2026/01/31

🟥脳死者の臓器移植に診療報酬加算へ ドナーコーディネーターの働きも評価、報酬を手厚く

 厚生労働省は、脳死者から提供される臓器の移植手術を実施した病院に対する診療報酬を手厚くする方針を固めた。院内の人員や設備不足を理由に移植が見送られる問題が起きる中、病院が体制を整えて移植をスムーズに行えるようにする狙いがある。2026年度の診療報酬改定での加算の新設を目指しており、28日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に提示した。

 移植を手掛ける病院は、外科医らが臓器提供者(ドナー)がいる病院に赴き臓器の摘出を行い、自院に運んだ臓器を患者に移植する。移植には、多くの人員と手術室の確保が必要となるが、これらが不足し移植を見送る事態が相次いでいる。厚労省によると、2024年に脳死者から提供された臓器に対し、院内の体制を理由に、移植が見送られた患者は延べ662人に上った。

 厚労省は、脳死者からの臓器の摘出と移植の手術を行った場合に、実施病院に支払う診療報酬を加算する新しい仕組みを設ける。肺、心臓、肝臓、 膵臓(すいぞう)、小腸、腎臓の摘出や移植の手術料に、一定割合を上乗せする。

 外科医らの移動、人員や手術室の確保に加え、急な移植手術に対する普段の準備などにかかる手間を評価する。加算によって移植を行う病院に人員や設備の充実を促す。加算額は2月までに決める。

 また、臓器提供が行われる病院で、ドナー家族の対応などに当たる認定ドナーコーディネーターの働きにも診療報酬で評価する。厚労省は、看護師らを認定する仕組みの構築を進めており、改定後は認定者が家族に臓器提供の同意取得を行った場合に、報酬を手厚くする。

 現行では、臓器あっせん機関の日本臓器移植ネットワーク(JOT)が同意取得を担っているが、業務の逼迫(ひっぱく)による手続きの遅れが問題視されていた。厚労省は、各病院に認定者を配置しやすくし、臓器提供の手続きが滞りなく進むようにしたい考えだ。

 近年、国内の脳死下の臓器提供件数は増えているものの、国際的なデータベースによると、2024年の人口当たりの脳死と心停止ドナーは米国の44分の1、韓国の7分の1で、先進国の中で最低水準となっている。

 2026年1月29日(木)

2026/01/30

🟥百日せき、昨年少なくとも赤ちゃん7人死亡 ワクチンでの予防が重要

 昨年、大きな流行となった「百日せき」で、昨年1年間に少なくとも7人の赤ちゃんが亡くなっていたことがわかった。これは過去20年で最も多いとみられる死者数で、専門の医師はワクチンでの予防が重要だと呼び掛けている。

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、特に生後6カ月以下の赤ちゃんで重症化や死亡のリスクが高いとされている。

 昨年春ころから患者が急増して大流行となり、1年間に報告された患者数は8万9387人で、現在の方法で集計を始めた2018年以降最も多くなった。

 さらに、全国およそ100カ所の赤ちゃんの治療の基幹となる病院に尋ねたところ、昨年1

年間に百日せきで入院したのは延べ480人以上で、このうち少なくとも7人が治療を受けたものの亡くなっていたことがわかった。

 厚生労働省の人口動態調査によると、過去20年で百日せきの死者が最も多かったのは2012年の3人で、昨年の死者数はそれを超えて最も多くなっているとみられる。

 亡くなった7人は生後1カ月未満から4カ月の赤ちゃんで、このうち5人は生後2カ月から受けられる百日せきを含む定期接種のワクチンを接種する前だった。

 昨年の流行はこれまで治療に使われてきた抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」の拡大が背景にあるとみられていて、中には、薬が効かずに治療が遅れ、死亡したケースも報告されている。

 子供の感染症に詳しい新潟大学の齋藤昭彦教授は、「百日せきは赤ちゃんが命を落とすことのある深刻な病気であることを認識しなくてはいけない。マスクなどの感染対策のほか、ワクチンが効果的なので赤ちゃんだけでなく学齢期の子供を始め、周囲の家族が追加で接種することも検討してほしい」と呼び掛けている。

 百日せきは患者の飛まつなどで広がる細菌性の感染症で、発症すると激しいせきなどの症状を引き起こす。

 赤ちゃんで重症化しやすく、呼吸が止まってしまったり、肺炎や脳症といった合併症を引き起こしたりして死亡することもある。

 過去には、毎年多くの患者が出ていた病気で、1960年代には死者が100人を超える年もあった。

 しかし、1981年に現在使われているタイプのワクチンの接種が始まってからは減少傾向が続き、重症化したり死亡したりする赤ちゃんも少なくなった。

 厚労省の人口動態調査によると、近年は死者の報告がない年もあり、過去20年で最も死者が多かったのは2012年の3人だった。

 百日せきに感染した場合、通常は「マクロライド系」と呼ばれる抗菌薬を服用することで治療するが、この薬が効かない「薬剤耐性菌」の拡大が問題となっている。

 国立健康危機管理研究機構の調査によると、昨年、全国の患者から採取した検体のうちおよそ8割が耐性菌だったということである。

 耐性菌に感染したかどうかは詳しい検査をしないとわからないため、昨年の流行では赤ちゃんの治療が遅れて亡くなったケースも報告されている。

 また、通常使われる抗菌薬を処方されても治療し切れないため、症状が治まらないまま感染を広げてしまう恐れも指摘されている。

 このため日本小児感染症学会と日本小児呼吸器学会は昨年8月、百日せきの診療ガイドラインを見直し、重症の患者には通常の「マクロライド系」の抗菌薬に加え、「ST合剤」と呼ばれる別の抗菌薬の使用も検討するよう呼び掛けている。

 2026年1月30日(金)

2026/01/29

🟥小中高生の自殺、過去最多の532人 全体は2万人を下回り過去最少

 2025年の小中高生の自殺者数(暫定値)は532人で、統計のある1980年以降で最多となった。一方、全体の自殺者数は1万9097人で、統計を開始した1978年以降で初めて2万人を下回り、最少となった。厚生労働省が1月29日、発表した。

 小中高生の自殺者数は、前年の確定値より3人増えた。内訳は、小学生が10人(前年確定値より5人減)、中学生が170人(同7人増)、高校生が352人(同1人増)。性別でみると、男性が255人(同16人増)、女性が277人(同13人減)だった。

 小中高生の自殺者数はコロナ禍に入った2020年に急増。以降も高止まりが続く。特に女性の中高生で増加傾向が目立ち、2019年の確定値と2025年の暫定値を比べると、中学生で2・0倍、高校生で2・2倍になっている。

 19歳までの原因・動機をみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多の126件、「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「学業不振」「親子関係の不和」と続いた。

 厚労省が2025年に発表した自殺対策白書によると、主要7カ国(G7)各国のうち、10代と20代の死因の1位がともに自殺なのは日本のみだ。

 政府は2023年にとりまとめた「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき、1人1台端末を利用した自殺リスクの早期把握や、自殺未遂経験のある子供への支援に専門職が助言を行う「自殺危機対応チーム」づくりなどを進める。

 自殺者の全体の状況をみると、前年確定値より1223人減って1万9097人。男性が1万3117人(前年確定値より684人減)、女性が5980人(同539人減)だった。人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺死亡率は15・4で、過去最小だった。都道府県別では、山梨県が21・4と最も高く、新潟県が20・2、青森県が19・6と続いた。

 職業別でみると、有職者が7841人、無職者が9784人、小中高生を含む学生・生徒などが1074人だった。原因・動機別でみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最多で3938件、「病気の悩み(その他の身体疾患)」「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」「生活苦」と続いた。

 年齢階級別でみると、年齢が判明している人のうち、20代以上はすべて前年確定値から減少する中、19歳までのみが増えている状況だ。

 全体の自殺者数は、1998~2011年に3万人台で推移し、2003年をピークに減少傾向にあり、新型コロナ禍で増えたものの減少している。

 2026年1月29日(木) 

🟥致死率の高い感染症「ニパウイルス」、インドで感染者2人 アジアで入国時審査など水際対策の動き

 ロイター通信は28日、インド保健省が同国東部の西ベンガル州で2025年12月以降、致死率の高い感染症「ニパウイルス」の感染者を計2人確認したと発表したと報じた。タイなどアジアの国では入国時の審査強化など水際対策に乗り出している。

 インド保健省は、2人と接触した196人を特定した上で健康状態を調査したことも公表。いずれの接触者も症状はなく、ウイルス検査の結果は全員が陰性だったという。

 世界保健機関(WHO)によると、ニパウイルスの潜伏期間は通常4~14日程度。ヒトが感染した場合の致死率は推計40~75%と高い。

 インドでのニパウイルス感染者の確認を受け、タイ保健省はニパウイルス感染者の発生地域から到着する航空機向けに駐機場を割り当て、乗客に対して、入国審査を通過する前に健康申告を行うことを国際空港に義務付けた。マレーシアの保健省も、特にリスクの高い国からの入国者に対し、国際空港や港湾施設などの入国地点で健康診断を行うなど対策を強化している。

 また、日本の外務省は1月27日、ホームページでインドを対象国とするニパウイルス感染症に関する注意喚起を発表した。在留邦人および渡航者への注意として、手洗い、手指消毒、動物との不用意な接触回避、生の果物など食品・飲料への摂取時の注意などを呼び掛けている。

 日本の国立健康危機管理研究機構によると、ニパウイルス感染症の症状は発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛などから始まり、その後、意識障害などの神経症状が現れる。重症化すると急性脳炎に至ることがある。ワクチンがないため、対症療法が中心となる。

 ヒトへの感染経路は、主にオオコウモリやブタといった感染動物との接触や、感染動物の唾液や尿などの体液で汚染された食物の摂取。患者の血液や体液との接触による「ヒト-ヒト感染」も報告されている。

 これまでに日本国内での患者の報告はない。一方、海外では1998~1999年にマレーシアで初めて発生が確認された。2001年以降はバングラデシュやインドでほぼ毎年患者が報告されている。

 2026年1月29日(木) 

2026/01/28

🟥広島で被爆した在外被爆者訴訟、国に賠償命じる判決 広島地裁

 広島で被爆した後に朝鮮半島へ移り住み、健康管理手当が受けられなかった在外被爆者の遺族が国に賠償を求め、請求権が消滅したかどうかが争われた裁判で、広島地方裁判所は、時効が成立するとした国の主張は権利の乱用だとして、国に賠償を命じる判決を言い渡した。

 戦後、海外に移り住んだ在外被爆者について、国は1974年の通達で健康管理手当を支給しないなどとしていたが、2003年に通達を廃止し、遺族などが賠償を求める訴えを起こした場合などに支払いを行うようになった。

 広島で被爆した後に朝鮮半へ移り住んだ、いずれも韓国籍の在外被爆者3人の遺族たちは、2023年とその翌年、国に、合わせておよそ330万円の賠償を求める訴えを起こしたが、国は、通達の廃止から20年が過ぎ請求権が消滅していると主張していた。

 28日の判決で、広島地方裁判所の山口敦士裁判長は「通達の内容が違法かどうかが別の裁判で争われ、2007年に最高裁の判決が出るまで国が責任を争い続けたことは、原告が権利を行使することを事実上困難にさせた」と指摘した。

 その上で「請求権は時効によって消滅しておらず、国の主張は権利の乱用に当たり許されない」として、請求通り国におよそ330万円の賠償を命じた。

 弁護団によると、在外被爆者の請求権が時効で消滅したかどうかについて裁判所が判断を示したのは今回が初めてだということである。

 2026年1月28日(水)

2026/01/27

🟥千葉県旭市の農場のうずら10万羽余り、鳥インフルエンザで処分

 千葉県旭市にある農場で死んだうずらから「高病原性」の疑いがある鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの農場で飼育されているおよそ10万8000羽の処分を始めた。千葉県内で鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めてである。全国では18例目。

 千葉県によると、26日、旭市の農場でうずらがふだんより多く死んでいるのが見付かり、遺伝子検査の結果「高病原性」の疑いがある「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されたということである。

 千葉県内で高病原性の疑いがある鳥インフルエンザの感染が確認されたのは今シーズン初めて。

 これを受けて県は27日朝から、この農場で飼育されているうずら、およそ10万8000羽の処分を始めたほか、半径3キロ以内はニワトリや卵などの移動を制限し、3キロから10キロ以内は区域外への持ち出しを制限することを決めた。

 影響を受ける養鶏場などは52カ所、合わせて560万羽あまりに上るということである。

 2026年1月27日(火)

2026/01/26

🟥ロッテ、ガム3商品3万個を自主回収へ 国内で認められていない食品添加物を使用

 ロッテは26日、「めっちゃふくらむフーセンガムボトル」(2024年7月発売)などガム3商品を自主回収すると発表した。回収個数は計約3万個になる見込み。原材料である「エンドウたんぱく」に、国内で使うことが認められていない食品添加物「メチルパラベン」「PEGエステル類」が含まれていた。

 対象はほかに「めっちゃふくらむフーセンガムパウチ」(2025年7月発売)、「ふ〜せんの実ボトルワクワクみっくす!」(2023年9月発売)。手元に対象製品がある場合は、フリーダイヤル(0120・366・133)や同社のウェブサイトで申し出を受け付ける。後日、商品代金相当のクオカードを送付する。

 22日の昼過ぎに、アメリカの食品原料メーカーの日本法人でエンドウたんぱくを供給しているエー・ディー・エム・ジャパンからロッテに申し出があり発覚した。同社は「本件による健康への影響は極めて低いものと考えている」と説明する。現時点で今回自主回収する製品が原因の健康被害の報告はないという。

 メチルパラベンとPEGエステル類はアメリカでは食品に使うことが認められている。

 2026年1月26日(月)

🟥消費者庁がエステサロンに一部業務停止命令 うその説明、しつこい勧誘

 消費者庁は1月30日、エステサロン大手「スリムビューティハウス」(東京都港区)に対し、特定商取引法違反(不実告知、迷惑勧誘)で3カ月の一部業務停止、西坂才子代表取締役に3カ月間の一部業務禁止を命じたと発表した。処分は29日付。  スリムビューティハウスは、2024年10月から...