昨年、風邪の原因となるエコーウイルス11型に感染した新生児3人が死亡する事例があり、厚生労働省は今年2月から実態調査を始めました。日本小児科学会も昨年12月に医療従事者向けの注意喚起を出しています。
エコーウイルス11型は、感染しても無症状のこともあるものの、風邪症状や、まれに無菌性髄膜炎や脳炎など重い症状を引き起こすことがあります。排泄(はいせつ)物や飛沫(ひまつ)を通して感染します。
2022〜2023年にフランスで、エコーウイルス11型に感染して亡くなる新生児が相次ぎ、重症化するケースが増えていると報告されました。その後、イタリアなどでも同様の報告がありました。
世界保健機関(WHO)は、一般市民への公衆衛生上のリスクは低いと評価する一方、各国に対して症例を監視することを推奨していました。
一方、国内でも2024年8月以降、重症例の報告が相次いでおり、東京都内では、嘔吐や黄疸症状などが出て入院した新生児3人が、急性肝不全などを起こして死亡。3人からはEエコーウイルス11型が検出されました。
厚労省はエコーウイルス11型の症状や重症度は十分に解明されておらず、さらなる情報収集が必要としており、重症・死亡例の実態を調べる方針。2月6日には自治体に対し、感染が疑われる事例について届け出るよう要請しました。
2025年3月11日(火)