2024/02/11

🟧鹿児島県南さつま市の養鶏場で1万3000羽の殺処分開始 高病原性鳥インフルエンザ疑い

 鹿児島県南さつま市の養鶏場で、10日、複数のニワトリが死んでいるのが見付かり、遺伝子検査の結果、高病原性とみられる鳥インフルエンザウイルスが検出されました。今シーズン、養鶏場での発生は全国で9例目、鹿児島県内では2例目で、鹿児島県は養鶏場で飼育しているニワトリおよそ1万3000羽の処分を始めました。

 鹿児島県によりますと、10日、南さつま市大浦町の肉用の養鶏場で、死んでいるニワトリが増えたという通報があり、遺伝子検査の結果、高病原性とみられる「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。

 このため、県は11日午前7時からこの養鶏場や同じ管理者が行き来する関連の養鶏場で飼育されているニワトリ、およそ1万3000羽の処分を始めました。

 また、この養鶏場の半径3キロ以内をニワトリや卵の移動を禁止する「移動制限区域」に、半径10キロ以内をその地域からの出荷を禁止する「搬出制限区域」に指定したほか、周辺の4カ所に消毒ポイントを設け関係車両の消毒を始めました。

 県によりますと、制限の対象となる半径10キロ以内には合わせて15の養鶏場などがあり36万羽あまりのニワトリなどが飼育されているということです。

 2024年2月11日(日)

2024/02/10

🟧手術なしの性別変更、岡山家裁津山支部が認める 手術要件「違憲」の最高裁判断後で初めて

 性同一性障害と診断され、生殖能力をなくす手術を望まない岡山県在住の申立人が戸籍上の性別変更を求めた家事審判で、岡山家裁津山支部は7日、女性から男性への性別変更を認める決定を出しました。性別変更を巡り、手術を事実上の要件とした性同一性障害特例法の規定について、最高裁が昨年10月に「違憲・無効」と判断して以降、手術をせずに性別変更が認められたケースが明らかになるのは初めて。

 申立人は、同県新庄村の農業、臼井崇来人(たかきーと)さん(50)。臼井さんは女性として生まれ、2013年に心は男性と医師に診断されました。交際する女性との結婚を望む一方、体への影響などを懸念して手術は避けてきました。

 臼井さんは2016年12月、手術をしなくても戸籍上の性別を変更できるよう岡山家裁津山支部に申し立てたものの、同支部と広島高裁岡山支部は請求を退けました。最高裁も2019年1月、当時の第2小法廷が「現時点では合憲」として特別抗告を棄却しました。

 しかし、昨年10月の最高裁大法廷は別の申立人に対する決定で、手術を必要とする規定について「手術を受けるか、性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫るものだ」と指摘。憲法13条が保障する「意思に反して身体の侵襲を受けない自由」を制約しており、「違憲・無効」だと結論付けました。

 これを受け、臼井さんは昨年12月に改めて、津山支部に性別変更の審判を申し立てていました。

 2024年2月10日(土)

🟧ブラジル・リオのカーニバル開幕 700万人参加見込みも、「デング熱」流行で緊急事態宣言

 ブラジルのリオデジャネイロ市で9日、南米最大の祭典「リオのカーニバル」が開幕しました。街中がサンバのリズムと熱気に包まれます。

 リオデジャネイロ市の市長公邸では9日昼、式典が開かれ、「カーニバルの王様」役の男性がエドゥアルド・パエス市長から市の統治権を象徴する鍵を受け取り、開幕を宣言しました。

 市は期間中、約700万人の参加を見込んでいるものの、ブラジルでは蚊が媒介する感染症「デング熱」が各地で流行しています。リオデジャネイロ市内には5日から公衆衛生の緊急事態宣言が出されており、虫よけスプレーを来場者に噴射する対策を取っています。

 リオデジャネイロ市に続き、サンパウロ市は6日に緊急時対応センターを開設し、首都ブラジリアでは「野戦病院」が設置されました。

 ブラジル国内のデング熱の感染が疑われる患者の数は、年初から5週間で34万5235人と前年同期の4倍近くに上っています。保健省によると、31人の死亡が確認されたほか、234人の死因について分析が進められています。

 ブラジルメディアによると、リオデジャネイロ市内では昨年約2万3000件のデング感染が確認され、今年はすでに1万件を超えました。1月の入院患者数は350人を上回り、2008年以来の高い水準といいます。市内の約10カ所に治療センターを設ける予定。

 ブラジル政府は2月からのワクチン接種を予定しているものの、武田薬品工業が開発したワクチンが不足しているため、接種の対象は10~14歳のみとしています。

 一方、アルゼンチンでも年初から3週間で1万人のデング熱感染者が確認されています。また、パラグアイは昨年12月以降、デング熱により36人が死亡し、公衆衛生上の緊急事態を宣言しました。

 デング熱は発熱や関節痛、発疹といった症状が出て、まれに死亡する例もあります。

 2024年2月10日(土)

🟧救急搬送に「マイナ保険証」活用、通院歴や処方薬の把握を容易に 搬送先選定の迅速化にも期待

 総務省消防庁は、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を活用した患者搬送を5月中旬にも開始します。これまで搬送の参考とする患者の医療情報は、口頭で聞き取ることが多かったものの、マイナ保険証を利用することで、通院歴や処方薬などの情報を把握することが容易になり、救急活動の迅速化や円滑化につながると期待しています。

 救急現場では、隊員が患者から通院先の医療機関や処方薬などの情報を聞き取って搬送先を決める際の参考にしています。しかし、詳細な情報を覚えていない人も多く、症状によっては会話が困難なケースもあります。こうした状況を踏まえ、消防庁は患者がマイナ保険証を所持している場合、その場で医療情報を閲覧できるシステムを導入します。

 具体的には、患者に同意を得た上で、隊員が専用のカードリーダーでカードを読み取り、レセプト(診療報酬明細書)処理を担う厚生労働省所管の「社会保険診療報酬支払基金」に情報照会するシステムを構築します。このシステムにより、救急車内に設置したタブレット端末で患者の氏名や住所のほか、医療機関の通院歴、処方薬、手術などの情報を閲覧できるようになります。

 このシステムの導入によって、患者から救急隊員への詳しい説明が不要になる上、隊員にとっても、正確な情報に基づき、迅速に搬送先の医療機関を選定することが可能となります。受け入れる医療機関側も、事前に既往歴や処方実績などを把握することで、円滑な救命処置ができます。

 消防庁は、全国の47消防本部の500隊程度で、実証事業としてこの取り組みを始める

考えで、2月上旬まで参加を公募しています。実際に現場でマイナ保険証を活用した救急搬送を実施する時期は、大型連休明けの5月中旬を見込んでいます。将来的には意識のない重体患者のような場合でも、医療情報を閲覧できるようにすることも検討しています。

 2024年2月10日(土)

🟧新興家電のシリウス、ベッドで寝たまま体を洗えるシャワーを発売へ 介護向け機器

 新興家電メーカーのシリウス(東京都台東区)は、ベッドで寝たまま体を洗えるシャワーを開発したと発表しました。お湯を噴射すると同時に吸い取ることで、布団やシーツなど周囲をぬらさずにシャワーを浴びることができます。体が不自由な人の介護向けに、医療機関や特別養護老人ホームなどでの用途を想定しています。

 新製品「スイトルボディ」を3月21日に発売します。同社によると、ベッド上で体を洗えるシャワーは世界初だといいます。別売りのノズルを取り付けることで髪も洗えます。専用の液体せっけんも開発しました。ボタンで切り替えながら、せっけんとお湯を吹き出し口から出して使用します。

 大きさは縦23センチメートル、横45センチメートル、重さは5・5キログラム。掃除機のような形状で持ち運びやすくしました。水タンクの容量は1・8リットル。お湯の温度はセ氏38〜42度で、1度ずつ調整可能。価格は18万4800円に設定し、代理店を通して販売します。

 まず医療機関や特別養護老人ホーム、訪問介護事業者などに販売します。すでに千葉県内の特別養護老人ホームと受託介護事業者に試験導入をしています。中国などアジア4カ国・地域にも展開を計画しており、今春にも台湾で発売する予定を掲げています。将来的にはクラウドファンディングを活用して個人向けにも販売する方針で、2024年度は国内で2万台、海外で1万台販売する計画です。

 亀井隆平社長は、「ベッドに寝かせたまま全身を洗える新しいお風呂の選択肢として広まってほしい」としています。

 亀井社長は1970年の大阪万博で体を自動で洗う「人間洗濯機」を披露した三洋電機出身。今回の新商品「スイトルボディ」を「現代版人間洗濯機」と位置付け、「来年の大阪・関西万博への出展を目指し、世界の介護問題解決の一助になりたい」と意気込んでいます。

 2024年2月10日(土)

2024/02/09

🟧日本脳炎ワクチン接種漏れ、不足解消も最大200万人の可能性 厚労省が注意呼び掛け

 2021年に起きた日本脳炎ワクチンの供給不足により接種できなかった子供たちが、供給が回復した2022年度以降も未接種になっている恐れがあるとして、厚生労働省が注意を呼び掛けています。該当するのは主に今年4月から小学1年になる2017年度生まれと、小学6年になる2012年度生まれで、最大で約200万人に上る可能性があります。

 日本脳炎は、蚊が媒介するウイルス感染症。発症すると2割以上が死亡し、生存者の約半数に精神障害などの後遺症があるとされます。ワクチンの定期接種は計4回。標準的なスケジュールでは3歳で1〜2回目、4歳で3回目、9歳で4回目を打ちます。

 2021年1月、ワクチン供給元の一つ、阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)が「製造上の問題が生じた」として出荷停止を発表。製造過程で設備内に微生物が発生したといいます。

 他メーカーを含めた全体の供給は2割減り、厚労省は2021年度、1〜2回目の人らを優先する措置を取りました。これにより3〜4回目の対象者への、自治体からの接種の案内送付が翌2022年度に延期されました。

 供給量は2022年度に回復したものの、医療機関への納入数は2020年度約467万回分、2021年度約245万回分、2022年度約422万回分。2021年度に落ち込んだ約200万回分が、その後、上乗せされていません。

 厚労省は、2021年度に3〜4回目の対象だったが延期され、現在も未接種の人に、改めて接種の案内を送るよう自治体に要請。担当者は「母子手帳などを確認して、未接種であれば接種を検討してほしい」と話しています。

 2024年2月9日(金)

🟧新型コロナ感染者、11週連続で増加 インフルエンザ感染者も増加傾向

 厚生労働省によりますと、2月4日までの1週間に全国約5000の定点医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は、前の週から5998人増えて7万9605人となりました。

 また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は16・15人で、前の週の1・08倍となりました。前の週から増加が続くのは11週連続となります。

 都道府県別では、多い順に石川県が24・52人、福島県が24・49人、愛知県が22・55人、茨城県が22・46人、長野県が22・13人などとなっていて、41の都道府県で前の週より増加しています。

 このうち石川県は、能登半島地震の影響で、新型コロナの患者数を報告することになっている48の医療機関のうち、能登北部の2カ所からの報告は含まれませんが、高い水準となっています。

 このほか、2月4日までの1週間に全国約500の定点医療機関から報告された新たに入院した患者の数は3459人で、前の週と比べて135人の増加でした。

 厚労省は全国の流行状況について、「引き続き増加傾向が続いていて、手洗いや、こまめな換気を行うなど対策を徹底してほしい」としています。

 一方、国立感染症研究所などによりますと、2月4日までの1週間に全国約5000カ所の定点医療機関から報告された季節性インフルエンザの患者数は11万1501人で、1医療機関当たりでは22・62人と、前の週よりも3・42人増えました。

 データを基に推計されるこの1週間の全国の患者数は約73万8000人となり、昨年9月4日以降の今シーズンの累積の患者数は約1358万2000人と推計されています。

 1医療機関当たりの患者数を都道府県別にみますと、福岡県が最も多く57・36人で、沖縄県が41人、佐賀県が40・31人、宮崎県が39・14人などと、8つの府県で「警報レベル」の30人を超えました。

 また、大阪府が29・64人、愛知県が27・53人、東京都が20・29人などと、35の都道府県で10人を超える「注意報レベル」となりました。

 前の週と比べると、佐賀県で1・8倍、福岡県で1・64倍、北海道で1・63倍などと、34の都道府県で増えていて、全国的に増加傾向となっています。

 感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、新型コロナウイルスの流行状況について「全国の患者数は先月、増加のペースが上がったが、このところ少し緩やかになり、ピークを迎えつつあると考えられる。ただ、高齢者の患者数が増えていることが気掛かりだ。この傾向が続くと、入院患者や重症者が増え、医療がひっ迫する懸念もあり、油断はできない」と話していました。

 一方で、「オミクロン型の一種で従来のウイルスよりも感染力がやや高く、過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高い『JN・1』という変異ウイルスが国内でも広がっている。感染拡大の要因になり得るので注意が必要だ」と話していました。

 また、「インフルエンザの患者数は年末に一度減ったが、年明けから『B型』のウイルスが増えていることに伴い、第2波のような形で広がっている。しばらくは増加が続くとみられ、注意が必要だ」と話しています。

 2024年2月9日(金)

🟧新型コロナ国内初確認から5年 感染者7000万人以上、死者13万人

 新型コロナウイルス感染者が国内で初確認されてから、1月15日で5年を迎えました。感染者数は抗体保有率の調査から2024年3月時点で7000万人以上と推計され、人口動態統計による死者数の累計は同8月時点で13万人に上り、このうち65歳以上の高齢者が96%を占めます。オミクロン株...