2023/09/08

🟧新型コロナ定点感染者10万人超、5類移行後で初 前週比1・07倍

 厚生労働省は8日、全国約5000の定点医療機関から8月28日~9月3日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は計10万1289人に上り、1医療機関当たり20・50人だったと発表しました。前週比は1・07倍で、3週連続の増加。報告感染者数10万人超、1医療機関当たり20人超はいずれも、法的な位置付けが5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行して以降初めて。

 厚労省が明らかにしている5類移行前の参考値と比べると、流行「第8波」だった1月前半ごろの感染者数と同じ水準となります。お盆期間後も増加しており、厚労省の担当者は「基本的な感染対策を続けてほしい」と呼び掛けました。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が多いのは岩手県35・24人、宮城県32・54人、秋田県30・61人。少ないのは沖縄県11・80人、福井県12・67人、兵庫県14・19人。37都道府県で増えました。

 全国の新たな入院者数は1万2842人で、前週比0・92倍でした。

 2023年9月8日(金)

2023/09/07

🟧WHO、新型コロナへの警戒訴え 中東、アジアの一部で死者増

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は6日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症について、中東やアジアの一部で死者数が増加していると指摘しました。北半球で冬を迎えるのを前に「懸念される傾向が続いている」とし、警戒を怠らないよう呼び掛けました。

 テドロス事務局長は、WHOに死者数を報告しているのは43カ国のみで、「データは限られている」と説明しました。入院に関する情報提供は20カ国にとどまりますが、WHOの担当者は「現在、数十万人がコロナで入院している」と推定しました。

 テドロス事務局長は世界中で支配的な変異型はないとする一方、オミクロン型の派生型「EG・5」(通称エリス)が増加傾向にあると述べました。

 2023年9月7日(木)

🟧東北地方の離島で複数の南方系マダニ類の生息を確認 致死率高い新興感染症を媒介

  山形大学農学部の小峰浩隆助教(33)=生態学=らの研究チームは東北地方の離島で、致死率の高い新興感染症を媒介する複数の南方系マダニ類の生息を確認しました。従来知られていた地域より北方だった種もおり、地球温暖化などを背景に東北地方に進出しつつある状況がわかりました。この離島にはマダニの主な宿主とされる大型哺乳類はほとんどおらず、鳥類を介して分布が拡大している可能性も示唆されました。

 南方系のマダニ類はもともと東南アジアや南アジアにおり、近年は西日本でも見付かっています。日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といった新興感染症を媒介するとして拡大が懸念されているものの、その拡大状況やメカニズムの実態は不明な点が多くあります。

 国立感染症研究所によると、SFTSの報告数は近年、全国で増加傾向にあり、今年は8月27日までに108人となり、昨年の同時期を上回っています。山形県の場合、1999年の調査開始以降、SFTSの感染例は確認されていません。

 今回、南方系マダニの生息が見付かった離島は風評被害の懸念から公表していません。  2021年6~8月に草むらなどから9種類145匹を捕まえ、南方系は5種類を発見しました。このうちヤマアラシチマダニとツノチマダニは新潟県、タカサゴチマダニは静岡県、カクマダニ属の種(和名未確定)は埼玉県が北限でした。

 離島内にはマダニの重要な宿主とされるシカやイノシシはおらず、陸上からの移入も考えにくい状況です。畜産による人為的な動物の移動もないため、300種類超の渡り鳥が立ち寄った際に持ち込んだとみられます。ただ、マダニの幼虫はほとんど見付かっておらず、離島内で繁殖している可能性は低いといいます。

 小峰助教は、「西日本に比べて南方系マダニ類の個体数は少なく、感染症のリスクは高くないと思われる」と説明。「今後はどの鳥がどこからマダニを持ち込んだかなど基礎情報を集め、将来的には感染症のリスク低減に役立てたい」と話しました。

 森林研究・整備機構森林総合研究所(茨城県つくば市)との共同研究で、成果はダニに関する国際学術誌の7月27日付に掲載されました。

 2023年9月7日(木)

🟧2023年は人類史上最も暑い年になる可能性が高い EU気象情報機関が発表

 ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は6日、今年6~8月の世界平均気温が観測史上最高を記録したとし、また2023年は人類史上最も暑い年になる可能性が高いと発表しました。

 C3Sは同日公開した報告書で、北半球が夏となる6~8月の今年の世界の平均気温は16・77度で、1940年からの観測史上最高だった2019年の16・48度を上回ったと明らかにしました。今年8月の世界の平均気温も、同月としては史上最高を記録しました。

 C3Sのサマンサ・バージェス副所長は、「前月までの3カ月は、過去約12万年間、いい換えれば人類史上で最も高温だった」と述べました。

 ここ3カ月には熱波、干ばつ、山火事がアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカを襲い、経済や生態系、人々の健康に甚大な影響を与えました。

 2023年9月7日(木)

🟧メキシコ最高裁、全土で人工妊娠中絶の権利認める判断 禁止は「女性の人権侵害」

 メキシコの最高裁判所は6日、全土において、人工妊娠中絶を合法とする判断を示しました。

 メキシコではかつて全土において人工妊娠中絶が禁止されていましたが、2007年のメキシコ市を皮切りに、これまでに32州中12州で合法化されています。今回の判断は32州すべてに適用されます。

 メキシコ最高裁は2021年9月、北部コアウイラ州が中絶に刑事罰を科すのは違憲との判断を全員一致で示していましたが、各州と連邦政府による現行の刑法の無効化のプロセスは遅々として進んでいませんでした。

 最高裁は、中絶の可能性を否定することは、女性の人権侵害に当たると指摘しました。

 アルトゥーロ・サルディバル最高裁長官は、「レイプの場合、いかなる少女も、州や親、保護者から母親になることを強制されることはない」「この場合の女性の権利侵害は、被害者としての立場からだけでなく年齢からみても、より深刻であり、未成年者の最大の利益の観点から、問題を分析する必要がある」と述べました。

 この判断を受け、連邦医療機関が中絶手術を行う道が開かれました。女性の権利団体も歓迎しています。

 一方、メキシコはキリスト教カトリック教会の信者がラテンアメリカで2番目に多く、今回の司法判断は、保守派の政治家やカトリック教会の怒りを買う可能性があります。

 ただ、教会の影響力は近年低下しており、メキシコ政府は自分たちは世俗主義的だととらえています。

 ラテンアメリカでは、「緑の波」と呼ばれる中絶規制緩和の流れがみられます。コロンビア、キューバ、ウルグアイ、アルゼンチンでは選択的中絶が合法ながら、10月に実施されるアルゼンチン大統領選挙の有力候補ハビエル・ミレイ氏は中絶を禁止したい考えです。

 レイプや、健康上のリスクがある場合の中絶を認めている国もあります。一方、エルサルヴァドルやホンジュラス、ニカラグア、ハイチ、ドミニカ共和国では全面的に禁止されています。

 メキシコなどラテンアメリカ諸国でのこうした動きは、アメリカの最高裁判所が昨年、中絶の権利を認めた判決を覆す判断を示したのとは対照的です。

 2023年9月7日(木)

2023/09/06

🟧大麻成分「THCH」含む食品で救急搬送4件 国民生活センターが注意喚起

 今年8月から「指定薬物」として規制されている大麻に含まれる成分の1つ「THCH」を含む食品やカプセルを摂取して病院に救急搬送される事例が寄せられているとして、国民生活センターが注意を呼び掛けています。

 「THCH」は、大麻に含まれる「カンナビノイド」という化学物質の1つで、幻覚作用や記憶への影響、薬物依存などの健康被害が懸念されるなどとして、国内では今年8月4日から「指定薬物」として輸入や製造、販売のほか、所持や使用などが禁止されています。

 国民生活センターによりますと、今年7月末までの1年間に「THCH」を含む食品などを摂取して救急搬送された事例が、全国の消費生活センターや医療機関などから合わせて4件寄せられたということです。

 このうち、通販サイトで購入した「THCH」の成分を含むカプセルを飲んだ40歳代の女性が上半身と顔がしびれて激しいめまいを感じた後に救急搬送され、そのまま2日間、意識不明となった事例や、20歳代の女性がグミを食べた後に気分が悪くなり、「幻覚が見える」などと訴えて救急搬送された事例などが報告されているということです。

 国民生活センターによりますと、規制の前はリラックス効果をうたった「THCH」を含むグミやクッキーなどの商品が大手通販サイトでも販売され、また、現在も一部のネットのフリーマーケットなどで取り引きされている実態があるということです。

 国民生活センターは、「THCH」を含む商品には絶対に手を出さないよう注意を呼び掛けています。

 2023年9月6日(水)

🟧中外製薬の希少血液疾患治療薬「クロバリマブ」、アメリカ当局が申請を受理

 中外製薬は6日、血液の希少疾患である「発作性夜間ヘモグロビン尿症」の治療薬「クロバリマブ」について、アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認申請を受理したと発表しました。既存薬は点滴による2週間に1回の静脈注射のみが認められており、クロバリマブが承認されれば、新たに皮下注射が可能となります。患者が在宅で自己投与することができ、治療の選択肢が広がります。

 発作性夜間ヘモグロビン尿症は、赤血球が体の免疫系の一部である補体系によって破壊され、貧血や疲労、血栓、腎疾患などの症状が出ます。中外製薬によると、世界で約2万人が罹患(りかん)しているといいます。

 クロバリマブは補体系に作用する抗体医薬で、4週間に1回皮下投与します。同社はクロバリマブについて日本、中国、ヨーロッパでも当局に承認申請が受理されており、他国の規制当局に対する申請も進行中。

 2023年9月6日(水)

🟩公立病院の院長になる要件に「医師少ない地域での勤務」を検討 医師偏在で厚労省

 医師が都市部などに偏り地方で不足する「医師の偏在」への新たな対策として、厚生労働省が、公立病院の院長などの管理者になる要件に、医師が少ない地域で1年以上勤務することを新たに加える方向で検討を進めていることがわかりました。  「医師の偏在」は医師が都市部や特定の診療科などに偏り...