2025/04/30

🟩群馬県神流町、水道水で14人が食中毒 カンピロバクター検出、農業用水が流入

 群馬県神流(かんな)町で、水道水が原因の食中毒が発生し、水道水を飲んだ子供を含む町民14人が発熱や腹痛、下痢などの症状を訴え、一部の人の便から細菌「カンピロバクター」が検出されました。県が29日に発表しました。神流町によると、配水池の農業用水タンクの水が飲料用水タンクへ流入したことが原因とみられます。

 県などによりますと、神流町から21日、「町内の相原(あいばら)地区の複数の住人が熱や下痢などの症状で医療機関を受診しており、水道水が原因と疑われる」との連絡が保健所に入り、調査を開始しました。

 14人は9歳以下から80歳代の男女で、全員が相原配水池から供給された水道水を飲んでいました。神流町が池の水を調査した結果、「一般細菌数」が水質基準の1・5倍に上り、大腸菌も検出。14人のうち複数の人の便からカンピロバクターが検出され、県は29日、この水道水を飲んだことによる食中毒と断定したと発表しました。入院した人はおらず、14人はいずれも回復に向かっています。

 神流町によると、配水池には、飲料用水タンクと農業用水タンクが隣接して置かれており、双方が同一の排水管でつながっています。調査のため飲料用水タンクの水を抜いた際、農業用水タンク側の水が逆流しているのが確認されました。

 農業用水は近くの沢から引いていて、消毒などはされていないといいます。

 神流町では19日以降、相原地区の25世帯、44人の住民に対し、水道水の飲み水としての使用を控えるよう呼び掛けています。同地区には飲料水のペットボトルを配布しているといいます。

 厚生労働省などによると、カンピロバクターは、鶏や牛、豚など家畜の腸管内に生息する細菌。特に鶏の腸管内にいる確率が高く、市販の鶏肉の6割程度から菌が検出されたとの調査結果もあります。

 カンピロバクターを原因とする食中毒は、生や半生、加熱不足の鶏肉料理で多発しているほか、殺菌が不十分な井戸水や湧水、簡易水道水に由来する水系の感染事例も確認されています。

 国内で発生している細菌性食中毒の中では近年、発生件数が最も多く、年間300件、患者数2000人程度で推移しています。

 2025年4月30日(水)

2025/04/29

🟩国内最高齢、愛知県の114歳に ひ孫33人玄孫11人の近藤ミネさん

 愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんが、国内最高齢となったことが28日、厚生労働省から発表されました。

 この日、三女の藤田すみ子さん(74)が町役場で、近藤さんの近況などを語りました。 町によると、1910(明治43)年9月1日生まれの近藤さんは、結婚後は農家として働き、明るい性格で周囲から好かれているといいます。

 すみ子さんによると、ミネさんは現在、左足の骨折の治療のため岡崎市内の病院に入院中。毎日面会に訪れるすみ子さんが同日午後、最高齢者となったことを知らせたといいます。すみ子さんは、「耳が遠く伝わっているかわからないが、家族はみな最高齢にびっくりしていた」と話しました。

 ミネさんの長生きの秘訣(ひけつ)は「好き嫌いなく食べ、よく外に出掛けていたこと」だといい、毎年豊田市の香嵐渓を訪れ、うどんや五平餅を食べていたといいます。子供は9人で、孫16人、ひ孫33人、玄孫(やしゃご)が11人います。

 幸田町の成瀬敦町長は、「近藤さんが国内最高齢になったことは町民の喜びと誇りだ。これからの日々が、健やかで穏やかなものであるようお祈り申し上げる」とのコメントを発表しました。

 2025年4月29日(火)

2025/04/28

🟩国内最高齢、115歳の女性死去 岐阜県土岐市

 国内最高齢だった岐阜県土岐市の林おかぎさんが26日午前8時39分、心不全のため同市立総合病院で亡くなりました。115歳でした。28日、厚生労働省などが明らかにしました。

 林さんは土岐市出身で、1909(明治42)年9月2日生まれ。昨年12月に世界でも最高齢とされた兵庫県芦屋市の女性が116歳で死去して以降、国内で最高齢でした。

 土岐市の加藤淳司市長は、「市民に希望を与えてくださった林おかぎ様の突然の訃報(ふほう)に大変驚くとともに哀惜の念に堪えません。ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。温かい笑顔は私たちの心に深く刻まれています。心よりご冥福をお祈りいたします」とのコメントを発表しました。

 新たな国内最高齢は、愛知県幸田町に住む114歳の近藤ミネさんとなりました。近藤さんは1910(明治43)年9月1日生まれ。

 2025年4月28日(月)

2025/04/27

🟩千葉県で結核集団感染、昨年に漫画喫茶で広がり6人感染 2週間以上続くせきは医療機関へ

 千葉県疾病対策課は25日、習志野保健所管内(習志野市、八千代市、鎌ケ谷市)で結核の集団感染が発生し、厚生労働省に報告したことを発表しました。昨年7月に1人の感染が判明。漫画喫茶で広がって計6人が感染し、うち4人が発病しました。全員が適切な治療を受け、快方に向かっているとしています。

 同課によると、昨年7月24日、病院から県に患者1人の発生届があり、その40歳代の男性が漫画喫茶を長期利用していたことがわかりました。今年1月以降、漫画喫茶で接触のあった他の利用者と従業員計7人の健康診断を実施し、発病者2人と感染者1人が確認されました。このうち1人は2月3日、発熱と呼吸困難で救急搬送され、肺結核と診断されました。2月中旬以降に調査対象を拡大して接触者8人を調べたところ、発病者1人と感染者1人が新たに確認されました。

 結核については、同一の感染源が2家族以上にまたがって、20人以上を感染させた場合、集団感染に認定します。発病者1人は感染者6人分と計算するため、今回の事例も集団感染に該当しました。

 2014年の千葉県内の結核患者の新規登録数は493人。集団感染事例は2023年にも1件発生しています。

 県は 結核の初期症状について風邪の症状とよく似ているとし、2週間以上せきが続く場合は医療機関を受診するよう呼び掛けています。

 2025年4月27日(日)

2025/04/26

🟩PFAS排出元特定、わずか4例 環境省「詳しい原因わからず」

 環境省が2023年度に実施した水質調査では、全国の地下水や河川で暫定指針値を超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されましたが、自治体が「排出元を特定できた」としているのはわずか4例でした。泡消火剤を使用していたアメリカ軍基地などが疑われているものの、同省は「詳しい原因はわからない」と説明しています。

 4例のうち、福島県会津若松市では工場排水からPFASが検出されました。静岡市や京都府綾部市では、汚染地域の周辺にPFASを扱っていた事業所がありました。岡山県吉備中央町では、PFAS除去に使った使用済み活性炭が山中に放置され、地下水を汚染したことがわかっています。

 2022年度の調査で、排出元が工場と特定された大阪府摂津市と大分市も含め、環境省が把握しているのは6例だけでした。東京都立川市、広島県東広島市、沖縄県宜野湾市などアメリカ軍施設周辺でも高い数値が出ているものの、汚染源は特定されていないといいます。

 水に溶けやすいPFASは、土壌に浸透し、地下水を通じて拡散するため、排出元と汚染地域が異なるケースも多くなっています。

 2025年4月26日(土)

2025/04/25

🟩熱中症警戒アラート、今年の運用始まる 過去に例のない危険な暑さは熱中症特別警戒アラート

 熱中症による健康被害が予測された場合に発表される「熱中症警戒アラート」の今年の運用が23日から始まりました。健康に重大な被害が生じる恐れがある場合には一段上の位置付けの「熱中症特別警戒アラート」が出され、熱中症を予防する行動の徹底が求められます。

 熱中症警戒アラートは、気温や湿度などから算出する「暑さ指数」が33以上と予測される地域に環境省と気象庁が発表し、昨年の発表は全国で合わせて1722回に上りました。

 この情報が発表されると、政府は適切にエアコンを使用するなど涼しい環境で過ごすこと、こまめに水分や塩分を補給すること、それに運動を原則中止することなどふだん以上に対策を取るよう呼び掛けます。

 さらにその一段上に位置付けられる「熱中症特別警戒アラート」は、暑さ指数がすべての観測地点で35以上と予測される都道府県を対象に環境省が発表するもので、「人の健康に重大な被害が生じる恐れがある過去に例のない広域的な危険な暑さ」が想定されています。

 熱中症特別警戒アラートは昨年から運用されていて、これまで発表されたことはありませんが、発表された場合には熱中症を予防する行動の徹底が求められます。

 また市区町村が「クーリングシェルター」としてあらかじめ指定した公共や民間のエアコンが効いた施設を住民に開放すること、学校の校長や経営者、イベントの主催者などの管理者には熱中症対策が徹底できない場合、運動やイベントの中止、リモートワークへの変更などの判断が求められます。

 熱中症警戒アラートと熱中症特別警戒アラートは23日から今年の10月22日まで運用されます。

 地球温暖化に伴って日本の夏の平均気温は上昇していて、気象庁によりますと6月から8月の平均気温は昨年までの100年で1・3度上昇しました。

 昨年7月には最高気温40度以上を1日に6つの地点で観測するなど、昨年の夏の日本の平均気温は平年と比べて1・76度高くなり、気象庁が1898年に統計を取り始めて以降、一昨年と並んで最も暑い夏となりました。

 また熱中症で死亡する人も増えていて、厚生労働省によりますと2022年は1477人、2023年は1651人、昨年は2033人に上りました。

 総務省消防庁によりますと、熱中症で搬送された人の数は昨年、全国で9万7578人に上り、統計を取り始めた2008年以降最も多くなりました。

 2025年4月25日(金)

2025/04/24

🟩大阪市のダイキン工業従業員らから高濃度PFAS検出、肺疾患と関連か 医師らのチームが健康調査

 発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を含む製品を作っていた工場の元従業員らの健康調査をした医師らのチームが23日、大阪市内で記者会見を開き、元従業員ら5人の血液からPFASの代表的な物質「PFOA(ピーフォア)」を高濃度で検出したと明らかにしました。間質性肺疾患を発症した人もおり、論文ではPFOAが関連する可能性も指摘し、分析に加わった小泉昭夫京大名誉教授は「肺疾患との関連指摘は初とみられる」としています。

 論文は厚生労働省所管の労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の学術誌に掲載されました。

 工場は大手空調メーカー「ダイキン工業」淀川製作所(大阪府摂津市)。大阪府北部の住民ら約1200人と、同製作所の元従業員ら7人の血液などを調べました。

 元従業員ら7人のうち、5人の血中からPFOAを高濃度で検出、うち2人が間質性肺炎で、いずれも粉塵(ふんじん)が発生する工程に携わるなどしていました。近隣住民や地元農家についても分析し、いずれも高いといえる濃度でした。

 記者会見には摂津市の住民も参加し、周辺に対する影響への懸念を訴えました。また、調査にかかわった市民団体の長瀬文雄事務局長は、「長期にわたってPFASに曝露された住民が住み続けている。国や摂津市、ダイキン工業に情報開示や対応を求めていきたい」と話しました。

 摂津市では、地下水から国が定めた目標値の約420倍のPFASを検出。ダイキン工業は過去にPFOAを取り扱っていたものの、2012年に国内での製造・使用を終了しています。

 ダイキン工業は取材に対し、「論文の内容を確認できておりませんので、コメントは差し控えます」と回答しました。

 2025年4月24日(木)

🟩赤穂市民病院の医療過誤訴訟、市と執刀医への8900万円賠償命令が確定 

 赤穂市民病院(兵庫県赤穂市中広)で受けた手術中のミスで両足に重度のまひが残ったとして、患者の女性(80)と家族が当時の執刀医と赤穂市に損害賠償を求めた訴訟で、被告側に計約8900万円の支払いを命じた神戸地裁姫路支部判決が確定しました。確定は5月31日付で、原告、被告側のいずれ...