2025/10/02

🟥昨年度の介護費用、11・9兆円に膨らむ 介護報酬プラス改定も押し上げ要因に

 介護保険からの給付や利用者負担を含めた2024年度の介護費用は11兆9381億円で過去最多を更新した。前年度比3・7%増。高齢化による利用者の増加や、サービス提供事業者が受け取る介護報酬が2024年度にプラス改定されたことも押し上げ要因となった。厚生労働省が9月30日に発表した。

 集計を始めた2001年度の4兆3782億円から約2・7倍に膨らんだ。

 介護費用のうち、要介護認定を受けて利用する介護サービス分は11兆6179億円、状態が軽い人向けの介護予防サービス分は3202億円だった。

 利用者数は、介護サービスが前年度比1・1%増の573万1100人、介護予防サービスが4・8%増の130万3900人だった。

 1人当たり介護サービス費用(2025年4月審査分)を都道府県別に見ると、鳥取県が22万9900円で最も多く、新潟県が22万500円で続いた。

 介護保険制度は2000年度に始まった。

 2025年10月2日(木)

2025/10/01

🟥新型コロナワクチン定期接種、1日開始 高齢者ら対象、国の助成なし

 新型コロナウイルスワクチンの2025年度の定期接種が1日、65歳以上の高齢者と基礎疾患のある60〜64歳の人を対象に開始された。2024年度の国による自治体への助成(1回当たり8300円)はなくなり、自治体独自の補助のみとなる。

 補助がない場合、接種費用は1万5600円程度。自治体によって自己負担額に差が生じるが、低所得者は無料となる。2026年3月末までに1回接種できる。

 使用されるワクチンは5製品。ファイザー、モデルナ、第一三共の「mRNAワクチン」3製品と、武田薬品工業の「組み換えタンパクワクチン」、Meiji Seika ファルマのmRNAが細胞内で複製される「レプリコンワクチン」となる。

 2025年10月1日(水)

🟥熱中症搬送、5月から9月までに初の10万人超 記録的猛暑や早い梅雨明けが影響か

 総務省消防庁は9月30日、熱中症により5月1日~9月28日に全国で10万143人が救急搬送されたとの速報値を公表した。搬送者が10万人を超えたのは、集計の対象を5〜9月に広げた2015年以降初めて。記録的な猛暑や、梅雨明けが早かったことなどが影響したとみられる。

 死者は116人。3週間以上の入院が必要な重症は2206人、短期の入院が必要な中等症は3万4242人だった。

 65歳以上の高齢者が57・2%を占めた。都道府県別の搬送者は、東京都が9309人で最多。大阪府が7175人、愛知県が6630人と続いた。

 2025年10月1日(水)

2025/09/30

🟥10月から後期高齢者の窓口負担増 医療費「2割」負担の310万人対象

 75歳以上で医療費の窓口負担が2割の人を対象に行われてきた負担の増加を緩和する措置が、30日で終了する。これにより、10月1日以降、外来の窓口負担が増えるケースが出てくる。

 75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担は原則1割だが、現役世代の保険料負担を抑制するため、2022年10月から▽単身世帯で年収200万円以上、▽夫婦2人で暮らすなどの複数世帯で世帯年収320万円以上の人たちは、2割に引き上げられた。

 一方、急激な負担の増加を緩和するため1カ月の外来受診の負担増を3000円までに抑える「配慮措置」が3年間の期限付きで設けられた。

 そして、3年がたったことからこの措置は30日で終了し、10月1日以降、外来の窓口負担が増えるケースが出てくる。

 厚生労働省によると、負担が増えるのは窓口負担が2割となっている人のうち外来の医療費が月3万円を超え、15万円未満の場合である。

 例えば、医療費が月5万円だった場合、負担額は▽30日までは5万円の1割の5000円に3000円を加えた8000円だったが、▽10月1日以降は5万円の2割に当たる1万円となり、2000円負担が増える。

 ただ、「高額療養費制度」があるため、窓口負担は最大でも月1万8000円に抑えられる。

 影響を受けるのは推計で約310万人に上り、負担額は平均で年9000円程度増える見込みである。

 一方、これによって現役世代の保険料負担は年240億円程度、軽減されるということである。

 2025年9月30日(火)

2025/09/29

🟥呼気から「鉄のにおい分子」は肝臓の病気の兆候 京都大学が検査技術を開発

 京都大学などの研究チームは人の吐く息(呼気)を分析することで、脂肪肝や肝硬変といった肝臓の病気を調べることができる技術を開発した。肝臓に異常がある人の呼気からは、「鉄のにおい分子」が検出できたという。新たな検査法や診断法につながることが期待される。

 人体では細胞内に鉄が蓄積すると、脂質が酸化し、細胞死が起きる「フェロトーシス」と呼ばれる現象が起きる。さまざまな病気の原因になることが知られている。

 研究チームは独自に開発した呼気に含まれる揮発性有機化合物を分析する技術を使い、フェロトーシスの特徴を調べた。肝疾患を持つ患者には、鉄の独特のにおいの原因となる2種類の物質が多く含まれていた。2種類の物質はフェロトーシスが進むと空気中に増えることもわかった。

 この結果は血液検査の値とも関連しており、呼気に含まれる2種類の揮発性有機化合物が肝臓で起きている脂質の酸化反応を反映していた。

 今回確立した技術を応用すれば、肝臓の病気の早期発見や、進行状態のモニタリングが可能になる可能性がある。

 研究を主導した京大の松岡悠太特定助教は、「生体由来の揮発性物質は極めて微量で取り扱いも難しい。技術の確立には苦労した」とコメントした。

 研究成果はオランダの国際学術誌「レドックス・バイオロジー」に掲載された。研究チームには京大のほか、慶応義塾大学や医学研究所北野病院(大阪市)が参加した。

 2025年9月29日(月)

2025/09/28

🟥新型コロナウイルスワクチン接種後に短期間で抗体減少も 名古屋大など

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を受けた人の抗体の量の変化を名古屋大学などの研究チームが解析した結果、接種後、短期間で抗体が減少するグループがあることがわかった。今後、こうしたグループを事前に予測できるようになれば、より効率的な接種につながるとしている。

 名古屋大学や福島県立医科大学などの研究チームは新型コロナワクチンの3回目の接種を受けた福島県内の2500人余りを対象に、血液中の抗体の量がどう変化するかをAIを使った新たな手法で解析した。

 その結果、▽接種後に抗体が多く作られ、長い間保たれる「耐久型」▽抗体は多く作られるものの短い期間で減少する「急速低下型」▽作られる抗体の量が少なくすぐに減少する「ぜい弱型」の3つの特徴的なグループがあることがわかったということである。

 このうち「急速低下型」と「ぜい弱型」では、追加接種から3カ月を過ぎるとワクチン接種後に新型コロナに感染する「ブレークスルー感染」を経験するリスクが「耐久型」と比べて高かったということである。

 研究チームは、事前にどのグループか予測できるようになれば、「ブレークスルー感染」のリスクの高い人に優先的に接種をするなど効率的な接種ができるようになるとしている。

 名古屋大学大学院理学研究科の岩見真吾教授は、「どのタイミングでワクチンを接種したらいいのかといった個人レベルでの対策にもつながるのではないか」と話している。

 2025年9月28日(日)

2025/09/27

🟥エイズ、じわり増加 ウイルス感染判明の3人に1が発症

 厚生労働省のエイズ動向委員会は26日、2024年の1年間に新たにエイズウイルス(HIV)の感染が判明した人が、前年比34人増の994人(確定値)となり、2年連続で増加したと発表した。このうち、エイズを発症していた患者は同41人増の332人だった。いずれも過去20年では低水準だが、増加しているため、同委員会は今後の状況を注視するとしている。

 HIVは性行為や血液を介して感染し、数年~10年の無症状期間を経てエイズを発症する。治療薬の服用で発症を抑えられる。

 発表によると、HIVの感染が判明した人のうち、エイズを発症していた患者の割合は33・4%と、過去20年で最も高かった。理由について同委員会は、コロナ禍でHIV検査を受ける人が減り、エイズを発症するまで感染がわからなかった患者が増加したためとみている。

 同委員会の白阪琢磨委員長は、「発症予防には早期の診断と治療が重要だ。感染リスクがある人は、保健所や医療機関で検査を受けてほしい」と話している。

 2025年9月27日(土)


🟥北海道白老町の養鶏場、鳥インフルエンザ感染確定 今シーズン国内初、45万9000羽の殺処分始まる

 北海道白老町の養鶏場で死んだニワトリから、高病原性の「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された。今シーズン、養鶏場での確認は全国で初めてで、北海道はこの養鶏場で飼育されているニワトリ、約46万羽の処分を始めた。  21日、北海道白老町の養鶏場で複数のニワトリが死んでいる...