ドラッグストアで調剤された薬を服用した東京都杉並区の70歳代の女性がその後死亡したのは、持病ではない糖尿病の薬を誤って混ぜられたのが原因だとして、遺族が「スギ薬局」などに3800万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。
28日、東京地方裁判所に訴えを起こしたのは、2022年5月に死亡した74歳の女性の遺族で、弁護士とともに都内で会見を開きました。
訴状によりますと、女性は3年前の2021年10月、同区内の「スギ薬局高井戸店」で調剤された持病の薬を受け取って服用していましたが、1カ月後に自宅で意識を失い、翌年に低血糖後脳症などによる心不全で亡くなりました。
搬送先の病院が服用していた薬を調べたところ、血糖値を下げる糖尿病患者向けの薬が含まれていて、薬局側は「前に調剤した患者の薬が一部混ざった」と説明したということです。
遺族は、女性が死亡したのは調剤ミスが原因だとしてスギ薬局と薬剤師に合わせて3800万円余りの賠償を求めています。
死亡した女性の長男は会見で、「母はスポーツ観戦や孫と話をするのが好きでした。自分たちのミスで人が亡くなったことに向き合ってほしい」と話していました。
提訴について、スギ薬局の親会社の「スギホールディングス」は「誠実に対応してまいります。亡くなられた患者様のご冥福をお祈り申し上げ、ご家族様に深くおわび申し上げます。調剤過誤の発生以降、速やかに全店に指導を徹底してきました。引き続き再発防止に向けて取り組んでまいります」とコメントしています。
2024年8月29日(木)