2022/08/05

🟥新型コロナ自宅療養者、全国で143万8105人 3週連続で最多更新

 新型コロナウイルスの感染拡大で、全国の自宅療養者は前週比約1・3倍の143万8105人となり、3週連続で過去最多を更新しました。厚生労働省が3日時点の状況をまとめ、5日に公表しました。入院や宿泊療養などを含む全体の療養者数は約183万人。現時点では軽症者が多く、療養者の約8割を自宅療養者が占めています。

 厚労省によると、入院している人は約3万人、療養先を調整中の人が約32万人となっています。

 都道府県別で自宅療養者数をみると、東京都が19万2689人、大阪府が15万3865人、神奈川県が10万1936人と続きました

 自宅療養者は7月27日時点で109万8671人に達し、「第6波」でピークだった2月16日の57万7765人の倍近くになっていました。

 病床使用率についても公表し、3日時点で27都府県が病床逼迫(ひっぱく)の目安となる50%以上でした。神奈川県の88%が最も高く、沖縄県76%、和歌山県75%、福岡県74%と続きました。

 2022年8月5日(金)

🟥ノババックスのコロナワクチン、副反応の頻度が低い 厚労省研究班が公表

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種で、ノババックスのワクチンを接種した人の、抗体や副反応についての分析結果を厚生労働省の研究班が初めて公表しました。免疫を増強する効果が確認されたほか、発熱などの副反応が起きた割合が、他社のワクチンに比べて低いといえる結果になったとしています。

 厚生労働省の研究班は、今年5月から接種が始まったノババックスのワクチンを3回目に接種した人、合わせて58人の変異する前の従来型ウイルスに対する抗体の値や、副反応を分析した結果を公表しました。

 このうち、抗体の値では、3回目を接種してから1カ月が経過した7人を対象に、接種する前と比較したところ、平均で31・9倍だったとしています。

 一方、副反応が起きた割合は、37度5分以上の発熱があった人は10・3%、全身のけん怠感は39・7%、頭痛は27・6%だったということです。

 研究班が調査したノババックス以外のワクチンの副反応の頻度のデータでは、37度5分以上の発熱があった人はファイザーで39・7%、モデルナで62・9%、全身のけん怠感はファイザーで69%、モデルナで75・6%、頭痛はファイザーで55・1%、モデルナで64・5%となっていることから、研究班は「統計学的にノババックスのワクチンは、他社のワクチンより副反応の頻度が低いといえる結果になった」としています。

 研究班の代表で、順天堂大学医学部の伊藤澄信特任教授は、「調査の母数が、まだ少ないものの、重症化予防などが期待される免疫の増強効果が確認された。季節性インフルエンザのワクチンと比べても、副反応の頻度は統計学的に、ほぼ同じ程度か、あるいは少し高い程度で、今後さらに数を集めて詳しく分析していきたい」と話しています。

 アメリカの製薬会社、ノババックスが開発した新型コロナウイルスワクチンは、「組換えタンパクワクチン」という種類です。遺伝子組み換え技術を使って、ウイルスの表面にある突起で、抗体が攻撃する際の目印となる「スパイクタンパク質」を人工的に作り出して接種します。

 ファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」と、アストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」では、遺伝情報を伝達する物質や遺伝子を投与して、体内で新型コロナウイルスのスパイクタンパク質ができるようにして抗体を作るようにしていましたが、ノババックスのワクチンは、人工的に作ったスパイクタンパク質そのものを投与することで、免疫の反応を引き起こします。

 日本国内では武田薬品工業の山口県の工場で生産しており、今年1年間で、1億5000万回分が供給される契約になっています。

 公的な接種として、今年5月末に接種が開始され、2回目まではアストラゼネカのワクチンを打った人など、主に3回目の接種に使用されることが想定されています。

 接種できるのは、1回目と2回目接種では、12歳以上の人、3回目接種では18歳以上の人となっており、厚労省は、都道府県に対して接種会場を少なくとも1カ所は設置するよう求めています。

 2022年8月5日(金)

🟥アメリカ政府、サル痘感染拡大で「公衆衛生上の緊急事態」を宣言

 欧米を中心に感染が広がり続けているサル痘について、アメリカ政府は4日、国内の感染拡大に歯止めがかからないとして、「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、ワクチン接種の加速など、対策の強化に乗り出すことになりました。

 アメリカ疾病対策センター(CDC)によりますと、8月4日の時点でアメリカで確認されたサル痘の感染者は7101人で世界で最も多くなっています。専門家は、感染しても症状が軽い場合もあることから、実際の感染者数ははるかに多い可能性があると指摘しています。

 感染の拡大に歯止めがかからない状況を受け、アメリカ政府は4日、「公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、さらなる対策に乗り出すことを発表しました。

 ハビエル・ベセラ厚生長官は発表の中で「緊急事態宣言によって、サル痘への対応を強化し、加速することが可能になる」として、今後、データ収集の強化や必要な人がワクチンを接種できるよう、新たな戦略を模索するなどとしています。宣言の期間は90日間ですが、その後も更新が可能。

 アメリカでは4日時点で、約110万回分のワクチンを各地に割り当て、このうち60万回分余りがすでに配布されましたが、ワクチンが足りず、接種できないというケースも起きています。

 サル痘は7月、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した後も欧米を中心に広がり続け、CDCの4日時点のまとめで世界88の国と地域で2万6864人の感染が確認されています。

 2022年8月5日(金)

🟥北朝鮮、新型コロナ感染で全員完治 韓国は新規感染者が4日連続で10万人超

 北朝鮮の国営朝鮮中央通信は5日、同国での新型コロナウイルス感染について、7日間連続で発熱者は報告されず、患者も全員が完治したと報じました。

 北朝鮮では新型ウイルスの検査体制が不十分で、当局は「コロナ感染者」ではなく「発熱患者」と表現しています。

 朝鮮中央通信は「過去1週間に新たな発熱の症例は報告されず、各地で治療を受けていた人も全員が回復した」と伝えました。

 北朝鮮政府は5月、初の新型コロナウイルスの流行が起きたと発表し、「最高レベルの緊急感染防止システム」を導入していました。

 一方、韓国の中央防疫対策本部は5日、この日午前0時現在の国内の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時の時点から11万2901人増え、累計2027万3011人になったと発表しました。

 新規感染者は前日(10万7894人)より5007人多く、4日連続で10万人を超えました。通常は検査件数に応じて週の初めに感染者が増え、後半に減少する傾向を示しますが、この日は金曜日にもかかわらず前日より増加しました。1週間前(8万5298人)と比べると約1・3倍、2週間前(6万8595人)比では約1・6倍でした。

 新規感染者数が前週比で約2倍増加する状況は7月末からやや緩和されたものの、前週比の増加率は今週に入り少しずつ上昇しています。

 この日の新規感染者のうち海外からの入国者は497人で、5日連続で400人を超えました。市中感染者は11万2404人でした。

 重症者数は320人と前日から10人増え、5月18日(313人)以来の高水準となりました。1週間前(234人)の約1・4倍、2週間前(130人)に比べると約2・5倍に増えました。

 新たな死者は47人で、前日より13人多くなりました。死者の累計は2万5191人。致死率は0・12%。

 2022年8月5日(金)

🇻🇺夏型過敏性肺炎

高温多湿な夏季をピークに、家屋内に増殖するカビの一種を吸入して起こるアレルギー性の肺炎

夏型過敏性肺炎とは、梅雨時から秋口にかけて、家屋内に増殖するカビの一種の真菌が原因で起きるアレルギー性の肺炎。日本独特の肺炎で、過敏性肺炎の一種です。

一口に肺炎といっても、そのタイプはさまざまです。呼吸の際に吸い込んだ感染源の種類によっては、細菌性肺炎やウイルス性肺炎などの感染性の肺炎と、薬剤性肺炎やアレルギー性肺炎などの非感染性の肺炎に分類されます。

感染性の肺炎の場合、例えば風邪やインフルエンザにかかって気管支の粘膜に炎症が起きたため、ふだんなら、たんとともに出ていくような菌が残り、この菌によって起こされた炎症が肺の奥にある小さな袋状の肺胞まで達すると、細菌性肺炎を起こします。

片や、非感染性の肺炎は、例えばエアコンのカビや加湿器の水に繁殖した真菌など、アレルギーを起こす原因物質である抗原(アレルゲン)が肺胞に入って反応し、アレルギー性肺炎を起こします。

夏型過敏性肺炎は、アレルギー性肺炎の一種で、梅雨の後の高温多湿な夏季をピークにして、風通しや日当たりが悪く、湿気が多く、古い家屋内に増殖するトリコスポロンというカビの一種の真菌が抗原となって起こります。トリコスポロンを吸い込んだからといって、すべての人が肺炎になるわけではありませんが、アレルギーとして症状が出る場合は、少量のトリコスポロンに接しただけでも重篤な症状を呈する可能性があります。

急性のものと慢性のものとがあり、急性のものでは、3~10ミクロンと極めて小さく、飛散しやすいトリコスポロンの胞子を吸入してから、肺胞でアレルギー反応が起こり、8〜13時間で症状が現れます。

症状は軽いせきや、たん、頭痛程度のこともありますが、悪寒、全身倦怠(けんたい)感、体重減少、発熱、著しい呼吸困難、さらに血液中の酸素が減少し、皮膚や粘膜の色が青紫色になるチアノーゼなど重篤な症状になることもあります。

トリコスポロンは、家屋内の台所、洗面所、風呂場、便所、あるいは畳の下の腐った木の部分などを栄養源として繁殖するほか、エアコン内部にも繁殖しやすく、エアコン使用時に室内に広がるとせきなどの症状が出ることがあります。エアコンが原因の場合、使用期間に相当する5月から10月の間だけ症状が現れることもあります。

急性のものでは、旅行や里帰りなどで家を空け、原因となるトリコスポロンから離れることにより回復しますが、慢性になると、病変と症状は続き、進行することがあります。

夏型過敏性肺炎は、梅雨の後の高温多湿な夏季をピークに、6月から10月ころにわたって、秋田県、岩手県以南の地域にみられ、冬季はみられません。東北よりも西日本に多い傾向があり、高温多湿な地域環境がトリコスポロンの増殖を促すためと見なされます。

好発年齢は、30〜50歳代の女性。女性に多い理由は、家屋内の滞在時間が長く、トリコスポロンとの接触時間がほかの家族より長いためと見なされます。夏に発症して秋には症状が治まり、翌年の夏になるとまた発症するというように、数年間繰り返す傾向もあります。

同じ症状が夏季をピークに繰り返し起こっている場合には、夏型過敏性肺炎ではないかと疑うことが大切で、内科、呼吸器科を受診します。

夏型過敏性肺炎の検査と診断と治療

内科、呼吸器科の医師による診断では、胸部聴診で、髪の毛を指でつまんでこすり合わせた時の音に似た、チリチリとした捻髪(ねんぱつ)音が認められます。一般血液検査で、末梢(まっしょう)白血球数の上昇、CRP(C反応性タンパク)の上昇などの炎症反応が認められ、低酸素血症を示し、胸部X線像で両肺にすりガラス状や粒状の陰影が認められます。

ほかに、気管支鏡と呼ばれる細い肺カメラを使って、肺内の組織を採取する経気管支肺生検が行われることがあります。この検査は他の疾患を否定する意味もあります。夏型過敏性肺炎の特徴的な病理組織像は、器質化肺炎、リンパ球性胞隔炎、肉芽腫(にくげしゅ)などです。

気管支鏡を使って、肺内に生理食塩水を注入して肺を洗った後、回収した液を検査する気管支肺胞洗浄(BAL、バル)が行われることもあります。回収した液の中には、リンパ球が多くみられ、リンパ球のCD4とCD8の比率が低下する特徴があります。

また、血清中に原因となる抗原に対する抗体の存在を検索することも重要です。しかし、疾患を起こしていない健常者でも陽性になることがあるので、この検査だけでは確定診断とはなりません。

家の中に存在するカビの一種の真菌であるトリコスポロンが原因であれば、帰宅すると抗原を吸入することになるので、診断できることもあります。

内科、呼吸器科の医師による治療では、原因となっているトリコスポロンの吸入を避けるようにすることが重要です。

薬物療法については、軽度の症状で日常生活に影響しない場合、無治療で経過をみることがあります。中等症、重症では、発熱、呼吸困難、低酸素血症などがあるため、炎症を抑える作用のある副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)を服用するか、静脈注射します。そのほか、息苦しさには酸素吸入など対症療法を行います。

急性の場合では、入院することなどにより原因抗原のトリコスポロンから離れると回復することがほとんどです。しかし、慢性の場合では進行することがあり、肺に線維組織が増えて硬くなる肺線維症や、呼吸不全になりますから、予防が大切です。

家などの環境が原因の夏型過敏性肺炎の予防では、家の中の掃除や消毒、台所・洗面所・風呂場の腐った木の部分の除去、畳替え、こまめな換気で風通しをよくする、年に1度のエアコンクリーニング、2週間ごとのフィルター洗浄などの工夫が重要です。場合によっては、住居の建て替えや、古い個所の改修、転居なども考えるべきでしょう。

🇻🇺ナットクラッカー症候群

左側の腎臓の静脈が動脈に圧迫されることが原因となって、目で見て赤い尿が出る疾患

ナットクラッカー症候群とは、左側の腎臓(じんぞう)からの出血のために、目で見て明らかに赤い尿が出る疾患。ナッツクラッカー症候群、くるみ割り症候群、腎臓くるみ割り症候群、左腎静脈捕捉(ほそく)症候群、左翼腎静脈わな症候群などとも呼ばれます。

まれな疾患で、その多くは小児から思春期前後に発症します。成人では、やせた人によくみられるともいわれています。

右側の腎臓の静脈は下大静脈にすぐに合流しますが、左側の腎臓の静脈は下大静脈に合流する途中で、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間を通り、ナットクラッカー(くるみ割り)の器具に挟まったような状態になっています。この静脈が2つの動脈に挟まった部位で、動脈圧が高く静脈圧が低いために静脈が押しつぶされると、静脈内圧が上がって静脈の血液の流れが悪くなるために、左側の腎臓の毛細血管がうっ血や出血を来し、排尿時に赤い尿が出ます。

身体的には無症状で、目で見て赤い肉眼的血尿のみが認められる場合が多く、一定の時を置いて起こる間欠的な血尿が認められます。血尿は、ピンク色から鮮紅色で、コーラのように色の濃いこともあります。

尿の中に混ざる赤血球の程度によって、多ければ目で見て明らかに赤い肉眼的血尿となり、少なければ見た目は正常な尿の色でも赤血球が混ざっているいわゆる尿潜血、または顕微鏡的血尿の状態になります。ナットクラッカー症候群でも、検診などによって尿潜血を認めることによって発見されるケースが多くみられます。

症状が重いケースでは、血尿のほかに、片腹部痛、腰痛、貧血、精巣静脈瘤(りゅう)、卵巣静脈瘤、起立性蛋白(たんぱく)尿がみられることもあります。精巣静脈瘤、卵巣静脈瘤があると、不妊の原因になることもあります。

こうした一部のケースを除き、ナットクラッカー症候群の予後は良好で、多くは時間の経過とともに、他の静脈への側副血行路といわれる血液の別ルートが発達しますので、自然に治ることがほとんどです。

ナットクラッカー症候群の検査と診断と治療

泌尿器科、腎臓内科の医師による診断では、出血の部位が左側の腎臓であることを膀胱(ぼうこう)鏡で確認後、造影剤を静脈注射して撮影する造影CT(コンピューター断層撮影)検査、腹部超音波(エコー)検査などを行います。

腹部超音波検査の際には、左側の腎臓静脈、卵巣静脈、副腎をよく観察し、それぞれの拡張や、腎臓静脈の周囲の循環系による圧迫、狭窄(きょうさく)がないかどうかに注意します。超音波検査法の一種である超音波ドップラー法という検査を行い、腎臓静脈を観察し、狭窄部位から下大静脈への血流速度の計測をすることもあります。

泌尿器科、腎臓内科の医師による治療は、基本的には不要で、側副血行路が発達し自然に治ることが多いものの、薬物療法として、抗プラスミン薬などの止血薬を使用して、血尿を止めます。

貧血が進行するほどの肉眼的血尿が持続する場合には、尿管カテーテルを用いて、1~3パーセントの硝酸銀を腎盂(じんう)内へ注入して、出血している静脈を凝固させる治療を行うこともあります。

それでもうまく出血のコントロールができない場合には、左側の腎臓静脈の狭窄部位に、血管の中で拡張して適切な太さに保つステントと呼ばれる機器を挿入する手術を行うこともあります。あるいは、左側の腎臓静脈が下大静脈に合流する部位を切り離し、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間の距離が広い下側につなぎ直す、左腎静脈転位術という手術を行うこともあります。

🇵🇬夏ばて

夏ばてとは、体が暑さや湿気に対応しきれなくなり、だるい、疲れやすい、食欲減退、睡眠不足、胃腸障害など、さまざまな不調が現れることです。

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述...