2023/08/08

🟧ヘルパンギーナ患者数、全国で減少傾向 東北など一部地域で引き続き多い状況

 過去10年で最も大きな流行となった、主に子供がかかる感染症「ヘルパンギーナ」は、全国の患者数は減少傾向となっている一方で、東北地方など地域によっては患者数が多い状況が続いています。

 ヘルパンギーナは夏に患者が増えるウイルス性の感染症で、5歳以下の子供がかかりやすく、発熱のほか、口の中に水膨れができたり、のどが痛んだりといった症状が出ます。

 今年は5月ごろから患者数が増え始め、過去10年で最大の流行となっていました。

 国立感染症研究所によると、7月30日までの1週間に全国約3000の小児科の医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者数は合わせて1万3629人、1医療機関当たりでは4・34人と前の週よりも0・37人減り、減少傾向となっています。

 ただ、地域ごとでは、山形県の21・86人を始め、岩手県、青森県、北海道、宮城県で10人を超えているほか、長野県、秋田県、福島県、新潟県でも警報レベルの「6人」を超えるなど、東北地方を中心に引き続き患者の多い状況となっています。

 また、幼い子供が感染すると重症化することもある「RSウイルス感染症」は、7月30日までの1週間で報告された患者数が合わせて7073人、1医療機関当たりでは前の週よりも0・34人減って2・25人と、こちらも減少傾向が続いています。

 感染症が専門で国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「今後は徐々に患者数が減っていくと思うが、夏休みで出掛けたり、人と会う際は、換気を十分に行うなど感染対策をしてほしい。もし感染してしまって、水分がとれないとか呼吸が苦しそうな様子の時は、すぐに近くの医療機関を受診してほしい」と話しています。

 2023年8月8日(火)

🟧アメリカ赤十字、男性同性愛者ら対象の献血制限撤廃

 アメリカ赤十字社は7日、同性愛者と両性愛者の男性を対象とした性的指向に基づく献血制限を撤廃すると発表しました。

 アメリカ赤十字社は、「この歴史的動きを重要な進展として祝い、輸血用血液の安全性を保ちながら、献血できる人全員を平等かつ敬意を持って扱う包括的な献血プロセスの実現に向けて引き続き尽力する」と述べました。

 アメリカ食品医薬品局(FDA)が5月に指針を変更し、献血可能な人の範囲を拡大したのを受けた措置。

 FDAの新指針によると、すべての献血希望者は過去3カ月間に新たなパートナーまたは複数のパートナーと性的接触を持ったかを尋ねられます。

 該当する人は、過去3カ月間に肛門性交をしたかを尋ねられ、これにも該当する場合、献血を見送るよう求められます。

 直腸の粘膜は薄いため傷付きやすく、感染症に感染しやすいため、肛門性交はさまざまな性感染症の感染を広げるリスクが高くなります。

 日本赤十字社によると、「エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる方」として、過去6カ月間に「不特定の異性または新たな異性との性的接触があった」「男性同士の性的接触があった」方たちが「献血をご遠慮いただく」対象にされています。

 2023年8月8日(火)

2023/08/07

🟧岐阜県各務原市、保育所や小中学校に浄水器設置 水道水源地で「PFAS」検出で

 岐阜県各務原(かかみがはら)市の水道水の水源「三井水源地」から、国の暫定目標値を超える濃度の有機フッ素化合物「PFAS〈ピーファス〉」が検出され、同市の磯谷均副市長は7日、市内の保育所や小中学校などに浄水器を設置する方針を明らかにしました。副市長は「子供への不安を極力払拭する」と話しました。

 対象は同水源地の配水区域にある約50施設で、給食室や手洗い場などに640個ほど設置する予定。

 保育所などへの浄水器の設置や希望者への血液検査を求める共産党市議らの申し入れに答えました。これに先立ち、市議会の全市議も、市民の不安解消や国との連携強化を求める要望書を提出しました。

 市によると、2020年11月の水質検査で暫定目標値の超過を把握していたものの、7月まで公表していませんでした。暫定目標値が1リットル当たり50ナノグラムのところ、99ナノグラムが検出されていました。

 各務原市がPFASの超過を7月まで公表していなかった問題で、岐阜県の古田肇知事は1日の定例記者会見で、「大変遺憾に思っている。早急にしっかりとした説明や対策をする必要がある」と述べました。

 県は、各務原市の事例を受けて、すべての市町村に水質検査を実施したかどうかを聞き取り調査。その結果、同市のほか、13市町が検査済みだったことがわかりましたが、いずれも1リットル当たり50ナノグラムの暫定目標値を下回ったとの報告を受けたといいます。

 国は通知で、PFASが含まれる「水質管理目標設定項目」の検査結果について公表するよう求めています。県は、それを踏まえ、すべての市町村に検査結果を公表するよう7月31日付で通知しました。

 一方、県は、県営水道と県工業用水の水質について、2020年7月から年2回の検査をして、PFASの検出事例はないといいます。

 2023年8月7日(月)

🟧新型コロナ5類移行3カ月、感染者数6倍 イベント再開も拡大の一因

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から「5類感染症」に移行してから8日で3カ月となる中、一貫して感染者の増加が続いています。今夏は祭りや花火大会などのイベント再開が感染拡大の一因とされ、お盆の帰省などでさらなる感染増も懸念されます。

 厚生労働省によると、7月30日までの直近1週間に、全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの感染者数は計7万8502人で、1医療機関当たりの感染者数は、15・91人。5類移行から11週連続の増加となり、移行直後の約6倍に達しました。

 厚労省に助言する専門家組織は8月4日の会合で、「より免疫逃避が起こる可能性のある変異型の割合増加」「夏休みなど接触機会の増加」などを挙げ、今後の見通しを「患者数の増加が継続する可能性がある」と分析しました。

 現在主流で複数のオミクロン型が組み合わさった「XBB」系統は、従前の「BA・5」より感染力が高く、ワクチンや自然感染で得た免疫を逃れる性質も強いとされます。

 感染者数は、8波ピークの29・80人(参考値)に比べると半分程度。確保病床使用率(7月26日時点)も、50%超の自治体は福岡、宮崎、沖縄の3県にとどまるものの、現場は楽観視していません。

 「いとう王子神谷内科外科クリニック」(東京都北区)では、8月3日までの直近1週間に発熱などの症状で受診した患者のうち、約6割がコロナ陽性。1日当たり6~7人に上り、伊藤博道院長によると、昨夏の7波と同水準だといいます。

 伊藤院長は、「感染者は祭りや花火大会など、今夏から久しぶりに復活した行事に参加していたケースが多い」と指摘。盛夏に入り熱中症も増加傾向にあり、「コロナ疑い患者のこれ以上の増加は厳しい」と懸念します。

 警戒意識の共有を巡っては、4日の専門家組織の会合で、季節性インフルエンザで使われている「注意報」(1定点当たり10人超)や「警報」(同30人超)の導入を求める意見がありました。

 厚労省は「できるだけ早く形を示したい」としたものの、コロナの流行に明確な周期性はなく、目安設定の在り方には検討の余地があります。脇田隆字座長は「基礎データがまだ少ない。まずは暫定的なものになるだろう」との見方を示しています。

 ウィズコロナの夏。高齢者らには依然、リスクが高い感染症であり、同省は「換気や混雑時のマスク着用など、基本的な対策に改めて取り組んでほしい」としています。

 2023年8月6日(日)

🟧成人喫煙率が男性25%、女性7%に低下 厚労省調査

 厚生労働省の2022年国民生活基礎調査によると、たばこを吸う人の割合は男性で25・4%、女性で7・7%でした。3年ごとに喫煙率を調べており、男性は前回2019年から3・4ポイント、女性は1・1ポイント低下。いずれも減少傾向が続いています。

 害悪が広く認識されるようになったことや、健康志向の高まり、受動喫煙対策を強化した改正健康増進法の施行などが、影響したとみられます。

 男性は2001年時点で全体の48・4%と、ほぼ2人に1人が吸っていました。約20年が経過し4人に1人まで減ったことになります。

 年代別にみると、男性は40歳代が34・6%と最も高く、50歳代32・6%、30歳代29・9%と続きました。

 2023年8月7日(月)

2023/08/06

🟧アステラス製薬の眼疾治療薬「アイザーヴェイ」、アメリカで承認 現地子会社が開発

 アステラス製薬は5日、眼疾治療薬「アイザーヴェイ」について、アメリカ食品医薬品局(FDA)から4日付(現地時間)で承認されたと発表しました。ピーク時売上高は非開示ながら、年間売上高10億ドルを超える大型薬「ブロックバスター」になることを期待しています。

 アイザーヴェイは7月に子会社化したアメリカのアイベリック・バイオ社が開発しました。目の細胞の機能が中心部から衰えていく地図状委縮を伴う加齢黄斑変性に対する核酸医薬品。加齢黄斑変性は老化などによって視力低下や失明を引き起こす難病で、新薬は治療に向けた新たな選択肢となる可能性があります。

 臨床試験(治験)では、地図状委縮の進行速度の抑制が早い例で投与後6カ月時点でみられたといいます。最初の1年間で進行速度を最大35%抑制したことも確認できました。

 アステラス製薬の主力薬である前立腺がん薬「イクスタンジ」は2023年3月期の売上高が約6600億円と、連結売上高の4割強を占めます。ただ、イクスタンジは2027年ごろから特許切れを迎えます。医薬品は特許が切れると後発薬が登場し、収益が激減します。

 アステラス製薬はイクスタンジの独占期間満了による売り上げ減少を補う収益の柱の一つとして、更年期障害向け治療薬「フェゾリネタント」などとともに「アイザーヴェイ」を位置付けています。今後2〜4週間以内にアメリカでアイザーヴェイを発売する予定。

 アステラス製薬は、2024年3月期連結業績への影響は「精査中」としています。

 地図状委縮は、アメリカで約150 万人に影響を及ぼしています。しかし、アメリカで地図状委縮を患っている人の約75%は未診断と考えられています。適切なタイミングでの治療がなければ、地図状委縮患者の推定66%が失明または重度の視覚障害になる可能性があります。

 2023年8月6日(日)

🟧世界の平均海面水温、過去最高の20・96度を記録 コペルニクス気候変動サービスが発表

 イギリスなどの複数のメディアは、世界の平均海面水温が今週、過去最高を記録したと、ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」が明らかにしたことを伝えました。

 イギリスの公共放送BBCは4日、世界の平均海面水温が今週、20・96度に達し、記録が残る1979年以降最も高くなったと「コペルニクス気候変動サービス」が明らかにしたと伝えました。

 これまでの記録は2016年の20・95度で、これは南米ペルー沖から太平洋中部の赤道域で、海面水温が平年よりも高くなるエルニーニョ現象の影響を受けたものだったということです。

 そして、海面水温が高くなることで、氷河が溶けやすくなって海面が上昇したり、水中に吸収される二酸化炭素の量が減ったりして、気候全体に影響を与えかねないという見方を伝えています。

 また、専門家の話として例年、海面水温が最も高くなるのは8月ではなく3月だとして、今後、来年3月までの間にさらに海面水温が高くなる恐れがあるとの懸念を示しています。

 今年は陸地でも世界的に記録的な暑さとなっていて、世界気象機関(WMO)によりますと、中国の新疆ウイグル自治区のトルファン市では7月16日に52・2度を、北アフリカのチュニジアの首都チュニスでも7月24日に49度を記録しています。

 2023年8月6日(日)

🟩マイコプラズマ肺炎、埼玉県が関東で最多、全国2位の感染拡大 昨年同期の66倍に増加

 国立感染症研究所が発表した最新の調査結果によると、過去最大の流行となっているマイコプラズマ肺炎の感染が高水準の感染状況を維持し、中でも埼玉県は関東地方で最大、全国でも2位の感染拡大となってることがわかりました。  最新データ(10月28日~11月3日)では、1医療機関当たりの...