2023/12/19

🟧短時間の大量飲酒「ビンジドリンキング」に注意 厚労省が年末年始に向け呼び掛け

 忘年会、新年会の多い年末年始に合わせ、厚生労働省が、短時間に大量の酒を飲む「ビンジドリンキング」を控えるよう注意喚起しています。今年の冬は新型コロナウイルス感染対策の緩和で酒席が増加傾向にあり、大量飲酒は急性アルコール中毒の危険性を高め、命にかかわるケースもあります。同省は、「飲む場合は、料理や会話を楽しみながらゆっくり、を心掛けて」と呼び掛けています。

 「ビンジ」は英語の「binge」で、度を越して何かをすることの意味。厚労省によると「一度に純アルコール量60グラム以上」の飲み方がビンジドリンキングに該当します。60グラムの目安は、ビール中瓶3本、日本酒は3合、ウイスキーならダブル3杯です。

 厚労省は、日本人の4割は遺伝的にアルコールが弱いか飲めない体質だとし、啓発ポスターで、一気飲みや飲酒を強要するアルコールハラスメントは危険だと強調。一度にたくさん飲むと転落事故や交通事故のほか、けんかなどを起こすリスクが高まるとしています。

 2023年12月19日(火)

🟧駐車場で不審者が消火装置起動、PFOS含む157リットルの泡消火剤が川に流出 東京都町田市 

 東京都町田市の駐車場で消火装置を何者かが起動して、有害性が指摘されている有機フッ素化合物のPFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤がまき散らされ、近くの川に流れ出ていたことが7日、わかりました。

 町田市によりますと、3日の午前1時40分ごろ、原町田1丁目にある市営の立体駐車場で、不審者が建物2階に設置されていた消火装置を作動させるハンドルのカバーをこじ開けて手動で起動し、天井から泡消火剤がまき散らされました。

 通行人が警察と消防に連絡して発覚。防犯カメラには、成人男性が消火装置を作動させる様子が映り込んでいました。泡消火剤の噴出は、連絡を受けた消防隊員の到着まで約40分間続きました。

 当時、駐車場に車は止まっておらず、その後、市の指定管理の事業者が清掃作業をしたため、排水溝から泡消火剤が流出し、近くを流れる境川に流れ出たということです。

 流出した泡消火剤には水のほか約157リットルの薬剤が入っていて、この中には有害性が指摘されている有機フッ素化合物のPFOSが8リットルから1・6リットル程度含まれていました。

 市によりますと、8日に市内で川の水質検査をした結果、下流の2カ所で1リットル当たり810ナノグラムと190ナノグラムの、国の基準値の50ナノグラムを大幅に上回るPFOSが検出されたということです。

 境川は飲み水に使われていないものの、市は下流域にある神奈川県内の5つの市にも情報を提供して注意を呼び掛けています。

 市は管理事業者の対応が適切だったか、検証を進めるとともに、引き続き検出されるPFOSの値が基準値を下回るまで調査を続けるということです。

 2023年12月19日(火)

🟧「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の患者数が4週連続で過去最多を更新 「咽頭結膜熱」の患者数は8週ぶりに減少

 国立感染症研究所によりますと、子供がかかりやすく、発熱、のどの痛みなどを発症する「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者数が、4週連続で過去最多を更新しました。

 10日までの1週間に全国約3000の小児科の医療機関で報告された患者は、前の週から2093人増えた1万5196人で、1医療機関当たりの患者数は4・83人となりました。

 都道府県別では、1医療機関当たりの患者が最も多いのは鳥取県の10・68人で、次いで宮崎県の8・31人、千葉県の8・17人となっていて、警報レベルとされる「8人」を超えいるほか、東京都では6・25人、大阪府では5・01人、愛知県では3・49人などとなっています。

 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者数は過去10年間で最も多い状況が4週連続で続いており、専門家は「マスクの着用や換気、手洗いといった基本的な感染対策が重要だ」と話しています。

 また、子供を中心に流行が続く咽頭結膜熱の10日までの1週間の患者数は、8週ぶりに前の週から減少しましたが、依然として多い状況が続いています。

 咽頭結膜熱は子供を中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか、ウイルスが付着したタオルなどを介しても感染します。

 国立感染症研究所によりますと、10日までの1週間に全国約3000の小児科の医療機関から報告された患者数は、前の週より755人少ない1万947人となりました。

 1医療機関当たりでは3・48人と、前の週を0・24人下回り、8週ぶりに減少しましたが、依然として多い状況が続いています。

 都道府県別では、福井県が8・76人、北海道が7・59人、富山県が6・59人、福岡県が6・09人となっているほか、東京都で3・23人などと合わせて24の都道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。また、大阪府と愛知県では2・57人となっています。

 子供の感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、「これから保育所や学校などが冬休みに入るため、患者数は一時的に減少するとみられるが年明けに再び増加する可能性がある。人が集まるところではマスクを着用する、換気を行うといった基本的な感染対策を引き続き取ってほしい。また、咽頭結膜熱のウイルスに対してはアルコール消毒が効きづらいので、手洗いで物理的にウイルスを洗い流すことが重要だ」と話しています。

 2023年12月19日(火)

2023/12/18

🟧滝山病院の患者虐待で調査報告書を公表 背景に行政の検査不備と不十分な看護体制

 看護師による入院患者への暴行事件が起きた東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」について、第三者委員会が調査報告書を公表し、虐待が早期に発覚せず、改善されなかった原因として、事前通知をした上で行う行政の検査の不備を指摘しました。

 東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」では今年2月、入院患者への暴行事件が発覚し、これまでに看護師ら5人が略式起訴されており、東京都は今年4月、病院に改善命令を出しました。


 これを受け、弁護士でつくる第三者委員会(委員長・伊井和彦弁護士)が職員や患者、それに患者の家族などを対象に調査を行い、18日結果を公表しました。


 それによりますと、略式起訴された5人のほかに看護師2人が、患者の首を絞めたり、頭をたたいたりするなどの暴行を行っていたことが認められたということです。


 また、医師の指示のない違法な身体拘束が日常的に行われていたほか、入浴前の患者を裸に近い状態で廊下を歩かせるなどの不適切な行為が確認されたということです。


 虐待が起きた背景として、病院を運営する医療法人のガバナンス(組織統治)や役員のコンプライアンス意識の欠如、非常勤職員率が高い不十分な看護体制などを挙げています。


 第三者委員会は、医療法人では倫理研修などが開かれず、利益を優先する体質があったと指摘。多数を占める非常勤職員に勤務シフトを依存していたことが、指揮命令の不徹底や統制のゆるみにつながり、違法行為の助長を招いた可能性があるとしました。

 このほか、虐待が早期に発覚せず、改善されなかった原因として、事前通知をした上で行う行政の検査の不備を指摘しています。

 病院の検査などを行った東京都は、「事件が発覚してから虐待の疑いがある場合は、抜き打ち検査の実施などに取り組んでいて、今回の報告書の指摘も踏まえ、指導を強化していく」としています。


 第三者委員会が調査報告書を公表したことを受け、滝山病院はホームページで「この結果を真摯(しんし)に受け止め、改善に努めてまいります」とするコメントを出しました。


 2023年12月18日(月)

🟧HPV検査、公的がん検診に導入 30歳以上の女性が対象、来年4月から

 厚生労働省は18日、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を調べる検査について、来年4月から国が推奨する公的がん検診に導入する方針を固めました。有識者検討会で了承され、各市区町村が準備の整ったタイミングで開始できます。対象は30歳以上の女性で、特に60歳以下に推奨しkます。

 従来の細胞診検査は2年に1回ですが、HPV検査は原則5年に1回で、負担軽減が期待できます。陰性の場合は5年に1回ですが、陽性の場合は細胞診を実施して、問題がなくても1年後にHPV検査をする必要があります。20歳代は2年に1回の細胞診。30歳以上にHPV検査を導入するかどうかは、自治体ごとに判断します。

 HPVは主に性器接触で感染し、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯に一度は感染するとされています。子宮頸がんを始め、肛門がん、膣がんなどのがんや、尖圭コンジローマなど、多くの病気の発生にかかわっています。

 2023年12月18日(月)

2023/12/17

🟧コンゴで流行のエムポックス、全世界に拡大の恐れ WHOが警鐘

 世界保健機関(WHO)は15日、コンゴ民主共和国で流行しているウイルス感染症「エムポックス(サル痘)」が世界中に拡大する恐れがあると警鐘を鳴らしました。

 エムポックスは1970年に、同国で初めて人への感染が確認されました。アフリカ中央部から西部の約10カ国で何年も前から流行しています。同地域では、動物由来の感染症が発生することが多くなっています。

 WHOでエムポックスの技術責任者を務めるロザムンド・ルイス氏はスイス・ジュネーブでの記者会見で、「コンゴ民主共和国から世界中に感染が広がる事態を懸念している」とし、同国では今年に入ってからの感染疑い例がこれまでの年間報告件数の2倍超に当たる1万3000件を超え、死者は600人以上に上っていると明らかにしました。

 先週、カンボジアでも初の感染者が確認されました。

 ルイス氏によると、WHOは東南アジアを航行するクルーズ船内で感染が拡大したとみているものの、まだ情報が不足しているといいます。

 WHOは、エムポックスの感染者は主に、同性との性交渉を持つ男性や、1人または複数のパートナーと最近性交渉を持った男性だとしています。

 エムポックスに感染すると、発熱や頭痛、リンパ節のはれといった症状が生じた後に、顔などに発疹ができ水膨れとなります。多くは2~4週間で自然に回復するものの、子供や妊婦、免疫不全の人は重症化することがあります。

 2023年12月17日(日)

🟧インフルエンザ、全国で警報レベル 最も早く1医療機関当たり30人超え

 厚生労働省は15日、全国約5000の定点医療機関が4~10日に報告したインフルエンザの患者数は16万6690人で、1機関当たり33・72人だったと発表しました。過去10年で最も早く警報レベルとされる30人を超えました。前週比1・.26倍で全都道府県で前週を上回りました。

 データを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は約111万8000人となっていて、今年9月4日以降の累積の患者数は約800万3000人と推計されています。

 インフルエンザの警報レベルを超えたのは全国33道県。都道府県別で1医療機関当たりの患者数が多かったのは、北海道60・97人、宮城県57・49人、大分県53・71人、宮崎県49・64人、三重県47・49人。少なかったのは、沖縄県9・67人、秋田県20・12人、東京都20・30人。

 休校や学級閉鎖などとなったのは、6382施設に上りました。

 例年冬に流行して春ごろに収束するものの、今年は全国平均が流行の目安の1人を下回らないまま8月下旬から増加が始まりました。10月には注意報レベルとされる10人を超え、異例のシーズンとなっています。

 2023年12月17日(日)

🟪「がん予防」うたう再生医療で敗血症、厚労省がクリニック運営法人などに改善命令

 医療法人輝鳳(きほう)会(東京都豊島区)が運営する医療機関で自由診療の再生医療を受けた2人が敗血症となった事案で、厚生労働省は24日、再生医療安全性確保法に基づき、輝鳳会と都内の医療機関代表2人に対し、再発防止策の策定などを求める改善命令を出しました。調査では複数の法令違反や...