2023/09/09

🟧新型コロ治療薬、患者負担9000円 10月以降、低所得者は軽減

 政府が検討する新型コロナウイルス感染症の医療支援見直し案がわかりました。現在は全額公費で賄っている高額治療薬は10月以降、9000円を基本として患者に自己負担を求めます。所得に応じて6000円や3000円に軽減します。最大2万円の入院費補助は10月以降、1万円程度に減額します。

 新型コロナの感染症法上の位置付けが5月8日に「5類」になり、政府は医療支援の来春の廃止を検討。段階的な廃止に向け、今年10月以降、補助額を縮小します。この夏の感染状況とその対応を踏まえ、関係団体などの意見を聞いた上で最終判断する見込み。

 感染者の約1割が、高額な治療薬を使っており、ラゲブリオやパキロビッドなどの抗ウイルス薬は1人当たりの薬価が9万円台とされます。10月以降は、1割程度を自己負担してもらう考え。来年4月以降は通常の病気やけがと同様に、原則1~3割の負担とする方向です。

 現在の入院費は、1カ月の医療費が上限額を超えた場合に支給する「高額療養費制度」を適用した上で、さらに最大2万円を補助しています。

 2023年9月9日(土)

2023/09/08

🟧新型コロナ新派生型「BA・2・86系統」を初確認 東京都が警戒呼び掛け

 東京都は7日、新型コロナウイルスのオミクロン型の新たな派生型「BA・2・86」系統を1例確認したと発表しました。都によると、海外では南アメリカやデンマーク、アメリカなどで計42件(6日時点)の報告があるものの、国内では初めて。

 病原性や感染力は不明といいます。患者は軽症で、海外渡航歴はありません。

 国立感染症研究所の斎藤智也感染症危機管理研究センター長によると、ウイルスが細胞に侵入するためのタンパク質に多数の変異が見付かっています。

 免疫を逃れる性質は、現在主流の「XBB」系統よりも強いか同程度だと考えられているといいます。「感染者や重症者の動向を注視し、流行に応じた感染対策をしてほしい」と語りました。

 「XBB」系統と「BA・2・86」」系統の差について、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、「デルタ型とオミクロン型くらいの違いがあり、BA・2・86は免疫をすり抜ける力が高い可能性がある」と指摘します。

 国内では、9月20日に秋接種が始まります。使われるワクチンは「XBB・1・5」系統に対応しますが、「もしBA・2・86が今後広がれば、秋接種のワクチンがあまり効かない可能性はある」と警戒します。

 ただ、重症化の予防効果は期待できるといい、「まずは現在の流行を抑えるためにも、ワクチン接種を検討してほしい」と呼び掛けています。

 2023年9月8日(金)

🟧東京都の新型コロナ患者、1医療機関当たり17・01人 5類移行後で最多を更新

 東京都は7日、8月28日~9月3日の直近1週間の新型コロナウイルスの定点医療機関当たりの患者報告数を17・01人と発表しました。前の週の14・53人からおよそ1・17倍に増加し、新型コロナの感染症法上の5類移行後、最多を更新しました。

 5類移行後初の公表となった5月8~14日分の患者報告数は、2・4人でした。その後じわりと増加を続け、7月末には10人を超えていました。

 東京都が感染状況の分析を依頼する専門家は、「すべての年代で前週より増加している。重症化リスクの高い高齢者などの感染拡大を警戒する必要がある」とコメントしました。

 一方、「入院患者数」や「外来の逼迫(ひっぱく)状況」など4項目について、都は国に準じて感染拡大の注意喚起を促す目安を示しています。7日時点でこの目安を超えたのは「入院患者数」の2782人(目安は2230人以上)と「確保病床使用率」の50・4%(目安は50%超)。都の担当者は、「目安は超えたものの、確保病床以外の幅広い医療機関での入院受け入れは進んでいるが、それに伴う一般医療への影響が危惧される」としています。 

 2023年9月8日(金)

🟧新型コロナ定点感染者10万人超、5類移行後で初 前週比1・07倍

 厚生労働省は8日、全国約5000の定点医療機関から8月28日~9月3日の1週間に報告された新型コロナウイルスの感染者数は計10万1289人に上り、1医療機関当たり20・50人だったと発表しました。前週比は1・07倍で、3週連続の増加。報告感染者数10万人超、1医療機関当たり20人超はいずれも、法的な位置付けが5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行して以降初めて。

 厚労省が明らかにしている5類移行前の参考値と比べると、流行「第8波」だった1月前半ごろの感染者数と同じ水準となります。お盆期間後も増加しており、厚労省の担当者は「基本的な感染対策を続けてほしい」と呼び掛けました。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が多いのは岩手県35・24人、宮城県32・54人、秋田県30・61人。少ないのは沖縄県11・80人、福井県12・67人、兵庫県14・19人。37都道府県で増えました。

 全国の新たな入院者数は1万2842人で、前週比0・92倍でした。

 2023年9月8日(金)

2023/09/07

🟧WHO、新型コロナへの警戒訴え 中東、アジアの一部で死者増

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は6日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症について、中東やアジアの一部で死者数が増加していると指摘しました。北半球で冬を迎えるのを前に「懸念される傾向が続いている」とし、警戒を怠らないよう呼び掛けました。

 テドロス事務局長は、WHOに死者数を報告しているのは43カ国のみで、「データは限られている」と説明しました。入院に関する情報提供は20カ国にとどまりますが、WHOの担当者は「現在、数十万人がコロナで入院している」と推定しました。

 テドロス事務局長は世界中で支配的な変異型はないとする一方、オミクロン型の派生型「EG・5」(通称エリス)が増加傾向にあると述べました。

 2023年9月7日(木)

🟧東北地方の離島で複数の南方系マダニ類の生息を確認 致死率高い新興感染症を媒介

  山形大学農学部の小峰浩隆助教(33)=生態学=らの研究チームは東北地方の離島で、致死率の高い新興感染症を媒介する複数の南方系マダニ類の生息を確認しました。従来知られていた地域より北方だった種もおり、地球温暖化などを背景に東北地方に進出しつつある状況がわかりました。この離島にはマダニの主な宿主とされる大型哺乳類はほとんどおらず、鳥類を介して分布が拡大している可能性も示唆されました。

 南方系のマダニ類はもともと東南アジアや南アジアにおり、近年は西日本でも見付かっています。日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といった新興感染症を媒介するとして拡大が懸念されているものの、その拡大状況やメカニズムの実態は不明な点が多くあります。

 国立感染症研究所によると、SFTSの報告数は近年、全国で増加傾向にあり、今年は8月27日までに108人となり、昨年の同時期を上回っています。山形県の場合、1999年の調査開始以降、SFTSの感染例は確認されていません。

 今回、南方系マダニの生息が見付かった離島は風評被害の懸念から公表していません。  2021年6~8月に草むらなどから9種類145匹を捕まえ、南方系は5種類を発見しました。このうちヤマアラシチマダニとツノチマダニは新潟県、タカサゴチマダニは静岡県、カクマダニ属の種(和名未確定)は埼玉県が北限でした。

 離島内にはマダニの重要な宿主とされるシカやイノシシはおらず、陸上からの移入も考えにくい状況です。畜産による人為的な動物の移動もないため、300種類超の渡り鳥が立ち寄った際に持ち込んだとみられます。ただ、マダニの幼虫はほとんど見付かっておらず、離島内で繁殖している可能性は低いといいます。

 小峰助教は、「西日本に比べて南方系マダニ類の個体数は少なく、感染症のリスクは高くないと思われる」と説明。「今後はどの鳥がどこからマダニを持ち込んだかなど基礎情報を集め、将来的には感染症のリスク低減に役立てたい」と話しました。

 森林研究・整備機構森林総合研究所(茨城県つくば市)との共同研究で、成果はダニに関する国際学術誌の7月27日付に掲載されました。

 2023年9月7日(木)

🟧2023年は人類史上最も暑い年になる可能性が高い EU気象情報機関が発表

 ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は6日、今年6~8月の世界平均気温が観測史上最高を記録したとし、また2023年は人類史上最も暑い年になる可能性が高いと発表しました。

 C3Sは同日公開した報告書で、北半球が夏となる6~8月の今年の世界の平均気温は16・77度で、1940年からの観測史上最高だった2019年の16・48度を上回ったと明らかにしました。今年8月の世界の平均気温も、同月としては史上最高を記録しました。

 C3Sのサマンサ・バージェス副所長は、「前月までの3カ月は、過去約12万年間、いい換えれば人類史上で最も高温だった」と述べました。

 ここ3カ月には熱波、干ばつ、山火事がアジア、アフリカ、ヨーロッパ、北アメリカを襲い、経済や生態系、人々の健康に甚大な影響を与えました。

 2023年9月7日(木)

🟥茨城県の救急電話相談、2カ月間で最多2万9170件 選定療養費徴収が影響か

 救急車を呼ぶか迷った際に助言を受けられる茨城県の「救急電話相談」で、昨年12月と今年1月の2カ月間の相談は前年同期比約12%増の2万9170件に上り、過去最多となったことが11日、県への取材でわかりました。12月に始まった緊急性のない救急搬送患者から「選定療養費」を徴収する制...