2025/04/02

🟩「百日せき」急増、今年の累計患者数が4100人に 昨年1年間を上回る

 子供を中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」について、全国の医療機関から今年、これまでに報告された患者の数は4100人と昨年1年間の累計4054人を上回りました。乳児が感染すると重症化することがあり、専門家は「生まれて2カ月になったら速やかに定期接種のワクチンを打つことが重要だ」と呼び掛けています。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の乳児が感染すると、重症化して死亡する恐れもあります。

 国立感染症研究所などが統合されて1日から発足した「国立健康危機管理研究機構」によりますと、3月23日までの1週間に、全国の医療機関から報告された患者の数は458人で、今年の累計の患者数は4100人となりました。

 昨年1年間の患者数は速報値で4054人で、今年はすでにこれを上回っています。

 都道府県ごとの累計の患者数をみますと、大阪府で336人、東京都で299人、新潟県で258人、沖縄県で252人、兵庫県で233人などとなっています。

 国立健康危機管理研究機構によりますと、生まれて間もない乳児では、特徴的なせきがみられず、かわりに息を止めるような「無呼吸発作」が起きて、呼吸が止まる危険性があるほか肺炎や脳症を起こすこともあり特に注意が必要だということです。

 東京都立小児総合医療センターの堀越裕歩部長は、「新型コロナの感染対策で百日せきの患者も少ない時期が続いたため、免疫のない人が一定数いることから患者が急増していると考えられる。生後2カ月から受けられる定期接種のワクチンに百日せきのワクチンも含まれているので、打てる月齢になったら速やかに接種することが重要だ」と話しています。

 2025年4月2日(水)

2025/04/01

🟩「国立健康危機管理研究機構」が発足 感染症対策の研究機関統合

 感染症の対策を担当しにてきた国の2つの研究機関が統合され、「国立健康危機管理研究機構」(JIHS<ジース>)として4月1日に発足しました。科学的な知見をもとに、政府に感染症対策について助言を行うほか、基礎研究と治療法の開発などを一体的に行い、新たな感染症の流行に備えることを目指します。

 「国立健康危機管理研究機構」は、これまで感染症の発生状況に関する調査や病原体の研究などを行ってきた「国立感染症研究所」と、世界各国の感染症の流行地域に医療スタッフを派遣したり、病院での診療を通じて治療法などを開発したりしてきた「国立国際医療研究センター」が統合されて設立されました。

 新たな組織では、感染症の流行に迅速に対応するため、専門の部署を設けてふだんから国内外の感染症の発生状況などの情報を収集するほか、科学的な知見に基づいて政府に対策に関する助言を行います。

 また、新たな感染症の世界的な流行が起きた場合は、基礎研究の部門と患者の診療に当たる部門が連携して、薬やワクチンの開発に必要な臨床試験をより円滑に実施するとともに、治療の手引きの策定を行うとしています。

 理事長に國土典宏・前国立国際医療研究センター理事長、副理事長に脇田隆字・前国立感染症研究所所長が就任。国立健康危機管理研究機構の國土典宏理事長は、「次のパンデミックが明日起こっても、対応できる準備をすることこそ、危機管理だと思う。新型コロナから時がたつにつれ、人々の感染症への関心が薄れ、対策の優先度が下がっていくことがないよう、社会に情報を届ける方法を考えていきたい」と話しています。

 2025年4月1日(火)

2025/03/31

🟥インフルエンザ感染者、3週ぶりに減少 1医療機関当たり1・98人

 厚生労働省は28日、全国約5000カ所の定点医療機関から3月17〜23日の1週間に報告されたインフルエンザの感染者数が、1医療機関当たり1・98人(前週2・23人)だったと発表しました。3週ぶりの減少となりました。

 都道府県別で最も多かったのは新潟県で、5・02人(同5・86人)と2週連続で最多でした。続いて、長野県4・80人(同5・36人)、沖縄県4・20人(同4・96人)の順。東京都や大阪府など31都道府県で前週の感染者数を下回りましたが、宮城県や福島県など16県では増加しました。流行入りの目安となる「1人」を下回ったのは、岐阜県、三重県、島根県、山口県、徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県の8県でした。

 23日までの直近5週間のウイルスの検出状況をみると、H3N2(A香港型)とB型がそれぞれ36%を占め、前週まで最多だったH1N1(A型)の割合が27%に減りました。

 厚労省は、「感染者のボリュームが大きかったA型が減ったことが、全体の患者数の減少につながっている。A香港型とB型の割合がA型を上回ったが、いずれも感染者はそれほど多くなく、全体としては収束に向かっている」としています。

 定点医療機関から報告された新たな入院患者数は122人(前週127人)で、11週連続で減りました。

 休校や学級・学年閉鎖の措置が取られたのは、小学校を中心に148施設(同396施設)でした。

 2025年3月31日(月)

2025/03/30

🟥岡山県内の病院で男児が脳死判定、6歳未満からの臓器提供は41例目

 日本臓器移植ネットワークは29日、岡山県内の病院に蘇生後脳症のため入院していた6歳未満の男児が、改正臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表しました。

 家族が26日までに臓器提供に同意し、27日午後11時46分、脳死と判定されました。29日に臓器が摘出され、肝臓は九州大病院(福岡市)で10歳未満の男児、腎臓は岡山医療センター(岡山市)で10歳代男性に移植される予定。ほかの臓器は医学的理由などで断念しました。

 日本臓器移植ネットワークによると、6歳未満からの提供は41例目となります。

 2025年3月30日(日)

2025/03/29

🟥2021年のがん患者数は98万8900人、前年比4万4000人増 新型コロナ前の水準に

 厚生労働省は27日、2021年に全国でがんと診断された患者は98万8900人だったと公表しました。すべての患者を集計する「全国がん登録」のデータを分析。前年から約4万4000人増えました。新型コロナウイルスの流行開始による受診控えの影響が解消傾向にあることが増加の主な要因とみられ、流行前の水準に戻りました。

 男性が55万5918人、女性が43万2982人でした。

 人口分布を同じと仮定する「年齢調整罹患率」で計算した人口10万人当たりの患者数で多かったのは、秋田県(424人)、島根県(408人)、青森県(408人)で、少なかったのは宮崎県(344人)、長野県(349人)、沖縄県(358人)でした。

 2025年3月29日(土)

2025/03/28

🟥東京都、ベトナムへの渡航歴がある20歳代男性がはしかに感染と発表 新幹線で移動も

 東京都は、ベトナムへの渡航歴がある20歳代の男性がはしか(麻疹)に感染したと発表しました。

 都によりますと、都内に住む20歳代の男性は、3月20日にくしゃみや鼻水などの症状が出た後、22日以降、発熱や発疹などの症状がみられ、医療機関で検査を受けた結果、25日、はしかと診断されました。

 都内ではしかへの感染が確認されたのは、今年に入って7例目となります。

 男性は現在、自宅で療養中で、症状は軽く、快方に向かっているということです。

 男性には、ベトナムへの渡航歴があり、都は、現地で感染した可能性が高いとみています。

 また、男性は3月19日に新宿区高田馬場の飲食店を利用したほか、20日と22日には東京駅と京都駅の間を新幹線で移動し、不特定多数の人と接触した可能性があるということで、都はホームページで感染した人が利用した飲食店や公共交通機関の情報を公表しています。

 はしかは空気感染で広がり感染力が極めて強いため、都は、発熱や発疹など、感染が疑われる症状が出た場合は、事前に医療機関に連絡した上で受診し、移動の際は、公共交通機関の利用を控えるよう呼び掛けています。

 2025年3月28日(金)

2025/03/27

🟥鳥取県の障害児施設で難病の14歳入所者、看護師がストレッチャーから落下させ骨折 半日後に死亡

 25日、鳥取県米子市の障害児入所施設「県立総合療育センター」で、全身の筋肉が萎縮する難病「筋ジストロフィー」を患う14歳の入所者を、看護師がストレッチャーに移動させようとしたところ、誤って転落させました。入所者は足の骨を折る大けがをしましたが、26日未明に心肺停止となり、搬送先の病院で死亡が確認され、センターは警察とともに死因を調べています。

 鳥取県によりますと、25日午前11時ごろ、米子市にある県立総合療育センターで筋ジストロフィーを患う14歳の入所者が介助を受けて入浴を終えた後、看護師2人がストレッチャー(高さ80センチ)に移動させようとしたところ、誤って転落させました。

 入所者は左足を骨折する大けがをしてセンター内で治療を受けていましたが、26日未明に心肺停止となって別の病院に搬送され、死亡が確認されました。

 県によりますと、看護師2人はストレッチャーを固定するストッパー(安全装置)がかかっているか確認しておらず、移動の際にストレッチャーが動いたため、転落につながったということです。

 一方、死因についてはわかっていないということで、センターは警察と協力して詳しく調べるとしています。

 鳥取県子ども発達支援課の松本剛志課長は、「確認を怠った結果、誤って転落したことについておわびします」としています。

 2025年3月27日(木)

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...