2024/02/15

🟧脂肪吸引の手術後に男性患者死亡、美容整形外科の医師を書類送検

 顔の脂肪吸引手術後に内出血し、死亡した男性患者に対し、適切な対応を怠っていたとして、大阪府警は15日、美容整形外科「HAAB×DREAM BEAUTY CLINIC」に勤務していた東京都渋谷区の医師の男性(37)を業務上過失致死容疑で書類送検しました。府警は、刑事処分の判断を地検に委ねる「相当処分」の意見を付けました。

 発表では、医師は昨年4月29日午後、大阪市北区曽根崎新地1丁目の美容整形外科クリニックで、北九州市小倉北区の男性(当時48歳)に頬などの脂肪を吸引する美容外科手術を実施。手術後に内出血した男性が窒息死する恐れを認識できたのに、適切な医療措置を受けるよう指示する義務を怠り、翌30日に自宅で顔や首から内出血させて窒息死させた疑い。調べに容疑を否認しています。

 府警によると、男性は帰宅後、顔が腫れ、首が変色しているのに気付き、医師にSNSで写真を送信。翌30日午前には「呼吸が苦しい」と伝えたものの、医師は「気道が問題なければ大丈夫」「内出血は必ず引く」とのメッセージを送りました。

 男性はその後、容体が悪化し、同日夕、自宅で死亡が確認されたといいます。

 府警によると、医師は任意の事情聴取に「病院に行くことを勧めており、それ以上してあげられることはなかった」と話しています。

 2024年2月15日(木)

2024/02/14

🟧外来の初診料、最大730円増 看護師らの賃上げ原資、2024年度診療報酬改定

 厚生労働省は14日、医療機関の収入に当たる診療報酬の2024年度の改定内容を決めました。看護師ら職員の賃上げ原資を確保するため、外来の初診料を原則2880円から30円引き上げ、一部の診療所は、さらに最大700円を上乗せします。上げ幅は最大で730円となり、一部は患者が負担。マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用促進に向け、報酬を加算する措置も設けます。

 政府は昨年末、診療報酬のうち人件費に相当する「本体」部分を0・88%引き上げると決定。これに基づき中央社会保険医療協議会が14日、診療サービス別の価格を答申しました。改定の施行時期はこれまで4月でしたが、6月に変わります。賃金を底上げするベースアップを2%以上実施し、医療現場の人材確保を図ります。

 公的医療保険制度では、患者は年齢や所得に応じて1~3割を窓口で負担し、残りは保険料や公費で賄われます。

 初診料はすべての医療機関で30円引き上げ、その上で入院ベッド(病床)のない診療所でベースアップを実施する場合は、職員や患者数などに応じた上乗せ額を設定します。

 2024年2月14日(水)

🟧武田薬品の経口食道炎治療薬「エオヒリア」、アメリカで承認

 武田薬品工業は13日、食道の慢性炎症性疾患である好酸球性食道炎(EoE)の経口治療薬「エオヒリア」がアメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表しました。承認は12日付(アメリカ時間)。EoE治療薬は現在、フランスのサノフィとアメリカのリジェネロンが共同開発した注射剤「デュピクセント」のみで、経口治療薬の承認は今回が初めてとなります。新薬は治療に向けた新たな選択肢となる可能性があります。

 EoEは食道の炎症のほか、つかえ感や嚥下(えんげ)困難などの症状があります。エオヒリアは11歳以上のEoE患者を対象とし、2月末をめどに2ミリグラムのスティック包装の形で発売する予定です。

 エオヒリアを巡っては、2021年12月にFDAから現時点では承認しないことを示す通知を受け取っていました。その後、武田薬品は通知内容を踏まえて、申請を再提出しました。2023年9月にFDAより再提出申請が受理されていました。

 武田薬品は今回の承認による2024年3月期連結業績への影響について、「精査中だが、重要性ある影響は見込んでいない」としています。

 2024年2月14日(水)

🟧東京都で9日、スギ花粉の飛散開始を確認 昨年より1日早く、過去10年平均より6日早い

 東京都は13日、都内でスギ花粉の飛散開始を確認したと発表しました。飛散開始日は9日です。

 過去10年平均の2月15日より6日早く、昨年の2月10日より1日早い観測となりました。東京都内でもいよいよ、スギ花粉の本格的なシーズンがスタートしました。

 飛散開始日とは、1月以降に1平方センチメートル当たり1個以上のスギ花粉を、2日以上連続して観測した最初の日のことです。都は、都内12カ所でスギなどの花粉を観測していて、このうち立川市、多摩市、青梅市の観測所で9日に2日連続して、1平方センチメートル当たり1個以上のスギ花粉が観測されたため、「2月9日からスギ花粉の飛散開始」となりました。

 都は、1月の気温が高かったため、スギの花の開花が進み、例年よりも飛散の開始が早かったのではないかと分析しています。

 今年、都内で飛散するスギとヒノキの花粉の量は、過去10年で2番目に多く飛散した昨年の8割程度で、例年並みとなる見込みです。

 都は、各地の観測結果をホームページで掲載し、花粉の飛散の多い日に外出する際は、マスクや眼鏡を着用するなどの対策を呼び掛けています。

 2024年2月14日(水)

2024/02/13

🟧世界の交通事故死、1日3200人以上 WHO報告、各国に対策求める

 世界の交通事故死者数は2010~2021年に年間5%ずつ減少した半面、いまだに1分間に 2人以上、1日当たり3200人以上が亡くなり、5~29歳の子供や若者の死因の1位を占める健康上の危機であるとの最新報告を世界保健機関(WHO)が発表しました。 

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は、「路上での死亡は防ぐことができる。交通システムの中心に車ではなく人を位置付け、歩行者や自転車利用者その他の交通弱者の安全を確保するよう各国に呼び掛ける」とコメントしました。

 発表によると、2010~2021年に国連加盟国のうち108カ国で交通事故死が減少。10カ国では50%超、35カ国が30~50%減らすことに成功しました。

 ただ、死亡事故の9割は低・中所得国で発生し、世界の自動車のわずか1%の保有台数しかない低所得国のほうが、高所得国より死亡リスクが3倍高くなりました。

 自動車に乗った人の死亡は全体の30%でわずかに減少した一方、歩行者が23%、オートバイなどの二輪車・三輪車が21%、自転車が6%などいわゆる交通弱者が53%を占め、死亡リスクの上昇に直面していると指摘しました。

 WHOが交通事故死を防ぐ最良の方法として推奨する「スピード違反の防止」「飲酒運転の防止」「ヘルメット着用」「シートベルト装着」「チャイルドシートの使用」を徹底すると同時に、自動ブレーキなど自動車の安全装備の法制化、自転車専用レーンの整備などを求めました。

 2020年にSDGs達成のために国連が示した「行動の10年」計画では、2030までに世界の交通事故死を半減させるとの目標を掲げています。国連によると、 自動車が発明されて以来、世界の道路で 5000万人以上が亡くなっており、これは第一次世界大戦や世界最悪の伝染病の死者数を上回る数といいます。

 2024年2月13日(火)

🟧国内初、人への臓器移植を想定したブタ誕生 遺伝子改変で拒絶反応回避

 明治大発のベンチャー企業「ポル・メド・テック」は12日、細胞や臓器を人に移植できるように遺伝子を改変したブタ3頭が11日に生まれたと発表しました。人への移植を目的に開発されたブタの日本での誕生は、初めてといいます。当面は動物実験で安全性を確認します。

 同社は昨年9月、移植用ブタの開発で先行するアメリカのバイオテクノロジー企業の「イージェネシス」から、人の体内で拒絶反応が起きないように10種類の遺伝子を改変した細胞を輸入。翌月に遺伝的に同じ個体を作り出す体細胞クローニング技術で受精卵を作製し、代理母となるブタの子宮に移植しました。

 クローンブタ3頭は、帝王切開手術で生まれました。成長の推移を確認後、国内の研究機関に提供し、サルなど他の種類の動物に臓器を移植する研究に使う予定といいます。

 ポル・メド・テック創業者で、明治大の長嶋比呂志専任教授(発生工学)は、「無事に生まれてほっとしたが、これからがスタートだ。これで国内でも臨床応用に向けた議論が進むのではないか。安全性を大切に研究を進め、倫理的な課題の議論も深めたい」と話していました。

 動物の細胞や臓器の人への移植は「異種移植」と呼ばれ、臓器提供者不足の解決策として期待されます。

 2024年2月13日(火)

🟧東京医科歯科大など、「ミニ胎盤」の作製に成功 医薬品開発への活用期待

 東京医科歯科大学や東北大学の研究チームは、妊娠時に胎児と母体をつなぐ胎盤の構造の一部を再現した「オルガノイド(ミニ臓器)」の作製に成功したと発表しました。胎盤を通過しにくい薬を見付けやすくなり、妊婦が服用しても胎児に影響しにくい医薬品の開発につながるとみています。研究成果をまとめた論文が8日、イギリスの科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されました。

 母体と胎児をつなぐ胎盤には、妊婦の体内に存在する薬やウイルスが胎児に移動するのを防ぐバリアーとしての機能があります。ただ一部の薬は胎盤を通過して胎児に影響を与えてしまうため。妊婦には使えません。薬が胎盤を通過するか効率的に調べる方法が求められています。

 研究チームは胎盤の基になる「胎盤幹細胞」を培養し、バリアー機能を担う「じゅう毛」という構造を再現したミニ臓器を作りました。これまでに別の研究チームもミニ胎盤の作製に成功していたものの、実際のじゅう毛の構造とは違っていました。今回、培地の成分を変えるなどして実際の構造に近付けました。

 じゅう毛を構成する細胞をシート状に培養することにも成功し、胎盤を通過しないタンパク質などを使って検証して、実際の胎盤と同様の性質を持つことを確認しました。このシートを大量に培養すれば、多数の薬について胎盤の通過しやすさを効率よく検証できるとみています。

 今後、高品質のシートを作れるように培養条件などを改良して、実用化を目指します。東京医科歯科大の堀武志助教(医工学)は、「妊婦特有の病気である妊娠高血圧症候群の治療薬を始め、妊婦が安心して使える薬の開発に役立てたい」と話しています。

 従来は人の胎盤などを使って薬の性質を調べていました。ただ、人の胎盤の供給は限られ、人と動物では胎盤の構造が異なるため動物実験だけでは不十分です。

 ミニ臓器は臓器を構成する細胞を立体的に培養したもので、これまでに腎臓や腸などさまざまな臓器で作製例があります。臓器の性質を再現でき、有望な薬の候補を見付けるのに活用されます。

 2024年2月13日(火)

🟥サンフランシスコ市、超加工食品の製造業者提訴 健康被害への責任追及

 アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ市は2日、超加工食品の製造業者を相手取り訴訟を起こしたことを明らかにした。超加工食品を巡っては、数十年にわたる過剰摂取の結果、多くのアメリカ人が肥満になったと専門家らは指摘している。  訴訟の対象には、クラフト・ハインツ、コカ・コーラ...