2023/10/27

🟩インフルエンザ感染者、前週比1・48倍で推計54万人 愛媛県は「警報」レベルに

 厚生労働省は27日、全国約5000の定点医療機関から16~22日に報告されたインフルエンザの感染者数は計8万1160人で、1医療機関当たり16・41人だったと発表しました。前週比1・48倍で、沖縄県を除く46都道府県で増加。全国の推計感染者数は約54万4000人でした。

 都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が最多なのは愛媛県の39・90人で、「警報」の基準となる30人を上回りました。次いで多いのは千葉県29・39人、埼玉県28・41人で、警報目前となっています。「注意報」レベルの1医療機関当たり10人を超えたのは31都府県。

 少なかったのは福井県2・15人、富山県3・42人、岩手県3・62人など。休校や学級閉鎖などになったのは全国で計3751施設でした。

 新型コロナウイルスの流行が始まった2020年以降はインフルエンザの流行規模が小さく、免疫が低下するなどして、すべての年代が感染しやすくなっているとみられます。

 厚労省はマスク着用や手洗いなど、基本的な感染対策が有効だと呼び掛けています。

 2023年10月27日(金)

2023/10/26

🟩井戸から国の値の10倍のPFAS検出 静岡市清水区の化学工場、敷地の外で

 発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」を使用していた静岡市清水区三保の化学工場従業員の血液から高濃度のPFASが検出された問題で、工場敷地外の井戸で24日に採取した水から国の目標値を10倍以上上回るPFASが検出されたことが、京都大准教授と静岡新聞社の調査で25日までにわかりました。

 内部資料から2006年12月、工場敷地内南西にある井戸から目標値の3万8000倍以上に当たるPFASの一種PFOA(ピーフォア)が検出されていたことも、明らかになりました。

 工場は、現在の「三井・ケマーズフロロプロダクツ」の清水工場で、「テフロン」で知られるフッ素樹脂などを生産しています。2000年代初頭まで年間10トン程度のPFOAを大気中や敷地外の水路に排出し、2007年までに排出をほぼ全廃。2013年には使用自体を工場全体で廃止しました。

 敷地外の井戸のPFASの濃度は、京都大医学研究科の原田浩二准教授(環境衛生学)が分析。静岡新聞社が地主の許可を得て、工場敷地内南西の井戸から半径数百メートル以内にあり、地下5~10メートルから採水する家庭菜園用の井戸2カ所から24日に採水した水を調べました。現在製造や輸入が禁止されているPFASの一種PFOAとPFOS(ピーフォス)の1リットル当たりの濃度は534・72ナノグラムと234・68ナノグラムとなり、同50ナノグラムとする目標値の10・6~4・6倍でした。

 原田准教授は、「過去の経緯から清水工場由来のPFASであると考えてよいだろう。行政は広範囲の地下水、土壌調査を行う必要がある」と指摘しました。

 内部資料によると、2006年12月時点で工場敷地内南西の井戸からは、国の目標値の3万8760倍となる1リットル当たり193万8000ナノグラムを計測。PFOA排出をやめた2007年3月にも目標値の1万6880倍の同84万4000ナノグラムでした。

 三井・ケマーズフロロプロダクツは、工場からの排水は「適切な管理をしている」とした上で、工場の敷地外の調査はしていないとしました。今後は「周辺環境(敷地外)調査は行政の要請にもとづき、協力していく」と回答しました。

 2023年10月26日(木)

🟩東京都のプール熱の感染者数、前週に続き警報の基準超える

 東京都内の感染症について、都は26日、10月22日までの1週間の動向を公表しました。

 それによりますと、子供を中心に感染する咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の感染者数は、1医療機関当たり2・41人で、前の週の1・18倍に増え、引き続き警報の基準を超えています。

 また、インフルエンザの感染者数は、1医療機関当たり21・74人で、前の週の1・34倍になり、引き続き注意報の基準を超えています。

 一方、新型コロナの感染者数は、1医療機関当たり2・11人で、7週続けて減少しています。

 都によりますと、10月16日から22日までの1定点医療機関当たりの患者報告数は2・11人で、前の週の2・33人からさらに減少しました。減少は7週連続で、今年5月の新型コロナ5類移行後で最も低くなりました。

 また、10月23日時点の入院患者数は580人で、前の週から約100人減少しました。

 専門家は、「入院患者数は引き続き減少し、現時点では入院医療提供体制への大きな負荷はみられない」と分析しています。

 都は、換気や、場面に応じたマスクの着用、せっけんでの手洗いなどの感染対策を呼び掛けています。

 2023年10月26日(木)

🟩福島第一原発、汚染水処理設備で作業員5人に廃液かかる 除染と経過観察のため2人入院

 東京電力は、福島第一原子力発電所で、汚染水の処理設備を洗浄していた作業員5人に誤って放射性物質を含む廃液がかかるトラブルがあったと発表しました。いずれも防護服などを着用していましたが、このうち2人は除染をしても放射線量が基準を下回らなかったことから、福島県立医科大学に搬送して引き続き除染を続けています。

 東京電力によりますと、25日午前10時半すぎ、協力会社の20~40歳代の男性作業員5人が汚染水の処理設備で、配管の内部を洗浄していたところ放射性物質を含む廃液をタンクに流すためのホースが外れ、約100ミリリットルの廃液が周囲に飛び散りました。

 この際、作業員に廃液がかかりましたが、いずれも防護服と全面マスクを着用していて、放射性物質を体の中に取り込むことはなかったということです。

 ただ、このうち4人は廃液が皮膚まで届き、東京電力は水で洗い流す対応を取ったということですが、20歳と40歳代の男性作業員2人は9時間近くがたっても、放射線量の値が一定のレベルを下回らなかったため、福島県立医科大学に入院して除染を続けているということです。

 東京電力によりますと、医師の診断の結果、放射線による急性の障害はみられていないということで、詳しい被ばく線量などを確認しているということです。入院期間は不明ですが、2週間は経過観察する見通し。

 東京電力によりますと、20歳代男性の外部被ばく線量はベータ線で6・6ミリシーベルト。線量計に設定していた5ミリシーベルトを上回り、現場でアラームが鳴りました。40歳代男性の被ばくは1・6ミリシーベルトでした。ガンマ線による2人の被ばくは最大0・11ミリシーベルトで、25日の作業で想定していた最大量0・6ミリシーベルトを下回りました。

 2023年10月26日(木)

🟩新型コロナワクチン誤接種、9歳児に12歳以上用 千葉県習志野の医療機関

 千葉県習志野市は25日、新型コロナウイルスワクチンの接種を巡り、市内の医療機関で、本来は12歳以上を対象とするオミクロン型対応型ワクチンを誤って9歳11カ月の男児に接種していたと発表しました。これまでのところ男児の健康状態に変化はなく、体調に問題はないとしています。

 市によると、この医療機関では12歳以上が対象のワクチンしか取り扱っていないものの、接種の予約を受け付けた時点と10月21日の接種当日の両方で男児の年齢確認を怠ったことで誤接種が発生したとしています。

 23日に医療機関側が男児の接種情報をシステム上に登録しようとしたところ、年齢誤りのエラーが出たため、誤接種を認知。医療機関側は保護者に連絡し、謝罪しました。

 市は再発防止策として、コロナワクチンの接種を手掛ける市内の医療機関を対象に、今回の誤接種のケースを共有するとともに、接種時の年齢確認の徹底を指導していくとしています。

 2023年10月26日(木)

2023/10/25

🟩性別変更の条件に生殖能力なくす手術必要な規定は「違憲」 最高裁大法定決定

 性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更するには生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする法律の要件について、最高裁判所大法廷は「意思に反して体を傷付けられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として、憲法に違反して無効だと判断しました。

 法律の規定を最高裁が憲法違反と判断するのは戦後12例目で、性的少数者(LGBTなど)の権利に関しては初めて。国会は法律の見直しを迫られることになります。

 性同一性障害の人の戸籍上の性別について定めた性同一性障害特例法では、生殖機能がないことや、変更後の性別に似た性器の外観を備えていることなど複数の要件を満たした場合に限って性別の変更を認めていて、事実上、手術が必要とされています。

 この要件について、戸籍上は男性で女性として社会生活を送る当事者は「手術の強制は重大な人権侵害で憲法違反だ」として、手術なしで性別の変更を認めるように家庭裁判所に申し立てましたが、家裁と高等裁判所は認めませんでした。

 25日の決定で、最高裁判所大法廷の戸倉三郎裁判長は、生殖機能をなくす手術を求める要件について「憲法が保障する意思に反して体を傷付けられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として、憲法に違反して無効だと判断しました。

 一方、そうした制約の必要があるかどうかについて、子供が生まれ、親子関係の問題が生じるのは極めてまれで解決も可能なこと、特例法の施行から19年がたち、これまで1万人以上の性別変更が認められたこと、性同一性障害への理解が広がり、環境整備が行われていること、海外でも生殖機能がないことを性別変更の要件にしない国が増えていることなどを挙げて「社会の変化により制約の必要性は低減している」と指摘しました。

 憲法違反の判断は、裁判官15人全員一致の意見です。最高裁は2019年1月、性別変更後に変更前の生殖機能で子供が生まれれば、親子関係で社会に混乱が生じる恐れがあるとして生殖不能手術要件を合憲と判断していました。この際は裁判官4人の小法廷による決定でしたが、裁判官全15人が審理に参加する大法廷で憲法判断を変更しました。

 一方、手術なしで性別の変更を認めるよう求めた当事者の申し立てについては、変更後の性別に似た性器の外観を備えているという別の要件について審理を尽くしていないとして、高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。申立人の性別変更が認められるかは結論が持ち越されました。

 下級審は最高裁の判断に拘束されるため、生殖不能手術を受けていない人が今後、性別変更を望んだ場合、他の要件を満たしていれば性別変更を認めることが可能となります。ただ、外観要件は維持されるため、変更後の性別の性器に近付ける適合手術が必要となるケースは残るとみられます。

 2023年10月25日(水)

🟩旧優生保護法で不妊手術強制、2審も国に賠償命じる 仙台高等裁判所

 旧優生保護法(1948~1996年)の下で不妊手術を強いられたとして、宮城県内の男性2人が国に計6600万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、仙台高等裁判所でありました。小林久起裁判長は、国に計3300万円の賠償を命じた1審・仙台地方裁判所判決を支持し、国側の控訴を棄却しました。

 同種訴訟は全国12地裁・支部に起こされ、高裁判決は7件目。過去6件のうち4件は請求を認めたものの、残る2件は、不法行為から20年がすぎると賠償請求権が消える「除斥期間」を適用するなどして請求を退けており、判断は分かれています。

 訴えたのは、70~80歳代の男性2人。それぞれ1950~1960年代に旧優生保護法に基づいて不妊手術を受けさせられたと主張。子供を生み育てるかどうか意思決定する自由などを奪われ、憲法に違反するなどとして提訴しました。

 今年3月の1審判決は旧優生保護法について、幸福追求権を定めた憲法13条や法の下の平等を保障した憲法14条に反すると判断。国が優生思想を普及させる中、提訴するのは難しかったとし、除斥期間の適用は「著しく正義・公平の理念に反する」として国に賠償を命じていました。

 2023年10月25日(水)

🟪マダニ感染症「SFTS」、神奈川県内の60歳代女性が入院 発熱や倦怠感、経路は不明

 神奈川県は11日、主にマダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を、松田町在住の60歳代女性が発症したことを確認したと発表しました。  県によると、県内でSFTSの患者が発生したのは2023年以来、2例目。女性は発熱や全身の倦怠(けんたい)感などの...