新型コロナの患者12万人を対象に、大阪府の研究機関などのグループが調査を行ったところ、発症から2週間たち新型コロナの治療が終わってからも約10人に1人の割合で頭痛やけん怠感などの症状がみられていたことがわかりました。
大阪府茨木市にある国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所や医療法人徳洲会などのグループは2020年から昨年6月までの3年間に全国の徳洲会の病院を受診した0歳から85歳までの新型コロナの患者12万2000人余りのカルテのデータを基に新型コロナの治療後に続く症状についての分析を行いました。
そして、症状ごとに分析した結果、発症から2週間以上たってからも頭痛、けん怠感・疲労感、味覚障害、嗅覚障害の4つの症状があった患者は、それぞれ約10人に1人の割合となっていました。
また、60歳以上では、2週間たってからも約2割の患者でうつの症状が、約半数の患者で療養生活による体の機能の低下などの症状が、続いていたということです。
新型コロナを巡っては感染後の後遺症が問題となっていますが、グループによりますと新型コロナの後遺症に関連して、カルテの情報を利用した大規模な調査が行われたのは初めてだということです。
研究所の今井由美子さんは、「うつや体の機能の低下などは生活の質(QOL)の低下につながる可能性があり、新型コロナから回復した後も継続的なフォローが必要だ。今後、後遺症の予防法や治療法の確立につながる研究を進めたい」と話していました。
2023年7月26日(水)