2024/09/05

🟩シンガポール、エムポックスで3週間隔離へ 重症化しやすい「グレード1」感染者の濃厚接触者

 シンガポール保健省は4日、アフリカを中心に感染が拡大するエムポックス(サル痘)について、より重症化しやすいタイプの「クレード1」感染者の濃厚接触者を3週間、隔離すると発表しました。

 シンガポールでは、空港で体温チェックを実施するなど水際対策を強化しています。現時点では、クレード1感染者は確認されていません。

 発表によると、感染が確認された場合、保健省が接触者を追跡し、濃厚接触者は指定された政府施設に隔離されることになります。

 2024年9月5日(木)

2024/09/04

🟩2023年度の医療費、概算で47・3兆円 3年連続で過去最高を更新

 2023年度に医療機関に支払われた医療費(概算)は47兆3000億円で、前年度より1兆3000億円(2・9%)増え、3年連続で過去最高となりました。厚生労働省が3日発表しました。コロナ禍の影響が薄れる一方、インフルエンザを始め感染症の流行などが押し上げたとみられます。

 厚労省によると、2023年度の1人当たりの医療費は38万円で、前年度より1万2000円(3・4%)増えました。年齢別にみると、75歳以上は96万5000円(前年度比0・9%増)でした。75歳未満は25万2000円(同2・9%増)で、うち未就学の子供は26万1000円(同6・7%増)と伸びが目立ちました。インフルエンザやRSウイルスなどが流行し、若年層の医療費を押し上げる要因となりました。

 医療費の前年度と比べた増減率は、コロナ禍前の水準に戻りつつあります。2020年度はコロナ禍による受診控えの影響で急減。2021、2022両年度は反動もあって前年度比4%以上伸びたものの、2023年度は2%台となりました。

 一方、主な病名が新型コロナと診断された人の医療費は推計でおよそ4400億円で、前の年度から半減しました。

 厚生労働省は、「新型コロナに関連する医療費は『5類』への移行に伴って減ったものの、医療費が過去最高を更新したのは、高齢化の進展や医療の高度化が影響している」と分析しています。

 2024年9月4日(水)

2024/09/03

🟩今年の夏は平年より1・76度高く、「最も暑い夏」タイ記録

 この夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高く、気象庁が1898年(明治31年)に統計を取り始めてから昨年と並んで最も高くなったことがわかりました。

 気象庁によりますと、今年7月は最高気温40度以上を1日に6つの地点で観測するなど危険な暑さが続いたほか、8月も西日本を中心に高気圧に覆われて日差しが強く照りつけ、連日猛烈な暑さとなりました。

 このため、今年の夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高くなり、2023年と並んで気象庁が1898年に統計を取り始めてから最も暑い夏となりました。

 地域別でみると西日本が平年より1・4度、沖縄・奄美が平年より0・9度高く、それぞれ地域別の統計を取り始めた1946年(昭和21年)以降で最も高くなったほか、東日本は平年より1・7度高く1位タイとなりました。北日本は平年より2・3度高く、過去2番目となりました。

 地点別では、横浜市で平年を2・3度、千葉市で2・2度それぞれ上回るなど、全国80地点で観測史上1位(タイを含む)を記録。水戸市で2・4度、埼玉県熊谷市で2・2度上回るなど、61地点で観測史上2位(同)となりました。

 東京都心の今夏の平均気温は26・9度と平年を2・1度上回り、観測史上3位。1位の2010年夏に0・2度の差まで迫りました。

 日々の最高気温でも極端な暑さが目立ち、7月29日に栃木県佐野市で日本歴代3位の41・0度、群馬県館林市で40・2度を観測するなど、7~8月に全国9地点で40度以上を記録しました。

 中小都市や離島など全国15地点(関東では千葉県銚子市)の観測データを用い、都市化の影響が大きい大都市圏の暑さを除外して長期傾向(温暖化など)をみるための「日本の平均気温偏差」も今夏、基準値を1・76度上回り、昨年夏と並び過去最高でした。

 特に7月以降に全国で記録的な高温となったことを受けて、気象の専門家らによる気象庁の「異常気象分析検討会」は2日、会合を開いて分析しました。

 高温の背景として7月と8月ともに偏西風が北へ蛇行し、背の高い暖かな高気圧に覆われやすく日差しが強まった上、特に7月は太平洋高気圧が西日本に向かって強く張り出したことが影響したと指摘しています。

 また、地球温暖化や春に終息した「エルニーニョ現象」、日本近海の高い海面水温も影響しているとみられるということです。

 「異常気象分析検討会」の会長で東京大学先端科学技術研究センターの中村尚教授は、「去年は圧倒的に気温が高く『異常気象といって差し支えない』と発言したが、今年もそれに匹敵する、もしくはそれを上回るような地域もあった。今年の暑さも異常気象といって差し支えない」と述べました。

 その上で「長期的な地球温暖化が気温を底上げしていることは否めない。特にここ2、3年は海面水温が高い。以前と比べて気温が上がりやすい状況は続くのではないか」と指摘しています。

 2024年9月3日(火)

2024/09/02

🟩ギャンブル依存症の疑いある人、成人の1・7% インターネット利用が増加

 パチンコや競馬などのギャンブル依存症の疑いがある人の割合が成人の1・7%だったことが、厚生労働省の調査でわかりました。新型コロナの拡大前と比べてインターネットを使ったギャンブルの利用が増え、専門家は対策の必要性を指摘しています。

 厚労省はギャンブル依存症対策に役立てようと、3年に1度、ギャンブルに関する実態調査を行っており、昨年度に行った調査結果の速報値を公表しました。

 調査は18歳から75歳未満の男女を対象に郵便とインターネットで行われ、8898人から有効な回答を得ました。

 この中で、パチンコや競馬などのギャンブル依存症の疑いがある人の割合を調べたところ、全体では1・7%となり、男女別では男性が2・8%で、女性が0・5%でした。

 また、ギャンブル依存症の疑いがある人に、新型コロナの影響を尋ねたところ、約20%の人は感染拡大前と比べて、インターネットを使ったギャンブルの利用が増えたと回答しました。

 一方で、公的な相談機関を訪れた依存症の疑いのある人に、病院などに相談するまでの期間を尋ねたところ、約18%は5年以上かかったと答えました。

 厚労省の補助を受けて調査した久里浜医療センターの松下幸生院長は、「インターネットのギャンブルはいつでもどこでもアクセスでき、リスクが高いと考えられる。依存症に悩む人が相談しやすい環境を整えるなど、対策を検討すべきだ」と話していました。

 2024年9月2日(月)

2024/09/01

🟩主治医が薬の処方を失念して入院の男性死亡 千葉県循環器病センター、遺族と和解成立し公表

 千葉県は8月30日、市原市にある千葉県循環器病センターで2022年2月、入院中の70歳代男性に血栓予防の抗凝固薬を処方し忘れ、男性が死亡する医療事故があったと発表しました。外部の有識者を招いた事故調査委員会の調査が終了し、遺族との和解が成立したため、詳細を公表しました。

 同センターによると、男性は県内在住で、心不全や不整脈の持病がありました。2022年2月、呼吸苦でセンターに救急搬送され、集中治療室に緊急入院しました。その際、主治医は抗凝固薬「リクシアナ」の内服を中断し、注射用の抗凝固薬「ヘパリン」の点滴に切り替えました。

 治療で症状が改善し、男性は入院4日目に一般病棟に移りました。この時にヘパリンの点滴は終了しましたが、主治医がリクシアナの再開を失念し、処方しませんでした。

 男性は入院11日目、血栓が脳血管に詰まる心原性脳梗塞(こうそく)を発症。大脳機能に障害が起きて死亡しました。

 事故調査委員会は調査報告書で、「抗凝固薬の中断が脳梗塞の発症に影響した可能性がある」としています。主治医は、心臓に関係した症状のある患者を10人以上担当し、多忙でした。看護師や薬剤師らが再開の手立てを講じることもできませんでした。

 センターは再発防止のため、電子カルテに抗凝固薬の内服状況を入力するチェックリストを設け、看護師が情報を記入する、入院患者が病棟を移動する際はチェックリストを移動先の看護師に引き継ぐ、といった運用を始めています。医師以外の医療従事者が内服状況を共有するためです。

 センターの中村精岳病院長は、「患者や家族に申し訳ない。今後は医師や薬剤師、看護師などで薬の服用状況を共有する体制をつくるなどして、再発防止に努めたい」と述べました。

 2024年9月1日(日)

2024/08/31

🟩高齢者の「孤独死」、半年で2万8330人 死後1カ月以上たって把握も3936人

 自宅で亡くなった一人暮らしの人が今年の上半期(1~6月)に全国で計3万7227人(暫定値)いたことが、わかりました。警察庁が28日に発表しました。65歳以上の高齢者は2万8330人で全体の8割近くを占めました。政府は「孤独死・孤立死」の実態把握を進めており、今年から公表を始めました。

 死者数を年代別にみると、80歳代以上が最多の1万3042人。10歳代以下42人、20歳代431人、30歳代512人、40歳代1346人、50歳代3719人、60歳代6509人、70歳代1万1555人と、年代が上がるごとに増えています。

 死亡推定日から警察が把握するまでの日数では、1日以内が1万4775人で4割を占めました。2~3日は2割、4~7日が1割超だった。1カ月を超えて把握されるケースも1割あり、合わせて3936人に上り、1年以上経過していた人も130人いました。

 都道府県別にみると、死者のうち65歳以上の割合が最も高かったのが富山県で86・2%。徳島県82・3%、奈良県82・1%が続きました。最も低かったのは沖縄県で68・8%でした。

 警察庁は5月、警察が扱った遺体(自殺も含む)で一人暮らしだったものを初めてまとめ、1~3月分を公表していました。

 2024年8月31日(土)

2024/08/30

🟩通販サイト「アマゾン」で流通禁止の石綿付き金網販売 厚労省が注意喚起、販売量を調査

 厚生労働省は29日、流通が禁止されている、アスベスト(石綿)が付いた燃焼実験用の金網が通販サイト「アマゾン」で販売されていたとして、注意喚起しました。同省は販売量をアマゾンに確認しているほか、他の通販サイトでも同様の出品がないか調査しています。

 同省によると、アマゾンで石綿付きの金網4製品がそれぞれ別の出品者から販売されていました。すでに出品停止となっています。通常の使い方であれば健康上の問題は生じないものの、削れたり割れたりした場合は石綿が飛散する恐れがあるとしています。

 石綿付きの金網は、かつて学校などで広く使われていましたが、2006年から労働安全衛生法で製造や輸入、使用などが禁止されています。

 2024年8月30日(金)

🟪新型コロナ、沖縄県が独自で注意喚起へ 流行時に「拡大準備情報」を発出 

 沖縄県は19日、新型コロナウイルス感染症の流行が疑われる場合、県独自で「新型コロナ感染拡大準備情報」を発出すると発表しました。新型コロナについては、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、国がインフルエンザのような注意報や警報の発令基準を設けていない一方、重症化する高齢者...