2025/08/26

🟥マダニ媒介感染症「SFTS」、今年の患者数143人で過去最多を更新

 マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、今年これまでに全国から報告された患者数は速報値で143人となった。今年はこれまで感染が確認されていなかった地域でも患者が報告されていて、厚生労働省は注意を呼び掛けている。

 SFTSは、主に原因となるウイルスを持つマダニに刺されることで感染する感染症で、重症化すると血液中の血小板が減少して出血が止まらなくなったり、意識障害が起きたりして死亡することがあり、感染して死亡する患者の割合は10%から30%に上るとされている。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月17日までの1週間に全国から報告されたSFTSの患者は三重、兵庫、佐賀、熊本、鹿児島の各県でそれぞれ1人ずつの5人で、今年の累計の患者数は速報値で143人となり、国内で初めて感染が報告された2013年以降の最多を更新した。

 感染者が報告されているのは31道府県で、高知県で14人、大分県で11人、熊本県、長崎県で9人、鹿児島県、島根県、兵庫県で8人など、西日本を中心に多くなっているが、今年はこれまで感染が確認されていなかった関東地方や北海道でも報告されている。

 厚労省は、西日本に限らず他の地域でも患者が報告される可能性があるとして、マダニに刺されないよう野外で肌の露出を減らすなどの対策を周知するよう自治体に通知を出して注意を呼び掛けている。

 2025年8月26日(火)

2025/08/25

🟥沖縄県、はしか感染1人確認と発表 県内6年ぶり発生

 沖縄県地域保健課は25日、中部保健所管内で10歳代のはしか(麻疹)感染を確認したと発表した。県内ではしかの患者発生が報告されるのは2019年5月以来で、6年ぶり。周囲に感染させる可能性がある期間に、不特定多数の人と接触した行動履歴は確認されていない。

 10歳代の患者は8月7日からカンボジアに渡航し、12日に帰沖。19日に発熱や倦怠感の症状があり、23日に中部保健所管内の医療機関を受診し、はしかの陽性が確認された。自宅で療養し、24日には回復しているという。

 潜伏期間を踏まえると、カンボジアで感染した可能性が高いとみられる。保健所が、家族ら濃厚接触者の確認を進めている。患者のはしか予防接種歴は2回。

 はしかは感染力が非常に強く、肺炎や中耳炎、脳炎を合併することがあり、先進国でも1000人に1人程度の割合で死亡するといわれる。妊婦がかかると、流産や早産を起こす可能性がある。厚生労働省によると、感染させる可能性がある期間は、発症日の1日前から解熱後3日を経過するまでの期間。

 2025年8月25日(月)

2025/08/24

🟥観光客急増で南極汚染深刻化、研究者が警告

 観光客の急増と研究プロジェクトの拡大が南極の汚染を深刻化させていると、研究者たちが20日に警告した。すでに人為的な気候変動の脅威にさらされている地球上で最も手つかずの自然環境の一つにとって、新たな打撃となる。

 国際研究チームは新たな研究で、南極の人間が活動してきた地域では、重金属を含む微粒子の濃度が40年前の10倍に上昇していると述べた。

 国際南極旅行業協会によると、この変化は南極大陸を訪れる観光客数が過去20年間で年間2万人から12万人に増加したことと関連している。

 科学誌「ネイチャー・サステナビリティー」に掲載された研究は、「南極における人間活動の増加は、船舶、航空機、車両、そして支援インフラなどから発生する化石燃料の燃焼による汚染物質への懸念を高めている」と述べている。

 観光客を乗せた船は、汚染物質を多く含む化石燃料で動いており、ニッケル、銅、亜鉛、鉛などの微粒子の発生源となっている。

 研究論文の共著者の一人、オランダ・フローニンゲン大学のラウル・コルデロ氏は、「観光客が頻繁に訪れる地域には汚染粒子が存在するため、南極の雪はより速く解ける」「観光客1人でも、約100トンの雪の融解を加速させる一因となる可能性がある」と語った。

 重金属は、科学調査によっても増加している。コルデロ氏によると、長期間滞在する研究プロジェクトは、観光客1人の最大10倍の影響を与える可能性があるという。

 この研究は、汚染度の高い重油の使用禁止や、観光業界による電気推進船やハイブリッド推進船の導入など、南極大陸を保護するための取り組みにおいて「意義ある前進」があったことを認める一方で、「南極大陸における人間活動による負荷を軽減するために、再生可能エネルギーへの移行の加速や化石燃料の使用削減など、さらに多くのことを行う必要がある」と指摘している。

 2025年8月24日(日)

2025/08/22

🟥1度上昇で生産性が3%低下 猛暑と労働者、国連報告

 世界保健機関(WHO)と世界気象機関(WMO)は22日、猛暑が労働者にもたらす影響に関する報告書を発表し、20度を超えて1度上昇するごとに労働者の生産性が2〜3%低下すると指摘した。中高年労働者らへの配慮や、職業の特性に照らした暑さ対策、適切な初期治療への対応が必要だと訴えた。

 WMOによると、記録が残る1850年以降で2024年が最も暑く、今後も高い確率で記録更新が見込まれる。

 報告書は、世界の約半数の人々が猛暑にさらされていると強調。猛暑は労働者の熱中症や脱水症状だけでなく、腎臓の機能障害ももたらし、家計の収入にも深刻な影響を及ぼすとした。

 2025年8月22日(金)

2025/08/21

🟥お盆明け、新型コロナ警戒 福島県内2週間で感染2・4倍

 福島県内で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。例年はお盆以降に感染者数がさらに増える傾向にあるため、医療関係者や県は対策を取るよう促している。

 県が20日発表した感染症発生動向調査週報によると、11〜17日は県内48カ所の定点医療機関から1カ所当たり7・77人の感染者が報告された。前週から2・44人増え、2週間前の3・25人の2・4倍近くになった。

 福島医大医学部感染制御学講座の山藤(さんどう)栄一郎主任教授は、新型コロナの感染者数がお盆以降に増える要因を「お盆で人の移動や人との接触が増える上、室内でエアコンをつけていることで、換気が不十分になる」と分析し、エアコンの使用中も窓を少し開けておくことを勧めている。

 昨年の新型コロナによる死者数は全国で3万人を超え、インフルエンザの10倍以上だった。山藤主任教授は「どうしても換気ができない場合は、必要に応じてマスクを着用するなど、感染対策を講じてほしい」と呼び掛けた。

 県の感染症発生動向調査週報(11〜17日)によると、両頬などに赤い発疹が出る伝染性紅斑(リンゴ病)の感染者数は県内28カ所の定点医療機関1カ所当たり0・82人だった。前週から1・18人減り、1人を下回ったため、県は31週続いていた警報を解除した。

 一方、激しいせきを伴う「百日せき」は15人の感染が報告され、前週(追加報告の8人を含む56人)から41人減少した。

 2025年8月21日(木)

2025/08/20

🟥熱中症の病院搬送者、全国で1週間に5141人

 8月17日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は、全国で5100人余りに上ったことが総務省消防庁のまとめでわかった。

 総務省消防庁によると、8月11日から17日までの1週間に熱中症で病院に運ばれた人は全国で合わせて5141人だった。

 前の週より2400人余り少なくなり、内訳でみると、「死亡」が2人、入院が必要な「重症」と「中等症」が1764人、入院の必要がない「軽症」が3309人などだった。 

 年齢別では、65歳以上の高齢者が2967人と、全体の半数以上を占めたほか、18歳以上65歳未満が1697人、7歳以上18歳未満が448人、7歳未満が29人だった。

 場所ごとに詳しくみると、住居が1915人と最も多く、次いで道路が1039人、屋外の競技場や駐車場などが898人となっている。

 都道府県別では、大阪府が419人、東京都が348人、愛知県が298人、兵庫県が287人などとなっている。

 今年5月1日から月17日までの累計は7万5352人となり、昨年の同じ時期と比べ、870人余り少なくなっている。

 総務省消防庁は、「気象庁の予報では気温が高い状況はしばらく続くとみられるので、今後とも熱中症対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。

 2025年8月20日(水)

2025/08/19

🟥百日せき、1週間の患者数400人近く減も依然高水準

 子供を中心に感染し、激しいせきが続く「百日せき」について、8月10日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は3200人余りで、前の週より400人近く減ったものの、依然として高い水準が続いている。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、乳児が感染すると重症化して死亡する恐れもある。

 国立健康危機管理研究機構によると、8月10日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数は、前の週より388人少ない3211人となった。

 都道府県別にみると、東京都で276人、埼玉県で222人、群馬県で210人、愛知県で172人、茨城県で164人、神奈川県で162人、千葉県で150人などとなっている。

 また、今年これまでの累計の患者数は6万4467人となった。

 今シーズンは患者数の増加に伴い乳児が重症化したり死亡したりするケースが出ているほか、これまで治療に使われてきた抗菌薬が効かない「耐性菌」に感染するケースも各地で報告されている

 日本小児科学会は、生後2カ月を迎えたら速やかに定期接種のワクチンを接種するなど、重症化リスクの高い乳児への対策を呼び掛けている。

 2025年8月19日(火)

🟥スマホ等の使用、仕事・勉強・家事以外は1日2時間まで 愛知県豊明市の条例案可決

 仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンなどの使用は1日2時間以内を目安にするよう促す条例案が、22日、愛知県豊明市の市議会で採決され、賛成多数で可決・成立した。市によると、すべての市民を対象にスマートフォンなどの使用時間の目安を示した条例は全国で初めてで、10月1日に施行され...