2024/02/02

🟧世界の新規がん患者2000万人 WHOが2022年推計、最多は肺がん

 世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は1日、2022年に新規がん患者が約2000万人、死者が約970万人に上ったとの推計を発表しました。

 人口の増加や高齢化を背景にがん患者は急速に増加し、2050年には新規患者が3500万人超に達すると予測。先進国と途上国間だけでなく、同一国内でも治療の格差が広がりかねないと警鐘を鳴らしました。

 国際がん研究機関は、185カ国からのがん36種に基づくデータを集めて分析。2022年の新規患者のうち肺がんが約248万人と最も多く、乳がんが約231万人で2番目、さらに大腸がん、前立腺がんと続きました。

 国際がん研究機関はまた、およそ5人に1人が一生のうちにがんにかかり、男性9人の1人、女性12人の1人がそれぞれがんで死亡するとしました。

 ただ、がんに伴うリスクは患者の住む場所によって異なります。例えば、先進国では女性12人の1人が乳がんにかかるものの、死亡するのは71人に1人にとどまります。

 生活水準の指標「人間開発指数」が相対的に低い国々では、人口が若い傾向があることや、太りすぎなどのリスクが低いことから、乳がんと診断される女性は27人に1人なものの、死亡するのは48人に1人。

 国際がん研究機関の担当幹部は、こうした国々の女性は、診断される可能性が低く、診断の遅れのほか、質の高い治療が十分に受けられないため、乳がんで死亡するリスクがより高いと指摘しました。

 また、ライフスタイルの変化によりさまざまな種類のがんが増加。新規患者のうち大腸がんが3番目、死者では2番目に多くなっています。

 最も多いのは肺がんの新規患者で、死因の第1位となっており、毎年新たに250万人が診断され、180万人が死亡しています。

 国際がん研究機関によると、2050年までに人口の増加と老化に伴い、世界の新規患者は77%増の3500万人に達する見通し。 しかし、その影響は不均等で、貧困国では新規患者は142%増加し、死亡率は2倍になるだろうとしています。

 日本の新規患者は約100万人で、死者は約42万人。部位は男性で前立腺と肺、女性で乳房と大腸がそれぞれ多くなりました。

 2024年2月2日(金)

🟧東京都の新型コロナ、定点医療機関当たり感染者が4カ月ぶり10人超 

 東京都では1日、都庁で感染症対策の会議が開かれ、1月28日までの1週間の状況が報告されました。

 それによりますと、都内の新型コロナウイルスの感染者は1定点医療機関当たり11・27人で、前週(8・33人)の1・35倍と大きく増加しました。感染者が10人を超えるのは昨年9月以来。

 一方、入院患者数は1月29日の時点で合わせて1599人で、前週の1510人から横ばいで推移しています。

 免疫忌避性が高く、複数回感染しやすい変異型「JN・1」への置き換わりも進み、1月8~14日の週では約6割を占めました。

 専門家は「感染は10歳代以下や40歳代の増加が顕著で、コロナ以外の医療需要もあり、医療提供体制への影響が出ている」として、場面に応じたマスクの着用やせっけんでの手洗いなど感染対策を改めて呼び掛けました。

 また、会議では、都がコロナの感染症法上の位置付けが5類に移行した後も取り組んできた、発熱などの相談ができる新型コロナ相談センターや、高齢者等医療支援型施設などについて、対応できる医療機関が増えたなどとして、3月末で終了することを明らかにしました。

 一方、ワクチンの副反応の相談や、コロナの後遺症対策などは当面、続けていくとしています。

 都内の季節性インフルエンザの感染者は1月28日までの1週間で、1定点医療機関当たり18・53人と前の週の1・14倍で、引き続き注意報基準(10人)を超えています。感染者の増加は3週連続。

 主に子供が感染し、発熱などの症状が出る溶連菌感染症の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は1定点医療機関当たり4・11人で、前の週と比べて横ばいでした。

 都はこまめな手洗いや、場面に応じたマスクの着用など、感染対策を呼び掛けています。

 2024年2月2日(金)

🟧全国のコロナ感染者、10週連続で増加 インフルエンザも3週連続で増加

 厚生労働省は2日、全国約5000の定点医療機関から1月22~28日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数は計7万3607人で、1定点当たり14・93人だったと発表しました。前週(12・23人)の約1・22倍で、10週連続で増加しました。

 都道府県別の最多は福島県の23・94人で、愛知県21・24人、茨城県21・15人、栃木県21・01人)と続きました。東京都11・27人、大阪府8・88人、福岡県11・46人でした。能登半島地震で多くの人が避難生活を送る石川県は、前週から6・58人増えて20・91人でした。40都道府県で増加しました。

 年代別でみると、15歳未満の子供の感染者が増えていて、厚労省の担当者は、新学期が始まり人との接触機会が増えたことも要因の一つではないかと分析しています。

 1月28日までの1週間に定点医療機関から報告された新規入院患者数は3311人で、前週(3483人)から172人減少。集中治療室(ICU)に入院している患者数は154人で、前週(117人)から37人増えました。

 季節性インフルエンザの新規感染者数は、1定点医療機関当たり19・20人で、前週(17・72人)の約1・08倍とほぼ横ばいですが、3週連続で増加していて、42の都府県で注意報レベルを超えています。

 感染者報告数が最も多かったのは福岡県の34・89人、次いで沖縄県が31・83人で、最少は島根県の6・47人でした。

 休校や学年・学級閉鎖は全国で計4666校で、前週の2730校から1936校増えました。

 厚労省は、コロナもインフルエンザも増加傾向にあるとして、手洗いやうがい、マスクの着用や換気などの感染対策を呼び掛けています。

 2024年2月2日(金)

2024/02/01

🟧アメリカ製薬企業バイオジェン、認知症薬「アデュカヌマブ」の販売終了 高額で普及せず

 アメリカの製薬企業バイオジェンは1月31日、エーザイと共同開発したアルツハイマー型認知症の治療薬「アデュカヌマブ」の販売を終了すると発表しました。2021年にアメリカで迅速承認を受けましたが、希望小売価格は年5万6000ドル(約616万円)と高額な上に公的保険の適用が制限され、普及しませんでした。日本では「有効性を明確に判断できない」として承認が見送られました。

 迅速承認は仮免許のような位置付け。本承認を得るために続けていた臨床試験を中止し、エーザイと開発して日米で昨年発売した別のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の普及に注力します。

 アデュカヌマブは病気の原因とされる脳内のタンパク質「アミロイドベータ」を除去する薬。

 2024年2月1日(木)

🟧沖縄県のインフルエンザ流行警報、2週連続で継続 51施設で学級・学年閉鎖

 沖縄県は1日、インフルエンザの流行警報が継続していると発表しました。警報は定点医療機関当たりの患者が30人を超えると発令されるものの、10人未満にならないと解除されません。県内では前週の1月15~21日が32・33人(患者報告数1746人)で、最新の1月22~28日は31・83人(同1719人)でした。

 年齢階級別の患者数は5~9歳が548人と最多で、続いて10~14歳411人、1~4歳231人と子供世代で広がっています。

 保健所別の定点当たりの患者数は、八重山が47・0人で最も多く、次いで中部36・75人、北部35・80人と続きました。

 県内の教育機関では1月22~26日の5日間に、学級閉鎖が42施設、学年閉鎖が9施設で起きています。 

 インフルエンザの型別ではB型59・0%、A型28・8%、不明12・2%でした。

 県は手洗いやマスクの着用、予防接種などの感染予防策を呼び掛けています。

 2024年1月1日(木)

🟧空間除菌をうたった商品は優良誤認表示 消費者庁が4社に措置命令

 合理的な根拠がないのに室内の空間除菌効果をうたった商品を販売したとして、消費者庁は1月31日、興和(名古屋市)など医療品販売会社4社に景品表示法違反(優良誤認表示)で再発防止を求める措置命令を出したと発表しました。

 対象商品は興和の「ウイルス当番」、中京医薬品(愛知県半田市)の「エアーマスク」、ピップ(大阪市)の「ウィルリセット」、三和製作所(東京都江戸川区)の「二酸化塩素発生剤クロッツ空間除菌」。

 発表によると、4社は2021年12月以降、商品のパッケージなどに、二酸化塩素の働きで浮遊するウイルスや菌を長期間除去する効果があると表示しました。消費者庁が効果を証明する資料の提出を求めたところ、測定に不適切な密閉空間や低湿度での実験結果しか提出できず、合理的な根拠があるとは認められませんでした。

 興和は「発売に際し、消費者庁に事前相談をしていた。命令は誠に遺憾だ」としました。ほかの3社は「命令に従う」としました。

 2024年2月1日(木)

2024/01/31

🟧海外臓器あっせん、NPOに移植費用の全額1841万円を返還命令 東京地裁

 NPO法人「難病患者支援の会」(臓器移植法違反で有罪判決を受け、控訴中)に海外での臓器移植の仲介を依頼して手術を受けられなかった神奈川県内の男性(59)が支払った移植費用の返還を求めた訴訟の判決で、東京地方裁判所(大竹敬人裁判長)は30日、NPOに約1841万円全額の支払いを命じました。

 判決によると、男性は2021年10月までにNPOと腎移植手術の契約を締結しました。NPO側の案内で中央アジア・キルギスに渡ったものの、病院で別の外国人患者が死亡する事故が発生したことなどから手術を受けられないまま帰国。2022年8月、NPOが仲介した手術で臓器売買が行われた疑いを指摘した新聞の報道を知り、NPOを通じた海外移植をやめました。

 2024年1月31日(水)

🟥ゴールドウイン、PFAS不使用に 年内に衣料品の素材切り替え、海外拡大で

 アパレル大手で衣料品の素材として有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使うことを取りやめる動きが広がっている。「ザ・ノース・フェイス」などを展開するゴールドウインは2025年内で代替素材に切り替える。PFASは熱に強く、アウトドア向け衣料で活用されている。健康への有害性...