987人上回り、比較可能な2015年以降、2019年の4448人に次いで多くなりました。体が暑さに慣れていない中、各地で真夏日となった5月中旬を中心に増えました。

 今週末からは全国的に気温の高い日が続く見通しで、消防庁は小まめな水分補給や適切なエアコン使用などの対策を呼び掛けています。

 搬送者のうち1人が死亡し、3週間以上の入院が必要な重症は54人、短期入院が必要な中等症は1024人でした。全体の51・5%を65歳以上が占めました。

 都道府県別でみると、東京都の270人が最多で、埼玉県269人、愛知県259人、大阪府201人と続きました。

 2023年6月24日(土)

🟧冷蔵保存期間切れのコロナワクチンを計2418人に接種 3~5月、さいたま市の1医療機関

 埼玉県さいたま市は22日、市内の医療機関1カ所が冷蔵保存期間を超過した新型コロナウイルスワクチンを計2418人に接種していたと発表しました。同医療機関が21日、対象者に郵送で通知しており、希望に応じて健康観察を行います。体調不良の情報はないといいます。市はすべての個別接種医療機関に改めて注意喚起し、再発防止に努めます。

 市新型コロナウイルスワクチン対策室によると、7日に同医療機関から市に、「冷蔵での保存期間を超過したワクチンを接種に使用していた」と連絡がありました。アメリカのファイザー社製オミクロン型対応のワクチンで、接種期間は3月4日~5月28日。3月194人、4月118人、5月2106人の12歳以上の計2418人に接種していました。

 同医療機関がマニュアルを見直して、ワクチンの冷蔵保存期間が10週間と気付いて判明しました。最大で86日期限を超過していました。有効期限まで使用できると誤認していたといいます。改めて接種するかは、対象者の希望に応じて抗体検査を行い、相談して決めるといいます。

 問い合わせは、さいたま市コロナワクチンコールセンター(フリーダイヤル電話0120・201・178)へ。

 2023年6月24日(土)

🟧カネミ油症、先天性疾患の発生率が高い傾向 「次世代調査」研究班が報告

 西日本一帯で1968年に起きた、ダイオキシン類が食用油に混入した食品公害「カネミ油症」を巡り、認定患者の子や孫を対象とした次世代調査を行っている全国油症治療研究班は23日、結果の一部を公表しました。生まれ付き唇や上あごに裂け目がある先天性疾患「口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)」の発生率が高い傾向にあると報告しました。

 この日、福岡市であった被害者団体への説明会で示されました。

 厚生労働省は2021年8月から、汚染油を直接食べていない子や孫の「次世代」を対象とした初の調査を開始。2022年2月の中間報告で、認定患者の子や孫の男女計388人のうち「倦怠(けんたい)感がある」「頭痛・頭が重い」と回答した人がそれぞれ約4割いると、公表していました。

 今回、研究班は421人に自覚症状などを尋ねるアンケートを実施し、先天性疾患については292人のデータを集めました。その結果、約1%に当たる3人に口唇口蓋裂がありました。全国約300の分娩(ぶんべん)施設で生まれた子供の一般的な発症率は0・2%といいます。

 研究班長の辻学・九州大准教授は、「胎児の成長にダイオキシン類が影響している可能性がある」としています。今後は、低出生体重児など他の先天性疾患についても解析を進めるといいます。

 ただ、倦怠感や頭痛といった次世代が訴える自覚症状と油症との関連についての解析は示されませんでした。研究班は、医師の診察所見や、ダイオキシン類の血中濃度などとの関係を現在分析しているとしました。

 2023年6月24日(土)

2023/06/23

🟧熊本市の慈恵病院、内密出産11人に 初事例から1年半で利用拡大

 熊本市西区の慈恵病院は22日、東日本と西日本に在住する成人女性2人が5月、病院の担当者のみに身元を明かして出産する「内密出産」をしたと公表しました。2021年12月の初事例から10、11例目。

 2人は出産後に身元を行政に明かしましたが、慈恵病院は内密出産を「出産直後に匿名を希望する意思を確認した人」と定義しており、今回のケースも該当します。

 病院によると、いずれも産婦人科を受診しておらず、「自分で育てられない」とメールや電話で相談しました。新幹線で来院後、間もなく自然分娩(ぶんべん)で出産。母子ともに健康だといいます。

 10例目は東日本在住の女性で、出産後に「自分で育てたい」と考えを変えました。子共は女性の居住地の乳児院に保護されています。

 11例目は西日本在住の女性。出産後、子供を特別養子縁組に託すことを決めました。子供は内密出産の事例では初めて乳児院に委託せず、特別養子縁組をあっせんする県外の民間団体に預けられました。養子縁組を望む夫婦に引き取られ、手続きを進めているといいます。

 初事例から約1年半で10例を超えたことについて、蓮田健院長は「軌道に乗った感触がある。巣立っていく赤ちゃんが養親に託され、幸せそうな姿を見ると、新しい形ができている実感がある。赤ちゃんとお母さんの命を守るのが最も大きな柱だが、愛着障害や虐待など負の連鎖を断ち切る効果を感じている」と話しました。

 熊本市児童相談所は、それぞれの子供の処遇について「個別の事案には答えられない」としています。

 2023年6月23日(金)

🟧東京都の新型コロナ感染者、5類移行後に増加傾向 ヘルパンギーナも警報レベル超え

 東京都内で、新型コロナウイルスの患者数が緩やかな増加傾向にあります。都内の感染状況を分析する都感染症対策連絡会議が22日開かれ、都医師会の猪口正孝・前副会長は「今のところ、医療体制への大きな負荷はみられないが、今後の動向には注意が必要だ」と呼び掛けました。

 都の報告によると、定点医療機関当たりの1週間の患者数は5月22〜28日の週で3・96人でしたが、29日〜6月4日で5・29人に増えました。5〜11日は5・99人で、12〜18日は5・85人となり数字上は下がっているものの、出席者は「横ばい」と評価しました。入院患者数も前週より減っているものの、同じく「横ばい」とされました。

 会議で国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は、「都内の学校では学級閉鎖も起こっている」と指摘しました。

 さらに、子供を中心に新型コロナ以外の感染症も増加し、子供を中心にかかる夏風邪の一種で、38度を超える発熱や口やのどに水膨れができるのが特徴の「ヘルパンギーナ」が5月以降急増して、6月12~18日の定点医療機関当たりの患者報告数は6・09人となり、都の警報レベルの6・0を超えたと報告されました。警報レベルとなったのは2019年8月以来、4年ぶり。

 都はヘルパンギーナについて、特別な治療法やワクチンはないとし、こまめな手洗いなどの感染対策の徹底を呼び掛けています。

 また、都によりますと、ヘルパンギーナと同様に幼い子供がかかりやすく、発熱や鼻水とせきの症状が特徴の「RSウイルス感染症」の患者数も増えていて、1医療機関当たりで2・32人と、前の週の1・35倍となりました。

 会議の中で、都の担当者は「新型コロナで感染予防の意識が強まり、ほかの感染症の流行が抑えられていたが、そのぶん、免疫を持つ人も減ったのではないか」と分析しました。

 東京感染症対策センターの賀来満夫所長は、新型コロナの感染法上の位置付けが5類に移行し「感染対策の緩みが(子供の感染症拡大の)要因になっているのでは」と指摘。場面に応じたマスク着用や手洗いなどの感染対策をとるよう改めて求めました。

 2023年6月23日(金)

🟧新型コロナ感染者、前週比1・10倍で11週連続で増加 最多の沖縄県は1・56倍

 厚生労働省は23日、全国に約5000ある定点医療機関に12日~18日に報告された新型コロナウイルス新規感染者数は計2万7614人で、1定点医療機関当たり5・60人(速報値)だったと発表しました。前週(5・11人)の約1・10倍となり、32府県で前週より増えました。前週から増加が続くのは11週連続となり、4月上旬からの緩やかな増加傾向が続いています。

 最多は沖縄県の28・74人で、前週比1・56倍。鹿児島県9・60人、千葉県7・57人、愛知県7・22人、埼玉県7・02人と続きます。少ないのは秋田県2・81人、島根県2・95人、青森県3・18人など。東京都5・85人、大阪府4・55人、福岡県5・92人でした。

  12日~18日の全国の新規入院患者数は4417人で、前週(4484人)より減りました。集中治療室に入院している全国の重症患者数は7日間平均で前週と同じ79人でした。

  また、国立感染症研究所は5月15日から28日までに、全国19自治体で過去5年と比べ死者数がどれほど増えたかをみる「超過死亡」数を公表。いずれの自治体でも超過死亡は認められませんでした。

  5類移行後は毎日の死者数が公表されなくなったことから、迅速な動向把握や対策のために一部自治体の超過死亡数を分析し、1カ月以内に公表しています。

 厚労省は全国の流行状況について、「全国的に緩やかな増加傾向が続いているほか、5類移行の前後で単純に比較はできないものの沖縄県では今年1月の第8波のピークに近い水準になっているため引き続き注視したい」としています。

 沖縄県内では新型コロナの感染が急速に拡大しており、12日~18日の患者数は前週と比べて1・56倍に増えました。患者の搬送先を探すのに約1時間かかるケースも発生しています。

 県によりますと、18日までの1週間に県内54の医療機関から報告された新型コロナの患者数は1552人、1医療機関当たりの平均患者は28・74人で、前週から1・56倍に増えました。推計される患者総数は7280人で、全国最悪の水準の感染状況が続いているとみられます。

 県全体の入院者数は18日現在で507人で、重症は9人、新型コロナ専用病床の使用率は県全体で57・8%です。

 県内の医療機関では医療提供体制がひっ迫し始め、27の重点医療機関では7カ所で救急診療、3カ所で一般診療を制限しているということです。

 また先週、県内では救急車を呼んだ患者の搬送先を探すのに55分かかるケースや病院への照会が10回行われたケースなど、搬送が困難な事例が複数発生しているということです。

 県保健医療部の糸数公・部長は、「感染を防ぐための行動を取ってもらえるよう期待したいが、それがない場合は患者数の増加傾向が続く可能性がある。軽症の場合は救急の時間帯の受診は控えてほしい」と呼び掛けています。

 2023年6月23日(金)

🟩20歳代男性がレプトスピラ症に感染 茨城県内で5年ぶり確認

 茨城県は15日、県内の20歳代男性が、重症化の恐れがある感染症「レプトスピラ症」と確認されたと発表しました。男性は腎不全などで10月16日に入院したものの、すでに回復し、退院しています。茨城県内での確認は5年ぶり。渡航先のタイで感染したとみられます。  県感染症対策室によると...