2023/07/26

🟧新型コロナ発症から2週間後も10人に1人で頭痛などの症状 患者12万人のデータを分析

 新型コロナの患者12万人を対象に、大阪府の研究機関などのグループが調査を行ったところ、発症から2週間たち新型コロナの治療が終わってからも約10人に1人の割合で頭痛やけん怠感などの症状がみられていたことがわかりました。

 大阪府茨木市にある国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所や医療法人徳洲会などのグループは2020年から昨年6月までの3年間に全国の徳洲会の病院を受診した0歳から85歳までの新型コロナの患者12万2000人余りのカルテのデータを基に新型コロナの治療後に続く症状についての分析を行いました。

 そして、症状ごとに分析した結果、発症から2週間以上たってからも頭痛、けん怠感・疲労感、味覚障害、嗅覚障害の4つの症状があった患者は、それぞれ約10人に1人の割合となっていました。

 また、60歳以上では、2週間たってからも約2割の患者でうつの症状が、約半数の患者で療養生活による体の機能の低下などの症状が、続いていたということです。

 新型コロナを巡っては感染後の後遺症が問題となっていますが、グループによりますと新型コロナの後遺症に関連して、カルテの情報を利用した大規模な調査が行われたのは初めてだということです。

 研究所の今井由美子さんは、「うつや体の機能の低下などは生活の質(QOL)の低下につながる可能性があり、新型コロナから回復した後も継続的なフォローが必要だ。今後、後遺症の予防法や治療法の確立につながる研究を進めたい」と話していました。

 2023年7月26日(水)

🟧新型コロナの入院者数と重症者数も「定点把握」へ 9月下旬から

 厚生労働省は25日、新型コロナウイルスの入院者数と重症者数の週1回の報告について、9月下旬以降、すべての医療機関からの報告を取りやめ、全国約500カ所の医療機関(ベッド数300床以上)からの「定点把握」に切り替えると発表しました。都道府県は原則として、季節性インフルエンザと同じ医療機関を指定します。

 新型コロナの感染症法上の扱いが5月8日に5類になったことに伴い、感染者数は全国約5000の定点医療機関から新規の患者数について報告を受け、1つの医療機関当たりの平均の患者数などを毎週金曜日に公表する「定点把握」を行っています。一方、入院者数と人工呼吸器を使用しているなどの重症者数はすべての医療機関からの報告を続けていました。

 定点把握に切り替わっても、コロナの流行状況の把握に影響はない、と厚労省の担当者は説明しています。

 これとは別に、厚労省は、全国各地の医療機関がコロナ患者のために用意する「確保病床使用率」を把握するため、各都道府県における入院者数と重症者数(毎週水曜日午前0時時点)を公表しています。この調査は当面、継続する予定といいます。

 2023年7月26日(水)

🟧タニタ、熱中症の危険度を知らせる室内用温湿度計を発売

 健康機器大手のタニタ(東京都板橋区)は、どれくらい熱中症になりやすい室内環境かを知らせる温湿度計を発売しました。室温と湿度を基に「注意」「警戒」「厳重警戒」「危険」の4段階で危険度を知らせます。家庭や高齢者施設向けに販売し、室内での熱中症対策に役立ててもらいます。

 室温と湿度から「暑さ指数(WBGT)」を計算するとともに、日本生気象学会の「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」に準拠し、熱中症の危険度を判定します。複雑な操作は不要で、誰でも気軽に使用できるといいます。機能やデザインの異なる3機種を販売

 「TC-420」は温度と湿度を示す2本の針の交点で暑さ指数の目安を示し、4色の判定図で危険度を表します。「TC-421」は、「注意」「警戒」などの文字で示します。「TC-422」は顔を模したイラストと機器上部の光の点灯で危険度を表示し、暑さ指数が「危険」の時にはアラームで知らせます。室内の状態が「危険」から変わらない場合は、停止ボタンを押さない限り1時間毎に約3秒間アラームを繰り返します。

 スーパーマーケットや家電量販店といった小売店のほか、ネット通販などのオンラインショップで販売します。価格はオープンで、公式オンラインショップでの価格はTC-420が3300円、TC-421が4400円、TC-422が5500円。3機種の合計で1年間で3万5000台の販売を目指します。

 2023年7月26日(水)

2023/07/25

🟧ヘルパンギーナやRSウイルス感染症、患者が多い状況続く ヘルパンギーナは21都道県で警報レベルの「6人」超

 国立感染症研究所によりますと、子供がかかりやすく発熱などの症状が出る感染症「ヘルパンギーナ」や「RSウイルス感染症」の患者が多い状況が続いています。専門家は「症状がある時は外出を控えるなど感染対策をとってほしい」としています。

 「ヘルパンギーナ」は夏に患者が増えるウイルス性の感染症で、5歳以下の子供がかかりやすく、発熱のほか口の中に水膨れができたり、のどが痛んだりといった症状が出ます。

 国立感染症研究所によりますと、全国の約3000の小児科の医療機関から報告されたヘルパンギーナの患者の数は7月16日までの1週間で、合わせて2万1443人となりました。

 1医療機関当たりでは6・86人で、過去10年で最多だった前の週の7・32人よりも0・46人下回りました。

 地域ごとでは、21都道県で警報レベルの「6人」を超えており、このうち宮城県の20・62人を始め、岩手県や山形県など8つの道県で10人以上となっています。

 また、風邪のような症状が出る病気で幼い子供が感染すると重症化することもある「RSウイルス感染症」は、7月16日までの1週間に報告された患者の数が合わせて9882人、1医療機関当たり3・16人となっていて、前の週の3・38人より減少しましたが、引き続き患者の多い状況が続いています。

 子供の感染症に詳しい新潟大学の齋藤昭彦教授は、「ヘルパンギーナはまだ流行のピークを迎えていない地域もあり、しばらく流行が続く可能性がある。特にRSウイルスは子供だけでなく高齢者でも重症になることがある。夏休みで帰省や旅行に出掛ける機会が増えるが、風邪の症状がある時は外出を控えたり、人混みではマスクをするなど感染対策をとってほしい」と話しています。

 2023年7月25日(火)

2023/07/24

🟧栃木県の店舗内で作業中の50歳代男性が熱中症で死亡、栃木労働局が労災事故で調査

 今月、栃木県内の事業所の店舗で作業をしていた50歳代の男性が熱中症で死亡したことが、栃木労働局の調べでわかりました。

 栃木労働局によりますと、7月3日午後3時半ごろ栃木県内の事業所の店舗内で作業をしていた50歳代の男性が倒れているのが見付かり、救急車で搬送されました。

 男性は搬送先の病院で治療を受けましたが、当日の夜に熱中症で亡くなったということです。

 栃木労働局によりますと、店舗内にはエアコンが設置されていましたが、使用していなかったということで、労働局は労災事故として当時の詳しい状況を調べています。

 県内で熱中症で死亡する労働災害が起きたのは2015年以来、8年ぶりだということです。

 県内では、7月に入って各地で35度を超える猛烈な暑さとなる日が続いていて、労働局では適切な冷房の使用やこまめな水分補給など職場における熱中症の予防の徹底を呼び掛けています。

 2023年7月24日(月)

🟧第一三共の血液がん治療薬、アメリカFDAが承認

 第一三共は20日、進行性の血液がんと新たに診断された患者を対象とする同社の治療薬「ヴァンフリタ(一般名:キザルチニブ塩酸塩)」をアメリカ食品医薬品局(FDA)が承認したと発表しました。

 FDAは、ヴァンフリタを血液・骨髄がんの一種である急性骨髄性白血病(AML)患者のうち、再発リスクの増加に関連する遺伝子変異を持つ成人患者を対象に承認しました。

 AMLは骨髄の中でがん細胞が増殖し、血液が正常に作れなくなる病気で、患者の約3割に特異な遺伝子変異が認められ、変異のない患者と比較して治療が難しく、再発リスクが高いとされます。キザルチニブはこの遺伝子に作用し、腫瘍の増殖を抑えます。

 第一三共は、ヴァンフリタの卸売り購入価格が17・7ミリグラムと26・5ミリグラムの両用量で1錠当たり546ドルだと明らかにしました。

 同社によると、ヴァンフリタは化学療法との併用および化学療法併用後の維持のための単剤療法として承認されています。

 第一三共はヨーロッパ血液学会で、ヴァンフリタの最初に投与するがん治療薬(一次治療)の臨床試験(治験)の結果について、死亡リスクが減り生存期間が延びたと発表しています。

 ヴァンフリタは日本ではAML治療の飲み薬として再発患者などを対象に2019年に販売承認を得て、2023年5月に一次治療としての使用も認められました。ヨーロッパでも申請が受理されています。

 同薬は、スイス製薬大手ノバルティスの「ライダプト」とアステラス製薬の「ゾスパタ」と競合します。

 2023年7月24日(月)

2023/07/23

🟧住民54人中25人、有機フッ素化合物が指針値超え 愛知県豊山町、配水場から検出

 愛知県豊山町の配水場から健康被害のリスクが高いとされる物質が検出された問題で、市民団体が周辺住民を対象に行った血液調査の結果を20日、記者会見で公表しました。

 2021年3月、水道水を家庭に配水する豊山町の豊山配水場で国が定めた暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム)を大幅に超える有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されたため、地下水のくみ上げが中止されました。

 こうした状況を受け、市民団体「豊山町民の生活と健康を守る会」が6月、豊山町と、隣接する北名古屋市の住民計54人の血液検査を行ったところ、25人のPFASの血中濃度がアメリカの学術機関が定める指針値で「健康に影響がある恐れがある」とされている1ミリリットル当たり20ナノグラムを超えていたということです。PFASは濃度が高いと健康へのリスクが高まるとされています。

 調査結果をまとめた京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)は、「配水区域の住民の血中PFAS濃度は比較的高い状況にあると考えられ、配水が停止されて2年が経過しているが、影響は持続していることがうかがえる」などと述べた上で、汚染源の特定とともに継続的なモニタリング調査が必要だと指摘しました。

 記者会見に同席した小泉昭夫京都大学名誉教授(環境衛生学)は、「(豊山町の)県営名古屋空港で使われた可能性がある泡消火剤が地下水を汚していると考えられる」と述べました。1994年に同空港で起きた中華航空機墜落事故でPFASを含む泡消火剤が使用された可能性があるといいます。

 PFASを含む泡消火剤を使っていたアメリカ軍横田基地(東京都)の周辺住民への血液検査でも、過半数が指針値を超えていました。

 市民団体は今後、医師による個別医療相談を行うほか、豊山町や周辺の河川や井戸水の調査を行うとしています。

 2023年7月23日(日)

🟩マイコプラズマ肺炎、埼玉県が関東で最多、全国2位の感染拡大 昨年同期の66倍に増加

 国立感染症研究所が発表した最新の調査結果によると、過去最大の流行となっているマイコプラズマ肺炎の感染が高水準の感染状況を維持し、中でも埼玉県は関東地方で最大、全国でも2位の感染拡大となってることがわかりました。  最新データ(10月28日~11月3日)では、1医療機関当たりの...