2023/08/10

🟧新型コロナの感染拡大時、住民向け注意喚起の「目安」を公表 医療逼迫で判断、厚労省

 厚生労働省は9日、新型コロナウイルスの感染拡大時に、都道府県などが住民への注意喚起や医療提供体制の強化を検討する際の「目安」を示しました。確保病床の使用率や定点医療機関当たりの患者報告数などを参考にできるとしました。ただ暫定的なもので、今後も変更の可能性があるとしています。

 コロナは5類移行後、新規感染者数の把握は全数報告から定点医療機関からの報告に移行し、感染状況の実態がわかりにくくなっています。季節性インフルエンザの流行で使われる「注意報」「警報」といった、広く注意を呼び掛けるための指標の導入を求める意見が出ていました。

 厚労省は9日付の事務連絡で都道府県などに周知しました。

 事務連絡は、直近の沖縄県の感染拡大の状況などを踏まえ、注意喚起などを検討する目安として▽「外来逼迫(ひっぱく)あり」と回答した医療機関の割合が25%を超える▽定点医療機関当たりの報告数が、直近の感染拡大時(オミクロン型)の「外来逼迫あり」割合のピークから2週間前の報告数を超える▽入院者数がオミクロン型の感染拡大ピーク時の半分を超える▽確保病床使用率が50%を超える――の4項目を示しました。

 住民への注意喚起の具体的な内容として▽発熱などの体調不良時、発症後5日間、症状軽快後24時間経過するまで外出を控える▽医療機関などマスク着用推奨場面でのマスク着用の徹底――などを例示しました。

 一方で、厚労省は、目安は医療提供体制確保のための暫定的なもので、季節性インフルエンザの流行状況に関する「注意報」「警報」とは考え方が異なると説明。インフルエンザと同様の基準を設定するには、長期間のデータの蓄積などが必要となり、「現時点では困難」としています。

 また、コロナ流行の目安を巡っては、都道府県の中にはすでに独自に目安を設けているところもあり、国の目安を使用するかどうかは自治体が地域の医療提供体制の特性などを踏まえて判断することになります。

 2023年8月10日(木)

2023/08/09

🟧マダニ感染症「SFTS」、広島県内で今年初の死者 尾道市の70歳代男性

 マダニにかまれることで感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)で、広島県尾道市の70歳代男性が死亡したことがわかりました。

 尾道市に住む70歳代男性は、1日に発熱などの症状があり、入院後の検査でマダニが媒介するSFTSへの感染が発覚し、6日に死亡しました。男性の体から、マダニの刺し口は確認できませんでしたが、発症前に農作業をしていたということです。

 今年の広島県内のSFTS感染例は5人目で、死亡は初めてです。

 県はマダニ対策として、屋外で作業する時は長袖などで肌を覆うよう呼び掛けています。また、マダニにかまれた後に、発熱などの症状があった場合は、直ちに医療機関を受診してほしいとしています。

 2023年8月9日(水)

🟧埼玉県内の新型コロナ感染者3838人 10週連続で増加

 埼玉県内の新型コロナウイルスの新たな感染者の数は、1医療機関当たり14・70人と10週連続で増加していて、県は「重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方がいる場所には、体調の悪い時に行かないよう気を付けてほしい」と呼び掛けています。

 埼玉県が、9日に発表した新型コロナの感染状況によりますと、7月31日から8月6日までの1週間に、定点把握の対象となっている261の医療機関から報告があった新たな感染者数は3838人でした。

 1医療機関当たりでは14・70人となり、前の週と比べて約1割増えていて10週連続で増加しています。

 年代別では、10歳未満が587人で最も多く、次いで10歳代が537人、20歳代と40歳代が531人、30歳代が523人などとなっています。

 埼玉県は、「感染者の増加のペースなど今後の傾向を注視していく。重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方がいる場所には、体調の悪い時に行かないよう気を付けてほしい」と話しています。

 2023年8月9日(水)

🟧海のプラスチックごみ、想定より少ない可能性

 海のプラスチックごみは、これまで科学者が考えていたよりも少ない可能性があるとの研究結果が7日、イギリスの科学誌「ネイチャージオサイエンス」に掲載されました。

 研究では、1980~2020年までに記録された海面や浜辺、深海の観測データと数値を基に作られた海の3Dモデルを使用。この結果、海面に浮いているプラスチックの95%を25ミリ以上の大きさのものが占めると推定されました。

 海中のプラスチック片は小さいものが大半なものの、5ミリ以下のマイクロプラスチックは比較的少ないといいます。

 海面に浮かぶプラスチックごみは、マイクロプラスチックよりも大きいものが多いということは、海中のプラスチックごみの総量はこれまで考えられていたよりも「はるかに少ない」ことを示唆しています。

 これまでは、海中のプラスチックごみは2500万トン以上で、うち25万トンが海面に浮かんでいると推定されてきました。しかし今回の論文は、海面に浮かぶプラスチックごみの量はそれを大幅に上回る約300万トンだとしています。

 さらに、毎年海に流入するプラスチックごみの量も、これまで考えられていたよりも400万~1200万トン少なく、約50万トンであることもわかりました。プラスチックごみの多くは、沿岸部での活動や漁業から出ているといいます。

 国連環境計画(UNEP)によると、プラスチックごみによって毎年、海鳥100万羽と海獣10万頭が死んでいます。

 2023年8月9日(水)

🟧9月からの新型コロナワクチン接種、子供含め幅広く対象に

 オミクロン型の派生型に対応した新型コロナウイルスのワクチン接種について、厚生労働省は、重症化リスクが高くない人にも一定程度重症者が確認されていることから、生後6カ月以上のすべての人を対象に9月20日から実施する方針を決めました。

 新型コロナのワクチン接種は来年3月まで無料で行われ、現在は高齢者や基礎疾患のある人など重症化リスクが高い人を対象に実施されています。

 一方、国内でオミクロン型の派生型を中心に感染が拡大し、重症化リスクが高くない人にも一定程度、重症者が確認されていることから、厚労省は、9日の専門家分科会でオミクロン型の派生型に対応したワクチン接種について、生後6カ月以上のすべての人を対象に9月20日から行う方針を示し、了承されました。

 使用するワクチンは流行の主流となっているオミクロン型の派生型の「XBB」系統に対応するもので、今後、承認の手続きが行われます。

 また、法律に基づいて、自治体が接種券を送付するなどして勧める「接種勧奨」や接種を受けるよう努めなければならないとする「努力義務」の規定については、今回は、重症化リスクの高い人にのみ適用するということです。

 一方、来年度以降の接種については、対象者や費用負担の在り方などについて、改めて部会で議論した上で決めることにしています。

 2023年8月9日(水)

🟧航空自衛隊浜松基地周辺でPFAS検出 浜松市の要請受け基地内調査へ

 有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が。静岡県の航空自衛隊浜松基地周辺の川や水路で国の暫定目標値を上回る高い濃度で検出されたことを受けて、浜田靖一防衛相は浜松市の要請を受けて、基地内の調査を実施する考えを示しました。

 浜松市が今年5月から6月にかけて市内の河川と水路、26地点の調査を行ったところ、航空自衛隊浜松基地の近くを流れる川や周辺の水路、合わせて6つの地点で、有害性が指摘されているPFASが最大1リットル当たり目標値(50ナノグラム)の28倍に当たる1400ナノグラム検出されたことから、市は基地に対し、原因調査への協力を要請しています。

 これについて浜田防衛相は8日、閣議の後の記者会見で、「浜松市から基地内の調査を求める要請がされていることは承知しており、防衛省としては基地内の調査について実施する方針だ」と述べました。

 その上で、具体的な調査方法については浜松市と調整し、速やかに実施したいという考えを示しました。

 2023年8月9日(水)

2023/08/08

🟧熱中症の救急搬送者が1週間で1万810人 2週連続で1万人を上回る

 危険な暑さが相次いだ8月6日までの1週間に、熱中症とみられる症状で病院に救急搬送された人は、前の週に続いて1万人を上回ったことが、総務省消防庁のまとめでわかりました。

 総務省消防庁によりますと、7月31日から8月6日までの1週間に熱中症の疑いで病院に運ばれた人は、全国で合わせて1万810人でした。

 今年一番多い人数を記録した前の週より955人少ないものの、2週連続で1万人を上回ったほか、昨年の同じ時期と比べて約1・38倍となっています。

 内訳は、死亡した人が18人、入院が必要な「重症」や「中等症」が合わせて3641人、「軽症」が6972人でした。

 年齢別では、65歳以上の高齢者が6194人と全体の半数余りを占めたほか、18歳以上65歳未満が3495人、7歳以上18歳未満が1059人、0歳から7歳未満が62人でした。

 都道府県別では、東京都が757人で最も多く、次いで大阪府が691人、埼玉県が599人、福岡県が553人、愛知県が549人などとなっています。

 場所別では、敷地内を含む住居が4818人と最も多く、道路が1776人、屋外の競技場や駐車場などが1188人などとなっています。

 総務省消防庁は、適切な室温調整やこまめな水分補給をしたり、「熱中症警戒アラート」が発表されたら外出を控えたりするなど、熱中症への対策を心掛けてほしいと呼び掛けています。

 2023年8月8日(火)

🟩公立病院の院長になる要件に「医師少ない地域での勤務」を検討 医師偏在で厚労省

 医師が都市部などに偏り地方で不足する「医師の偏在」への新たな対策として、厚生労働省が、公立病院の院長などの管理者になる要件に、医師が少ない地域で1年以上勤務することを新たに加える方向で検討を進めていることがわかりました。  「医師の偏在」は医師が都市部や特定の診療科などに偏り...