2023/12/07

🟧ふるさと納税返礼品のそうめんにカビ毒小麦を使用 岩手県花巻市が発送を停止

 JA全農いわてが販売した岩手県産小麦の一つ「ナンブコムギ」から、食品衛生法の基準値を超える「カビ毒」が検出された問題で、岩手県花巻市のふるさと納税の返礼品にも対象の小麦が使われた食品があったことが7日、わかりました。

 基準値を超えるカビ毒が検出された小麦が使われていたのは、花巻市のふるさと納税の返礼品の1つ、「花巻産南部小麦そうめん」です。

 JA全農いわての発表を受けて花巻市は11月29日、この商品の発送を取りやめるとともに寄付の受付を停止しました。

 しかし、7月14日以降に発送され、賞味期限が「2025年5月」と表示されているものが334件あり、市では食べるのを控えるよう寄付をした人にメールで呼び掛けています。

 市は発送されていないぶんを含む合わせて357件、392万7000円の寄付金を返還することを決め、代替品の発送にも対応することにしています。

 これまでのところ健康被害の情報は寄せられていないということです。

 一方、宮城県石巻市は7日、9~10月に市内の小中学校でカビ毒が検出された小麦を使った給食が計3回提供されていたと発表しました。この給食は市内の21の小中学校に提供されましたが、健康被害は確認されていないとされています。

 また、宮城県気仙沼市の小中学校の給食でも、カビ毒が検出された小麦を使ったせんべい汁が提供されていたことがわかりました。

 2023年12月7日(木)

🟧横須賀市でもカビ毒検出小麦を学校給食に使用 健康被害の報告なし

 神奈川県横須賀市教育委員会は6日、市立小44校と特別支援学校1校の給食で、嘔吐などの恐れがあるカビ毒が基準値を超えて検出された小麦「ナンブコムギ」を使用していたと発表した。現時点で児童らに健康被害は報告されていません。

 ナンブコムギは岩手県産小麦の一つで、JA全農いわてが11月に食品衛生法の基準を上回るカビ毒の検出を発表。食材メーカーから11月28日、横須賀市教育委員会側に使用の連絡がありました。

 教育委員会によると、11月20~24日、ナンブコムギを原料とする「かやき煎餅(せんべい)」が「せんべい汁」として提供されました。児童や教員ら計約1万7500人が食べたとみられます。

 教育委員会の担当者は、「1人当たりの摂取は少量と考えられる」としました。

 2023年12月7日(木)

🟧冷房機器の温室効果ガス排出量、2050年までに68%削減で合意 COP28で日本含む63カ国

 アラブ首長国連邦(UAE)で開催中の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で5日、日本やアメリカを含む63カ国が、冷房部門の温室効果ガス排出量を2050年までに2022年比で少なくとも68%削減する誓約に賛同し、署名しました。

 国連環境計画(UNEP)などの報告書によると、世界全体の電力消費量のうち、冷房部門は約20%を占め、温暖化や人口増に伴う冷房機器の需要増によって、2050年までに2倍以上になると予測されています。

 また、冷房機器は一般的に二酸化炭素(CO2)の数百~1万倍超の温室効果がある代替フロンを冷媒に使用しており、対策をとらなければ、冷房部門の温室効果ガス排出量は2050年までに全体の10%以上を占めるといいます。

 誓約では、建物の断熱対策やエネルギー効率のよい冷房を導入して消費電力を削減すれば、冷房部門の温室効果ガス排出量を2050年までに60%以上削減し、最大5兆ドル(約735兆円)の電気代を節約できる可能性があると指摘しました。

 一方、アフリカやアジアでは約12億人が冷房機器を利用できず、温暖化による猛暑で、命の危険にさらされているといいます。

 UNEPのインガー・アンダーセン事務局長は、「気温上昇から人命を守るには冷房機器の導入が不可欠だが、脱炭素につながるものでなければならない。今すぐ行動を起こす必要がある」と述べました。

 2023年12月7日(木)

2023/12/06

🟧 世界の二酸化炭素排出量、今年は過去最大の見通し COP28で報告書発表

 世界で今年、化石燃料の利用で排出される二酸化炭素の量は昨年に比べ1・1%増え、過去最大になる見通しだと、各国の研究機関で作るグループが発表しました。現在の水準の排出が続けば、7年後には50%の確率で世界の平均気温の上昇が1・5度を超えるとしています。

 日本など世界各国の90を超える研究機関などで作るグループ「グローバル・カーボン・プロジェクト」は5日、アラブ首長国連邦(UAE)で開かれている気候変動対策の国連の会議、COP28で報告書を発表しました。

 この中で、今年、石炭や石油、天然ガスの化石燃料を燃やして排出される世界の二酸化炭素の量は368億トンで、昨年に比べ1・1%増え、過去最大の排出量になる見通しだと発表しました。世界の二酸化炭素排出総量は409億トンと、過去最大だった昨年から横ばいにとどまるとみられます。森林伐採など土地使用に由来する排出量がやや減ったことが影響しました。

 このうち、燃料別の排出量では石炭が全体の41%を占めて最も多く、昨年に比べ1・1%増えるとしています。

 また、主要な国では、ヨーロッパ連合(EU)や、アメリカが昨年に比べ減少した一方、インドは8・2%、中国は4%増加すると見込んでいます。インドは電力需要が同国の再生可能エネルギー供給能力よりも急速に伸び、化石燃料で不足分を穴埋めしているためです。中国の排出量増加はゼロコロナ政策解除後の経済活動再開が原因です。

 その上で、現在の水準の排出が続けば、7年後の2030年には、50%の確率で、産業革命前からの世界の平均気温の上昇が1・5度を超えると指摘しました。

 2023年12月6日(水)

🟧受精卵着床の過程、iPS細胞で再現 京都大が世界初、不妊症の解明期待

 人の受精卵(胚)が子宮に着床する前後の過程をiPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使って再現したと、京都大の高島康弘准教授(再生医学)らのチームが5日、イギリスの科学誌「ネイチャー」に発表しました。着床前後の過程を再現した胚モデルは世界初といいます。

 胚を使う研究は生命尊厳の観点から制限されており、受精卵が個体に成長するまでの過程は多くの謎に包まれています。大量に増殖できるiPS細胞などから作製した胚モデルは試験管内で体系的に研究することが可能となります。不妊症や、妊娠初期の胎児に先天異常が起きる仕組みの解明などにつながることが期待されます。

 チームは、受精から間もない状態に近く、狙った細胞に成長させやすいiPS細胞と胚性幹細胞(ES細胞)を準備し、初期の胚を構成する2種類の細胞を同時に誘導。後に体になったり胎児の栄養となったりする細胞で、混ぜ合わせておくとそれぞれが外側と内側に分離した2層の球状構造が形成されました。

 2023年12月6日(水)

🟧大麻草成分の医薬品利用解禁、使用罪も新設 改正大麻取締法が成立

 大麻草から抽出した成分を含む医薬品で、安全性と有効性が確認されたものを使用可能にする大麻取締法などの改正法が6日、参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立しました。薬物乱用対策として、大麻も麻薬取締法の対象にして他の規制薬物と同様に使用罪が適用できるようにします。公布から1年以内に施行します。

 現在は、大麻草から製造された医薬品は治験をすることはできるものの、法律に使用禁止規定があり医療現場で使えません。

 欧米では大麻由来成分カンナビジオール(CBD)を含む難治性てんかん治療薬がすでに薬事承認されており、日本の患者団体などは、海外で使えるのに国内で使えないドラッグ・ラグ(新薬承認の遅延)を解消するよう要望していました。

 改正法では、大麻と、有害な大麻由来成分テトラヒドロカンナビノール(THC)を麻薬と位置付けます。使用禁止規定は削除し、大麻由来成分を含む医薬品は、痛み止めなどに使われる他の麻薬と同様に免許を取得すれば使用できます。

 大麻の不正所持や使用は、麻薬取締法違反で7年以下の懲役となります。現行法では大麻の所持や栽培の禁止にとどまっていて、使用を罰する規定はありませんでした。

 2023年12月6日(水)

🟧9〜11月の世界平均気温15・30度で、観測史上最高に 1~11月も記録更新

 ヨーロッパ連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は6日、今年9~11月の世界平均気温は15・30度で、同時期としては1940年からの観測史上最高だったと発表しました。1~11月の世界平均気温も記録を更新し、これまで最高だった2016年を0・13度上回りました。

 11月の世界平均気温は14・22度で、これまでの記録だった2020年を0・32度上回りました。世界の月間平均気温は5カ月連続の記録更新です。

 コペルニクス気候変動サービスは「2023年は観測史上最も暑い年になる」と指摘。温室効果ガスの濃度が上昇し続ける限り、「気温は上昇し、熱波や干ばつの影響も大きくなる」と警告しました。

 今年はアジアや北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカが熱波に見舞われ、カナダやギリシャなどで山火事が相次ぎました。6~8月の世界平均気温も16・77度で史上最高。7月の世界平均気温は16・95度で、単月の平均としても最高となりました。

 2023年12月6日(水)

🟪「O157」に感染、横浜市の70歳代女性が死亡 市内死亡例は2019年以来

 神奈川県横浜市は18日、腸管出血性大腸菌「O157」に感染した女性が死亡したと発表しました。  横浜市青葉区に住む70歳代の女性は7月5日、腹痛などの症状が出て7日に病院に運ばれました。  女性は搬送先の病院で腸管出血性大腸菌「O157」が検出され入院していた16日、合併症に...