2024/10/31

🟪島根県大田市内の養鶏場で鳥インフルエンザ確認 ニワトリ40万羽殺処分始まる 

 島根県は31日未明、会見を開き、大田市にある県内最大の養鶏場で、死んでいたニワトリから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表しました。午前9時すぎから、この養鶏場で飼育されている採卵用のニワトリ40万羽の殺処分を始めました。

 県は、「感染したニワトリの卵や肉は出荷されていない」と、県民に冷静な対応を呼び掛けています。

 感染確認を受け、島根県は丸山達也知事を本部長とした危機管理対策本部会議を開き、情報共有と対応の確認を行いました。

 島根県によりますと、大田市にある養鶏場で30日、ニワトリ7羽がケージの中で固まって死んでいるのが見付かり、そのうち5羽のPCR検査でH5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性が確認されたということです。

 国内では10月17日に北海道の養鶏場で今シーズン初めて確認されて以来、これが4例目で、島根県内では2010年に安来市で発生して以来です。

 県は、この養鶏場で飼育されている採卵用のニワトリ40万羽の殺処分を陸上自衛隊出雲駐屯地の協力も得て、31日午前9時すぎから始めるとともに、養鶏場から半径3キロ以内をニワトリや卵などの移動を禁止する「移動制限区域」に指定し、半径10キロ以内をニワトリなどの区域外搬出を禁止する「搬出制限区域」に指定しました。

 養鶏場の消毒を含めたすべての作業が終わるのは11月7日としています。

 また感染経路はわかっていませんが、北海道の発生を受けて行った県の立入点検では養鶏場の施設に問題はなく、ウイルスを含んだ野鳥の糞などが小動物によって運ばれたなどの可能性が考えられるとしています。

 県は、「ニワトリの肉や卵を食べて人間が鳥インフルエンザに感染することはなく、養鶏場では徹底した防疫措置が取られ、感染した鶏肉や卵が市場に出回ることはない」と、県民に冷静な対応を呼び掛けています。

 2024年10月31日(木)

2024/10/30

🟪マイコプラズマ肺炎流行拡大、患者数が4週連続過去最多更新

 発熱や長引くせきといった症状が特徴で、子供が感染することの多いマイコプラズマ肺炎の流行がさらに拡大しています。

 10月20日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は1医療機関当たり2・01人と、4週連続で過去最多を更新しました。

 マイコプラズマ肺炎は子供に多い細菌性の感染症で、飛まつや接触で広がり、感染すると発熱や全身のけん怠感、頭痛、せきといった症状がみられます。

 中でもせきは1週間以上続くことがあるほか、一部の人は肺炎が重症化したり衰弱したりして入院するケースもあります。

 国立感染症研究所のまとめによりますと、10月20日までの1週間に全国約500カ

所の医療機関から報告された患者の数は8週連続で増加し、1医療機関当たり2・.01

人と、1999年に現在の方法で統計を取り始めてから最も多くなりました。過去最多を更新するのは4週連続です。

 都道府県別でみますと、最も多いのが青森県で4・83人、次いで佐賀県で4・67人、愛知県で4・47人、京都府で4人となっているほか、東京都で3・84人、大阪府で3・28人などとなっています。

 マイコプラズマ肺炎に詳しい川崎医科大学の大石智洋教授は、「もともと秋から冬にかけて流行する感染症なので、まだ流行は続くと考えられる。発症するまでの潜伏期間が2週間と長いので感染に気付いていない人も多いとみられる」と話し、「マイコプラズマ肺炎は効果のある抗菌薬で治療すれば早期に治すことができる。早く治療すれば周囲への感染の波及も防げるので、早めに受診することが大切だ。また、発症した人からの飛まつが主な感染経路なのでマスクの着用や手洗いなどの基本的な感染対策が効果的だ」と呼び掛けています。

 2024年10月30日(水)

2024/10/29

🟪温室効果ガス濃度、2023年は過去最高 世界気象機関報告書

 国連の世界気象機関(WMO)は28日、「温室効果ガス年報」を発表し、昨年(2023年)の大気中における温室効果ガス濃度が過去最高水準に達したと報告しました。

 WMOは11月にアゼルバイジャンの首都バクーで開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)を前に、今後数年間の気温上昇は確実だと警告しました。

 WMOによると、3大温室効果ガスとされる二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(亜酸化窒素、N20)の濃度は昨年も引き続き増加しました。特にCO2はこれまで以上のペースで大気中に蓄積しており、過去20年間で10%以上増加しています。

 それぞれの昨年の世界平均濃度は、CO2が420ppm、CH4が1934ppb、N20が336ppbでした。産業革命前の1750年比では、それぞれ151%、265%、125%増となっています。

 WMOのセレステ・サウロ事務局長は、「我々はパリ協定の目標を達成するには程遠い」と述べた。

 2024年10月29日(火)

2024/10/28

🟪中国などアジア6カ国からの訪日外国人、滞在予定3カ月超は入国前の結核検査を義務付けへ

 政府は2024年度から、日本に中長期の滞在を予定し、アジア6カ国から訪れる外国人を対象に、結核を発病していないかを入国前に調べる検査を義務付ける方針を明らかにしました。海外から結核患者の流入を防ぐ狙いで、発病していないことを証明する書類がなければ入国を認めません。当初は東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、2020年7月に導入予定でしたが、コロナ禍で延期されていました。

 対象国はフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、中国、ミャンマーの6カ国で、日本滞在中に診断された外国人の結核患者の約8割を占めます。感染拡大のリスクが高い3カ月超の滞在予定者に限定し、日本政府が指定する現地の医療機関で胸部エックス線などの検査を受け、発病していないことを示す証明書の交付を受けてもらいます。提出しないと、ビザ(査証)は発給しません。

 日本は2022年の新規患者数が1万235人で、人口10万人当たり8・2人まで減少し、世界保健機関(WHO)が「低蔓延(まんえん) 国」の基準とする10人を2年連続で下回りました。長年、蔓延国と位置付けられてきたものの、近年は保健師らによる服薬指導などの対策強化やコロナ禍の影響で患者が減少し、ようやく欧米並みとなりました。一方で、新規患者の約1割を外国人が占めていることから水際対策を強化します。

 人口10万人当たりの患者数は、フィリピンが638人、ミャンマー475人、インドネシア385人など、対象国は現在も結核患者が多くみられます。留学生や技能実習生など中長期の滞在予定者は、コロナ禍で新規入国が激減しましたが、2022年3月から入国が可能になり、今後も増加が見込まれています。

 日本滞在中に診断される外国人の結核患者は若者が多く、厚生労働省の担当者は「多数に感染させる可能性が高く、日本で発病して感染を広げないようにする必要がある」としています。アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、韓国などでは同様の入国前の検査を実施しています。

 政府は具体的な導入時期について関係各国と調整を進めており、「2024年度中のできるだけ早期に導入し、感染を抑え込むため警戒を強めたい」としています。

 政府が結核の水際対策を強化する背景には、患者増への警戒感があります。

 厚労省などによると、結核は1950年には日本人の死因のトップだったものの、抗結核薬の開発などが進展。国内の新規患者数は2000年に4万人を下回り、減少傾向をたどってきました。

 一方、近年でも新規患者は年間1万人を超え、死者も年間1500人以上に上る状況です。今年の新規患者は11月13日時点で1万2053人と、2023年(1万96人)、2022年(1万235人)、2021年(1万1519人)を上回る勢いで推移しています。都道府県別では、東京都1671人、大阪府1099人、神奈川783人と続きます。

 結核は空気感染するため、患者から容易に広がる恐れがあり、各地で集団感染の報告も相次いでいます。

 東京都足立区は今年9月、区立中学校などで関係者ら11人が集団感染したと発表。青森県八戸市は結核と診断された20歳代男性と接触歴のあった20〜40歳代の22人の感染を公表しました。10月には、福島県郡山市の高齢者施設の関係者ら34人の感染が明らかとなっています。

 結核予防会結核研究所の加藤誠也所長によると、結核は感染しても健康であれば免疫の働きで結核菌を押さえ込めるため、発病するのは感染者の約1〜2割とされます。だが別の病気や加齢などで免疫力が低下すると、発病しやすくなります。

 初期症状は風邪と似ており、せき、たん、微熱、だるさが2週間以上続く場合、早期受診が求められます。体重減や食欲減などが発病のサインとなっていることもあります。国内では過去に感染していたり、新たに感染したりした高齢者が発病に至るケースが多いといいます。

 近年は国内の新規患者のうち外国出身者が占める割合が増加傾向にあり、昨年は16・0%(前年は11・9%)に上りました。活動範囲が広く、感染を広げる可能性が高まる10~30歳代の若年患者が目立つのが特徴です。

 加藤氏は、「結核は過去の病気ではない。感染の拡大を防ぐには、発病者の早期発見、治療が重要になる」と説明。「健康的な生活、定期健診などを通じて体調変化に気を配り、気になる症状がみられれば速やかに医療機関を受診してほしい」と呼び掛けています。

 2024年10月28日(火)

2024/10/27

🟪マイコプラズマ肺炎の患者数急増、5つの学会が感染対策など提言

 マイコプラズマ肺炎の患者数が急増する中、日本呼吸器学会など5つの学会は感染対策などをまとめた提言を公表し、注意を呼び掛けています。

 マイコプラズマ肺炎は、子供に多い細菌性の感染症で、発熱や長引くせきが特徴です。

 今年は夏ごろから患者数が急増し、国立感染症研究所のまとめによりますと、全国約500カ所の医療機関から報告された患者の数は、11月13日の時点で、現在の方法で統計を取り始めてからの最多を3週連続で更新しています。

 流行が続く中、日本呼吸器学会(感染症・結核学術部会)と日本感染症学会、日本化学療法学会、日本環境感染学会、日本マイコプラズマ学会の5学会は、感染対策を呼び掛ける提言を公開しました。

 提言によりますと、マイコプラズマ肺炎は、学校で流行を起こしやすいほか、家庭内で子供から大人に感染することも多いとした上で、せきや、くしゃみによる飛まつで感染が広がることから、マスクの着用や換気といった対策が有効だとしています。

 そして、せきなどの症状があり、周囲に同じような症状の人がいる場合は、感染している可能性があるため、医療機関を受診するよう勧めています。

 また、マイコプラズマ肺炎の治療に一般的に使われる抗菌薬に、耐性のあるタイプの菌が確認されているため、抗菌薬の投与を受けても、数日以内に症状が改善しない場合は、再度医療機関に相談してほしいとしています。

 日本呼吸器学会の理事で、長崎大学病院の迎寛教授は、「多くの場合は軽症なので、過剰に心配する必要はないが、潜伏期間が長いため気が付かないまま感染を広げてしまうことがある。マスクの着用や手洗いといった基本的な感染対策を徹底してほしい」と話しています。

 2024年10月27日(日)

2024/10/26

🟪救急搬送の軽症患者に7700円請求の松坂市基幹3病院、徴収された割合は7・4% 救急車の出動は減少傾向に

 救急車で救急搬送された軽症患者から選定療養費(7700円)を徴収する取り組みを進めている三重県松阪市の救急医療の基幹3病院の検証結果がまとまり、25日に市議会に報告されました。取り組みが始まった6月から8月末までの3カ月間で、3病院に搬送された患者(3749人、死者を含む)のうち、選定療養費を徴収された患者は7・4%(278人)でした。

 搬送された患者のうち、入院せずに帰宅した患者(2056人)に限ると、徴収された人の割合は13・5%で、「有料化」の対象となったのは10人に1人程度でした。

 松阪中央総合病院、済生会松阪総合病院、松阪市民病院の3病院と市が、検証結果を数値化しました。今後も検証を続け、救急医療の充実を図るといいます。

 療養費が徴収された278人の傷病別内訳は、 疼痛(とうつう )(痛み)が24人、打撲傷が21人、熱中症・脱水症が21人、新型コロナウイルスが16人などでした。年代別では、65歳以上の高齢者が114人で徴収者の4割を占め、乳幼児も51人で2割近くいました。

 選定療養費を徴収するかどうかを決めた理由は、診療に当たった「医師による緊急性の判断」が57%を占めました。3病院の関係者の一人は、「ぜんそくの発作が起きた場合、病院で処置すれば入院は必要ないが、救急搬送をためらえば死に至るケースもある」と指摘し、徴収基準を設けることは難しいと語りました。

 取り組み開始以降、救急車の出動ペースは減少傾向にあります。

 松阪地区広域消防組合(松阪市と多気、明和町)の6〜8月の救急出動件数は、3カ月間で前年同期比21・9%減となりました。1日に50件以上出動した日数は、78・7%減少しています。市は、「傷病者の必要に応じて救急隊が直行できる頻度が増えた」と効果を認めています。

 松阪市民病院の石川圭一事務部長は、「当初から選定療養費の徴収に数字の想定はない。市民に(かかりつけ医など)1次救急をうまく使ってもらい、松阪の救急医療体制に理解を深めてもらうことが、選定療養費を導入した趣旨だ」と話しています。

 2024年10月26日(土)

2024/10/25

🟪新型コロナウイルス年間死者3万2576人、インフルエンザの15倍 5類移行後、冬の感染増加を懸念

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類となった2023年5月〜2024年4月の1年間で、死者数が計3万2576人に上ったことが24日、厚生労働省の人口動態統計でわかりました。季節性インフルエンザの約15倍と格段に多く、大部分を高齢者が占めます。政府は重症化リスクの低下を理由に新型コロナの類型を引き下げ、日常生活の制約はほぼなくなりましたが、今も多くの人が脅威にさらされています。

 例年冬にかけて感染者が増える傾向にあります。東北大の押谷仁教授(感染症疫学)は、「高齢化社会の日本で被害を減らすために何ができるのかを一人一人が考えないといけない」と訴えています。

 人口動態統計のうち、確定数(2023年5〜12月)と、確定前の概数(2024年1〜4月)に計上された新型コロナの死者数を集計。その結果、3万2576人となり、65歳以上が約97%でした。同時期のインフルエンザの死者数は2244人。新型コロナは、ウイルスが次々と変異して高い感染力を持つ上、病原性はあまり低下せず、基礎疾患のある高齢者が感染して亡くなっているとみられます。

 2024年10月25日(金)

🟩世界の糖尿病患者、過去32年で倍増

 世界の成人の糖尿病患者の割合は過去30数年で倍増し、特に途上国での増加が著しいとする論文が14日、イギリスの医学誌「ランセット」に掲載されました。  イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らによると、成人の糖尿病患者は1990年には全成人のうち7%でしたが、202...