2023/08/17

🟧機能性表示食品、新たに65件が届け出撤回 撤回は計80件に

 消費者庁は17日、裏付けのない効果をうたっていたとして、事業者が再発防止の措置命令を受けたサプリメントと同様に、ドコサヘキサエン酸(DHA)など3つのうち1つ以上の成分を含んでいたとする食品計88件のうち、65件が新たに「機能性表示食品」としての届け出を撤回すると発表しました。すでに申し出があったものと併せて撤回は計80件となりました。

 消費者庁によると、残りの8件は科学的根拠があると主張しており、消費者庁は「関係法令に基づいて適切に対処していく」としています。また、撤回の申し出をした80件のうち、46件は手続きを終えておらず、現在も機能性表示食品として販売されている可能性があります。消費者庁は、いずれも安全上の問題はないとしています。

 消費者庁は6月、機能性表示食品としていたサプリが優良誤認表示に当たるとして、福岡市の会社に措置命令を出しました。このサプリと同じ科学的根拠に基づいて機能性表示食品との届け出をしていた事業者に対し、裏付けを確認し回答するよう求めていました。

 2023年8月17日(木)

2023/08/16

🟧レナサイエンス、新薬候補の皮膚がん治験で有効性 オプジーボを併用

 東北大学発バイオ企業のレナサイエンスは16日、開発中の新薬候補とがん免疫薬「オプジーボ」を併用した臨床試験(治験)の結果を発表しました。悪性度の高い皮膚がんの治療で既存の治療を上回る有効性が示されたといいます。今後、規制当局と相談し、次の治験などについて検討します。

 レナサイエンスが開発中の新薬は、炎症などに関係するたんぱく質「PAIー1(パイワン)」という分子を阻害する仕組みで、がんや呼吸器疾患など幅広い病気への治療効果が期待されています。京都大学や第一三共と創薬に向けた共同研究契約を締結しています。

 今回、皮膚がんの一種である悪性黒色腫(メラノーマ)に対する医師主導の第2段階の治験で、事前に設定した有効性の評価項目を達成しました。がん免疫薬の有効性を高める効果が期待できるといいます。

 治験は日本医療研究開発機構の支援で、2021年4月から東北大学や筑波大学、東京都立駒込病院など全国6病院で実施されました。

 レナサイエンスの新薬候補を使った治験では、皮膚がんのほか、大腸がんや肺がん、血液がんでも治験が進んでいます。

 2023年8月16日(水)

🟧埼玉県の新型コロナ感染者16・36人で11週連続で増加 千葉県は17・63人で2週連続減

 埼玉県内の新型コロナウイルスの新たな感染者の数は、1医療機関当たり16・36人と11週連続で増加しており、県は「体調に不安がある時は、高齢者など重症化しやすい人と会うことは控えてほしい」と呼び掛けています。

 埼玉県が16日に発表した新型コロナの感染状況によりますと、8月7日から13日までの1週間に定点把握の対象となっている261の医療機関のうち、報告があった212の医療機関の新たな感染者数は3468人でした。

 1医療機関当たりで16・36人となり、前の週と比べて、約1割増えて11週連続で増加しています。

 年代別では、50歳代が506人と最も多く、次いで10歳未満が468人、10歳代が458人、40歳代が439人、20歳代が437人などとなっています。

 埼玉県は「夏休みやお盆の時期は、普段会わない人との接触も多く感染リスクが高くなる。体調に不安がある時は、重症化しやすい高齢者などと会うことは控えてほしい。増加傾向が続きそうなので、引き続き注視していく」と話しています。

 一方、千葉県は16日、県内173の定点医療機関から1週間(8月7日~13日)に報告された新型コロナウイルスの感染者数が1医療機関当たり17・63人で、前週の約0・98倍(0・28人減)になったと発表しました。前週を下回るのは2週連続。総数は3050人でした。

 16保健所別では、松戸など7保健所で平均報告数が増え、9保健所で減少しました。

 前週の県全体の平均報告数について、県は17・92人から17・91人に訂正しました。

 県の週報によると、保健所別では松戸が最多の24・29人、次いで長生が23・71人、印旛が23・12人。

 2023年8月16日(水)

🟧7月の世界の平均気温は観測史上最高 NASA発表

 アメリカ航空宇宙局(NASA)は、7月の世界の平均気温が1880年以降で最も高くなったと発表しました。

 NASAが14日に明らかにしたところによりますと、7月の1カ月間の世界の平均気温は、データがある1880年以降で最も高くなったということです。

 基準としている1951年から1980年までの7月の平均気温と比べて、世界全体では1・18度上回り、特に気温の上昇幅が大きかった北アメリカや南アメリカ、アフリカ北部、それに南極の一部の地域では、約4度上回ったとしています。

 この記録的な暑さについて、NASAは、今年5月ごろからの海水温の上昇が原因だと分析しており、さらに今後、来年2月から4月にかけて、大きな影響が現れると予測しています。

 7月は、アジアやアメリカ、それにヨーロッパなど世界各地が熱波の影響を受けたほか、カナダやギリシャの大規模な山火事も、このところの暑さの影響である可能性が指摘されています。

 NASAは「科学的にみても、この気温上昇が正常でないことは明らかだ」とした上で、「温暖化は人類が排出する温室効果ガスが主な原因で起きている。温暖化が進むと、人々や生態系への影響がさらに深刻になる」として、警鐘を鳴らしています。

 2023年8月16日(水)

🟧紀文食品、ちくわ製品自主回収 誤って小麦混入、13府県で販売

 紀文食品(東京都中央区)は15日までに、出荷したちくわ製品の一部に本来含まれていない小麦が混入したとして、自主回収すると発表しました。13府県で販売しましたが、14日時点で健康被害の報告はないといいます。小麦アレルギーがある消費者に食べないよう呼び掛けています。

 対象は静岡工場で製造した「鯛入り紀文ちくわ5本」のうち、賞味期限が8月22日のロット記号「A21」の製品。神奈川、静岡、山梨、長野、岐阜、愛知、三重、富山、石川、福井、滋賀、京都、大阪の各府県で販売しました。

 着払いで回収し、購入代金を返します。問い合わせは平日午前9時~午後5時に同社お客様相談室(電話0120・012・778)へ。19、20日は問い合わせを受け付けます。

 2023年8月16日(水)

2023/08/15

🟧アメリカで新型コロナ派生型「EG・5」最多に 重症化率上昇を証明する要素はなし

 アメリカやヨーロッパ、アジアで新型コロナウイルスの感染者や入院患者が増加してきています。公衆衛生当局が指摘するのは、2021年11月に初めて登場したオミクロン型の新たな派生型「EG・5」(通称エリス)の存在です。

 世界保健機関(WHO)は、EG・5を「注目すべき変異株(VOI)」に指定しました。感染力や重症化率が他の変異型より高い可能性があるため、警戒が必要なことを意味しています。

 ただ、WHOは現段階では公衆衛生上の脅威がより大きいとは見なしておらず、EG・5と重症化率上昇の間に、直接の因果関係を証明する要素はないとしています。

 WHOによると、EG・5は8月8日時点では50カ国以上で確認されていました。アメリカ国内の派生型としては最も感染者が多く、急速に感染が広がっています。アメリカ疾病対策センター(CDC)の推計に基づく現在の新型コロナウイルス感染者に占めるEG・5感染者の割合は約17%。

 CDCのデータを見ると、新型コロナウイルス関連の入院患者は、直近の底だった6月に比べて40%余り増えています。オミクロン型の流行がピークを迎えた昨年1月の入院患者よりは、なお90%以上少なくなっています。

 アメリカ全土の下水から検出された新型コロナウイルスの量や、治療薬「パクスロビド」の週間処方件数は、いずれも水準自体がまだ低いものの、過去1カ月で大幅に増加しました。

 ファイザーとビオンテック、モデルナ、ノババックス各社は、「XBB・1・5」を含む派生型を対象に改良したワクチンを製造しています。

 EG・5はXBB・1・5と似ているものの、このワクチンが標的とするスパイクタンパク質に1カ所の変異がみられます。

 XBB・1・5は昨年終盤に出現し、CDCの推計では、8月5日時点でなお新型コロナウイルス感染者の10%以上を占めています。CDCのコーエン所長は最近のインタビューで、アメリカで9月第3週か第4週までには新しいワクチンが幅広く利用されるようになるとの見通しを示しました。

 コーエン所長は、EG・5向けの特別な対策は示していません。ただ「ウイルスは変異しているが引き続きワクチンや治療薬に反応し、検査で抽出される。従って我々が持つあらゆる手段は依然として変異にも有効に作用する」と述べました。

 2023年8月15日(火)

🟧新型コロナ感染者、前週比0・99倍 5類移行後初の減少も、入院者数は増加

 新型コロナウイルスの全国の感染状況は、8月6日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が15・81人で、前の週に比べわずかに減少したものの、ほぼ横ばいの状態となっています。また、23の都道県では前の週より増加しています。

 厚労省によりますと、7月31日から8月6日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から565人減って、7万7937人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は15・81人で前の週の0・99倍となり、5月に感染症法上の分類を5類に移行してから初めて減少しました。10人を超えるのは4週連続。

 都道府県別では、多い順に佐賀県が34・69人、長崎県が28・46人、宮崎県が25・84人、大分県が24・86人、石川県が24・1人、熊本県が22・41人、鳥取県が21・97人、山口県が21・18人、福岡県が21・0人、鹿児島県が20・76人などとなっていて、23の都道県で前の週より増加しています。少ないのは秋田県8・08人、群馬県9・95人、北海道10・16人など。

 このほか、8月6日までの1週間に新たに入院した人は全国で1万1801人で、前の週と比べて167人の増加となりました。

 厚労省は全国の流行状況について、「感染状況はほぼ横ばいの傾向が続いており、入院外来もひっ迫していない状態だが、例年、お盆明けは感染拡大のピークとなるので、高齢者と一緒に過ごす際には、体調に留意し、マスクを着用するなど引き続き感染対策を行ってほしい」としています。

 新型コロナの現在の感染状況について、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、「1週間前に比べてやや減少しているが、夏休み期間で10歳代の学校での感染が減ったことが要因として考えられる。一方で、60歳代以上の高齢者は引き続き増加が続いていて、横ばいの状況とみていいと思う」と話しています。

 今後の見通しについては、お盆で人の移動が活発になっていることや、台風の接近で外出を控えて家で家族などと過ごす人が増えることで、人と人との接触が増え、感染が広がりやすい状況になっているとして、「今月末に向けて再び増加に転じる可能性が高い」と指摘しました。

 その上で「新型コロナを疑う症状がある場合は、食事会や行事への参加を控えるなどの対応を考えてもらいたい。お盆休みが明けて仕事を再開する時に体調が悪い場合は、検査を受けたり、無理せずに休んだりすることが大事だ」と話していました。

 また現在、オミクロン型のうち、EG・5という変異ウイルスが増加傾向にあることについて、「EG・5は従来のオミクロン型よりやや感染力が強いのではないかと懸念されていて、世界的にも感染が拡大している。世界保健機関(WHO)は病原性は高くないのではないかとしているが、感染力がどの程度なのか注視していく必要がある」と述べました。

 2023年8月15日(火)

🟩公立病院の院長になる要件に「医師少ない地域での勤務」を検討 医師偏在で厚労省

 医師が都市部などに偏り地方で不足する「医師の偏在」への新たな対策として、厚生労働省が、公立病院の院長などの管理者になる要件に、医師が少ない地域で1年以上勤務することを新たに加える方向で検討を進めていることがわかりました。  「医師の偏在」は医師が都市部や特定の診療科などに偏り...