2023/10/16

🟧医師の時間外労働、年間960時間超えが2割 2022年の勤務実態調査

 来年度から医師の働き方改革が本格的に始まるのを前に、去年行われた医師の勤務実態調査の結果が公表され、休日・時間外労働の時間が来年度以降、「上限」の1つとなる年間960時間を超える医師の割合は4年前より減少したものの、依然として2割に上っていたことがわかりました。

 医師の働き方を巡っては2024年4月から、患者の診療に当たる勤務医に対して、労働基準法に基づき、休日・時間外労働の上限規定が適用され、年間換算で960時間が上限となります。

 これを前に、12日、厚生労働省の検討会が開かれ、2022年に行われた医師の勤務実態調査の結果が公表されました。

 この中で、休日・時間外労働時間が年間に換算すると、過労死ラインとされる月平均80時間に相当する960時間の上限を超える医師の割合は全体の21・2%、1920時間を超える医師は3・6%いることがわかりました。4年前の同様の調査より16・6%と4・9%、それぞれ減少したものの、依然、長時間労働が課題となっています。

 一方、働き方改革と地域医療体制の維持との両立が課題となる中、地域医療で中心的な役割を担う医療機関への調査では、来年4月時点で、大学病院の医師の引き上げにより診療機能に支障が出ることが見込まれる医療機関の数は、46の都道府県で合わせて「30」あったということです。

 検討会で委員からは、「単に労働時間を短縮するのでなく、現場の医師がワークライフバランスを実感できることが重要だ」とか、「自己研さんの時間が適切に勤務時間と認められているのか見直す必要がある」といった意見が出されていました。

 来年4月に向けて、各地の医療機関は労働時間短縮に向けた計画をまとめていて、国は研修会などを通して今後、さらに長時間労働の是正に向けた呼び掛けを進めることにしています。

 2023年10月16日(月)

2023/10/15

🟧新型コロナ後遺症、血液中物質に特定の変化 アメリカの大学の研究チーム発表

 新型コロナウイルスの感染後、症状が長引く人では、ストレス反応にかかわるホルモンが減少するなど、血液中の物質に特定の変化がみられるとする研究成果を、アメリカの研究チームが発表しました。研究チームは新型コロナの「後遺症」の正確な診断や治療法の開発に応用できるとしています。

 この研究は、アメリカのコネチカット州ニューヘイブンに本部を置くイエール大学の岩崎明子教授らの研究チームが、科学雑誌「ネイチャー」で発表しました。

 研究チームは、新型コロナに感染した後、けん怠感や息苦しさなど、何らかの症状が長引く「後遺症」が1年以上ある人と、感染後、後遺症がない人、感染しなかった人など、合わせて268人の血液成分を分析しました。

 その結果、後遺症がある人たちでは、血液中にあるB細胞やT細胞と呼ばれる特定の免疫細胞が増加していたほか、体内で潜伏していたヘルペスウイルスが活性化するなどの変化が確認されたということです。

 さらに、後遺症がある人では、体の状態を一定に保ちストレス反応にかかわる「コルチゾール」というホルモンの量が、後遺症がない人や感染しなかった人と比べ、半減していました。

 研究チームは、こうした変化を指標にすることで、新型コロナの後遺症の正確な診断や、治療法の開発につながるとしています。

 岩崎教授は「後遺症の中でも、けん怠感は、コルチゾールの低下が要因だと考えられ、ほかの症状も、免疫とホルモンの量が不安定になることで起きている可能性がある。後遺症があることを周りに理解されず悩み続ける人も多いので、原因の解明を目指し、さらに研究を進めたい」と話しています。

 2023年10月15日(日)

🟧ローソン、サラダチキンを自主回収 パッケージに記載がないアレルギー物質混入

 コンビニエンスストア大手のローソンは14日、全国で販売していたサラダチキンの商品の一部で、パッケージに記載のないアレルギー物質が混入していたとして、対象の6万個余りを自主回収すると発表しました。

 自主回収されるのは、ローソンのプライベートブランド商品で、伊藤ハム米久ホールディングスが輸入と加工を行っている「大きなサラダチキン 柚子こしょう風味」のうち、10月3日から14日午後5時までに全国の店舗に納品された約6万2000個です。

 会社側によりますと、13日に商品を食べた人から「小麦アレルギーの症状が出た」と問い合わせがあり、調べたところ、パッケージに記載のないアレルギー物質の「小麦、卵、乳成分」が混入していたことがわかったということです。

 今のところ健康被害の報告は1件で、対象商品は製造を中止し、店頭から撤去したということですが、約1万8000個がすでに購入されたということで、アレルギーのある人は口にしないよう呼び掛けています。

 原因は調査中だということで、ローソンは「お客さまにご迷惑をおかけし深くおわび申し上げます。再発の防止と品質管理の徹底に努めてまいります」とコメントしています。

 問い合わせ先は、フリーダイヤル0120-07-3963で、15日と平日の午前9時から午後5時まで、受け付けています。

 2023年10月15日(日)

2023/10/14

🟧睡眠時間が理想より不足、うつ病リスク高まる傾向 厚労省・過労死白書

 厚生労働省は13日、2023年版の「過労死等防止対策白書」を公表しました。睡眠時間が理想より不足すればするほど、うつ病などになるリスクが高まるという調査結果を示し、「心身の健康を保つためには、睡眠時間の確保が重要」と指摘しました。

 白書では、労働者や自営業者ら9852人を対象に、昨年12月に行ったアンケート調査の結果を分析しました。理想とする睡眠時間は、「7~8時間未満」が最多の約45%でしたが、実際に確保できているのは、「5~6時間未満」が最も多く約36%でした。

 睡眠時間と精神状態の関係を比較したところ、うつ病や不安障害の疑いがある人の割合は、理想の睡眠時間を確保している場合や、理想より1時間不足している場合では20%未満でした。これに対し、理想から2時間不足すると約28%、3時間不足すると約38%に上り、理想と実際の睡眠時間の差が広がると、精神状態が悪化する傾向がみられました。差が広がるにつれて、幸福感も低下する傾向がみられました。

 また、前日の疲労を翌朝に持ち越すことがある人の割合は、労働時間が「週20~40時間未満」で約53%だったのに対し、「週60時間以上」では約69%に達しました。

 「週60時間以上」だった人は2022年に8・9%で、前年から0・1ポイント増え、9年ぶりに増加に転じました。「週60時間以上」働いている人の4割以上が理想の睡眠時間から2時間以上不足していました。

 白書は、「労働時間が長い人は疲労を翌日に持ち越しやすく、うつ傾向も高い。心身の健康を保つため、睡眠時間を確保することが重要になる」としています。

 白書ではこのほか、芸術・芸能分野で働く人たちの労働実態も初めて調査。640人の回答を分析したところ、「声優・アナウンサー」(35人)の約26%、「俳優・スタントマン」(108人)の約20%がセクハラ被害を受けた経験があると答えました。

 2023年10月14日(土)

🟧海外から入る感染症、到着旅客機などの下水の分析で検知へ 関西空港で研究開始

 国際空港のターミナルや旅客機から出された下水を分析することで、海外から入ってくる感染症の流行を予測し、対策に役立てようという研究が、関西空港で始まりました。この研究は、大阪公立大学の研究チームが進めます。

 関西空港の下水を処理する浄化センターのタンクから、ターミナルや旅客機のトイレから出された処理する前の汚水を採取し、感染症を引き起こすウイルスや細菌の有無や量を分析します。

 13日から泉佐野市の大学の研究室で分析が始まり、メンバーは12日に採取した汚水約3リットルを遠心分離機にかけて沈殿物を取り出していました。

 研究チームでは、月に2回程度汚水を採取して、新型コロナウイルスやインフルエンザ、はしか、デング熱など、約30種類の感染症について大阪府内での流行状況を照合して関連を分析し、流行の予測につなげたいとしています。

 研究チームによりますと、国内のいわゆる国際空港でこうした研究が行われるのは初めてだということです。

 研究チームの代表を務める大阪公立大学大阪国際感染症研究センターの山崎伸二 教授は、「たくさんの外国人がくる2025年の大阪・関西万博までに流行の予測モデルをつくり、感染対策に活用したい。未知の感染症・病原体の把握にも努めたい」と話しています。

 下水に含まれるウイルスや細菌の遺伝子を分析し感染症の流行をとらえる「下水サーベイランス」は、欧米の一部の国際空港では水際対策の一環として取り入れられています。

 日本でも新型コロナウイルスの感染拡大で注目されましたが、活用には課題もあります。

国は2021年に下水サーベイランスの推進計画を策定し、自治体や大学、研究機関など合わせて20のグループが新型コロナウイルスについて下水処理場などで実証実験を行いました。

 その結果、市中の流行状況や変異型ウイルスへの置き換わりについては、相関関係が確認できたということです。

 一方で、大量の水に希釈される下水という特性からデータのばらつきが大きいことに加え、汚水の採取や分析の手法が複数ありノウハウが不足しているなど、課題も多いということです。

 今回の大阪公立大学の研究では、こうした技術的な課題の解決策についても検討を進めることにしています。

 2023年10月14日(土)

🟧冬に多発「入浴時の突然死」、約9割が65歳以上の高齢者 鹿児島大が調査

 寒さが厳しい時期の入浴時などに起きる突然死について、鹿児島大学の研究チームが検視を行った警察の協力を得て調査したところ、入浴中やその前後に起きた突然死の約9割が65歳以上の高齢者で、半数が12月から2月の冬場に集中していたことがわかりました。

 気温が低く、1日の気温差が大きいほど突然死が起きやすいということで、研究チームは警戒を呼び掛けることにしています。

 鹿児島大学の研究チームは、2006年から2019年までの14年間に、鹿児島県内で入浴中やその前後に突然死した2689人について、年齢や発生した日時などを検視を行った警察の協力を得て調査しました。

 その結果、全体の約9割が65歳以上の高齢者で、半数のケースが12月から2月の冬場に集中していたほか、気温が低く1日の気温差が大きいほど突然死が起きやすいことがわかったということです。

 統計上の分析では、入浴時の死亡リスクが高まるのは鹿児島市で最高気温が14・5度未満で、最低気温が5度未満、そして、1日の気温差が8度を超えた場合だとしています。

 こうした突然死は、脱衣所と浴室、それに浴槽内のお湯との温度差によって血圧が急激に変化し、心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」が原因と考えられていますが、特に高血圧の既往症のある人が全体の4割以上を占めていました。

 2019年までの14年間に鹿児島県内で入浴時の突然死で亡くなった人は、同じ時期に交通事故で亡くなった960人の3倍近くに上っているということです。

 研究チームは高齢化に伴って今後もさらに増えることが予想されるとして、入浴する場合は脱衣所と浴室の間の温度差をなくし、浴槽に入る前に心臓から遠いところから体に湯をかけること、それに、同居している人と声を掛け合うことなどを心掛けてほしいとしています。

 また、鹿児島大学は11月から2024年2月まで、分析した気温条件により、突然死の恐れが高いと予想される日は、入浴に気を付けるよう呼び掛ける警戒情報(アラート)をホームページで発表することにしました。

 例えば、鹿児島市の場合は、最高気温が14・5度以下、最低気温が5度以下、1日の気温差が8度以上の時に死亡のリスクが高まることから、3つの条件が重なる時に「警戒(赤)」、2つが「注意(黃)」、1つ以下の時は「油断禁物(青))」となります。

 このような試みは全国初ということで、鹿児島大学は効果などを検証した上でこの取り組みを全国に広めていきたい考えです。

 2023年10月14日(土)

🟧潰瘍性大腸炎の治療薬「ミリキズマブ」、クローン病への効果を治験で確認 アメリカのイーライ・リリー

 アメリカの医薬品大手のイーライ・リリーはこのほど、同社の潰瘍性大腸炎の治療薬「ミリキズマブ」について、消化器系の難病クローン病への効果を後期臨床試験(治験)で確認したと発表しました。この結果を受けて、2024年にアメリカなどで販売承認を申請する計画です。

 治験では中度から重度のクローン病の患者にミリキズマブを投与し、偽薬(プラセボ)を投与したグループと比較。52週目の時点でクローン病の症状がない「寛解」状態だった患者はミリキズマブ投与のグループでは54%でした。偽薬投与グループの約2割を大きく上回っており、クローン病の症状改善に効果が期待できると結論付けました。

 ミリキズマブは潰瘍性大腸炎の治療薬として、日本で2023年3月に承認を取得し、日本イーライ・リリーが製品供給を担当し、持田製薬が「オンボー」の商品名で販売しています。

 クローン病は腸など消化器に慢性の炎症を引き起こす難病。遺伝や免疫の働き、食生活などが発症に影響すると考えられているものの、はっきりとした原因はわかっていません。

 アメリカではクローン病と潰瘍性大腸炎を合わせた患者数は2015年の時点で約300万人でした。日本のクローン病患者は7万人程度とされ、アメリカに比べて発症率は低いものの、患者数は増加傾向にあります。

 2023年10月14日(土)

🟥インフルエンザ、昨年より約1カ月早く流行 特に子供で広がる

 インフルエンザの流行が昨年よりもおよそ1カ月早いペースで進んでいる。特に今シーズンは子供の患者が多く、専門家は学校での換気や人混みでのマスクの着用など対策を呼び掛けている。  国立健康危機管理研究機構などによると、11月23日までの1週間に全国約3000カ所の定点医療機関から...