神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で1月、心肺停止状態で搬送されてきた90歳代の男性患者に血圧を上げる薬を投与した際、補充分が用意されておらず、薬が切れた直後に男性が死亡したことがわかりました。同病院は「死期を早めた可能性がある」として、家族に謝罪しました。
同病院によると、男性は1月19日午前に、市内の福祉施設から搬送されました。治療を受けて心拍は再開し、病院内で管を通して血圧を上げる薬を投与されていました。同日夜、薬が残り少なくなったことを知らせる警告音が鳴り、家族が職員に知らせたものの、補充する薬が準備されていませんでした。
看護師がすぐに手配したが間に合わず、男性は薬が切れた直後に死亡。同病院は事故調査委員会を設置し、神戸市に報告しました。同病院は、「市の指導を受け、適切に対応する」としています。
同病院では昨年7月、循環器内科医が行ったカテーテル手術後に複数の患者が死亡したことが発覚し、同市は同8月「医療安全体制に不備がある」として是正を求める行政指導を行いました。
その後、糖尿病患者に必要な治療が行われず、同9月に死亡していたことも判明。市は今年1月に医療法に基づく改善命令を同病院に出す方針でしたが、今回の死亡事案を受けて延期していました。今回の事案を含めて近く、改善命令を出す方針です。
2024年2月18日(日)