子供を中心に流行が続く咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の11月6日から12日までの1週間の患者数は、前の週からさらに増えて過去10年間で最も多い状態が続いています。
また、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種も感染者が増加しており、専門家は「引き続き手洗いなどの基本的な感染対策を取ってもらいたい」と話しています。
咽頭結膜熱は、子供を中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやプールでの接触などを介しても感染します。
国立感染症研究所によりますと、11月12日までの1週間に全国約3000の小児科の定点医療機関から報告された患者数は前の週より2455人多い、1万173人となりました。
1医療機関当たりでは、前の週を0・78人上回って3・23人となり、4週連続で過去10年間で最も多くなっています。
都道府県別では、福岡県が7・41人、奈良県が6・41人、佐賀県が6・3人、北海道が5・73人、富山県が5・52人、沖縄県が5・03人、福井県が4・84人、石川県が4・38人、長崎県が4・05人などとなっていて、合わせて25の都道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。
このほか、主に子供が感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染者も増加傾向です。
11月6日から12日までの1週間に報告された患者数は全国で合わせて1万523人、1医療機関当たりでは3・34人となっており、この時期としては過去100年間で最も多くなっています。
子供の感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「引き続き手洗いなどの基本的な感染対策を取ってもらいたい。溶連菌感染症はきちんと治療をしないと急性腎炎やリウマチ熱などの合併症が起こることがある。急に高い熱が出て、鼻水があまりなくてのどが痛い場合は、早めに医療機関を受診してほしい」と話していました。
2023年11月21日(火)